Python初心者のためのセミナーを今月行いますので、希望日を2-3ご指定いただいてお申し込みください。来週予定が確定した告知を行いますので、来週月曜日までに申しまれますと希望日で受講できます。受講料は、10時から16時までのセミナーで3万円です。
生成系AIの使い方をPythonプログラミングを事例にして解説いたします。ゆえに生成系AIをご存知ない方は、Pythonのプログラミングと両方学べるチャンスです。
Pythonプログラミングに特化しておりますので、分かり易いです。生成系AIにつきましては、1時間ほどその仕組みから解説いたしますので、生成系AIを基礎から学びたい方も役立ちます。
概略として、最初にPythonプログラミングの説明を行い、後半に実際にプログラミングを行う作業を想定したシナリオでAIの使い方を説明してゆきます。
すでにPythonをご存知の方にも役立ちます。全くのプログラミング初心者には、環境構築の方法を書いた事前テキストを配布いたします。
事前テキストは本日でも配布可能ですが、講義用テキストは作成中であり、詳細固まりましたら、ご案内いたします。
受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。
送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。
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日本でセラミックスフィーバーが起き、それにびっくりしたクリントン政権が、ナノテクノロジーとバイオケミストリーの国家戦略プロジェクトを推進したことは、技術の歴史として将来も語り継がれるのかもしれない。
バイオケミストリーは、バイオポリマーのブームを引き起こし、ナノテクノロジーは21世紀にも続く材料のイノベーションを引き起こした。
セラミックスフィーバーは、気がつけば他の材料技術も巻き込んだナノテクノロジーへ昇華していた。日本でナノテクノロジーは、高分子精密制御プロジェクトを推進する原動力となり、当時のアカデミアの努力が現在の高分子産業につながっている。
しかし、バイオポリマーに目を向けたときに、日本は優位に立っていると感じられない。コンピューターの世界もそうだが、日本よりもアメリカの方が技術戦略が優れているように感じさせる。
セラミックスフィーバーと同時に第五世代コンピュータープロジェクトが始まり、人の代わりとなるコンピューターの開発プロジェクトが推進されたが、アメリカではネット社会、あるいは社会基盤となるコンピューターの応用が研究開発されている。
Japan as No.1と持ち上げられ、浮かれているうちにバブルが崩壊し、気がつけばあらゆる分野でアメリカに差をつけられている。ただ、自動車産業や一部の精密機器事業分野では、日本企業が健闘しており、これを何とか日本人は応援しなければ世界の競争で生き残っていけない。
観光立国も良いが、やはり第二次産業や第一次産業がしっかりしていなければ、ロシアのようにタフな国家となれない。ロシアは資源がそれなりに存在するのでなかなか経済が破綻せず戦争継続できている。
サービス業だけでは生きてゆけないことをうすうす感じているにもかかわらず、どうも第一次産業や第二次産業への関心が薄いように感じるのは当方だけだろうか。
今月も休日は、無料セミナーを予定しておりますのでテキスト代は1万円となりますが、セミナーページからお申し込みください。リスキリングを目指されているかたにはコツを伝授いたします。技術者が頑張らなければ日本は資源が無いのでどうしようもないです。知の資源は無限です。
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学生時代にオーディオブームだった。名古屋駅や栄には、オーディオのショールームが多数作られたので、無料で遊べる格好の場所となった。レコードの新譜はそこへ行けば最高の状態で楽しむこともができ、コンパニオンからジュースの差し入れまであった。
ローディー、オットー、オーレックス、パナソニック、ソニー、ヤマハ、デンオン、パイオニア、トリオ、オンキョー、コロンビア、ビクター等家電メーカーのブランドから専業メーカーのブランドまで、新聞で見かけないことが無い毎日だった。
その後ムーンライト計画のような国研ブームが来ている。研究開発の国家プロジェクトが新聞の一面に載るようになったのだ。そして一気に日本中がセラミックスフィーバーとなった。
このセラミックスフィーバーは、日本が仕掛けた材料革命で、新聞だけでなく、街にセラミックス関連の商品が溢れた。白い部分安定化ジルコニアの包丁やハサミが結婚披露宴の引き出物として出てきたときにはびっくりした。タブーまでも革新するほどのブームだった。
アメリカのクリントン大統領もびっくりして、ナノテクノロジーとバイオケミストリーの国家プロジェクトをスタートしている。日本は対抗して藻類プロジェクトをスタートしているが、この時不発だった。
第二次藻類ブームは環境問題とリンクし、ユーグレナブームを起こしているが、昔子供のころ見た肥溜めのミドリムシが思い出され、この健康食品を飲む気になれない。
その他パソコンブームも含めいろんなブームが過去にあったが、2010年頃から始まった第三次AIブームは10年以上経っても熱くなるばかりである。このような長期のブームは人生初めてである。
多くのブームは社会に実装され、オーディオのように携帯電話はじめ他の製品に吸収されていった商品もある。恐らくAIは、ただ実装されるだけでなく、さらなる進歩もするのだろうが、従来の技術と異なるのは、その進歩の方向が善悪明暗多岐にわたることである。
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トヨタはじめ国内3社で型式不正があったという。ダイハツの事件があって、各社も見直しを進めてヤリスクロスはじめ6車種が出荷停止状態との発表があった。
不正が見つかった時に、恐らく社内は大変だったことが想像される。しかし、トップがすべて発表すると腹をくくっていたので、各社一斉のそろい踏み発表となった。
当方も組み立てメーカーにいたので、工程の中で品質を作りこむ大変さを理解しており、今回の不正発表記者会見を聴いていると、認証制度そのものの見直しが必要との印象を受けた。
例えば、国内の販売車種を減らした日産では、不正が起きていない。国内シェアを落としてでもグローバル販売の効率を上げようとした努力の結果だろう。同様に国内車種を絞っているスバルも不正が無かったようだ。国内車種の多いトヨタとホンダで不正が目立つのは、その影響かと想像している。
これは、技術の日産だから国内車種を減らして無理な開発をやめ手を抜かなかった、という称賛よりも無理な開発を進めていた企業で起きていた制度による歪、と考えた方が良いのかもしれない。
ダイハツの不正で感じたのだが、認証不正の場合に不正をやろうとしていたわけではないようだ。ダイハツの不正の多くでは、科学的に支持される代用の試験をやっていた。
日産のように技術とはどういうものかを社員は知らなかった可能性がある。技術にあこがれるスバリストに応えるスバルでも不正は無かった。このような事件を考えるたびに、「技術の日産」が伊達ではないことに気づかされる。
ハイブリッドやEVが騒がれても、水平対向エンジンに拘るスバルも科学よりも技術重視の企業体質なのだろう。技術というものが徹底されていない会社では、科学的に手を抜くことを考える傾向にある。
モノづくりでは、すなわち生産工程で品質を作りこまなければいけない技術では、日産やスバルのような販売車種を減らしてでも、という愚直な姿勢が重要である。トヨタやホンダも見習う必要がある。
恐らくトヨタ会長が音頭取りして、欧米向けの認証制度と揃えたりすることが検討されるのではないかと思う。サラリーマン時代に気になっていたことだが、時代とともに、あるいは事業環境変化により、品質管理や認証制度の見直しをどのように進めるのか、という点である。
市場のトップリーダー企業が発起人となって進める場合はよいが、業界4番手が発起人となる場合には結構むつかしい。かつて、トヨタとトップ争いし、車種を増やしていた日産は、グローバル化に力を入れ国内車種を減らした結果、国内で4番まで後退していた。
車の認証制度と少し異なるが、APSフィルムという新しい規格を決めるにあたり、コダックと富士フィルムが音頭取りし、キャノン、ニコン、ミノルタカメラ3社を含む五社協定というのが作られた。
フィルム規格なのに、アグファとコニカは締め出された。小池都知事の締め出し論理は支持率の低下を招いたが、五社協定の締め出し論理で市場のシェアは動いていない。
車の認証不正から厳しい競争を思い出したが、なぜ思い出したのか不明。認証制度と規格のカテゴリを一致させていたためと思われる生成系AIのような発想である。
業界トップ企業からそうではない会社へ転職して味わった悔しさの思い出でもある。PENフィルムについては、特許料支払いを避けるため独自の巻き癖解消技術を開発し、APS規格が主流となった時に備えたが、残念ながらAPSフィルムが主流となるどころか銀塩フィルムそのものがデジタルカメラに置き換わった。
ライバルメーカーのPEN巻き癖解消技術は、1週間ほど元巻状態で放置する科学的な技術だが、当方の技術は、インラインでアニールする優れものである。Tg以上のアニールという非科学的な方法だが、技術者の意地で工場試作を成功させて実用化している。
ライバルの特許が科学的に書かれていたので、非科学的な領域が特許の穴として残っていた。面白いのは、技術が出来上がってみると、ライバルのPENフィルムに比較し、優れたプロセス効率と全く異なる高次構造となっていたことだ。
科学の方法が、モノづくりの唯一の方法、と考えていると、今回のような不正が起きる。モノづくりでは、科学で明らかとなっていない現象も管理しなければいけない技術の考え方が重視されるべきである。
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昨年から新幹線を利用する機会が増えてきたが、みどりの窓口が激減し、びっくりしている。さらに先週大阪へ出張した時に新幹線指定席切符の時間を間違えたのでみどりの窓口を探したところ、長蛇の列となっており、結局指定席券で自由席に乗り帰ってきた。
JRは、みどりの窓口削減計画の見直しを先日発表したが、そもそもそのような計画を実施する前にやるべきことがあるのにみどりの窓口を廃止するような失態を犯している。
JRの顧客の削減計画には購入行動の研究を行った気配が感じられない。当方がまず気になるのは、券売機の性能と設置数である。現在の券売機の機能では、みどりの窓口の代わりにならない。
JRは、今回の事態にネットでの購入者が増えなかった問題を上げているが、そもそもネットでの購入の不便さも放置されたままである。
新幹線だけ利用するのならば、現在のアプリを我慢して使えるが、地方へ行くときには、みどりの窓口が便利である。少なくとも、これが、逆転しなければいけない。みどりの窓口より便利なアプリならばみな使うはずである。
そもそも不便なアプリをばらまいておいて、それを使う前提としているところがお粗末である。JR内部でアプリの使用感を検討していなかった可能性が高い。少なくともみどりの窓口がまったく無くなってもいい状態にしてから削減計画を実施すべきだった。
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デジタルカメラの進化で高性能のカメラを使えば、誰でもそれなりの写真を撮影できるようになった。それだけではなく、一昔前にはプロでも難しかったスポーツ写真を素人が簡単に良いシーンを撮影できたりする。
また、ペンタックスのカメラであれば、現像時の画像の色調をあらかじめ自分好みに設定しておけば、レタッチなどしなくてもすごい写真が撮れたりする。
それでも、なお、プロとアマチュアの差があるのは写真で芸術表現できるという証だと思う。自分の思い描いた描写を目の前のオブジェクトで表現するのである。
すなわち、写真が芸術となるためにはそこに撮影者の思いが表現されなければいけない。これを初めて聴いたのは、高校生の時で深夜放送から流れてきた。語り手は、今は〇〇写真家として知られている加納典明氏である。
かれは卒業制作で撮影したキャベツのモノクロ写真について熱く解説していた。おそらくスタジオではそれを見せながらの解説だったのだろうが、ラジオ放送であるにもかかわらず、目の前にモノクロのキャベツの写真が現れた。
写真における光の陰影による表現を学ぶためにモノクロ写真を勧めていた。そして、誰もに見てもらいたいならば、ヌード写真を撮ればよい、と語っていた。
誰にでも見てもらいたい、という気持ちは大切だが、それよりも目の前の被写体に対して自分の思いを描き出さなければよい写真とならない、という写真の芸術性についても論じていた。
この放送を聞き、写真が趣味となったが、オブジェクトに自分の思いを載せることの重要性は写真だけではないことも分かってきた。AIが進化しても生き残る技術者とは、技術に対して人間としての思いを込めることのできる技術者である。
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科学の誕生により、探偵小説が生まれている。その探偵小説は、小説の一ジャンルとなるだけでなく、科学という哲学が社会実装された証となった。
シャーロックホームズは科学的に推論を進め、事件を解決してゆく。難事件に遭遇した時には、何度もベーカー街の事務所に戻り、相棒のワトソンと可能性のある仮説を練り、やがて事件の解決に至る。
まさに現在の技術者と同じことをしているのだ。難しい課題については、同僚と議論し課題解決にあたる。その時科学という哲学があるおかげで、皆同じように考えることができ、合意に至る。
時には、当たり前の結論が出たとしても、ありがたがって合意できたことを喜び、そして夜の街で結論の得られたことを祝う。科学様様である。
探偵小説の分野に倒叙探偵小説という20世紀に誕生したジャンルがある。刑事コロンボを若い人は知らないかもしれないが、NHKでは何度も再放送をしている国民的番組である。何度見ても面白い。
シャーロックホームズの小説の1ページ目に犯人の名前をいたずら書きすることが問題となったことがあるが、倒叙探偵小説では、犯人が明らかにされるシーンから始まる。
すなわち、刑事なり探偵がその犯人をどのように逮捕するのか推論を楽しむ小説である。この小説は、科学における推論の向きを逆向きにしたところが革新的であるが、実は第一次AIブームでは、同じことが起きているのだ。
すなわち、現在起きている第三次AIブームを産業革命の総仕上げととらえることができる。すなわち、科学が社会実装され、同じ哲学を社会が持つことで加速された産業革命が終焉を迎えたのである。
同時にAIを新たな時代の幕開けに技術者が活用しなければ、これまでの活力を社会は失う。弊社は6月のセミナーをAIと技術者の関係に焦点を置き展開しますのでご期待頂くとともに、詳細をお問い合わせください。
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恐らく、AIは益々進歩し、その社会実装が進むだろう。これは、誰も否定できない未来予測に違いない。そして、1世紀後の未来に技術者は何を思うのだろうか。
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科学が誕生した時に、やはり同様のことを人類は考えた。ただし、その時人類は科学という哲学に明るい未来を描いていたに違いない。そして過去の人類の営みを否定し葬り去るようなことをしてきた。
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マッハは、ニュートンさえも非科学的とし、新たな力学の体系を作り上げ、それが基になった材料力学により今我々は、恩恵を受けている。しかし、そのマッハ力学でもすべての材料の破壊現象を説明できず、Griffithがマッハの死後5年経ってから新たな力学を提案している。
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金属材料やセラミックス材料の技術者がその恩恵を受けている線形破壊力学がそれであるが、残念ながら高分子材料技術者は利用すべき科学的な体系が無いという理由でその恩恵を受けられずにいる。
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一方で、科学以前の人類の営みを研究し、学び、過去の人類の思考方法を進歩させた技術者は、科学と同様に活用し、その分野で成果を出してきた。すなわち、非科学的な方法で発想し問題解決を行うことで、他の技術者が解決できなかった分野を進歩させてきた。
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例えば、「東レxカオス混合」と「倉地x転写ベルト」の二つのキーワードで特許検索していただきたい。そして、過去の活動報告をご一読し、納得していただきたい。転写ベルトのコンパウンディングにはカス混合装置を取り付けた二軸混練機を使用している。
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これ以上はお問い合わせいただきたいが、イノベーションがどのように起きるのか、という公開事例である。東レは、高度な科学技術で運営されている日本を代表する組織である。
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科学という哲学の社会実装が産業革命のスピードを加速し、現在のイノベーションへつながっていることを理解できると、AIがやはり同様の効果を社会に引き起こすのではないかと未来予測として「期待」できる。
・(明日へ続く。6月度に弊社で行うセミナーでも解説します。)
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高純度SiCは、高純度の珪素化合物と高純度炭素から製造される。この方法が最も経済的である。純度の低い原料を用いてSiCを製造してから高純度化を行うにはレイリー法となり、プロセスコストがかかる。
1970年代に主な高純度SiC製造方法は出揃ったが、画期的方法が1981年に生まれている。しかしそれが研究として完成するのは1982年で、基本特許は1983年に出願されている。
誕生した場所はブリヂストンであり、基本特許は無機材質研究所から出願された。なぜこのような経緯となったかは、後日公開したいが、この技術が日本化学会技術賞を受賞するまで、様々なドラマがあった。
しかし、決してプロジェクトXでは放送されないだろう。美しい話よりも、他人の成果を自分の成果のように、すなわち大学の先生も含め他人の成果を奪って出世された方が多いからである。
例えば、学位を出すから研究を見せろと言って、そこから論文を勝手に出した国立大学の先生が1名いる。これは悪どいやり方であり、その先生を筆頭に小生をそのあとに名前を書いて出された論文で公開されている。
研究のアイデアを何も出さず、他人の研究論文を勝手に自分を筆頭にして発表してしまう厚かましさにあきれて学位を蹴ったが、その後紆余曲折あり、中部大学で学位を取得している。
そのほか、学会賞含め証拠が残った誰も見たくないヘドロのような話をいくつも出さなければいけないので、さすがにNHKも放送できない。
過去に企画されたらしいが、関係者からやめてほしい、との要望でお蔵入りとなっている。今最新版のプロジェクトXが放送されているが、このような誰も見たくないような話は決して出てこない。
良い発明の中には、それが良すぎて周囲の目がくらみ、人間の本性が現れてしまうドラマとなる場合がある。そして、その中に一人聖人が現れて世の中に成果として出てゆくのだろう。
高純度SiCの発明でも聖人が現れ、そのおかげで事業化されて現在も技術が伝承されている。この聖人の手紙も残っているので、いつかドラマをこの欄で公開したい。
ゴム会社で半導体材料事業が誕生した話は、本来伝承されるべき話だが、当方が学会賞の審査員を務めている時にも出てきた高純度SiC事業の推薦書にも無機材研の研究者が書かれていない問題があった。
住友金属工業とのJVが無かったら決して立ち上がってゆかなかった事業であるにもかかわらず、一言も出てこないだけでなく、ひどいのは高純度SiC合成技術以外のすべての基盤技術が無機材質研究所のお世話になったのに、最初に出された推薦書にはやはり一言も書かれていなかった。
FDを壊されたり様々な事件が無ければ転職などしなかったが、転職したおかげで客観的にこの発明に関わる人間模様を学ぶことができた。
プロジェクトXという番組が成立する背景には、成功体験で公開できるような美しい話が稀だからなのだろう。高純度SiCの事業について当方は関係者の方々からお手紙など頂いているので、学会賞の資料など証拠が多数残っている。
いつかこれらを公開したいと思っている。理由は、事業が成功するためには、マネージメントの役割が大切であるが、キーマンとして私利私欲に左右されない誠実真摯な人材が最も重要である。
志賀直哉の「清兵衛と瓢箪」という短編小説がある。芥川龍之介の「芋粥」と並んで、人間の本性を表現した名作と言われているが、これが名作と言われるゆえんは、美しく輝く人間の姿もそこに描かれているからである。
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LUMIXの新製品をホームページに紹介するときに、ストック素材の写真を掲載していたことが問題になっている。
ニュースで知っただけなので経緯は不明だが、この新製品について開発担当者の怒っている顔が浮かぶ。少なくとも当方ならば、謝罪文含め社内で大問題としてとりあげ、もう少し謝罪も含め対応の仕方を変えるだろう。
ただ、この問題から昨今の業界の状況が透けて見えてくる。携帯電話についているカメラ機能の高性能化により、わざわざデジカメを購入するお客は激減した。
現在の市場規模を調査していないから不明だが、LUMIXの問題は広告費の節約をカメラに興味のない担当者あるいは社外の人間が不注意に使用した可能性が高い。
LUMIXシリーズは家電メーカーが販売するカメラにしてはよくできている、と思っていた。今回の広告問題が少し心配である。この件でカメラ事業撤退とならなければよいが。
カメラファンとしては、少し残念で複雑な心境である。今回のCMについて弊社にご依頼あれば、絶対にこのようなミスはしなかった。写真愛好家ならばやらないミスである。
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