高分子には様々な添加剤が添加され、コンパウンドとして提供されている。透明性が要求される光学用レンズ材料でさえも数種類の添加剤が入っている。
この添加剤の中には、目的が不明の場合もあることをご存知か。ゴム配合技術を新入社員の時に習ったが衝撃的なことを教えられた。何故添加しているのか不明の添加剤があるというのだ。
その添加材を入れなくても物性変化はないが、耐久寿命が変わるので、寿命に効いている、と言われているが、そのメカニズムが不明という。
ただし、その添加材を抜くと寿命試験で短くなる結果が得られるという。当方は不思議に思い、一度その添加材を抜いてみたところ、物性も耐久性も何も影響が出なかった。
しかし指導社員からコストダウンの目的でもない限り、抜かない方が良い、と言われた。理由は、現場でも知られており、その添加材が添加されていない配合は信頼度が低くなるかららしい。
同じような問題が写真会社に転職した時に発生した。エポキシ基を持った添加剤である。接着剤によく使われる分子構造であるが、発がん性のある化合物が多い。
これを廃止する企画をしたが、最初はゴム会社と同様の理由で没になった。そこで、多層塗布における接着について基礎研究を進め、各層の弾性率と応力分布の関係等基礎的事項について研究成果を積み重ね、この化合物が無くても十分な接着力を出せる手法を開発した。
その結果、この添加剤を抜くことができたのだが、これは、科学的に証明できたので周囲の理解が得られたのだが、大変な作業であった。
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科学は論理学の完成により誕生した、と言われている。おりしも産業革命が始まった時代であり、科学という哲学は、社会で歓迎された。おそらく猫も杓子も科学という考え方を身に着けたいと思ったに違いない。
探偵小説の誕生がそれを表している。名探偵ホームズは一躍スターになっている。彼の事件解決のスタイルそのものが科学的であり、読者はこの本で科学の姿勢を学んだ。
ホームズは、ベーカー街にある事務所で助手のワトソンと仮説を練り、事件解決に動き出す。そして仮説が外れたり、不十分な仮説と反省するとベーカー街に戻り、再度仮説を練り直す。
まさに科学の姿勢そのもので分かり易い。読者はホームズの仮説を練る過程で一緒に推論を展開し、犯人を予測する。当方は探偵小説を読むときに、いつも最後から読んでいた。
ゆえに、刑事コロンボが放映された時に、この番組は当方のツボにはまった。この番組では、まず事件のすべてから始まる。すなわち視聴者は、犯行現場だけでなく、犯人の心理状態からすべて情報を知ったうえで、刑事コロンボの活動を見ることになる。
刑事コロンボは、ホームズのように科学的に忠実に事件解決に当たらない。なぜか、偶然犯人とすれ違ったり、彼のかみさんの話が飛び出したりするのは、水戸黄門のご都合主義のようでもあるが、それも面白い。
とにかく、コロンボは科学に拘らず、ありとあらゆる方法で推論を展開し、時には、緻密ではない推論を完成させるために、犯人しかわからないトリックを仕掛け、犯人逮捕したりする。
日本では違法なのだが、アメリカでは許されるらしいが、この非科学的工夫を駆使して犯人逮捕する過程を視聴者は楽しむことになる。ゆえに名探偵ホームズよりも数倍面白い。ちなみに、このようなスタイルを倒叙探偵小説と呼ぶ。
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様々な問題解決法が20世紀に登場したが、オブジェクト指向ほど合理的な問題解決法は無いように思う。何が合理的かというと、問題を解析してゆくと、それが答えとなってゆくからである。
プログラミング言語の手法として考え出された方法だが、問題解決でも有効に機能する。そもそもプログラミングのアルゴリズムを考えることは、問題解決をしていることなのだが。
最近データ指向という言葉が登場したが、オブジェクト指向と同じで、オブジェクトとしてデータオブジェクトを独立して扱おう、という考え方である。
50年前、データは単なる数値だった。それがオブジェクト指向の登場により、単なる数値ではなくなったのだが、このあたりを理解できていない人が多い。
もし、50歳未満でデータオブジェクトの意味が分からない人がいたならば、勉強不足と思っていただきたい。この年代から生活の中にオブジェクト指向が入ってきたからである。
もっとも当方が転職した時に入社した新入社員でワープロを使ったことが無い人がいた。さらにウィンドウズ95の時代の新入社員でエクセルを使ったことが無い新入社員がいた。
面白いのは、ワープロを知らなかった新入社員は何とか救済できたが、エクセルを使ったことが無かった新入社員は、その後も仕事ができず残念な技術者生活を送っている。
時代とともに人類は進化しており、学生時代にワープロやエクセルを知らなくても良かった時代は終わったのである。オブジェクト指向という用語も同じであり、50歳未満でご存知ない方は、こっそりと休日弊社のセミナーを受講されることをお勧めする。ご相談ください。
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ある日突然高分子製品が壊れた経験は無いだろうか。例えば樹脂製のフックが壊れたり、パンツのゴム紐が伸びきった状態になっていたりする故障はクリープが関係している。
金属やセラミックスのクリープの多くは拡散クリープとして説明され、その寿命予測も実験室結果をうまく再現できる設計が可能だが、高分子のクリープ問題は悩ましい。
何故なら、科学で解明できていないからである。ただし、現象の幾つかは再現よく現れ、技術として問題を解くことが可能で、その解に沿って品質管理を行えば、品質問題を回避できる。
すなわち、トランスサイエンスとして扱う知識があれば、製品設計が可能と言える。もちろんこの時はロバスト設計が基本となり、タグチメソッドを使用する。
ゆえに高分子の破壊問題では、タグチメソッドが不可欠であるが、タグチメソッドをご存知ない方はお問い合わせください。Pythonのプログラム付でご指導するので、すぐに実験で活用できます。
タグチメソッドのセミナーにつきましては、「Pythonで学ぶタグチメソッド」をお勧めします。セミナーは1人でも開講いたしますのでお問い合わせください。複数受講の場合にはサービス価格でご提供いたします。
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9月末に広州で再生材に関する国際会議が開催される。樹脂再生材と言えば中国で、広州のヒルトンホテルで開催されるのだが、日本化学会や高分子学会の会報には案内が無い。
中国では10年以上前から国際学会や展示会が多く開催されるようになった。しかし、ほとんどが日本国内で告知されていない。展示会は、中国国内企業が大半のようで、それを見学しても海外企業は展示会の業界で知られている企業以外展示していない。
しかし、日本では告知されていなくても中国の産業動向を知るには勉強になる。8年ほど前の炭素繊維複合材料の展示会は、国際という冠は無く中国企業だけの展示会であったが、結構大規模な展示会であり、中国において炭素繊維複合材料に力を入れていることを理解できた。
さて、今回の再生材に関する国際会議だが、海外からの講師も招聘されており、かなり中身が濃い会議である。学術的なものであれば関係学会に案内が来るので、おそらく産業が主体の会議と思われる。
小生も招待講演者に選ばれており、PETボトルの再生材を用いたポリマーアロイについて、講演するのだが、PC/PETは現在も生産されているので話しやすいが、PETを80%含有した成形体について悩んでいる。
予稿集の締め切りも近いので決断しなくてはいけないが、原料の廃材が無くなったのですでにディスコンとなった材料である。
再生材を設計するときに気をつけなければいけないのは、廃材の生産調整はできない、という事実である。原料のゴミがが無くなれば、再生材を生産できなくなる。ただし国内の樹脂再生率はまだ2割台なので当分は大丈夫である。
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ChatGPTが登場してから1年以上経ったが、その進化は止まらない。さらに各社から様々な生成系AIが短期間に登場したが、これは基本エンジン部分のアルゴリズムがオープンとなっているから。
すなわちオープンイノベーションである。ソフトウェアー技術の開発を促進するためにコンピューター技術の分野ではLINUXをはじめとしたオープンソースが多い。
コンピューター技術分野の独特の文化に支えられて現在のAIの進化がある。弊社もこのAIを活用する立場から研究を行い、さまざまなノウハウを獲得し、この半年間セミナー会社にてセミナーを行ってきました。
9月から使用シーンをプログラミングと問題解決に絞ったセミナーを行います。WEB上に公開された情報の検索であれば、検索エンジンを使うよりもAIを使用した方が便利である。
さらに、各AIが学習している情報もあるので、一部文献検索にも制限があるが活用できる。驚くのは、国会図書館で検索にひっかからなかった文献が得られた経験もある。
AIが気を使って提案してくれた文献である。当初ハルシネーションと思ったが、その文献を取り寄せてみると関係していた文献であるが、キーワードが含まれていなかった。
1年以上前のAIよりもハルシネーションを起こす頻度は下がったように思う。また、ハルシネーションを回避するプロンプトのノウハウもあるので、これを活用すればハルシネーションに悩まされず快適なAIのある生活ができる。弊社のセミナーにご参加ください。
カテゴリー : 一般
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高分子の難燃化技術は、トランスサイエンスの分野である。そもそも火災という現象そのものがトランスサイエンスである。燃焼をいくら管理して実験を行っても、それが非平衡で酸化が進行しているならばトランスサイエンスの現象であることを悟るべきだ。
未だ非平衡の現象を科学で解析できていない。そこを理解できていると、無重力状態における燃焼現象が地上と異なることに驚く必要はない。地上と異なるのは「当たり前」である。
地上では、自己消火性となる酸素濃度で可燃性の高分子を無重力状態で燃焼させると燃え続けたのでびっくりした、ということがニュースで報じられた。当方ならば驚かない。
宇宙での火災、とりわけ宇宙船の中の火災は人命にかかわるので重要な研究とばかりに、科学の研究を始めた学者がいるそうだが、センスが悪い。
もっとも、世間は高分子の難燃化技術について未だ正しい理解をしている人が少ないので、いかがわしいサイエンスショーでも「科学」と持ち上げるように、哀れみではなく称賛として見られるのだろう。
科学者と称する人は、自分が正しいと思い込んでいる人が多いように思う。科学的手順で答えを出せばそれは皆が科学として認めてくれる。
仮に無駄な答えでも無知な人から見れば宝物のように見えるのだろう。無駄な知識になっているだけなら良いが、時々間違った問題で正しい答えを出している場合もあるので困る。
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9月に下記WEBセミナーを開催します。開催時間は10時から16時で12時から13時はお昼休みとなります。なおテキストは電子ブック形式で配布いたします。
費用:
テキスト代込参加費用:3万円(税込)
①.高分子の劣化と寿命予測
開催日:
9月4日水曜日(申込締切9月2日)
9月13日金曜日(申込締切9月11日)
概要と目次(クリックで開く)
樹脂・高分子材料が化学変化で劣化すると仮定して、その寿命予測はT-t線図によるアレニウスプロット法で行われるのが一般的である。
また、物理変化を仮定した場合には、過剰変形や高温加熱などの促進試験を行う。市場での劣化は、化学変化や物理変化が同時に進行すると仮定して、この両者の結果から製品寿命を予測する。
しかし、市場での複合変化を実験室で独立した事象として実験している矛盾に気がついておらず、アレニウスプロット法は信頼性に欠ける手法といわざるを得ない。
そこで、化学変化も物理変化も可能な独自の寿命予測法をノウハウとして品質評価試験に採用している企業もあるが、それでも品質問題に悩まされるのが実情である。 本セミナーでは、実際に講師が体験した高級フィルムカメラの裏蓋の破壊事例をはじめ、複数の事例を基に、樹脂・高分子材料の劣化や破壊について基礎から説明するとともに、ワイブル統計の活用法についても説明する。
また、数年前から大学でデータサイエンスの講座設置がブームとなっている状況を鑑み、マテリアルズインフォマティクスの概説も行う。
<対象>
(1) 高分子材料開発を担当する技術者
(2) 高分子材料の品質管理を担当する部門の担当者及び管理者
(3) 製品設計を担当する技術者
(注)高分子物性も含む高分子材料の基礎事項も説明しますので高分子の専門知識が無くても役立ちます。
<目次>
1.固体の破壊力学
1.1 破壊とは
1.2 材料力学と破壊力学
1.3 Griffithの理論
1.4 線形破壊力学の要点
1.5 フラクトグラフィー
1.6 ワイブル統計
1.7 事例:セラミックスの破壊解析
2.高分子の破壊
2.1 高分子概論
2.2 高分子の破壊機構
a.エラストマーの破壊力学
b.クレイジング
c.事例:ポリ乳酸
2.3 高分子の劣化機構
a.化学劣化
b.物理劣化
2.4 ケミカルアタック
3.高分子の寿命予測
3.1 寿命予測概論
3.1.1.アーレニウス式による寿命予測
3.1.2.多変量解析による簡便法
3.1.3.ラーソン・ミラー型による寿命予測
3.1.4.寿命推定試験
3.2 事例:免振ゴムの品質保証
3.3 事例:寿命予測の失敗例(高級カメラの事例)
3.4 事例:ゴムローラの初期故障
4.マテリアルズインフォマティクス
4.1 データマイニングについて
4.2 事例:組立メーカーのクレーム解析
(コンパウンドメーカーの立場で解析)
4.3 タグチメソッド
5.まとめ
②.高分子の難燃化技術の体系と最近の動向
開催日:
9月6日金曜日(申込締切9月4日)
9月18日金曜日(申込締切9月16日)
概要と目次(クリックで開く)
火災は、急激に進行する酸化反応である。非平衡下の科学が未だ研究段階であり、高分子材料の難燃化技術を科学の形式知だけで開発できない。形式知で解決できない問題は、経験知や暗黙知まで動員して解決することになる。すなわち、科学で解決できない高分子材料の難燃化技術では、高分子材料の用途に適合した難燃化規格を定めることにより、問題解決できるようにしている。
しかし、高分子材料の用途は様々であり、ひとたび火災が発生すれば用途ごとに燃焼のリスクだけでなく燃焼時の現象も様々となる。このことから難燃性の規格は、用途ごとに決める必要性があり、その結果測定法も様々となり、不定期に改定される規格も出てくる実情を納得できる。
高分子材料の成形体を購入する立場であれば、納入業者に規格に合格しているかどうか確認すればよい。ところが、多種多様の業界に製品を納入している成形体メーカーは大変である。それぞれの業界ごとに製品が規格に合格するのかどうか確認しなければいけない。ここで手を抜く担当者は、材料メーカーにそれを求める。その結果、高分子材料の業界では、コンパウンドメーカーが難燃化技術の開発をしなければいけなくなる。
コンパウンドを難燃化するときに、最もよい難燃化手法を探すことになるが、「最もよい方法」を客観的に評価するには、それが科学的に証明されなくてはいけない。
かつて元名古屋大学武田教授がこの問題にチャレンジされ、ハロゲン系化合物と三酸化アンチモンの併用が最も経済的で様々な高分子材料の難燃化に有効である、と「科学的に」結論を出されている。この結論が、形式知になりうるかどうかコメントを控えるが、技術の視点では、一つの結論と評価できる。ただ、唯一の形式知という評価としないのは、高分子材料の種類やその用途により、経済的な難燃化手法が異なる現実があるためである。
難燃性高分子を目指し、耐熱性高分子が1970年代によく研究され総説も発表された。耐熱性無機高分子であるポリホスファゼンはプロセスに依存しない難燃性高分子だが、フェノール樹脂のように合成条件で難燃性が大きく変化する耐熱性高分子もある。すなわち、耐熱性=難燃性と科学的に結論できない。
この耐熱性高分子の研究過程で熱分析手法が発達したが、科学的に怪しい論文も存在する。しかし、TGAで得られるデータが高分子の熱分解における反応速度の情報を示してくれるので、難燃性高分子材料を開発するときに技術として利用できる。すなわち、TGAをどのように活用するのかは、難燃性高分子材料の開発において一つのスキルである。
本セミナーでは、フェノール樹脂を事例に高分子の耐熱性と難燃性について概説する。また、熱分析手法を用いた開発事例を説明し、新たな難燃化技術を開発するヒントを示す。さらに、2022年に施行された法律により再生材の活用が本格化している実情を踏まえ、再生材の難燃化技術の事例も解説する。
高分子の難燃化技術は、トランスサイエンス(注)でありその問題解決にデータサイエンスは有効な手法の一つであり、Pythonによるディープラーニングによる回帰の結果についても言及する。
(注)科学で問うことができるが、科学で答えることのできない問題。
<習得できるスキル>
高分子の難燃化手法
高分子の難燃化技術と環境問題
データサイエンスの活用方法
<対象>
高分子材料開発に関わる技術者及び品質管理担当者
製品組み立てメーカーの技術者
日本の再生材事業者
<内容>
1.火災と高分子
1.1.高分子の難燃化技術研究の歴史
1.2.事例:フェノール樹脂の難燃性
1.3.高分子の耐熱性と難燃性
2.難燃性の評価試験法
2.1.高分子材料の用途と評価試験法
2.2.極限酸素指数法
2.3.UL94評価試験法
2.4.その他の評価試験法
3.高分子の難燃化手法
3.1.高分子の難燃化メカニズム
3.2.ドリップ型難燃化手法
3.2.1.再生PET樹脂射出成形体
3.3.炭化促進型難燃化手法
3.3.1.ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体
3.3.2.ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体
3.4.難燃化手法とプロセシング
4.難燃化技術とデータサイエンス
4.1.データサイエンス概説
4.2.タグチメソッド概説
4.3.難燃性コンパウンドの工程問題解決事例
5.難燃化技術と環境問題
5.1.環境問題の変遷概論(3Rから4Rへ)
5.2.各種法規制と難燃化技術
5.3.難燃性半導体ベルトのLCA
6.難燃化技術の特許出願動向
7.まとめ
③.生成系AI(ChatGPTなど)を業務に活かすコツと、初めてのPythonプログラミング
開催日:
9月11日水曜日(申込締切9月9日)
概要と目次(クリックで開く)
ChatGPTの登場で生成系AIに注目が集まっている。知識労働者の実務がAIに奪われそうな勢いを伝えるニュースの中で、事務文書だけでなく結婚披露宴の祝辞までAIに作らせた話題を語られても、何故か笑えない若いサラリーマンは多いのではないか。
イノベーションのスピードが加速している。100年後は不明だが、AIが人間の作製したデータとアルゴリズムで動作している限り、現在のAIに難しい業務が存在する。それは、「何も課題の設定されていない状態で始めるデータの処理」である。この意味の詳細はセミナーで説明するが、日々の実務では、そこで見出された問題から課題を設定して仕事を始めていることに着目していただきたい。「正しい問題を見出す作業」と「課題設定作業」は、現在のAIでは難しい。ドラッカーでさえ、「正しい問題を見出す作業は難しく、それができれば、問題解決の80%はできたことになる。」と述べている。
すなわち、「課題設定作業」や、科学で求められる「仮説設定作業」は、人間がしなければいけない仕事として残り、仕事の成果は、AI登場以前同様これらの作業の品質に左右される。
本セミナーでは、社会基盤にAIの実装が始まった実務のあり方を想像し、問題を解決するためにデータ処理で常識となりつつあるPythonプログラミングを事例に、AI活用方法を解説するとともに、課題設定の方法やその基になるアイデア創出法を講義する。
情報が溢れるインターネットの時代に、ビッグデータを処理するデータサイエンスも身近になっただけでなく、自由自在にデータ処理を可能とする無料のPythonプログラミング環境も充実してきた。そこに生成系AIが登場し、これら新技術により知の獲得について変革が起き始めた。先端のITスキルを身につけることで実務経験の浅い若い人が活躍できる社会になった、と前向きにとらえ、入社3年目レベルまでの若い社会人を対象に内容を構成している。実務経験が豊富な人が受講されれば、今後の実務のイノベーションの方向を知るセミナーとなる。
対象:入社3年目までの若手技術者、生成系AIの実務導入を検討されている管理職
<セミナー内容>
1.緒言
1.1.AIブームの歴史
1.2.生成系AIの歴史
1.3.生成系AIの動作
1.4.データサイエンス経験談
2.AIブームと社会の変化
2.1.コンピューターの登場と知識労働者
2.2.科学と非科学の歴史
2.3.科学と技術
2.4.データサイエンスと科学
2.5.コンピューターによる問題解決とは。
2.6.第三次AIブームから社会実装へ
3.オブジェクト指向と問題解決法
3.1.日々の業務は問題解決である。
3.2.コンピューター言語とオブジェクト指向
3.3.オブジェクト指向とPython
3.4.オブジェクト指向とアイデア創
3.5.アイデア創出法とデータ収集
3.6.データと数理モデル、グラフ
3.7.データとヒューリスティック
4.Python入門
4.1.Pythonの概略とAI活用の仕方
4.2.Pythonの文法
4.3.簡単なプログラム事例
4.4.Pythonプログラミングのヒント
5.まとめ:情報の時代
受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。
送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。
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当方は運の良い時に学生時代を過ごした。ちょうど耐熱性高分子の研究に限界が明らかとなり、難燃化手法へ研究者の関心が移ってきたころである。
当時東北大学村上研で輪講に使用していた本を出版することになって、当方をご指導してくださった先生に献本があった。おそらく高分子難燃化技術では、その本が体系だった最初の教科書だろう。
それより以前でも日本で高分子の難燃化技術に関する本が2冊出版されていて、いずれも大した内容の本ではない。今ならば著者には悪いがゴミである。村上研が翻訳された教科書は、この2冊とは月と鼈の差がある内容だった。
だからアカデミアで翻訳しようという気になられたと推測している。当時PVAの難燃化研究を3か月ほど行い、論文を1報書いているが、この本を参考にしている。
PVAは、難燃化が難しい高分子と書かれていたので、難燃剤の添加量について実験条件を大きく変動させている。意外にも10%程度のホスフォリルトリアミドのホルマリン付加体で自己消火性サンプルが得られびっくりした。10%では難しいと思っていたのでそれより少ない添加量を検討していない。
当時の経験も含め、高分子の難燃化技術開発に50年近く携わっていると、世間の誤解の多さにびっくりする。高分子の難燃化技術の難しさだと思う。
当時の教科書では、リン系の難燃剤では難燃化できる高分子が限られるようなことが書かれていたが、LOIを21以上にする条件を基準にすれば、すべての高分子をリン系の難燃剤で難燃化できる、と経験知として持っている。難燃化技術でお困りの方はご相談ください。
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オンキョーも無くなり、オーディオ市場というものが存在するのかどうか知らないが、インターナショナルオーディオショーが今年も1か月前に開催されたようだ。
良い音の定義は難しい。さらに音の入力機器と出力機器は、どのような組み合わせになるのか不特定である。ゆえにライブであっても録音が再生された音楽であっても良い音をどこでも同じ品質で届けることは、不可能に近い。
かつて、録音メディアがレコードからCDに代わった過渡期に、その両方のメディアで新譜として発売されていた。数十万円程度の再生機器でもレコードとCDの音の違いを聞きわけることができた。
レコードの方がライブ感が高かったのである。サックスの響きなど同じ音源に思えない録音もあった。少なくとも録音メディアはアナログの方が活き活きとしていた。
しかし、SN比という尺度で聴けば、CDに軍配が上がる。音の透明感を感じることができた。このようにオーディオでは良い音の定義が難しくなる。そこから生じる曖昧さに数百万円も投じる人がいると聞くと驚く。
スピーカーだけでもいまや1台100万円を出さなければ、パイプオルガンの低音が満足に出てこない。昔は2台4万円のスピーカーでも30Hz前後の低音を再生できたスピーカーが存在した。
この30年間にスピーカーの振動板に対する考え方が変化している。そしてDA変換された信号を正確に再生する方向に設計され、低周波領域は50Hz前後として無理に低い領域まで再生領域を広げていない。
昔のスピーカーの振動板の材質は、紙やシルクなど天然素材が多かった。最近は安いスピーカーであれば紙かPPと限られてくる、高くなるとケブラーやセルロースナノファイバーなど明らかに高そうな素材が使われる。
安いスピーカーでは、その素材の音を感じることができるのだが、高いスピーカーでは素材の音が無くなる。昔ながらのパルプ複合材でコーン紙を設計している超高級品もある。スピーカーの材質を見るとその値段が材料で決まっていないことに気がつくが、ダイヤモンドをツイーターに使ったスピーカーは300万円もする。ダイヤモンドである必要はないのだが。
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