2024.03/05 アイデアの出る問題解決法
日本における問題解決法は、名探偵ホームズのように仮説を立案し、その仮説の真偽を確認する作業が標準で、これを小学校から学ぶ。ただし、これはいまや日本だけではないか。
アメリカで刑事コロンボが生まれ、名探偵ホームズのような問題解決法で技術開発を行っていた日本は、世界一と持ち上げられたかと思うとバブルが崩壊し、失われた30年となった。
アメリカにあっという間に差をあけられ、刑事コロンボは、いつの間にか再々放送も無くなった。アメリカでは刑事コロンボが定着したが、日本では忘れられていった。
しかし、日本ではプログラミング教育の重要性が20世紀末から言われ始め、ようやくそれが普通に行われるようになって、あと5年もすると、刑事コロンボタイプで問題解決をする若者が世の中に出てくる。
このように書いても訳の分からない人は、弊社へ問い合わせていただきたい。問題解決法には少なくとも二通りあり、刑事コロンボタイプが迅速な問題解決を約束する。今月これに関してセミナーを開催します。土日参加であればサービス価格で提供いたします。
(注)当方はゴム会社でSiCの半導体治工具事業を立ち上げたあと、6年間研究が続けられても耐久性問題が解決されていなかった電気粘性流体の様々な問題をデータサイエンスで解決している。しかも、過去の研究データとか資料をリーダーから見せてもらえず、詳細な技術など分からない状態である。データサイエンスのデータは、カタログや静電気に関わる情報から集めている。
まず、耐久性問題については、加硫剤も添加剤も入っていないゴムを開発せよ、とリーダーが依頼してきたことが原因である。詳細は過去の活動報告に書いている。ゴムがどのような機構でゴム弾性を発現しているか理解しておれば、このようなテーマがユニークという評価ではなく、技術者としても常識的なゴム会社の社員としても信じられない依頼であることを理解できる。明らかに住友金属工業とのJVの妨害をしてきたのである。当時の研究所は、BMと同様の信じられないことが多発していた。普通の感覚なら異常と感じるような出来事で、当方が転職した時に電気粘性流体に関わっていた他の若者2名も転職している。このような異常な風土の中での狂気のテーマだった。耐久性問題は、界面活性剤でなければ解くことができない、と誰もが思っていたのに、リーダー含め博士2名含む高学歴スタッフ数名が1年かけて界面活性剤で解けない、という科学的に完璧な否定証明を完成させたのである。
科学でものを考えることの危うさはここにある。この10年発達障害とかいろいろ騒がれているが、科学という哲学の弊害をイムレラカトシュが指摘しても、あまりそれが話題となっていない。科学の方法は彼が言うように素晴らしい方法である。しかし、それに人類が対峙するときに人間として考えなければいけないことがある。科学を完璧に実現しようとすると否定証明となる、とは彼が初めてだした警告である。科学は一つの方法であって、人類は科学の無い時代から技術開発をしてきたことを思えば、非科学的な問題解決法を現代でも活用すべきである。特にトランスサイエンスの問題はこのような姿勢でなければ問題解決などできない。
さて、電気粘性流体の話に戻るが、当方は界面活性剤のカタログデータをMZ80Kに打ち込んで、主成分分析を行い、界面活性剤がHLBだけでは説明できないいくつかの群に分かれることを発見した。この発見は大した発見ではない。8bitマイコンがはじき出したその結果を考察し、そこから選んだ界面活性剤を増粘した電気粘性流体に添加し、増粘が解消されることを見つけた。この検証が大切である。そして一晩耐久試験を行い、実用化できることを示すデータを出した。当時の電気粘性流体をゴムケースに入れて耐久試験を行えば2時間でヘドロ状態になったので、一晩徹夜して耐久試験に合格することを見定めれば十分だった。
ここでは、科学の方法を使用していない。ただ、データサイエンスでデータを整理しただけである。データサイエンスは、その手法の研究は科学で進められるが、その手法を適用したときに、それが科学である保証は無い。例えばデータサイエンスによる恋人選びを想像してもらえれば理解できるだろう。いくらコンピューターが選んでくれても心のときめきが無ければ、その結果は恋に発展しないのである。
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