シリコーンゴム、例えばジメチルシリコーンゴムには、その製造方法により、ミラブルタイプとLIMSタイプがある。ミラブルタイプは高分子量のジメチルシリコーンゴムを加硫したゴムであり、LIMSタイプは、低分子量体を重合して製造したゴムである。
ゆえに、シリコーンゴムという表示に対して気をつけなければいけない。なぜなら、それぞれこの2種で最適条件で製造されたゴムで物性が大きく異なるからである。
LIMSは、原材料メーカーごとに特徴ある低分子量体が使用されるので、原材料メーカーごとに異なるゴム物性となるが、それぞれニーズを満たす物性の材料を用意しているので、見かけ上どれを選んでも同じに見える。
実はLIMSは、それぞれのメーカーで得意とする物性領域が異なる。例えば高架橋体のゴムを希望するのであれば1社しかない。反対に架橋密度が低く最も柔らかいゴムを得たい場合でも他の1社となる。
それぞれの営業担当を呼んでこのあたりの質問をしても、正直な回答は得られない。これがシリコーンゴムで品質問題が無くならない背景になっている。毎年どこからか質問が来るが、大抵はメーカー紹介で問題解決してしまう儲からない質問である。
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品質工学としての手法以外に、表題の手法は技術開発に最適である、とする理由がいくつかある。ここでそれらを述べないが、最近は機械学習が注目され、表題の手法はあまり使われていないらしい。
機械学習の手法は、それなりによいのだが、しいて言えば、当たるも八卦、当たらぬも八卦的手法であることをご存知ない方が多い。コンピュータを使う新しい方法だから、さぞかし最先端の方法と誤解している人もいる。
しかし、少数の実験から最適解を求めたい時には、タグチメソッドに軍配が上がる。タグチメソッドをご存知の方は、効率的な実験ではない、というイメージを持たれている方もいるかもしない。
統計的手法である実験計画法よりも外側割り付け因子の量だけ実験が増えるのがその理由となるのだが、そもそも統計的手法の実験計画法では、測定値と内側割り付け因子との相互作用によっては、最適解が得られない時がある。
当方は、新入社員時代にこの問題に取り組み、外側に相関係数を配置する方法を考案している。タグチメソッドではSN比や感度を配置するのだが、この相関係数を配置する方法も良い方法である。
田口先生からは一定のご評価を頂いたが、そもそもロバストの高い技術を開発することが重要であり、唯一タグチメソッドがその目的を実現できる、と温かい説教をされた。
SN比を統計手法として捉えたときに、標準偏差とうまく合わないとか言われたりしたが、技術の最適解を求める手法としてタグチメソッドは生き残っていくように思っている。
弊社ではそれを前提に、ビッグデータ解析を念頭にいれた新たな実験データ管理手法を考案した。エクセルを使うのはもう卒業にしたい。
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ゴムや樹脂などの高分子材料に添加する無機フィラーについて、その役目は様々である。無機フィラーの機能性に注意が向くが、無機フィラーのプロパティーについては無関心の人が多い。
どの用途にせよ、80μ以上の粒径の無機フィラーは、強度を確実に低下させるので注意が必要である。ただし、これは経験知である。
熱伝導性ゴムを設計したい時には、高い熱伝導性の石英が使用されたりするが、その時石英の最大粒子径が80μm以上にならないように調整する必要がある。
平均粒子径を管理してもだめで、顕微鏡観察により、混入している最大粒子の径が80μm未満となるように管理しなければ、靭性の低下を招く。靭性が低下すれば引張強度も下がり、またライフも短くなる。
粉体の分級技術は20世紀末に起きたセラミックフィーバーの時に急激に進歩したので、無機フィラーのスペックを正しく設定すれば、耐久寿命が短くなる配合設計の失敗をしないはずだ。詳しくは弊社へお問い合わせください。
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ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作に成功し、始末書を命じられた。一週間ほど始末書の草案を図書室で考える毎日が、ソフトウェアに対する興味を高めた。
そして、花〇の情報室長がまとめたいい加減なOA指南書のために80万円のローンを組み、パソコン1式を揃えて日曜プログラマーの人生が始まった。
情報工学の黎明期から独学でプログラミングスキルを磨いてきたが、その努力のむなしさを昨日は味わったのだが、これは希望に変わった。老エンジニアがAIを活用すれば、若い人に負けない仕事ができる時代になったのだ。
年を取って一番感じているのは、メモリーである。この心配がAIの登場で無くなったのである。あいまいな記憶を頼りに、新しいアイデアを絞り出すことは、若い人にできない芸当だと思う。
記憶力が落ちてきたのだが、その曖昧さを活用するプロンプトは、新たな知識の可能性をAIが教えてくれることに気がついた。亀の甲よりも年の功、という言葉を存分に生かせる時代になったのだ。
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ChatGPTの有料プランに加入するとCodex IDE Extensionを使えるようになる。これのどこが良いのかというと、プログラミングスキルがなくてもプログラムができてしまうのだ。
この感動は、自分の人生が何だったのか、という絶望にもつながった。材料屋として活動しつつ、そのへんの情報系の専門家には負けないレベルのプログラミングスキルを磨いてきたのだが、それがまったく無駄になったのだ。
例えば、「何ができるの」と尋ねれば、以下のような回答が出てくる。
Codex IDE 拡張機能を使うと、以下のようなことが可能になります:
🔹 自然言語で操作できる
英語や日本語で指示を出すだけで、コード生成・修正・説明を行えます。中年エンジニアの学び
🔹 IDE 内でのコード補助
コードを書く最中にコメントやプロンプトを入力すると、それに応じた修正・追加・テストコード生成などを提案してくれます。中年エンジニアの学び
🔹 バグ修正・リファクタリング支援
既存コードを改善したり、リファクタリング案を提示したりすることもできます。中年エンジニアの学び
🔹 クラウドとの連携
Codex はクラウド上でも動作し、複雑なタスクはバックグラウンドで処理可能です。
そして「中年エンジニアリングの学び」をクリックすれば、それぞれの具体例が出てくるといった具合に、プログラムのコーディングも頭を使うことなく、答えが出てくるのだ。
昔はMS-DOSのバッチファイルさえサクサクと作ると尊敬のまなざしが返ってきたが、今は、低レベルのプログラミングスキルなんて意味のないものになった。AIにより、高度なプログラミングスキルのサービスが得られるのである。
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田口先生には3年間直接ご指導いただいたが、タグチメソッドを非科学も含む方法と位置付けることに反対されていた。タグチメソッドを科学の方法として位置づけるために損失関数からSN比を導いたり、損失関数やSN比と分散分析の関係をいろいろご説明してくださった。
当方が高純度SiCの事業化を担当していた時に、セラミックスヒーターや切削工具などの企画で、特殊な実験計画法を行っていたことをお話ししたら、褒めてくださったことは今でも思い出として残っている。
その特殊な実験法とは、外側に相関係数を配置する方法で、切削工具では、ダイヤモンド圧子で荷重をかけてクラックの幅と荷重との関係をラテン方格の外側に配置して最良の配合を求めている。
この方法では、荷重をかけてもクラック幅が大きくならない方が良いので、相関係数が小さくなる条件を求めることになる。
この実験法について田口先生は感度を見ていることになるので、好ましくない方法だが、最適条件を求める目的には、十分実用できる良い方法、と褒めてくださった。
実際に切削チップを作成し、当時の都立工業試験所で評価していただいたが、SiCでは切削が難しい、と言われていた鋳鉄を既存のサーメットの2倍以上の時間削ることができた。
技術開発では最適条件を求める問題が多いので、タグチメソッドは、その時役に立つ優れた便利な問題解決法である。科学的な方法であるかどうか、よりも、問題解決に切れ味の鋭い方法であるのかどうかが重要な気がする。
ラテン方格に相関係数を配置する方法では、効率よく最適条件を求めることができた 実績がある。ちなみにこの方法は1980年代の発明であるが、タグチメソッドは1953年に伊奈製陶で用いられた実績がある。
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自動車のEV化に急ブレーキがかかり、エンジン車の延命がささやかれている。欧米がEV化の動きに出る前にトヨタ自動車は、ハイブリッド車の特許を無償公開した。
ガラバゴス化を避けるためだったが、その後のEV化の加速は凄かった。しかし、今そのEV化の見直しが行われており、しばらくはハイブリッド車の時代が続くと言われている。
自動車業界は、早くからハイブリッド化を進めてきたトヨタ自動車の一人勝ちのような決算報告となりそうである。トヨタのハイブリッド方式に対して日産のe-Powerは、発電機を積んだEV車であり、その仕組みは大きく異なる。
エネルギー保存則に基づき科学的な視点で見れば、トヨタのハイブリッド方式の方がはるかに燃費がよさそうだが、日産の技術は、初期のハイブリッド車の燃費を凌ぐまでになった。
大排気量のハイブリッドと比較すると、日産の技術の方が優れているという結果になる。久しぶりにエルグランドのモデルチェンジとなったが、そこに搭載されるエンジンは、トヨタのハイブリッドのような大排気量エンジンではない。
エンジンを発電専用に徹し使用するので、発電に必要な馬力のエンジンで良い。車が走る時に使用される力は、モーターの馬力で決まる。一見エネルギー保存則に不利な仕組みに思われるが、技術を工夫すれば、科学で説明しにくい燃費となる。
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W10からW11へ、データの引っ越しをしていて驚いた。W10からW11へはローカルアカウントで入れるのですが、W11からW10へは、ローカルアカウントで入れない。
ところが、マイクロソフトアカウントで容易に入れるのだ。そして古いノートパソコンを立ち上げておくと、そこにも簡単にアクセスできてしまう。
当然のことだが、ファイルの共有設定がなされていなければ、ファイルの存在が見えるだけで、それを開けることができない。
これはUNIX系のOSよりも便利であるが、怖いのはマイクロソフトから自分のコンピューターが丸見えになっている事実である。
W10ではこのようなことが無かったので、おそらくW10でUNIX系OSと同等以上のタフなOSを完成できたので、W11ではマイクロソフト社を頂点としたコンピューターのネットワークを構築しようと考えているのかもしれない。
マイクロソフトアカウントでは、これまで購入したマイクロソフト社の製品の状態を知ることができ、便利であると同時に、だれがこのようにデータ整理してくれたのかと思うと、少し怖くなる。
せっかく新しいパソコンを購入しW11へ移行したのだが、LINUXをデスクトップパソコンとして考えなければいけない時代になったのかもしれない。
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バブル崩壊後30年以上GDPが他の国に比較して上がらないのは、日本の技術開発力に問題があるからではないのか。
謎ウナギ丼は、大豆たんぱくを用いた興味深い製品であるが、味のプロセス依存性が大きいことが問題である。すなわち、プロセス2番について、説明も含めもう少し工夫しないといけない。
この製品のような技術開発が多いのが日本製品のような気がしている。よく日本製品は品質が高いと言われたが、最近は、その品質に問題が見つかることが多い。
謎ウナギ丼は、製造品質に問題が無くてもユーザーに依存しその品質が左右されるところに問題があった。このような問題さえも、日本製品は問題ないとされてきたが、問題があっても顕在化しなかっただけであるような気がしている。
謎ウナギ丼のプロセス2についても、よく振れば問題など起きないのだが、どこまで振らなければいけないかが説明されていない。
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大豆たんぱくの応用による人造肉技術がかなり進歩した。表題は、その技術をウナギに応用した日清の自信作らしい。うまく作ればおいしいが、失敗すると・・・・・・。
カップヌードルであるが、味についてプロセス依存性の大きい食品である。カップに書かれた製造法に従い5分待ってもおいしくできない。
カップを良く振って、内部に入っている人造ウナギ肉をすべて表面に出たことを確認してから、お湯を線まで注がないとだめである。この2番目のプロセスがおいしくできるかどうかの分かれ道になる。
そして、さらにおいしくするためには、2分ほどしたときに、一度よく混ぜる作業が重要である。この作業を入れるタイミングが、1分が良いのか2分が良いのか知らないが、2分もすると表面の乾燥米の状態が変わる。
しかし、それでも内部の米とはかなり異なっているのだ。この発見により、このウナギ丼をおいしく食する技を見出した。
このようなことを本欄で取り上げたのは、せっかく革新的な製品を開発しても消費者の高い評価が得られない問題をメーカーは真剣に反省した方が良い。
表題の製品は、大豆たんぱく技術の応用として、市場が大きく育つ可能性のある分野だと思う。しかし、消費者に評価されないなら、単なるアイデア商品に堕落する。このウナギ丼の次は、「すき焼き後のおじや」を販売してほしい。大豆たんぱくの牛肉を味わってみたい。
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