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2021.09/04 オーディオに学ぶ(9)

オーディオの市場は音楽を楽しむ人で構成されていると思われる。昔はエジソンの発明による蓄音機が商品としてあった。当方が小学校に上がる前に手巻き式蓄音機を倉庫で見つけ遊んだ記憶がある。


小学生になった時にコロンビアのステレオを父親が購入してきた。高校生の時にはOTTOが勉強部屋に置かれた。義兄からのおさがりであるが深夜放送をそれで聴いていた。大学に進学後はサイモンとガーファンクルはじめフォーソングやブルース、ジャズのレコードを月に数枚購入し聞いていた。


ちょうどこのころがオーディオブームの始まりで、STEREO誌はじめオーディオ専門誌が多数登場するとともに、長岡鉄夫はじめオーディオ評論家が多数現れた。そして彼らがオーディオ業界をけん引していった。


オーディオ市場にはもう一つ、ビートルズの来日で火がついたエレキギター関連の市場が存在していた。オーディオ市場は大別すると演じる側と聴く側の市場が存在し、演じる側はプロ用機器として存在していた。聴く側の市場がホームオーディオ市場であり、これが急激に縮小化したのだが、演じる側の機器は昔ながらの規模で存在している。


聴く側の市場は、若者についていえば携帯電話に置き換わったように思われる。その他は高級オーディオである。ポータブルステレオも一部商品として存在しているが、家電店に行ってもそれを展示していない店舗も存在する。


今もステレオ誌が存在し、そこに紹介されている新製品を身近の家電店に行っても展示されていない。秋葉原にあるオーディオ専門店に行かなければ見つからない状態だ。


ところが驚くべきことに4-5000円程度の高性能デジタルアンプが秋葉原のオーディオ専門店以外で販売されている。これをネットで調べてみると、アマゾンでも扱っており、おそらく若い人はこの安価なデジタルアンプにスピーカーをつないでスマホで音楽を楽しむ生活をしている可能性がある。


すなわち、オーディオ機器の販売チャネルだけでなく機器そのものもDXの流れの影響を受け、市場が大きく変貌しているのにオーディオ業界がそこへ対応できていない可能性がある。


昔ながらの音楽を聴いて楽しむ層は今でも存在するが、高くなってしまったオーディオ製品など切り捨てて、安価に音楽を楽しむ手段を模索した結果、安価なデジタルアンプに安価な高性能自作スピーカーを接続して楽しむスタイルに変わったのかもしれない。



しかし、演じる側の機器については、少し大きな楽器店に行くと昔のように商品が展示され、お茶の水で数店ウィンドウショッピングをすれば売れ筋商品がわかる。すなわち、それなりの昔ながらの規模の市場が維持されているようだ。

カテゴリー : 一般

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2021.09/03 高分子のシミュレーション(1)

高分子材料のシミュレーションの有効性がどの程度あるのか、例えば組成から機能をシミュレートできるのか、という問いに対して、一般の人の期待に応えるのは現在のところ難しい、というのが正直な回答である。


まず、組成から機能を科学的に決められる、という考え方に問題があるにもかかわらず、それがシミュレートできて、特定の組成で少し実験するだけで機能性コンパウンドを実用化できたなら、それは素晴らしいことである。


今の科学でそこまでできるという人は、ほとんど詐欺師と捉えてよいが、ここでは、シミュレーションに費やされた時間について少し書いてみる。


シミュレーションに1年もかけて、そのシミュレーション結果を利用したところ、1か月程度の実験で新しいコンパウンドができました、ならまだ許される。しかし、シミュレーション結果を利用しても材料開発に1年かかったらどうだろうか。


当方は、79年10月1日にゴム会社の研究所へ配属されて、樹脂補強ゴムの開発を担当している。そして当時としては世界初の防振ゴム用の加硫ゴムと樹脂からなるTPEを開発(特開昭56-122846)しているが、そこに要した期間は3か月である。


これは、指導社員が防振ゴムのシミュレーションをダッシュポットとバネによる粘弾性モデルでシミュレーションを完成していたたおかげで、3か月程度の短期間に実用配合が見つかった事例だが、もし午前中の座学の時間と休日も実験に振り向けられたなら開発期間は1か月まで短縮できたと思う。


しかし、それでも当時の指導社員は、シミュレーションで現象の説明はできるが、配合まで見出すのは困難だ、と言われていた。さらに、ダッシュポットとバネのモデルによる粘弾性論自体が21世紀には無くなっているだろうとも予測されていた。


 

カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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2021.09/02 材料の科学と技術(1)

科学と技術では、その実験方法が異なることをこの欄で説明している。実験方法が異なるということは、現象との接し方や捉え方が異なることを意味している。


科学は義務教育で学ぶ、自然との接し方の標準である。驚くべきことに大学を卒業するまで科学だけを学ぶ。科学以外に人間がその誕生以前から行ってきた自然との接し方もある。


国語で学ぶ松尾芭蕉は技術者ではないが、自然との接し方は技術者そのものである。しかし、松尾芭蕉をとおして俳句の作り方を学ぶが、高純度SiCの作り方は学ばない。


このような書き方をすると松尾芭蕉に叱られるかもしれないが、松尾芭蕉に叱ってほしいのは、科学の姿勢による自然への接し方を唯一とする、科学こそ命より大事とする人たちである。


このような人たちがする大きな間違いの一つに組成から機能が唯一に決まるという現象の捉え方だ。すなわち材料設計するときに組成なり分子単位で機能が唯一に決まる体系を構築しようとしている人だ。


このような人たちが使う詭弁として、機能から組成を求めることができない、というのがある。機能を実現しようとする方法が唯一でない限り、機能から組成を決めれないのは当たり前である。


この当たり前を前にして、組成から機能を導き出す解なり、体系を作り上げようとしても科学的に完璧な体系ができず、否定証明を生み出すことになる。当方のFDを壊した人は、組成から機能はできない、という否定証明をしたが、小生は、その否定証明された組成から機能を導き出した。

カテゴリー : 一般

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2021.09/01 評価技術の重要性

製品開発において品質評価技術は重要である。多数の部材の組み合わせで部品が完成するが、部品の品質評価技術は製品の品質を保証するものでなければいけない。


同様に部材の品質評価技術は、部品の品質を保証できるように開発される。当たり前のことを書いているが、この評価技術の開発が難しく、その結果なれ合いの品質基準となることがある。


例えば部材と呼ぶべきコンパウンドが、単にペレット形状だけの品質規格になっていたり、ひどい場合には開封して、ばらけていることが品質規格になっていたりする。


もちろんそれで製品品質を保証できれば何も問題とならないのだが、それほど市場は甘くない。わけのわからない品質問題と言うものが起きたりする。


これは、品質規格というものが、科学的に正しく決められていないからである。例えば、科学の時代では科学的ではないと言った瞬間に袋叩きにあうので、科学の香りをつけて規格を決めるような場合である。


しかし、川上に行けば行くほど科学の香りをつけるのが難しくなってゆく。材料開発者であれば、科学の香りをつけるインチキにリスクが高いことに皆気がついている。よく知っているが、化学分析の手間や設備コストの問題があるため、リスクに目をつぶり、適当な実験を進めたりする。


例えばペレット形状を何水準か変動させて、部品の不良率をペレット形状が決定しているように見える実験を行い、品質規格を作り上げる。無いよりましな品質規格である。


このようなことをすると、市場でわけのわからない品質問題が起きたときに訳が分からなくなるのだが、それでも品質規格が科学的に決められている前提で品質判定したりする。


製品開発者には信じられないかもしれないが、コンパウンドの品質規格がどのように決められているのか、一度チェックしてみるとよい。


押出成形で半導体ベルトを開発した経験がある。このテーマで前任者は外部からコンパウンドを購入して開発していた。ところが、半導体ベルト用コンパウンドであるにもかかわらず、ペレット形状とMFRだけの品質規格だった。ベルト抵抗を保証する規格が無かったのだ。


しかたがないので、コンパウンド工場を立ち上げた。この時、ペレット形状以外に電気特性に関するスペックと混練状態に関わるパラメーターをスペックに加え、コンパウンドの生産を開始した。


徹底したコンパウンドの品質管理によりベルトの周方向の抵抗が安定したベルトを安定に生産できた。成形安定性は、前任者の記録で最も悪い時に比較して、歩留まりが7倍に跳ね上がっている。ただし、中古機を買いそろえて3か月で立ち上げた混練プラントだが、品質保証用の設備は新品を購入している。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2021.08/31 新材料は気合だけではできない

昨日オリンピックの影響もあり、浜口親子を思い出し「気合いだ!」と叫べば新材料が簡単にできる誤解を与えるような表現になって後悔している。気合いだけで新材料はできないのである。


とかく材料開発は失敗と挫折の連続である。だから気合が必要なのだが、気合をいれれば必ずできるわけではないので、昨日の内容について補足を書く。


気合をいれても、頭が空っぽではレスリングさえできない。レスリングは喧嘩ではなくスポーツである。ルールの中で技を繰り出し、一瞬の攻めどころを見出して勝てるのである。だから、レスリングでもそれなりの頭脳がいる。


材料開発も同様で、形式知と経験知と言う明確な枠の中で技を繰り出し、新材料を創出するのである。レスリングが一瞬の攻めどころを攻めて勝てるように、材料開発では目の前の現象に暗黙知が刺激を受けたときに偶然できてしまうことがある。


セラミックスから高分子材料までありとあらゆる材料開発を経験してみると、実際に偶然できてしまった体験が重要であり、その感覚を忘れないように言葉として残しておき、これが後々の開発に大変役立っていることに気づく。


すなわち暗黙知を具体的な言葉に落とす習慣が重要である。STAP細胞ではハートマークの実験ノートが話題になったが、当方の実験メモには、わけのわからない妄想が幾つか言葉として表現されている。


下手な絵もいくつか残っているが、文章で残す努力をしてきた。樹脂補強ゴムの開発では、指導社員も飽きれていたが、検討候補の樹脂材料について10部づつ添加した配合処方30数種類を徹夜して一気に混練している。


理由は、日をまたぐと現象を眺めた感想の表現が変わる可能性があったからである。10部しか入っていない樹脂相がうまく海となった海島構造が目標とされたが、ナノオーダーの構造変化がロール混練プロセスでマクロな現象として観察できたのである。


本当に観察できていたかどうかは、翌日以降の電子顕微鏡写真との照合で確認している。昼食や夕食を抜いて続けて混練していると、微妙なマクロ変化の共通点が見えてきた。それが電子顕微鏡写真の結果と一致した時に暗黙知が経験知に変わる習慣だった。


これは食欲睡欲の二つの欲求を犠牲にして気合を入れて実験を行った成果であるが、得られた経験知をすぐに応用し、世界で初めての樹脂とゴムのポリマーアロイ防止ゴム配合処方を短期間に開発できた。ただし、短期間に開発できた要因はもう一つあるが、これは後日この欄で述べる。

カテゴリー : 一般 電子出版 電気/電子材料 高分子

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2021.08/30 迅速な材料開発

新材料を迅速に開発するにはどうしたらよいのか。幾つか体験事例を示す。詳細については弊社にご相談ください。


新入社員の時に、実用的な樹脂補強ゴム(TPE)の配合を3か月で開発している。その後この配合は、後工程で某自動車向けエンジンマウントとして実用化された。


ホスファゼン変性ポリウレタンフォームは、6か月で工場試作に成功している。そして始末書を書いているのでこの始末書は開発時間の証拠となると思う。


その始末書にホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画を書いている。そして5か月後には工場試作を行い、これはその後実用化されている。


フェノール樹脂天井材に至っては、いつできたのか明確ではない。某フェノール樹脂メーカーと共同開発するにあたり、発泡機を購入した。ところが、その発泡機を立ち上げる前に後工程が研究所へトラックで乗り付け、その発泡機を工場へもっていってしまった。研究開発期間をどのように捉えたらよいのか。


これをアジャイル開発と捉えれば説明がつくが、研究と開発が同時並行で進んでおり、研究所でとりあえずできた処方がすぐに市場に流れていった。


そして市場で問題が起きると品質規格を見直し、それを目標に処方開発を行っている。製品の品質規格の評価を研究段階でできたのでこのような開発スタイルとなったが、これはその後の良い経験となった。


高純度SiCの前駆体の基本処方は、フェノール樹脂天井材の開発で余ったフェノール樹脂を廃棄するために1日作業を行ったときに完成している。これが21世紀に日本化学会から賞を頂くことになった基盤技術である。


すなわち開発が終了し、大量のゴミとなったフェノール樹脂を廃棄するときに、ラテン方格を使い、実験計画法もどきの実験を行いながらフェノール樹脂を硬化させて、社内の焼却場で焼却処理できる状態にした。


だから研究予算をかけずに前駆体の処方は完成している。この前駆体を焼成してSiC化する条件は、たまたま昇進試験に落ちたために無機材質研究所で1週間自由に実験できるチャンスがおとずれ、その3日間で高純度SiCができている。


ゆえにゴム会社としては、高純度SiCのプロセス開発が開発費0でできたことになる。これが30年続き、当方が65歳になった時に(株)MARUWAへ事業譲渡されている。ちなみにこのシナリオは昇進試験に落ちたときの答案の内容に近い展開である。但し昇進試験の答案では、10年後に別会社とするシナリオになっていた。


横道にそれたが、無機材質研究所で高純度SiCができるや否や先行投資2億4千万円と研究棟建設が決まっている。研究棟が完成してから1か月後には10kg/日の連続焼成炉が稼働し壊れている。原因はプッシャー炉の設計が悪かったため、プッシャーの棒が折れやすかったからだ。


この折れやすいプッシャーの棒以外に、幾つかのドラマが生まれている。プラントが稼働し二回目の昇進試験を受験し合格しているのだが、答案の内容は1回目と同じである。


これ以外にサラリーマンとして誠実に生きる努力がどれほどつらいことなのか学ぶドラマを経験するのだが、忖度の道ではなくドラッカーの誠実真摯を目指した。その結果転職を選ぶことになったので気分は複雑である。


写真学会から賞を頂いているシリカゾルをミセルとして用いたラテックス重合は、当方のコーチングスキルにより瞬間芸的に合成条件が見つかっている。これは、弊社研究開発必勝法の事例として用いている。


まだまだあるが、退職前のカオス混合プラントは開発開始から生産立ち上げまで3か月である。6ナイロンが相溶したPPSベルトに至ってはシリカゾルをミセルに用いたラテックス同様に瞬間芸でシーズを見出している。そしてカオス混合プラントができるや否やそれが実証された。


退職を1年延ばし、2011年3月11日を退職日に設定して開発したPETボトルのリサイクル樹脂は、内装材用は2011年の新製品に搭載されたが、外装材は2年後である。これは10年前なのでここに書きにくい内容だ。


最後に30年前の話になるが転職の原因になった電気粘性流体の耐久性問題解決では、一晩の実験である。添加剤無添加のゴムを開発せよと言われて、明らかに不可能なゴム開発をしたくない一心で一晩で問題解決できる界面活性剤を見出している。


この界面活性剤とやはり当方の開発した傾斜機能粉体で電気粘性流体は実用化されているが、界面活性剤で電気粘性流体の耐久性問題を解決できない、という否定証明は、博士や修士の研究者が1年かけて行っている。


材料開発と言うものは、否定証明をやってしまうと永遠にできなくなる。笑われるかもしれないが、「気合いだ!」と叫びながら明るく開発できることを考えながらやったほうがよいかもしれない。そうすると、失敗してもくじけないのである。うまくできない時に科学で完璧に否定証明を行うには時間がかかる。そんなことを実行するぐらいなら潔く開発を中止したほうが良いが、その前に弊社へご相談してください。

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2021.08/29 勝南桜聡太引退

勝南桜という力士をご存知の方は、相当な相撲好きである。当方は90連敗からのファンである。いったいどこまで連敗記録を伸ばすのか、ハラハラしながら応援していたが、104連敗で引退である。


通算成績は3勝238敗なので、全敗の相撲人生ではなかった。まだ23歳であり、もう少し続けることができたのに残念である。引退は本人が決めたという。相撲協会から言われたわけではないようだ。


親方である元北桜関は、「まだ頑張ってほしかったが、彼の気持ちを受け止めた」と述べている。相撲という競技はどれだけ連敗しても続けられる競技のようだ。


連敗を続けた時に引退を言われるのは横綱だけであり、それ以外は番付が下がるだけである。すなわち、本人が望む限りチャレンジができるプロスポーツのようだ。


プロ野球は成績不振で二軍に落ち、それでもだめならば引退となる。プロ野球で負けても一軍で頑張っていた選手として記憶にあるのは、中日の山本昌弘投手である。派手さは無かったが、立派な200勝投手で、50代で引退するまで最年長ノーヒットノーランなど最年長記録が多い。


勝南桜関の良かったところは、その負けっぷりである。八百長ではないのだ。負けても負けても翌日にはガチンコで相手にぶつかってゆく。プロレスのエルボーまがいの技を使い、相手の脳震盪を誘って勝ち星を重ねている横綱とは大違いで、立ち合いを見る限り立派な横綱相撲だった。


かわいそうなのは関取にしては筋肉が少ない。体質かもしれないが、みるからに痩せている。しかし、最低限の体力テストにはパスしているはずなので、相撲が技だけで勝てないスポーツであることを身をもって示した。


しかし、一番大きな功績は、負けても負けても腐らずに一生懸命体当たりする姿勢を見せてくれたことだろう。人生で一番大事なことだ。できれば、プロとして親方から引導を渡されるまで続けてほしかった。第二の人生も一生懸命頑張ってほしい。

 

カテゴリー : 一般

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2021.08/28 野々村真退院

野々村真というタレントのファンではないのだけれど、このタレントの不思議な魅力に興味を持っていた。このタレントは、いわゆるおバカタレントに分類されているが、昔からそこに疑問を持って眺めてきた。彼のボケ方には知的な要素が隠れている。


昨年の冬から春にかけて、コロナ流行と騒がれたにもかかわらず不要不急の海外旅行をして帰国し、その症状があるのに歩き回りクラスターを発生させたり、医者の卵が酒飲んで騒いでクラスターを発生させたり、おバカな人たちがコロナをばらまいていた時に感染していないのだ。


そして、誰が感染してもおかしくない時に感染し、先日退院し、TV番組で闘病生活の様子を語ったことがニュースとなっていた。内容は、TVで見かける、少し信じられないばかばかしさのようでそうではない実体験の語り口だった。


このあたりが不思議な魅力なのだが、冗談ではなく本当に死にかかっていたようだ。自宅療養から、救急車が来てもすぐに入院できなかった体験、保健所から許可が出て入院したがICUに入るほどの重病だった話など、稲川淳二と少し異なる恐怖をあおられる。


その言葉の中に「みんなを助けることができないかもしれない状況」という表現がある。分かりやすい表現である。さらに「運がつながってゆかないと助からない状況」と続く。とてもおバカタレントとは思えない今の状況を伝える表現力だ。


政治家の言葉よりもわかりやすい。もう日本全国で100人に1人、東京だけに限れば50人に1人以上がコロナに感染している。そしてまだコロナ感染状況は悪化しているので、誰もが感染する可能性のある状況と表現できる。


しかし、どこまでその恐怖が理解されているのだろうか。ワクチンを打っていてもブレークスルー感染が、インフルエンザ同様に存在する。ただ、これまでの報告を聞いている限り、重症化のリスクはワクチン接種でかなり低下するようだ。


コロナ感染の後遺症の報告も多くなった。公開されている情報から判断されるのは、治癒しても辛い生活となる可能性が高いことである。病み上がりの野々村氏には申し訳ないが、今後は後遺症についてもその表現力で報告していただきたい。

カテゴリー : 一般

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2021.08/27 連続式混練機

一軸押出機や二軸混練機は連続式混練機として使用される。着色目的で顔料程度の分散ならば一軸押出機でも構わないが、フィラーの分散やポリマーブレンドになると二軸混練機を使用しなければいけない。また二軸混練機でも十分な目的を達成できない場合がある。


この技術において難しいのは、「不適切な使用」をしているかどうかが分かりにくい点である。「不適切な使用」という表現にした理由は、100点満点の使用条件を当方でも出せないからである。


そもそも連続式混練機そのものが不完全なプロセスであることが知られていない。完全な混練プロセスがあるのかと言うと、どのような状態を100点満点の混練とするのかも明確ではない。


中間転写ベルト用コンパウンドを3か月で0から仕上げるにあたり、最初に行った仕事は、コンパウンドの混練状態の目標設定である。ベルトを押し出してみて、ベルトの周方向抵抗がばらつかないようなコンパウンドがゴールとなるわけだが、これをコンパウンド段階でどのように品質規格として設定するのか難しい問題だった。


二つの指標を設定して品質規格としたのだが、最初の一か月は大変だった。カオス混合装置がうまく機能するようになって安定化してきた。ただし、これはタグチメソッドの成果であり、二軸混練機本体がどのように改善されたのかは不明だった。


ただ制御因子から、いくつかの機能が推定され、コンパウンド工場が立ち上がった後にゆっくりと研究を行った。二つの設定した指標も適切な指標であり、特に一つはSN比で表示したのだが、二つの指標の間に相関性が認められ、結局SN比の指標だけで1年ほど品質管理を行い、安定化したのでこれも取り払っている。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2021.08/26 原監督

巨人の監督として長嶋茂雄氏は有名である。川上哲治氏も記憶に残っている巨人の監督だが、原監督も彼らと並ぶ評価を得ているのだろうか。巨人の監督年数が長い。


今回の中田問題について、原監督は今季限りなので中田選手を採る決断ができた、という記事があった。すなわち、セリーグの優勝を目指すためになりふり構わず採った、というのだ。


本当にそうかどうか知らないが、また巨人ファンでもないので巨人の優勝にも興味はない。ただ、中田氏という問題のある選手を更正させようと決断したことだけは評価している。


企業でもそうだが、問題のある優秀な人材を切り捨てることは簡単である。しかしその優秀な人材をうまく使いこなし、更生させて真の優秀な人材として成長させるとなると難しい。


転職した時に高分子基盤技術を研究開発する部署に配属されて研究開発管理部門のリーダーとなった。その翌年の新入社員で優秀な人材がいたが、実業団のスポーツに熱心で仕事は指示待ち族状態だった。


新入社員時代ならばそれでよいが、やはり能力を期待して採用した優秀な人材だったので、実業団の選手としてサラリーマンを終わらせるのはもったいないと思った。


ちょうど社会人ドクターコースが話題になっていた時代なので、そのコースへその人材を放り込んでみた。無事人材として育ち、学位を取得してくれた。その後は説明の必要が無い活躍をしてくれて、日本化学工業協会から賞を頂けた。


中田氏は腰痛問題を抱えているだけでなく、今シーズンは大不振であり、さらにそれが原因で暴力問題を起こしたかもしれない選手である。今シーズンだけを考えて採るには大変リスクがある。


中田氏が巨人移動後、おそらく原監督のネゴだろうと思われるが、長嶋終身名誉監督が中田氏を激励するために現場に現れたらしい。そして打ったホームランである。巨人首脳部が原監督に信頼を置くのも理解できる。


 

(注)中田選手の移籍について批判は多い。暴力事件は、それを起こした当人が悪いのは当たり前である。しかし、当方は栗山監督が原監督に頼み込んだ点を重視している。暴力事件を起こした中田選手が謹慎すべきかどうかは、その背後の事情にもよるだろう。栗山監督を信用すれば、暴力事件には、何か裏がある。30過ぎの大人が原因も無く殴りかかるようなことはしないだろう。FDを壊された体験から申せば、2枚まで会議直前に壊されたことを我慢したが、3回目に犯人しか触れることのできないFDを当方の会議資料の入ったFDにベタコピーされて、翌日の会議資料が作れなくなったとき、仕方がないのですべてを会議の席で事件の顛末を話した。犯人を名指しするようなことなので、このようなことをやりたくは無かった。本来は2枚壊されるまでに相談していた管理職の方が問題解決をしてくださったなら転職するまでには至らなかった。企業内の問題は、問題が発生した時にすぐに問題解決をしておくことが大切である。30年以上前の事件ではあるが、組織内で事件が起きたときの参考にしていただきたい。中田選手の問題も事前に兆候があったはずで、それを栗山監督は把握していた可能性が高い。中田選手は暴力事件を起こしたので悪いが、ステレオタイプ的に処分すべきかどうかは、チーム内の問題である。規則通り運用すべき問題でも、同情すべき余地が大きい場合にどうするのか、難しい問題である。これは中田選手を擁護しているのではなく、問題解決にあたり、誰もが幸福になる解決方法を見つけるのは難しい、そこを話題にしているだけである。新入社員研修における役員の講話で「火中の栗を拾うような人材を求めている」というので、セラミックスフィーバーのさなかゴム会社の研究所で高純度SiC半導体治工具事業を企画し立ち上げた。その後は研究所でひどい目に遭いながら住友金属工業とのJVまで立ち上げたのである(小生退職後、この仕事は一部の電気粘性流体担当者たちが担当している。さらに学会賞等他の賞の推薦文を読んでみても、役員交代後研究所の隠蔽化体質となり、そこに何か裏があったと、疑われても仕方がない。)。耐久性問題について科学的な否定証明を行うなどアカデミアよりもアカデミックに研究が進められていて、事業として立ち上がっていなかった電気粘性流体についても実用的な技術を開発している。組織の中で火中の栗を拾い、大やけどを負っても何もいいことが無かった身から見れば、中田選手はうらやましい限りであるが、栗山監督と原監督の心中を思うと、世間から批判の嵐が起きる様な大変なことをしていることをよく理解できる。中田選手を腐らせて捨てる野球界の損失の方が大きいと判断したのだろう。今の日本はこのように人材を活かしてGDPを上げるように社会が動いてゆかなければいけない時代である。もちろん、ルールは大切である。暴力も反対である。

 

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