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2021.05/23 ユークリッド幾何学と技術(3)

有機高分子と無機高分子のポリマーアロイを前駆体とした高純度SiCの新合成方法は、直感で必ずできると考えていた。しかし、少し実験を行ってもフローリー・ハギンズ理論の正しさを証明する結果しか得られなかった。


そこで大量のフェノール樹脂を廃棄する役目を仰せつかった時に、フェノール樹脂を固めて廃棄すること、という面倒な指示を逆手にとって、フェノール樹脂とポリエチルシリケートの混合物が均一になる条件を試行錯誤で求めている。



もちろん試行錯誤と言ってもQCを重視したゴム会社だったので研究所では不人気だったラテン方格を用いてた験計画法である。そして、フェノール樹脂とポリエチルシリケートが均一に混合される条件を見つけることができた。

これを高温度で処理したところ高純度SiCが合成されたわけだが、合成に成功した後、反応速度論により均一素反応で反応が進行していることを熱分析手法を用いて証明している。そしてこれが学位論文である。

ユークリッド幾何学ではたった1本の線に気がつくかどうかで図形の問題を解けるかどうかが決まるが、そのたった1本の線を見つけるのにユークリッドは試行錯誤を繰り返したに違いない。

ただ直感だけであの体系が出来上がった、とすると体育会系の技術者に未来が無いように見えるが、逸話には試行錯誤の繰り返しで体系を作っていった話が残っている。

凡人はユークリッドの爪の垢でも煎じて飲みたくなるが、ユークリッドは今の時代に存在しない。しかし、弊社の研究開発必勝法では彼の爪の垢が無くても体育会系の技術者が明るい未来となるような手法を指南している。

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2021.05/22 オリンピックの開催

オリンピックの開催反対意見が過半数を占めているようだ。現在の感染状況であれば確かに開催反対意見が多いのは納得できる。しかし、オリンピックはまだ2か月先である。

感染状況が今後現在よりも悪化するかどうかは、国民の行動変容にかかっているわけであるが、前回書いたように感染状況をコントロールできず、オリンピックも開催できない、ということの意味を考える必要がある。

現在の感染状況でもとりあえず大相撲やプロ野球は開催できており、さらに先日体操のNHK杯も何とか成功している。最も感染者は2週間経過しないとわからないのでNHK杯にしても成功したかどうかは現在判断できないが、当方は、緊急事態宣言下ではワクチンを接種してもオリンピック観戦その他は自粛する。

当方は、6月末の状況を見てから開催の判断をしても遅くないと考えているが、問題は7月4日に都議選があることだ。この都議選でオリンピック開催が政治の道具になる可能性がある。

恐らく、共産党はじめ野党はオリンピック反対を叫ぶに違いない。問題は都民ファーストである。この政治グループがオリンピック反対を政策に掲げたときに、どうなるか。豊洲問題を思い出した。

豊洲問題は、あれだけ騒いで大したものは何も出てこなかった、と言うのが真相である。何もなかったことが明らかになっただけでも収穫と言えば収穫だが、オリンピック開催是非の問題は豊洲問題ほど単純ではない。

オリンピック中止の判断は、恐らく開会式前日でも大丈夫ではないか。ここまでくれば、いつ中止しても費用の問題は大差ないはずである。それよりもどのような大会にするのかが大きな問題だと思う。コロナ禍で開催するのである。

むしろそこを今から十分議論する必要がある。開会式も簡単に済ませて、徹底して感染0を目指した運営に徹した大会こそ開かれるべきである。

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2021.05/21 ユークリッド幾何学と技術(2)

ユークリッド幾何学は直感的に納得できる空間の幾何学である。図形の問題を解くときに、たった1本の線や点に気がつくかどうかで、その図形の問題を解くことができるかどうかが左右される。

座標系やベクトルを使い解析的に解けば誰でも解に至る場合と比較し、直感に左右される点が科学の時代にそぐわないので高校数学で教えなくなったと思われる。

直感に左右されると言っても、経験を積めば、直感ではなく経験知を基に解析数学よりも短時間に問題を解けるメリットに着眼しないのは、やや偏屈な考え方である。

教育では科学教育こそ重要と言う考え方の日本でプログラミング教育がようやく義務教育のカリキュラムとなったが、ユークリッド幾何学も復活させても良いのではないか。

当方は、大学入試問題で図形の問題を解くときには、まずユークリッド幾何学で考えていた。その方が解の見通しが早かったからである。また、解答も数行で終わる場合があった。ユークリッド幾何学とベクトルのミックスも行っていた。

例えば2点A,Bからの距離の比が一定の時に点の軌跡が円になるというアポロニウスの円を知っていると、わざわざ座標を設定して図形の問題を解くよりも短時間に証明が可能である。

このスピード感は、科学の時代でもヒューリスティックあるいは直感を活用した技術開発で味わうことが可能である。これを非科学的と否定し、技術開発で排除するのは間違っているように思う。

技術開発を仮に直感で行ったとしても出来上がった技術を科学的に解析すれば、それは立派な科学技術である。スピード感のある方法で機能を開発し、その妥当性を科学で証明する、そこで生まれた形式知を基盤技術として伝承してゆくのが企業の開発スタイルとして好ましいと思う。

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2021.05/20 ユークリッド幾何学と技術(1)

高校数学の時間にユークリッド幾何学を2か月ほど学んだ。教育指導要領のカリキュラムには入っていなかったが、教師が独自の教材を作成し、教えてくださった。この数学の先生方の努力には感謝している。

ユークリッド幾何学は科学誕生前に生まれている。古代エジプトのユークリッドが、平行線の公理をはじめ点や線に基礎的な定義を与えて体系化した現代数学に近い数学である。

ユークリッド幾何学による数学と現代数学の違いは、技術と科学との違いに半分似ている。半分としたのは、科学は哲学であり、人間の営みとしての技術とはカテゴリーが異なるからである。

ゆえにこの数学との比較では非科学的技術と科学的技術との違いとした方が良いかもしれない。30年前ヒューリスティックな解により電気粘性流体用3種の粒子を製造したところFDを壊されても仕方がない、とした企業の研究所もあった。

しかし、世間では未だに非科学的技術を頭ごなしに否定する人が少なからずいるにもかかわらず、ユークリッド幾何学は現代数学と比較して誤りだという人はいない。

ニュートン力学と現代物理学との違いと同様に独立した別個の体系である。力学での比較では観察する尺度の違い、として説明している本もある。

数学や物理学において、科学誕生以前に完成した体系を間違っていると否定する人はいないと思うが、また、正しいという前提があるので高校の物理ではニュートン力学を学んでいる。

なぜかユークリッド幾何学を教えている高校は無くなってしまったようではあるが、中学の数学にはその痕跡が残っているので、一応ユークリッド幾何学を現代でも学んでいる、とみなすことができる。

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2021.05/19 ワクチン接種登録ソフト問題

大規模接種センターの接種予約登録ソフトについて、昨晩架空予約者に法的措置を取るとの国からの公式談話があった。二つの新聞社が取材のために架空の番号で不正アクセスを行ったためらしい。

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どのような罪になるのか興味深いが、国はソフトウェアー納入業者にも法的措置を取るべきである。昨日使用したところ明らかにプログラマーの手抜きと思われる杜撰さが目立った。

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発注した担当者の能力の問題もあるかもしれないが、受注側も用途を理解していながらあのようないい加減なソフトを納入しているのは、今の時代、詐欺のようなものである。

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もし新聞社が国から訴えられたなら、その新聞社は国と納入業者を訴えるべきである。少なくとも新聞社が社会正義を理由に不正アクセスをしたというならば、是非今回の用途が分かっていながら杜撰なソフトを納入した業者について、その責任を裁判で明らかにする義務があると思うので、国から訴えられる前に納入業者をPL問題で訴えてほしい。

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工業製品のPL問題では、意図しない用途で工業製品を使われて事故が起きた場合でもメーカーの責任が問われる時代である。ソフトウェアーについてもその用途で明らかに必要な対策動作をしない手抜きのプログラムを納入した業者と発注側の責任について問題にすべき時代だと思う。

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MS-DOSの時代でも今回のような入力データをチェックしない、あるいは管理しないソフトなど当方は作ったことがない。MZ-80Kで作ったお遊びソフトでもエラーを検知し入力画面に戻ったとしても、元の入力データを保持しており昨日のプログラムの動作よりまともだった。

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ところが今回の登録ソフトは入力データのチェックをしないだけでなく、アクセスが多い時には入力データをクリアしてまた入力を求めるといった信じられない時代遅れの動作をしていた。

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国の提供するサービスプログラムについては、本来プログラムのお手本となるぐらいの動作をする品質であるべきで、そのレベルに到達した時にIT立国と呼べるのではないか。起業後、e-TAXはじめ国のサービスプログラムを利用する機会が多くなり、そのソフトウェアーの出来の悪さに泣かされてきた。

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現在の日本は40年以上前の当方のプログラムスキルより低レベルと言いたくなるような状況である。ただし、当方は、プログラムスキルを主要な生活の糧とはしていない。日々の営みに必要なスキルの位置づけである。今回のプログラムは、その視点で見ても品質の低いソフトウェアーである。

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例え無料でも国のサービスプログラムとして使ってはいけないレベルであり、このようなサービスプログラムを堂々と防衛庁のサイトで公開している感覚は、明らかにおかしい。新聞社を訴えて十分に司法の場で吟味していただきたい。

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なお、立憲民主党枝野代表は、この問題について早々と防衛庁を批判していたが、その内容は能天気な内容だった。本来は、プログラムのPL問題として訴えられた新聞社に「檄」を飛ばすレベルが原点となる、もっと過激な発言をしていただきたかった。

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そうでないとこの欄の内容が過激な印象を与える困った状態である。「IT立国JAPAN]と言えるように、国のサービスプログラムは、常に最高品質のソフトウェアーで提供していただきたい、というのが当方の思いであり、本欄の趣旨である。

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「新聞社に国は感謝すべき」という発言は、攻めの野党党首としていかがなものか。いい加減なソフトが自衛隊のサイトで公開されている、という事実だけでも国民は震え上がらなえればならないシュールな光景である。

 

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2021.05/18 デジタル化と社会

ワクチンソフトの不具合がニュースになっているが、アルビントフラーの著書がベストセラーになって40年近く経つ。そして、今日のデジタル化が進展した社会で情報はもはや波ではなく日常のものとなった。

具体的にはアマゾンその他の流通革命があり説明の必要は無いと思う。デジタル技術で何かを変革しようと考える間もなく、世の中が変革された状態の中に取り残された企業や国家の組織があふれているのが現在の状況である。

そして、過去の経験をそのままに取り組んで不具合を発生させて右往左往しているのが、ニュースとなったワクチンソフトの問題である。これは仕事のやり方をデジタル時代に適合させていなかっただけである。

仕事そのものをデジタル時代に適合したやり方で推進するとは、と言う問いについては、ドラッカーの言葉が参考になる。すなわち、日常の仕事は常にイノベーションの要素を含んでいなければいけない、と彼は述べている。

今更デジタルトランスフォーメーションなどと叫ぶ必要は無く、もうすでにデジタル化社会になった今、素直に身の周りの仕事を社会の中で再度定義づけを行ってみると、やるべきことが見えてくる。

例えばBtoCで事業を行っている会社であれば、かつてその間には複雑なサプライチェーンが存在した。しかし、デジタル化が進展し、BとCを直結できる可能性が生まれた。これは重要なことで、この可能性に着目している企業はどれだけいるのだろうか。

ある会社の営業担当にこの話をしたところ、それが簡単ではなく既存のチャネルを壊す可能性があるから、云々と化石状態の回答が返ってきた。既存のチャネルなど壊れても良い、という発想こそ大切である。

また、商品を売っている、という発想はデジタル時代の発想ではない。この意味が不明な方は弊社にご相談ください。環境問題も含め、すべてがデジタル化の中で変革を求められているのだ。

ところで、昨日舛添氏はワクチン接種についてとんでもない勘違いをニュースで伝えている。彼はWEBで申し込んで何とか8月21日が最速、と言っていたが、昨日東京都の大規模接種予約センターで予約したところ、5月24日に第一回を予約できた。

第二回は会場で通達するとのこと。彼は2回目はネットパンクで予約できず、と書いていたが、何か勘違いをされておられる。もし早く予約を取りたいならば大規模接種予約センターを活用すればよいのだ。

今ならば東京都区内在住者は5月中に第一回を接種可能と最新ニュースで伝えていた。舛添氏も早く摂取したいのであれば、政権批判をする前に5月23日までに大規模接種センターに予約すればよいだけである。

ネット予約は、手続き時間30分弱(注)かかっているが、手順通り行えばできるのだ。舛添氏が言われるような恐ろしく時間がかかるわけではない。できの悪いプログラムを前に1時間程度は我慢できる老人でありたい。おそらく昨日11時から予約受付した大規模接種センターの稼働で、一気に接種率が上がるのではないか。

(注)おそらくプログラムの設計が悪いのだろう。申し込みをしたときにアクセス数が多いと、はじかれてTOP画面に戻る動作をしていた。そのため、また最初から名前等の情報を入力することになる。一度入力した情報を記憶するようにできていないのだ。そのため5度も同じことを入力することになった。6度目にようやく受け付けてくれたので、30分以上かかってしまった。しかし、落ち着いて気長に入力しておれば必ず受け付けてくれるはずなので、手順通り操作を行うことをお勧めする。設計の悪いプログラム相手に腹を立てても仕方が無いのである。このようなプログラムしか発注できない担当者の時代遅れの知識が問題なのだ。

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2021.05/17 ワクチン新システムの不具合

ワクチン接種者の管理システムの問題がニュースとなっている。これは初めから予想されていたことである。なぜなら、国や自治体など公共機関が発注したソフトウェアーシステムが、最初からまともに機能した事例を当方は知らない。

たとえば、e-TAXでも現在ようやく何とか使えるソフトウェアーになってきた。しかし、このシステムの経験知を公共機関は生かそうとしていない。少なくともそのための体制を作っていない。

企業でも銀行のシステムを見れば、銀行間でそのロバストの違いがある。すなわちATMが全国で使えなくなる頻度が高いのは、あの銀行であり、たまに発生すると大事になるのは国内トップレベルの例の銀行である。

ワクチン接種者の管理システムはOSのような複雑なシステムではないが、それでもそのロバストを最初から確保するには、それなりの経験知が必要になる。

ソフトウェアー技術に関し、このあたりの事情を知らない人が多いし、また大学でもカリキュラムに入れていないところもあるので驚く。もっとも、これは実務スキルの問題、と言ってしまえば大学で教える内容ではないが、ソフトウェアーの信頼性工学と捉えれば、大学で研究すべき問題である。

このようなことは、マイコンの黎明期から50年近く日曜プログラマーとして遊んできた当方としては、大学の研究者よりも詳しいのかもしれないが、これは形式知まで高めなければいけないと考えている。大学の情報工学の研究者で少し時代遅れとなって自信を喪失されている方はご相談ください。無料でご指導いたします。

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2021.05/16 オリンピックは開催すべきか?

オリンピックを中止に、という声が日増しに大きくなってきた。しかし、本当に中止派の人数が過半数を占めるのだろうか。一度国民投票でもしたらどうか。

組織委員会は開催方向に走っているが、ニュースで知る限り、仕事の進め方が下手である。また、真摯さが伝わってこない。この際、予算の見直しを行い、観客有で開催した時の感染対策に投入できる予算を国民に開示すべきである。

この二週間以内に日本国民全員のPCR検査と抗体検査を行い、東京都民については開催期間中1週間おきにPCR検査を行えば、感染を最小限に食い止めることができるはずだ。

オリンピックを開催すべきかどうか、と言う問題は、コロナの感染状況に大きく影響を受ける。もしオリンピック開催中に今のような状況が見込まれるならば、とてもオリンピックなどできないのではないか。

しかし、感染者数が東京都で100人未満となり、PCR検査による感染者のコントロールができているならばオリンピックを開催すべきである。このような状況になってもオリンピックを開催できないとなると経済活動その他に影響がおよぶ。

オリンピックを開催すべきかどうか、の議論の前に、この感染状況をコントロールできるようになるのかどうかの問題が解決されなくてはいけない。この解については尾見会長がPCR検査以外に抗体検査を国民全員に実施するよう提案している。

もし予算がないというならば、オリンピックの開催予算から捻出すればよい。その結果オリンピックは華美に行わず貧相な行事となっても良いのではないか。それこそオリンピックの原点ともいえるような大会として運営すべきである。そして開催期間中感染者0を目指す姿こそコロナ禍のオリンピックである。

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2021.05/15 コロナ禍のオリンピック

オリンピックまであと70日もない中で、開催をめぐって問題が噴出している。それぞれの問題について言及しないが、開催すると決心したならば、問題が起きないような開催方法を公開討論すべきではないか。

問題が異なる、と言われるかもしれないが、ステージゲート法で開発を進めたにもかかわらず、製品化があと半年と迫った状況で歩留まりが上がらず、とてもこのまま開発を続けたら、赤字の事業となることが見えてきたときに、どうするか。

大抵は、そのテーマを止めて代替技術で製品を立ち上げる。半年もあればそれが可能である。代替技術で製品を立ち上げる方針が出される雰囲気になってきたときに、転覆しそうなプロジェクトに関わっていた人たちの中には、「どうせ中止になるから」という気持ちの人も出てくる。

そして本来自分の持ち場の仕事について手抜きを始める、ということをする。このような光景を30数年のサラリーマン生活で幾度も見てきた。

15年近く前に担当した仕事もそうだった。しかし、センター長の機転の利いた投資判断で想定外の混練プラントを驚異的な短期間で立ち上げ製品化直前に歩留まりが100%に達した。そして、無事本流の仕事で製品が立ち上がったが、その周辺技術でさぼっていた人たちがおり、数か月間その仕事の遅れで量産の足を引っ張った。

コロナ禍のオリンピック開催について問題が噴出している状況よりも、実際に推進している人たちの稚拙な仕事ぶりが垣間見えるのでこのような話を書いてみた。開催すると決めたなら、日本国民が一丸となって問題が起きないような開催方法を目指すよう努力すべき時である。オリンピックはお祭りである。

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2021.05/14 高分子の難燃化技術と環境問題

高分子材料には何らかの添加剤が含まれ市場に提供されている。この添加剤が環境問題を考えるときに難しい問題を引き起こす。すなわち添加剤によっては代替材料が見つからない場合があるからだ。

家電リサイクル法はじめ各種環境関係の法律が制定され始めた20年ほど前に高分子同友会では環境関係の法律が高分子事業に及ぼす影響について議論している。そのとき抽出された大きな問題の一つに難燃剤があった。

どのような高分子でも火災が発生すれば燃える。そもそも火災とは急激に進行する酸化反応なので空気中で燃えない高分子など存在しない。このことを知っていたのかどうか知らないが、かぐや姫は求婚を迫る皇子に対し結婚の条件として絶対に燃えない衣を要求している。

空気中で絶対に燃えない不燃高分子は存在しないが、燃えにくい高分子は存在する。例えばPPSは着火してもすぐに火が消える。ゆえに高分子材料では火災に対して燃えにくくする機能を不燃化と言わずに難燃化と言っている。

PPSのように空気中の燃焼で自己消火性を示す材料は用途により難燃剤が不要となるが、高分子材料の多くは添加剤が無ければ空気中で自己消火性を示さないので、用途によっては難燃剤の添加が避けられない。

難燃化技術の説明を省略しているが、例えば電子材料への応用を考えたときに必要不可欠となる難燃剤の中には環境ホルモンや発がん性その他の環境負荷の大きな化合物が存在する。

そのような話を聞くと、難燃剤無添加の難燃化技術を開発しようと考える人も出てくるが、これはかぐや姫の発想と笑われる可能性がある。

そのような発想も理想追及のために必要かもしれないが、高分子の難燃化技術に詳しい人からは、絶対に困難だと反対される。高分子の燃えにくさという火災に対する絶対的尺度が存在しないので、各業界ごとに存在する難燃化規格を例に説明する。

例えばUL規格では、この規格にまったく合格しない高分子材料に添加剤を加えないで5VBという規格に合格するように変性できない。難燃剤の添加が不可欠である。

長年の経験から高分子材料の難燃化技術は、今日の環境問題の動向変化から20年前と異なる段階になてきており、技術の見直しが必要と思っている。だからどうしたらよいのかは、ご相談いただきたい。

カテゴリー : 一般 高分子

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