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2021.01/14 考える(2)

問題なりテーマなり、考えなければいけないオブジェクトが明確になったら、次にどのような考え方をしたらよいのか。

 

 

 

これはドラッカーが指摘しているように、自分の責任で設定した問題やテーマが、まず正しいか、ということをよく考えるのだ。

 

 

 

正しいか、正しくないかは、〇×のテストで訓練されてきたので、上手な人がいる。まさにそのような方法でも構わないから、オブジェクトが正しいかどうかをよく検討することが「考える」ということである。

 

 

 

このとき、鉛筆やサイコロを転がしていては考える事にならない。あくまでも設定した問題やテーマが、いろいろな視点から眺めてみて正しいかどうかを「考える」のだ。

 

 

このプロセスで新たな問題やテーマさらには問題解決のアイデアなどが見えてきたりすることもある。ゆえに、最初に「正しい問題か」と考える事は重要である。

 

 

ドラッカーは「正しい問題を考え出せば、それで80%問題解決できたことになる」とさえ言っている。

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2021.01/13 考える(1)

昔大学入試問題10傑の一人、小林秀雄著「考えるヒント」を読んだ時に、考え込んでしまった。小林秀雄氏の文章は難解な文章である。

 

しかし、どこかの対談でご本人自身自分の書いたものを後から読んで訳が分からなかった、と話されていたのを読み、びっくりして考え悩むことを放棄した。

 

ここでは、そのような難解なヒントを書くつもりはない。しかし、技術者が、現象を見て考えるときには、そこに潜んでいる機能を見出すように現象をよく眺めることだ、と書いても分からない人には訳が分からないだろうと思う。

 

まず、この点について、当方が心がけていることを書いてみる。考えるためには、「考える」ための対象となる問題なりテーマが必要になる。

 

そもそも考える事が下手な人は、自分で問題なりテーマを考案したりするのがやはり下手である。

 

これは、「考える」ということが下手とは、どのようなことかを意味している。頭が悪い、というところに原因を持っていきたくなるところだが、頭が良くても、すなわち、問題さえ与えればパブロフの犬の如く条件反射的に答えをいうことができるぐらい頭の良い人が、問題を考えだす事ができないケースも見てきた。

 

40年近く、特にゴム会社でそうした頭の良い人を観察した結果、「考える」ことが下手な人の共通点を見つけることができた。それは評論家的であり、自分の責任をいつも意識していない人たちだった。

 

すなわち、現象を前にしても自分がそこから機能を取り出さなくても誰かが見つけ出したものを奪い取ればよい、ぐらいの気持ちでいる人がいる。実際に当方は何度もアイデアを奪われた経験がある。

 

まず、自分が考えなければ誰が考えるのか、という責任感を持たなければいけない。これが最初の一歩である。自分で考えてわからない場合には、誰かに頭を下げてでも問題なりテーマを考え出す覚悟なり、謙虚さと責任感が無ければ、問題なりテーマを考え出すことができない。

 

カテゴリー : 一般

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2021.01/12 高純度SiC開発(7)

科学でわかること、あるいは理解できることと、科学の進歩が遅れているために、あるいは科学で本当に解明できないかもしれない現象の存在をいつの時代でも科学者と技術者は認識していないといけないが、今の科学教育はそれを否定或いは排除するような内容である。

 

このコロナの流行において、山中博士はファクターXの存在を提唱されていたが、一方でTVでファクターXは非科学的でそんなものは存在しない、と否定されている専門家がおられた。

 

コロナに感染しやすい人やしにくい人、あるいはコロナに感染しても死ぬ人と死なない人について、科学的にすべて解明されていると言えない状況で、また、それらが科学的に解明できるとも思えない状況で、ファクターXを非科学的と否定する人は、「実験をやる気が起きなかった」と言っていたゴム会社の研究所の先輩と同じである。

 

せめて、「ファクターXは科学的とは言えないが、ゆえにその存在に期待するのはばかげているかもしれないが、面白い発想である」程度に止めておくべきである。これは忖度ではなく、非科学的なアイデアさえも大切にして考えなければいけない感染爆発状態である。

 

換言すれば、科学的に説明できなくとも現在の感染爆発を押さえることができれば、日本中が喜ぶ。もし、あるアイデアを実施して感染を抑え込んだ時に、そのアイデアがアマビエと大差が無いという理由で、評価しない人がいたならば、それは命の大切さがよくわかっていない人だ。

 

科学的ということよりも、何でもよいから命を救うアイデアこそ価値があるのだ。

 

ポリエチルシリケートとフェノール樹脂とは経験知から工夫すれば均一に混ぜることができるのではないかと考えてはいたが、これが不可能である可能性が高いことは科学の形式知から理解もしていた。

 

確かに両者をそのまま混ぜることは困難かもしれないが、両者が反応してコポリマーとなったなら、異なる現象が現れる。ただし、両者のコポリマーの研究およびその周辺領域について研究レポートは存在しなかった。

 

非科学的で、情報もない、それでもフェノール樹脂とポリエチルシリケートとが反応して均一なゲル物ができたときに、それが高純度SiCの理想的な前駆体になることを期待できるならば、チャレンジする価値は十分すぎるほどあると考えた。

 

当時そのようなことを考えながら、企画を提案したり、全社の募集があった創業50周年記念論文に応募したりしたが、いずれもボツという結果だった。それだけでなく、そうした努力を研究所内でバカにされたりもした。

 

ここで若い人に教訓だが、仕事がうまく進行しなかったり、組織メンバーから軽蔑されたりしても、それが会社の方針に合致しているならば、あきらめず努力すべきである。必ず会社内には共感し援助してくれる人が現れる。

 

もしそのような人が現れなかったり、そのようなことを期待できる風土ではなかったりしたら、さっさと転職したほうがよい。社長方針を誰もが無視するような会社に勤務していても、その会社で働き良い貢献を成果としてだすことはできない。

 

ただし、転職の判断は、広い視野で判断すべきである。FD事件では研究所内で隠蔽化されたために転職を決断した。転職は社内広報にも掲載されるので、誰も隠しようがない最後の手段である。

 

カテゴリー : 一般

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2021.01/11 高純度SiCの開発(6)

リン酸エステルが添加されたホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームは燃焼時に発生する熱で、ホウ酸エステルとリン酸エステルが反応し、ボロンフォスフェートが生成する。

 

このボロンフォスフェートがホスファゼン同様の高い難燃効果を発揮することが確認されている。この難燃化機構から、高温時に高分子に分散された無機成分の反応が、熱力学的に予想された方向へ素直に進行することが確認された。

 

これは高純度SiC前駆体高分子を思考実験でデザインするために大変役立った情報である。思考実験は非科学的手法であるが、アイデアを練るには良い方法で当方は良く用いる。

 

このポリウレタンフォームの難燃化研究で高分子にホスファゼンやホウ酸エステルを均一に分散するコツを経験知として体得した。

 

この経験知から、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂の組み合わせについて、リアクティブブレンドを行えばよいことは、すぐに頭に浮かんだ。

 

ただし、均一に混ざる可能性のない組み合わせについて、リアクティブブレンドがうまくゆく保証は無かった。

 

可能性は未知だったが、ポリエーテルポリオールにホスファゼンをうまく分散できない状況で、プレポリマーのアイデアを思いつきリアクティブブレンドを行い成功した体験があった。

 

この体験から、科学的な根拠は無いにもかかわらず、経験知の蓄積からポリエチルシリケートとフェノール樹脂を用いて均一な前駆体を合成できるのではないかと考えていた。

カテゴリー : 一般

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2021.01/10 高純度SiCの開発(5)

ホスファゼン変性ポリウレタンフォームでは、ホスファゼンを2官能のジアミノ体としてデザインしたのでイソシアネート化合物との反応は、科学的に説明しやすかった。

 

 

また、ジアミノホスファゼンとイソシアネート化合物とのプレポリマーとして配合したので反応化学の形式知があれば、ポリウレタン発泡体の研究者には大変わかりやすい技術だった。

 

 

しかし、ホウ酸とジオール類との反応でホウ酸エステルを合成したのだが、単なるジオールでは加水分解が早く使い物にならなかった。このようなことは1日実験を行えば見通すことができる。わざわざ研究するほどの問題ではない。

 

 

また、ジエタノールアミンを用いてNがBに配位したホウ酸エステルを合成すれば耐水性の高い化合物となる、というヒューリスティックな解をすぐに気がつかなければ、大学で配位化合物の形式知を学んだ意味がない。

 

 

そこで、ホウ酸エステルのデザインや、その他の技術について、単なるパーツとみなして、いきなり配合設計をして、ホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームを合成したのだが、このようなアジャイル開発手法は、当時まだ知られていない手法だった。

 

 

当方は混練の神様と呼びたくなるような指導社員からこのような配合設計手法を学んでいたので、それを活用しただけだったが、これが上司の反感を買った。なぜ研究をしないのか、という問いかけをされたのだ。

 

 

上司の言い分は、ジエタノールアミンを用いたホウ酸エステルの設計についての研究や、それとイソシアネートとの反応についてなどの研究を行い、科学的に技術パーツの素性を解明してから、ホウ酸エステル変性フォームを開発する流れを想像していたらしい。

 

 

このあたりの上司との対話を機会があればここに書きたいが、研究しなくても自明な技術、あるいはホスファゼン変性ポリウレタンの開発経験から予想される知識までも丁寧に研究することを提案してきた。

 

 

ここは企業の研究所なので、迅速にモノをまず生み出すことが重要ではないか、また、すでに目の前にモノができている、などと当方は研究を後回しにした理由を説明したが、とにかく研究データを揃えろ、と押し切られた。

 

 

仕方がないので、研究の香りがあふれ出すような研究テーマを短期間に企画し、それを手早く行い上司に納得していただいたが、それは上司に指示された各パーツの研究テーマではなく、ホウ酸エステルの構造とホウ酸エステルがどのように難燃剤として機能しているのかを示した、上司の考えていなかった機能中心の研究内容だった。

 

 

例えばジエタノールアミンはジオールではあるが、アミノ基にも活性な水素があり、3官能と見なすとホウ酸との反応では、多数の構造のエステルができる可能性があった。

 

 

そのためその構造推定を行った研究や50種類ほど難燃剤パーツの組み合わせを変えた発泡体を合成し、得られた難燃性データについて多変量解析を行って、マテリアルインフォマティクスもどきの研究などを行っている。

 

 

この研究ではコンピュータが不可欠ではあるが、独身寮で遊びに使っていたMZ80Kを使用して、休日に多変量解析の計算をしている。しかし、研究報告書を読まれた上司はこのような小生の隠れた努力と過重労働に気づいていただけなかった。

 

 

まとめられた研究報告書を読まれた上司は納得され、すぐに工場試作をしようと言いだしたので、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの悪夢が思い出され、始末書はもう書きたくないと応えている。

 

 

工場試作後、それはこのホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体の開発を始めて半年後となるが、後工程へ移管された。そして工場にはホウ酸エステル合成用の小さな反応釜が設置され、製品が上市された。

カテゴリー : 一般 高分子

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2021.01/09 高純度SiCの開発(4)

ポリエチルシリケートとフェノール樹脂の組み合わせについて、科学的視点から発想するには難しいが、経験知があれば容易かもしれない。

 

当方は新入社員の時に、難燃性ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の工場試作に成功している。半年間の研究で工場試作まで行ったのだから、本来は褒められてよいはずなのだが、始末書を書かされた。

 

当方は始末書を書くような野暮な仕事をしたつもりはなかったので、もめた末に始末書で、ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体の企画提案を行っている。

 

これも半年後には工場試作を行っているが、とりあえず上市されたので始末書とはならなかった。しかし、この仕事の次に担当したフェノール樹脂発泡体天井材の開発では成果を出したが、300円同期より給与が下がった。

 

今でもこの時の給与明細書を保管しているが、サービス残業までして成果を出して、残業代が出ないだけでなく、給与査定も悪いという最悪の明細書である。

 

給与明細書は最悪だったが、この時の経験知はその後の当方の技術者人生に大変役立っている。また、上司が学会の世話人をやっていたので、当方の研究成果はすぐに学会発表させられた。

 

そのため、形式知としての整理がなされていたので、経験知も明確になった。形式知の整理の重要性はここにある、ということを学んだ。

 

ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体やホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体、シリカ変性フェノール樹脂天井材などから獲得し、整理された経験知があったので、科学的には否定されるフェノール樹脂とポリエチルシリケートの組み合わせでもチャレンジする強い動機になった、と思っている。

 

しかし一番大きいのは、成果を出しても評価されなかっただけでなく給与も増えなかった悔しさかもしれない。給与明細書を取り出して今眺めてみると、よくモラールを維持できたものだと感心している。

 

一方で、成果を出しても評価してくれなかっただけでなく、責任のない新入社員に始末書を書かせたダメな上司のおかげでホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体技術が生まれたので、ダメ上司ではなく感謝しなければいけないのか、と不思議な気持ちになる。

 

おそらく当時の上司は商品化部隊から、すぐに商品化できる新たな難燃化技術を求められていたのかもしれない。

 

だから、半年もかからずに工場試作が成功したホスファゼン技術を易しい技術と勘違いし、すぐに経営会議で発表したのかもしれない。毎晩徹夜し日夜奮闘努力していた新入社員のことを忘れていたのだろう。

 

なんやかやと悪い思い出も出てきてしまうが、企業で研究開発した成果をすぐに学会発表できたことは、数少ない幸運の一つだったのかもしれない。当方の発表の部屋は常に満員だったのは、時代のニーズに適合していた研究だったからだろう。

 

セラミックスフィーバーが起き始めていた時代であり、無機材料と有機材料の分子レベルのハイブリッドという先端技術を惜しげもなく学会発表させてくれた上司は、おそらく技術の価値など分かっていなかったのかもしれない。

 

当方は、高純度SiCの開発を一人で担当しなければいけなくなったときに、学会発表はすべてやめている。反応速度論解析がゴム会社最後の学会発表である。ここまでのネタで小出ししながらの学会活動に絞っている。

カテゴリー : 一般

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2021.01/08 高純度SiC開発(3)

A法の1成分とB法の一成分を組み合わせC法を発明するアイデア創出法をPPAP式発想法と当方は呼んでいる。

 

PPAPでは、リンゴとペンを組み合わせる論理的必然性あるいは科学的根拠は無いが、それをとりあえず組み合わせてみる。ついでにパイナップルも組み合わせてみる。最後は全部意味もないモノを組み合わせてみたが、完成した全体を眺めてみると言葉遊びになっているという優れた流れである。

 

二匹目のどじょうを狙ったブンブンは流行しなかったが、技術を考えるときにPPAP式発想を取り入れてみるのは、悪くはない。とりあえず組み合わせてみて全体を眺めて考察してみる、という行為は無駄ではない。確率は低いが新しい発見の場合にPPAP同様にホームランとなる可能性がある。

 

ポリエチルシリケートとフェノール樹脂の組み合わせは、科学を御存じであれば組み合わせ検討することはない。フローリー・ハギンズ理論から相分離して無駄な作業であることが実験をしなくても理解できる。

 

そこをあえてPPAP式発想法で考案したポリエチルシリケートとフェノール樹脂との組み合わせ(C法)を検討したのだが、この組み合わせからSiC前駆体を生み出すためには、少し技術的センスが必要となる。

 

技術的センス、といってもそれほど高度なことではない。科学的に考えると、実現性について否定され、仮にそこを越えたとしても他のA法やB法が実用化されていない現実がある、それを見てどのように判断するのか、という視点をもつことである。

 

技術的センスのない人は、ほとんど考えようとしない。ばかげた視点かもしれないが、一度その視点でPPAPを眺めて笑ってみるぐらいの柔軟さが欲しい。これが当方の言いたい技術的センスである。

 

技術が科学と大きく異なるのは、それが何千年も前から行ってきた人間の営みであることだ。遺跡を探すと古代人の技術成果のいくつかを見出すことができる。

 

ファーガソンの技術論を持ち出すまでもなく、「C法でゲル化してシリカと炭素が分子レベルで均一に混合された固体が得られれば、理想的な前駆体」となるあるべき姿を科学的視点で否定されても、一度眺めて考えてみて、そこを目指す判断は、科学者ではできないが、技術者ならできる。

 

さらに、仮にあるべき姿を目指した視点を持てたとしても、考察を科学の世界で進めていくと、膨大な実験が必要となる問題が見えてくる。

 

これを乗り越える勇気があるかどうかという技術的センスもまた求められる。しかし、これを科学的ではないという理由で愚かな考え方と思ってはいけない。

 

あのiPS細胞の山中先生も、このような科学にとらわれない柔軟な考え方でノーベル賞を受賞されているのだ。

 

ただし、ノーベル賞の実験に必要な知識ほど難しい内容ではない。ゼリーや寒天、煮凝りに興味を持たれた方なら容易にアイデアを出すことが可能である。

 

カテゴリー : 一般

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2021.01/07 若者の思いやりの心に期待したい

緊急事態宣言が発令されるという。また、昨日は東京都の感染者数が新記録となった。全国では6001人となった。感染症を防ぐには、人との接触を避ける事、これは昔から知られていることである。

 

コロナ禍では、「3密(英語では3C)」という日本語がグローバルスタンダードとなり、8割おじさんという有名人も誕生した。

 

感染者が増え続けているというのに、年末の人出は減少しなかった。一方で、TVは恐怖感をあおるので自殺者が増えている、という批判まで飛び出した。

 

昔ジンメルの「自殺論」を社会学の授業で研究したが、感染症の流行だけでなく不況とかなんでも社会不安があると自殺者は増えるそうだ。TVがあおらなくても、ジンメルの説に従えばコロナの流行だけで自殺者は増えるのである。

 

「正しく恐れましょう」などという奇妙なフレーズを言っていたお医者がいたが、過度に怖がるかどうかは、個人的資質も影響する。

 

それよりも、これだけ感染症が流行しているというのに、無関心を装い、人混みを作っている人は、何を考えているのだろうか。風俗で性病がうつると分かっていても懲りずに風俗へ通う人は一定数いるようだ。

 

今や性病で死ぬことは無くなったが、コロナで40代以上は、死ぬ可能性を考えて行動するのが「正しい恐れ方」である。先月も国会議員がコロナに感染して急死している。

 

20代、30代の若僧にとって、コロナは単なる風邪かもしれないが、年寄りは40倍も死ぬ確率が高いのだ。

 

インフルエンザにかかってもすぐに死を考えないが、コロナにかかったら死を覚悟しなければいけない年齢が多数いる現実を理解していたなら、東京都の一日の感染者数が1000人を超えることはなかったと思っている。

 

もうここまで広がると個人の努力では防げない状況だ。郵便物からも感染する可能性が高くなった。電気やガス、水道の検針を恐怖と感じなければいけない日常である。

 

これは、ニュースで報じられているので過度の恐怖をあおっているのではなく現在の事実である。思慮の無い国会議員はともかく、常識的な高齢者はこの1年近く蟄居生活を強いられている。しかし、まじめに自粛していても感染する広がり方である。

 

カテゴリー : 一般

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2021.01/06 高純度SiC開発(2)

アチソン法は、SiCの生産方法としてエジソンの時代に開発された生産技術である。石英と炭素、おがくずなどを混ぜて積み上げた山に電気でこの山ごと高温に加熱し、SiC化の反応を行う。

 

このプロセスでαSiCのインゴットを製造後、それを粉砕し粉を製造する。そして何段階かの精製プロセスを経て98%から99%の純度とし、それを昇華法で高純度化するのがレイリー法である。レイリー法ではシリカ還元法で製造されたβSiCも用いることが可能である。

 

それならば、最初に100%の純度の原料を用いてシリカ還元法を行えば、100%の純度のSiCができるのでは、と誰もが考えるので、1980年頃この視点による特許が多数出願されていた。

 

その中には、ポリエチルシリケートと高純度カーボンの組み合わせ(これをA法)や高純度シリカと高純度フェノール樹脂の組み合わせ(これをB法)を原料とする製造法の発明があったが、ポリエチルシリケートと高純度フェノール樹脂の組み合わせ(これをC法)は特許として出願されていなかった。

 

高分子について知識があれば、この組み合わせではフローリー・ハギンズ理論のχが大きいので相分離し、前駆体として用いることができないことに気がつく。

 

これは、科学の視点で当たり前の考え方である。だから特許として出願されていないのだろうと理解し、納得している人は、AIと同じで21世紀において創造的な発明は難しい。

 

また、A法やB法が実用化されていないことから、C法も実用化が難しいだろう、と簡単にあきらめる人は、頭は良くてもおそらくアイデアの出にくい人だ。

 

C法が理想的にできたならば、シリカとカーボンが分子レベルで混合された固体となり、A法やB法で製造された前駆体の状態とは大きく異なる。

 

そしてこの前駆体を用いれば、当時シリカ還元法において誰もなしえていない均一固相反応でSiC化の反応を行うことができる。

 

このことがどれほど科学の世界において斬新かつ重要であったかは、約10年後当方がまとめた研究を勝手に論文投稿したアカデミアの先生がおられたことから理解できるかもしれない。すなわちパイロットプラントができた当時でさえ未発表の内容が数年後でも科学の視点で鮮度を失っていなかった。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2021.01/05 高純度SiC開発(1)

表題の企画をしたのは、40年近く前である。ゴム会社の社長が交代し、新社長がCIを導入すると同時に、1.電池、2.メカトロニクス、3.ファインセラミックスを3本の柱とした全社方針を発表された。

 

このころ、世間ではファインセラミックスフィーバーが吹き荒れ、TVで先端技術であるファインセラミックスの話題を報道しない日が無かった。

 

NHKでは、まだ学生だった宮崎緑氏をナビゲーターに起用した特別番組「日本の先端技術」を放送し、いすゞ自動車が開発したオールセラミックスエンジン車「セラミックスアスカ」の公道を走る様子が紹介された。

 

トヨタや日産自動車は、ガスタービン車の開発や、ガスタービンとモーターを組み合わせたハイブリッド車の開発を発表していた。ファインセラミックスフェアーが毎年国際展示場で開催され、これらは目玉の展示として扱われていた。

 

SiCやSi3N4、サイアロン、高靭性ジルコニアが当時新素材として扱われ、その高純度化技術は、開発目標となっていた。

 

セラミックスの高純度化は、それが高温まで安定という理由でコストがかかった。例えばSiCについては、2300℃以上の温度で昇華再結晶を行うレイリー法が知られていただけである。

 

プラズマやレーザーを使い、高純度SiCを合成する手法も研究されていたが、レイリー方法ほど一般化していなかった。また、量産プロセスとしてコストの問題を抱えていた。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料

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