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2025.08/25 オブジェクト指向による配合設計(1)

昨日の続きである。PPSは脆い材料なので動的部品に使用するためには高靭性化を目指した配合設計をしなければいけない。一つの方法として6PAをブレンドする技術があった。


PPS/6PAは、χが正のポリマーブレンドなので海島構造となる。このポリマーブレンドコンパウンドにカーボンを分散させると高靭性で半導体の性質を有する材料になる。


これを押出成形すると、カラーレーザープリンターに用いられる中間転写ベルトを製造することができる。ここまでは誰でも考えが進むが、絶縁体高分子に導電性粒子を分散するとパーコレーション転移が生じる。


このパーコレーションという現象を正しく理解していないと問題が発生した時にそれを解決できない。6PAのアミド基にカーボン表面のカルボン酸を反応させて、とかその親和性を利用して、とか仮説設定して実験を行っても、発生するであろうばらつきの問題を解決できない。

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2025.08/24 素材と生成物の関係

コロナ禍前に終了したある国研のホームページに、素材と生成物とが1:1対応関係の材料技術開発を目指す、というよくわからないプロジェクトがあった。


こんなプロジェクトを誰が企画したかどうか知らないが、そのようなプロジェクトでも税金が10億円ほど年間使われるのである。理事長にやんわりと皮肉を言ったら、理事長はよく中身を理解していない。


このあたり、あまり書くと嫌われるので本題に入るが、機能材料と言うものは、素材の配合設計とプロセス設計が1セットである。同一配合でもプロセスが変化すれば、生成物も変わる。


ゆえにプロセス抜きで配合だけで1:1に対応する技術の研究開発は、意味が不明である。有機合成ならば、プロセスが決まれば、生成物は、仕込みの原料で構造は一義的に決まる。


しかし、高分子のコンパウンディングや無機材料では、配合と生成物との1:1対応をプロセス抜きで語ることはできない。無機材料で結晶材料を目指す場合には、高分子のコンパウンディングよりも1:1対応を取りやすい。


しかし、高分子のコンパウンディングでは、混練機のスクリューセグメントによりコンパウンドの高次構造が変わり、結果として配合が分かっても混練技術が無ければ、同一コンパウンドを製造できない、ということが起こりうる。


当方は20年ほど前に、国内樹脂トップレベルのメーカーと6年間研究されて開発されたコンパウンドの配合をそのまま変更せず、混練プロセス設計だけを変えて、半年で、似て非なるコンパウンドの開発に成功し、製品を立ち上げている。


トップレベルと言われたコンパウンドは海島構造だったが、当方の開発したコンパウンドは、χが正の値であっても相溶したマトリックスのコンパウンドであり、その成形体は全く異なる物性を示した。

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2025.08/23 混練技術の難しさ

高分子の混練技術の難しさは、公開されている技術書の形式知が、実用的でない点である。少なくとも当方は5冊ほど10万円前後の書籍を読んでみてそのように感じた。


材料開発の体系の中で位置づけるときに間違っている、とぐらいに言いたいが、大半の教科書の内容が同じ体系を用いているので、逆に当方の知識が疑われることになりかねない。


実際に、20年前、某有名な高分子材料の会社部長から、素人は黙っとれ、と言われたので、発言については、セミナーの中だけで当方の考え方を述べている。


少なくと知とは、それを活用すると何か生きてゆくときによいことを生み出すものでなければならない。分散混合と分配混合の考え方では現象を見誤る可能性がある。


また、この考え方から強練りとか弱練りとかいう経験知を語る人もいる。高分子材料の混練では、分散だけでなく材料の変性まで起きているので、レオロジーを中心とした知が重要になってくる。


9月上旬に複数の講師による伸長流動のセミナーが技術情報協会主催で開催されます。詳細情報ご希望の方はお問い合わせください。

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2025.08/22 科学の研究は難しいか?

高純度SiCの半導体治工具事業は、担当者が当方一人となった時に、住友金属工業とのJVとして立ち上がったが、それまでは迷走状態で、毎年のように上司が代わった。


その時最後に上司となられた方は、グループのリストラを推進するとともに、当方は特命担当とされた。すなわち、SiCの担当からも外され、35歳で窓際となったのである。


その方から、研究をまとめるように言われた。高純度SiCに関する当方が行った実験については、すべて社外発表して良いとも言われた。そして学位を取得するために東北大学を紹介されたのだが、これが問題の種となった。


この話は以前ここに書いているが、アイデアも何も出さず実験をやっていない助教授が小生のまとめた研究内容を勝手に投稿してしまった。


すでに日本化学会年会で高純度SiCの反応速度論については発表しており、これを証拠に訴えることも考えたが、高校の先輩であることと、事業への影響を考え、耐えている。


この時の上司が、科学の研究ができるのは大学を卒業していないと難しい、誰でもできるものではない、と小生に科学の研究を指導しようとされた。


そこで小生は、大学4年から大学院修士までの研究で書いた論文6報の束をこの上司に見せたら、黙ってしまった。おそらく小生が研究のできないスタッフと思っていたのだろう。


当方は当時科学の研究と、オブジェクト指向によるデータ駆動の方法の研究を行っていたが、これを説明したところ、それは高卒のスタッフが行っている方法だと笑われた。


恐らく、この時の上司が今のマテリアルインフォマティクスの研究発表を聞かれたら、大笑いされるに違いない。


恐らく知を得るのに科学の方法が唯一と思われている方は多いと思うが、産業革命は科学誕生以前に起きていることを忘れてはいけない。科学による形式知は、伝承性に優れ、技術開発を加速したが、それ以外の知を得る方法を駆逐してしまった。


アメリカでは1970年代にトランスサイエンスという概念が生まれ、第一次AIブームなども起きているのだが、この動向が当時正しく日本に伝わっていなかったように思う。


オブジェクト指向についても議論が始まっており、1982年以降ソフトウェアーの分野でオブジェクト指向のイノベーションが起きているのだが、これについても無頓着な日本人が多い。


科学の研究は、形式化しており、実は誰でもできるのだ。だから、論文捏造と言う問題が起きたりする。科学の研究よりも美しいオブジェクト指向の設計のほうが難しい。

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2025.08/21 靭性

今大学のカリキュラムがどのようになっているのか知らないが、当方が学生だった4年間そして修士まで含めた6年間に、表題のパラメーターは聞いたことが無かった。


線形破壊力学についてまったく学ばなかった。また、そのような学問があることを知ったのは、神様のような指導社員に3か月間のご指導を受けていた時である。


工学部では材料力学しか教えないが、線形破壊力学についても勉強するように言われた。そして、その初歩的な話と何故有機材料を学ぶ学科でカリキュラムとして採用されないのかと言う私見も学んだ。


神様のような指導社員は、京都大学大学院出身のレオロジストであり、材料物性論の大家だった。この方以上に材料物性について広く詳しい方に未だ出会ったことが無い。


年齢不詳だが、これだけの知識がありながら昇進が遅れていることにも興味がわいた。当方が初めての部下だったそうである。また、初めての部下が当方でかわいそうな上司だった、とその後反省したのだが、午前中3時間の座学以外は、全く自由に実験をさせてくれた。


防振ゴム用配合を1年間かけて見出すのがテーマだったが、それを3か月で完成させて、報告書まで完成させている。報告書で靭性の話題も盛り込んだが、そこは指導社員から実験データが少ない、という理由で削除された。


結局報告書は、研究データもそろっていた、樹脂補強ゴムの弾性率に関する内容だけに絞られ、科学の研究としてまとめられた。

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2025.08/20 日本で唯一行く価値のある大学

「大学にはブランドとしての価値しかない。だから、東大以外に行く必要はない」と堀江貴文氏は8月19日配信PRESIDENT on line で述べているそうだ。


昨年は、どこかのインタビューで彼は大学不要論を語っていた。彼の見解は、どこにでも勉強をする場所があるので、今の時代は大学は不要と言う見解である。


確かに多くの大学の現状を見れば、堀江氏の見解となるのだろう。また30年以上前でも、学位取得を理由に言われ、草案をT大の某先生に提出したら、そこから勝手にその先生は論文発表して、国際会議などで自分の研究として発表された。


あまりの出来事で、当方は丁重にお断りして中部大学で改めて気持ちよく学位審査を受けている。このような大学の先生が増えていたりしたなら堀江氏の意見は正論に思えてくる。


しかし、そのような先生ばかりでないことを当方は業務上知っている。しかし、日本のアカデミアの堕落は、大学の国際的地位低下にも現れているので堀江氏の意見を指示する人は今後多くなってゆくだろう。


だからと言って、大学は不要にはならない。AIの時代では、益々アカデミアの役割は重要になってゆく。この意味を知りたい方は、お問い合わせください。


ちなみに中部大学は、ゆく価値のある大学の一つだと思う。有名国立大学を定年になられた一流の先生が集まっている。

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2025.08/19 人生で大切なこと(1)

人生で大切なことは何か、と問われれば、それは「学ぶ努力」と答えたい。現代は知識労働者の時代、と語ったのはドラッカーだが、若い時に何を学んでも無駄となる知識は無い。


これが分かったのは70過ぎてからである。ここでは書きにくい、自分で無駄な知識と思っていた映画の知識がある。しかし、最近これが意外と重宝している。「何を学ぶか」、と「努力」とでは、努力が大切である。


だからと言って、自分探しの旅とか、何を学ぶのか探る巡礼とかは推奨しない。これらは無駄な努力である。何を学ぶか考えている暇があったら、まず目の前の勉強すべき課題をかたずけることである。


誰でも大なり小なり学ぶべき課題は目の前にある。ここで、それが何か分からない、という人は、今の時代を生きてゆけない。気づきが大切で、これができるかどうかは、謙虚さの有無に依存する。


謙虚さがあれば、他人に教えを乞うこともできるので学ぶべき課題はすぐに見つかる。謙虚さの無い人は、まず人に頭を下げることができない。このような話をしだすと道徳の話になるので、学ぶ「努力」について、まず述べたい。


知識を学ぶ努力には、二つの方向があって、それはトップレベルを目指す方向と知識の寿命を長くする努力である。トップレベルを目指していても、その知識が時代の変遷とともに陳腐化したならば、その時代のトップにはなれない。


だから、知識の寿命を延ばす努力とは、身に着けた知識を時代の進歩に合わせてブラッシュアップだけでなく、総入れ替えをしなければいけない時に備える必要がある。


総入れ替えを決断するためには、それを決断させる知識が必要で、トップになる努力と知識の寿命を永くする努力とは異なるものであることに気づく。努力というのは抽象的なので、具体例を示せば、トップになる努力をしている知識の方向と、時代に合わせて生まれる新しい知識の方向と両方学ぶ努力は、それぞれ異なる努力の仕方である。


50年ほど前に聞いた特別講義で、「π型人間を目指せ」というのがあった。すなわち、専門性を二つ持て、という提言である。これは、当時ドラッカーが二つの世界を持て、と言っていたのをパクったのではないかと思いながら聞いていた。


当時流行していたのは、学際思考であり、異なる二つの専門の境界領域の研究である。時代の流れが、専門性をタコツボ化してきたので流行したのだが、今から思えば、一つの領域の専門家では通用しない時代が来る、という兆候だったように思う。

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2025.08/18 日々の努力の重要性

セパ両リーグで三冠王をとった落合氏が、「大谷選手の凄いところは、野球しか考えていないところだ」と、youtubeの番組で解説していた。


当たり前に感じる言葉だが、昨日の中田選手や大谷選手以外のプロ野球選手でもその寿命やスキルの違いを見ると、この落合氏のコメントもすごいコメントであると気づく。


そして、平凡なことだが、日々の努力の重要性に思いが至るのである。コロナ禍前まで中国ナノポリスで若い技術者を指導してきたが、コロナかが明けてからは韓国である。


日本国内ではなかなか声をかけてくれる企業が少ないのだが、台湾や中国、韓国から未だに技術指導を依頼される。


もっとも当方は主にコーチングで指導しているので当方が勉強しているようなものである。教えることは学ぶことである、と言ったのはドラッカーだが、教えることよりもコーチングの方が学ぶことが多い。


技術者のコーチングは、日々学ぶ努力をしているようなものである。このようなコーチングスキルにご興味のあるかたはお問い合わせください。

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2025.08/17 中田翔選手引退

36歳とまだ若い中日の中田翔選手が引退するという。イチローが引退した45歳と比較すると約9年若い引退である。腰痛のためと言われているが、もし、イチロー並みに頭を使い、肉体管理していたならもう少し頑張れたのかもしれない。


もっとも、イチローの禁欲的な選手生活や練習量は有名であり、その努力の賜物があの肉体と引退年齢である。このような日常生活から選手生活までトップの選手と比較してはかわいそうかもしれないが、サラリーマンの参考になると思う。


中田選手の有名なエピソードに、二軍落ちした時に先輩ダルビッシュ有選手に「二軍で何をやればよいのでしょう」という電話をした話がある。


この電話に対して、「おまえは準備ができてへんからあかん。試合前にどう汗をかいて100%の状態にして挑めるか。それを2軍で学べ。同期がいても、ぺちゃくちゃおしゃべりをしていないで、自分だけは違うんだという気でやれ。アップは大切。汗は大切。それがわからんようならおまえはもうプロではあかん」と、ダルビッシュ選手はアドバイスしたそうだ。


それから中田選手は一念発起し、ホームランバッターを目指して頑張ったという。その外観からイチロー選手より練習量が少なかったことや私生活の姿勢の問題が伺われるが、トップクラスの選手であった時代があるプロ野球選手である。


トップクラスになる努力も大変だが、長く第一線でプレーできるよう力量を磨く努力も大変なのだ。両方の努力を時間を惜しんで続けたのがイチロー選手である。


もちろん中田選手もトップクラスになれる練習量を積んだ一流選手である。ご苦労様。安楽選手のようなプロを生み出さないような若手を指導する仕事をしてはどうだろうか。


TVをとおした姿しか見ていないが、気づきと体験的学びで成長した選手のようなイメージを持っている。短期間であったがホームランバッターとしての実績を残す成長ができたスキルはこの選手の持ち味のように思う。

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2025.08/16 終戦記念日

昨日は終戦記念日であり、戦争と平和について書き始めたが、結局どうでもよいことを書いてみた。そのどうでもよいことが、トヨタカローラからトヨタセリカ、そしてホンダプレリュードへ乗り継いだ後、日産車を乗り続けている疑問だった。


ホンダプレリュードの発表があってもそれを購入検討しようという意欲がわかず、免許の返上を考えている。発表のあったプレリュードが、老人の乗る車ではないデザインだったことが大きいのだが、改めてトヨタ車のデザインの妙に関心が向いた。


ああだ、こうだと書き始めたが、ニッサンやマツダのデザインが気になってきた。結局書き上げたのが昨日のどうでもよい話だが、短時間に話題がころころと変わり、NHK朝のニュースを見るために書き上げたものが残った。


朝のニュースは、終戦を取り上げており、今年の特徴は戦後の伝承の話題である。戦後80年過ぎれば、大半の戦争体験者、特に実際に戦地で戦い生き残った人は大半が天寿を迎えている。


父親は警察官だったので、内地勤務で生き残り組だが、当方が退職直前に亡くなった。母親はその4年前に亡くなっている。母親から伝承された話は、疎開先の苦労話が中心で、父親からは戦後すぐの共産党員の非道の話である。


いずれも、TVでは放映しにくいような話であり、よって一般には伝承されていない。在日問題では、日本人が悪者にされる話ばかり放映されているが、その逆もあったのだ。


これは父親から伝承された話で具体的な証拠が無いのでこれ以上書きにくいが、そろそろ日本人悪者論以外に戦中戦後のごたごたで行われた、海外からの工作の話が公開されても良いのではないか。


日本共産党はおそらくその伝承の責任があるように思う。もし、当時の中国やソ連との交流の話を公開し、自己批判と総括を行い党名を変更したならば、多少は支持率が上がるのではないか。


戦中弾圧の激しかったことは授業で習うが、地下組織で日本の敗戦濃厚な情報がソ連に筒抜けで北方領土を奪われ、北海道まで進出しようとしていた話は、父親からの伝承以外では卒業後に知った話である。

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