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2021.01/11 高純度SiCの開発(6)

リン酸エステルが添加されたホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームは燃焼時に発生する熱で、ホウ酸エステルとリン酸エステルが反応し、ボロンフォスフェートが生成する。

 

このボロンフォスフェートがホスファゼン同様の高い難燃効果を発揮することが確認されている。この難燃化機構から、高温時に高分子に分散された無機成分の反応が、熱力学的に予想された方向へ素直に進行することが確認された。

 

これは高純度SiC前駆体高分子を思考実験でデザインするために大変役立った情報である。思考実験は非科学的手法であるが、アイデアを練るには良い方法で当方は良く用いる。

 

このポリウレタンフォームの難燃化研究で高分子にホスファゼンやホウ酸エステルを均一に分散するコツを経験知として体得した。

 

この経験知から、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂の組み合わせについて、リアクティブブレンドを行えばよいことは、すぐに頭に浮かんだ。

 

ただし、均一に混ざる可能性のない組み合わせについて、リアクティブブレンドがうまくゆく保証は無かった。

 

可能性は未知だったが、ポリエーテルポリオールにホスファゼンをうまく分散できない状況で、プレポリマーのアイデアを思いつきリアクティブブレンドを行い成功した体験があった。

 

この体験から、科学的な根拠は無いにもかかわらず、経験知の蓄積からポリエチルシリケートとフェノール樹脂を用いて均一な前駆体を合成できるのではないかと考えていた。

カテゴリー : 一般

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