昨日NHKスぺシャルで自動車のEV化について解説していた。セミナーで紹介しているが、CASEをコンセプトとしたDXが自動車業界で起きている。そして日本を代表する自動車メーカー、トヨタとホンダで真逆の戦略がとられている。
2015年に地球環境問題は新たなステージになりSDGsの合言葉が日常でも聞かれるようになった。SDGs実現のためにはEV化が世界の潮流だが、トヨタはLCAの観点と雇用の安定化のために急激なEV化に関し、異を唱えている。
企業の社会的責任を考慮した時にトヨタの戦略は正しい。しかし、ガラバゴス化するリスクを抱えている。国内の自動車メーカーで最も進んだEV技術を持っているのは、ルノーの子会社日産である。
ここで政府が考えなければいけないのは、日産をいつまでもルノーの子会社としておいてよいのかという問題である。日産のEV技術がルノーに吸い上げられている実態も昨日のNHKの番組で紹介されている。
バブル崩壊後日本の産業は、自由競争と日本政府の無策のために自動車産業以外国際競争力が無くなった。1980年代に「Japan as No.1」がベストセラーとなったが、今日本はGDPで中国に抜かれ、No.1どころか坂道を下っている状況である。
自動車産業が世界で戦える状況にあるのは、トップメーカーであるトヨタが頑張っているからで、政府の政策が後手に回っていることは明らかである。
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国内の電力事情を考慮し、LCAで評価した時に国内で自動車メーカーが生産を行う前提に立てばトヨタが日本のための戦略で戦おうとしていることは自明であり、昨日の番組はもっとその点を明確に伝えるべきだった。すなわち日本政府の産業政策のままであれば、ホンダも日産も海外シフトどころか会社ごと海外へ出てゆく可能性すらある。
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そうなった時、日本の雇用はどうなるのか。現在起きている変化を日本政府は正しく理解すべきであり、トヨタの戦略を後押しする政策を進めなければいけない。
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技術的視点に立った時、EVは一部の現象であり、ケンシューが予測する未来では多糖類化学工業が産業構造を変革する力となっている。これについてはセミナーで紹介している。
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多糖類化学工業が産業の中心となった時、EVは必ずしも主役ではない。日本政府は今石油化学メーカーをたばね、多糖類化学工業化する長期国策プロジェクトを立ち上げるべきだ。10年前に要素技術はすでにそろっていたので、弊社は、日本の未来のためにヒントとして公開特許を1件出願している。
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感染者が5千人規模となった時にシミュレートされた減少速度よりも早く、東京都の新規感染者数は50人以下となった。その原因解析が今行われているが、どれも確実な原因と言い難い状況である。
恐らく科学的証明も難しければ、現象を理解するための質の良い客観的データが少ないためだろう。ただ、新規感染者が5000人規模となった時の社会の受けた衝撃は、物差しなど無くても身の周りの現象からその大きさを理解できた。
連日サイレン音が連続的なドップラー効果となるぐらいに救急車が軽快に走り、明らかに道路の交通量が減少していただけでなく、コンビニはじめスーパーの入り口に置いてある消毒液の無くなり方が早かった。
すなわち、店内の客の人数が減っているのに消毒液が空に近い状態を幾度も発見した。そして客の一人が店員に消毒液の追加をせまる光景も見た。
ワクチン接種が日本は遅れていて、それを挽回するために接種率を急激に高めた効果、という説がある。これももっともらしいが、ブレークスルー感染が起きている諸外国の情報をTVで見ると寄与は低いかもしれない。
もし人々の行動変容という社会現象の寄与が最も大きかったとしたならば、その証明は難しい。今防犯カメラの映像から解析が進められ一部その結果が公開されてきたが、科学的とは言いにくい説明である。
おそらくこのような問題は科学的に正しいと言える解答を導き出すのは難しいのかもしれない。難しいにもかかわらず、科学的なようにデータを提示して説明されるので朝令暮改となるようなことが繰り返されているのだろう。
科学で未解明な領域が多い分野で専門家がいつも科学的に正しい解説を答えなければいけない、と思わない方が良い。分からないことは誠実にわかりません、と言っていただいた方が納得ができる。
今、重要なのは、どのようにしたら感染を押さえて通常の暮らしに戻せるのか、というアイデアである。科学的でなくても良い。ただし、そのようなアイデアを出せない専門家は不要である。
カテゴリー : 一般
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11月9日に瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになった。彼女のすごいところは出家する前にやりたい放題の人生で、その人生経験をもとに出家しているところだろう。
彼女についてはあまりにも有名であり、またこの数日彼女に関する記事が多いので,ここであらためてその人生について説明しない。ただ、当方にとってはある意味においてロールモデル的存在である。
恋多き人生という意味ではなく、恋多き人生を終わらせるために51歳で得度し、その若いころの人生経験を基にした説法を99歳のお亡くなりになるまで続けられた姿勢が、である。
すなわち、形式知が乏しい世界で経験知を活かすために死の直前まで活動を続けた生き方、と言う意味でロールモデルと思ってきた。
恋多き人生と言うきらびやかさではなく、苦労の連続のサラリーマン技術者という人生に終止符を打つため57歳で早期退職して現在の会社を起業している。
苦労の連続で身に着けた経験知は多岐にわたり、無機材料から有機材料まで、電子材料から構造材料まで、ありとあらゆる材料技術を経験してきた。その結果、形式知も勉強してきたので、形式知の限界や経験知から研究開発すべき材料技術の盲点まで対応可能です。
カテゴリー : 一般
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マスクが日常となったようにコロナ禍で世の中が大きく変わり、時間の感覚までおかしくなった。つい3年ほど前の出来事でもかなり以前の事件のような錯覚になる。
昔の話として社名を書くのを控えるが、ある材料メーカーの社長が、品質管理部門でデータの捏造があったと謝罪している様子がTVで放映された。
その後WEBニュースで全容が報じられたが、捏造と言っても品質管理を全くやっていなかったわけではなく、仕様書に書かれた測定データを少し書き直していただけだったようだ。
書き直したので捏造となるが、担当者の立場で、それなりの闇の手続きを踏んでいたようだ。すなわち研究開発段階では特採として使用でき、問題が無かった測定データだったので、それを見栄えよく修正した、すなわち捏造した。
面白いのは、このような社長の謝罪の後、トヨタは成形体の品質データを管理しており、この材料メーカーの材料の影響は見られず問題なし、といち早く声明を出している。このトヨタに続いて他の自動車メーカーも雪崩のごとく問題なしの声となった。
真相は不明で、これは推測となるが、******ので材料メーカー社長は謝罪に踏み切ったのではないか、と思いたくなる。*******部分は本欄で書きにくいが、今大手はQMSを導入しているので、捏造のようなことがあればこのように社長が頭を下げる事態になる。18日のセミナーでは、このようなことを起こさないためのヒントも解説する。
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高分子材料の破壊について、それを科学で理解することが難しい、と言う話を昨日書いた。早速質問が来た。弊社はワイブル統計の計算プログラムを現在無料公開しているのでそれを使ってみてはどうか、と回答している。
実務で困る問題の一つに、研究開発過程で高分子材料の破壊寿命を予測し材料設計したにもかかわらず、量産を始めたとたんに不良品の山となった、と言う初期故障の問題がある。
これを一山いくらで扱ってはいけない。この初期故障の情報を注意深く解析する必要がある。18日のセミナーでは事例で説明するが、コンサルティングテーマとなるような課題である。また、時には忖度が重要な武器となるアカデミアの先生でも解決が難しい問題でもある。
技術者にとっては、課題の一つとなっており、現場の状況に応じて粛々とアクションを展開してゆくことになる。このような問題を科学者に質問すると大変である。いつ課題に展開されるのか不明なだけでなく、逆に「なぜ」と質問を投げかけられる。
研究開発過程でうまくいっていたデータを見せて相談するので、多くの場合にアカデミアの先生にとっては不思議な現象と見えるのが初期故障である。
だから、品質故障という問題がどのように発生しているのか実務経験が無いと隘路にはまる場合もある。初期故障の問題は工程管理で対応可能などと書いてある品質管理の実務書もあったりするが、高分子材料に関わる初期故障については実務書に書かれていない原因が潜んでいたりする。
ここでは書けない話である。18日のセミナーではオフレコ前提でご説明する。高分子材料の初期故障はややいかがわしい問題も含んでくる場合がある。例えば数年前材料メーカーのデータ捏造問題で社長が謝罪したにも関わらず大騒動になっていない事例が存在する。
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金属やセラミックス、高分子材料のすべてを扱った経験(注)から、高分子材料の破壊を理解するためには高分子に関する先端の知識が無いと難しいと思っている。その原因は、金属やセラミックスに関してその材料として使用されるときの構造がほぼ明らかとなっており、また形式知について20世紀末にほぼ固まったからである。
しかし、高分子材料について材料として使われている時の構造は、今まだ研究が行われている段階で、先端知識を有する企業では、高分子材料を階層的に捉える考え方で材料設計が行われている。
昔は材料力学と言う学問の中で高分子材料も一緒に扱われていたが、金属やセラミックスと高分子材料が大きく異なるので、という段階でその進歩は止まっている。
以前アカデミアの先生がマテリアルインフォマティクスのセミナーで40年以上前の線形破壊力学の話をしていたのでびっくりした。ご専門は数学だったのでツッコミを入れることをやめたが、アカデミアでもその程度と理解しておくことは大切である。
ちなみにどのようなツッコミを言いたかったのかのべると、その程度の結果は40年前に結論が出ている、というコメントである。この先生が40年前の話をしても皆知らないと思って話をしたのか、先生自身が40年前の研究についてご存じなかったのか知らないが、いずれにしても研究者として失格である。
材料力学で高分子材料も金属やセラミックスと同様に扱われていた時に、レオロジーという学問ではダッシュポットとバネのモデルで高分子の物性は議論されていた。しかし、この考え方ではクリープを説明できないということで20世紀末に新たな形式知の体系づくりが始まっている。
レオロジーでは土井先生はじめ高分子物理の造詣が深い先生方が育っておられたので学問のイノベーションが進んだが、材料の破壊は科学で扱いにくかったという事情もあり、アカデミアの研究者が少なかった問題がある。
ところで、高分子材料の破壊する直前までの過程はレオロジーの形式知が重要となってくるが、その形式知がまだ研究途上である。次に金属やセラミックスの破壊過程において、線形破壊力学という学問の形式知は重要であるが、この形式知の体系で高分子材料の破壊をすべて説明できないのだ。
これは脆性破壊と延性破壊が組み合わさっている、とその理由が説明されているが、それほど単純な問題ではない。例えば破壊過程で結晶化が進む場合だってあるのだ。
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高分子材料の破壊について完璧な形式知が存在しなくても実務では材料設計をしなければいけない。しかし、技術を理解しておれば科学で不明な領域があっても「技術で」対応可能である。18日のセミナーでは技術の講演を行う。
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(注)学位はセラミックスから高分子まで扱った内容で、これは、国立T大で学位をくださると言われたが当時無機高分子で実績を出していた中部大学に変更したおかげで完成できた論文である。T大で学位取得を辞退した理由は以前説明している。
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表題のセミナーがS&T社の企画で11月18日に開催されます。WEBセミナーの形式で10時30分から16時30分の予定で行います。弊社へ申し込まれますと割引価格となります。
さて、高分子の劣化と寿命予測も科学的に扱うと泥沼に入ってゆく難しい分野だ。金属やセラミックスでは科学的な成果がほぼそのまま実用化されているが、高分子材料では新入社員の研修発表でCTOに厳しく躾けられた経験があり、科学的に技術を作り上げることの難しさが身についている。
学会では高分子の酸化劣化機構の研究が十分に議論されたが、現場で起きているのは酸化劣化だけではない。タイヤならば実車試験を繰り返し寿命予測を行わない限り、正しい予測はできないとされている。
例えばタイヤトレッドゴムの寿命予測では、比較コンパウンドと新規開発コンパウンドを1本のタイヤに用い、それをタクシー会社にお願いして半年ほど使用してもらいデータを集めて予測することが行われている。
ようするにやってみなければわからない世界だ。研究段階では様々な模擬試験法があり、その試験結果で耐久性を見るのだが、その試験内容はノウハウである。
そのような世界を見てきた技術者にとって世の中の教科書はいい加減だと思う。ある10万円前後の本に樹脂とゴムでは耐久性が異なる、と大胆な結論がグラフとともに書かれていた。ここまで書かれると今回のようなセミナーを継続して行い啓蒙活動をしなければいけない使命感が起きてくる。
コロナ禍となって、ナノポリスを辞職し国内のセミナーに力を入れている。昨年末には2時間ほどWEBセミナーの練習として無料セミナーを数回行った。もし何かリクエストがあれば年末に有料でセミナーを企画したい。
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表題の結論は単純で、日本に仕事が無かったので中国蘇州にあるナノポリスでコロナ禍前まで仕事をしてきた。ナノポリスとは中国のナノテクの研究学園都市で、筑波学園都市の中心部ほどの広さがある。そこに中国の研究機関と関係する企業が集結している。
ここで、カーボンナノチューブ水分散液や、PPSの新規添加剤PH01などいくつかの新規な発明を実績として出すことができた。これらの成果は中国企業だけでなく日本企業にも還元することを当方は忘れていない。
日本人としての節操は守り、弊社あるいは弊社がコンサルティングを請け負った日本企業から特許を出願している。特許については毎年1件を目指したが、これは弊社の予算の関係である。
昨日TBSニュースWEB版に「なぜ科学の重鎮たちは中国を目指すのか「頭脳流出」だけでは語れない実態」という記事があったが、ニュースとすべきほどのことではない。
ニュースとすべきは、老人が中国へ出て行っても日本でそれを補う力が育っていない問題だろう。当方にしても現役時代には300件ほど30年間に特許を書いたが、今は1年に1件のペースである。年寄りのパワーは現役時代よりも落ちている。パワーの衰えた老人が中国に行っても大した問題ではない。
問題はその能力が落ちた老人よりも落ちてきた日本の若手の研究パワーである。一年に1件の特許も書けない高偏差値の大学卒業技術者がいるという。これ以外に、時間があれば今でも日本化学会や高分子学会の年会に出席して研究発表を見てきた経験からも心配事は多い。
また、この兆候は当方が一人で企画から研究のまとめまで実施した研究を、研究とは無関係のアカデミアの研究者がちゃっかり小生の名前を末尾に載せ、自分を筆頭にして論文として発表した話をここで紹介しているので20年以上前からあったのかもしれない。
最近では早稲田大学の学位授与の杜撰さの問題がニュースとなっている。若手が中国へ逃げて行ったならニュースとすべきと思うが、若手に声がかからず年寄りに声がかかっている実態を切り口としてニュースにすべきだろう。昨日のニュースの内容も当方が中国で活動した理由に近かった。
日本で働き口の無い元気な年寄りが海外に好条件で迎えられていることは大きな問題ではない。問題はそのような好条件で声がかからない現役世代である。そこをニュースとすべきではないか。もし現役世代がナノポリスはじめ中国の研究機関へ流れ出したら、それこそ事件である。しかしそれが起きないことも憂うことだろう。
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高分子に可塑剤を添加すると、その量に応じてガラス転移点(Tg)は低下する。物性を微調整したおつりとして耐熱性の指標ともなるTgの低下が設計上問題となる時には、添加量の最適化実験がなされたりする。
ゆえに、可塑剤の添加はTgの低下を招くと経験知として体得することになる。可塑剤の添加は、樹脂の流動性の改良や樹脂の機能性向上が主たる目的だが、このTgを下げたくない場合にどうするかが教科書に書かれていない。
例えば流動性が悪く射出成型性に難があるPPSについて、射出成型性を上げるために添加剤が開発提供されているが、これを用いるとTgは2℃以上添加量に応じて下がる。
せっかくの耐熱性が落ちるのであまり使いたくない技術である。6年ほど前に中国ナノポリスにある某企業から相談を受けてTgを劣化させないPPSの流動性改質剤を開発した。
すでに特許が公開されたので種明かしをすると添加剤としてオリゴマーを採用したのである。PH01と名ずけたこの添加剤は、PPSの流動性をあたかもそのTmを5℃前後低下させた以上に改善できる。市販の添加剤よりもMFRは2倍の値となる。
分子設計でオリゴマーに着目した理由を知りたい方は問い合わせていただきたいが、このような着眼点の特許が少ないことに驚いている。オリゴマーの分子量制御が問題となることも多いので、すなわちオリゴマーの設計が難しいために普及していないのかもしれない。
ただ、オリゴマーには高分子添加剤としてあまり知られていないメリットがあり、この研究はアカデミアでも行うべきではないだろうか。デンドリマーの研究とかも下火になってきたので研究時間にゆとりができた先生はチャレンジしていただきたい。
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データマイニングとは多量のデータ内の特徴を見出すプロセスを意味する。手法としてよく用いられるのは多変量解析である。多変量解析については1970年代に新QC7つ道具の一つとして広く知れ渡った。
1979年にゴム会社に入社した当方は、研修で新QC7つ道具を習い、その存在を知った。そして研修のグループテーマとしてタイヤの軽量化設計を担当した時に、当時の技術で165-SR13サイズのタイヤにおいて到達できる最軽量目標を多変量解析で求めている。
当時は8ビットマイコンが登場したばかりなので、ソフトウェアーはIBM3033という大型コンピューターに付属した統計パッケージを用いている。パンチカードに市販されていた各社のタイヤから収集したデータを打ち込み、コンピューターへ入力する。
すぐには答えが出てこず、大抵は翌朝だった。ただ、研修のまとめが近づいたところで何度も計算して確認する必要に迫られ、一日に段ボール箱一箱分の出力紙をコンピューターから吐き出させたので、指導社員が青くなっていた。当日計算はコンピューター使用量がかかり、出力紙の枚数で使用量が計算される仕組みだった。
タイヤ重量の最軽量予測は重回帰分析で行われたが、面白かったのは、主成分分析による各社のタイヤ設計の考え方がパターンとして出力されたことである。
弊社では重回帰分析と主成分分析のソフトウェアーを公開しているが、希望があればこれらのソフトウェアーの使用方法や当方のこれまでの実績からいくつか事例を公開したセミナーを企画しようと考えている。
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