高分子を加熱すると流動性を示すようになる。未加硫ゴムならば加熱しなくても室温で流動性がある。
この流動性を示す温度は、カタログにはTmで標示されるが、Tm未満の温度でも高分子が流動性を示すことを御存じない方が多い。
Tm未満における高分子の流動性については、改めて説明するが、とりあえずTm以上に晒された高分子の流動性について考えてみる。
この状態における高分子融体の物性については、粘弾性測定装置で計測するのが一般的で、多くの高分子では再現よく物性測定される。
ただし高分子の中にはその再現性が乏しい場合もある。また、その再現性がわずかな測定条件のばらつきに依存するのではなく、材料の製造ロットにより影響を受ける場合がある。
高分子の製造ロットに依存して粘弾性がばらついているときには、製造ロット間の差異を分析し、その原因を探ることになるが、この時、ロット内のばらつきがさらにロット間に依存しているときには話が複雑になる。
そもそも高分子融体の物性ばらつきは、高分子の一次構造の性質と絡み合いに大きな原因がある。
分子量分布は高分子の一次構造の性質の一つとして考えているが、一次構造の性質として分子量分布の寄与が大きい場合と小さい場合が存在する。
分子量分布についてはGPCでその差異を確認できるが、その他の一次構造情報について完璧に収拾するのはコストがかかる。
射出成形では、高分子融体のばらつきの影響は小さいが、押出成形では品質問題として現れたりする。
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人の動きを80%削減できるのか。今日本全国の会社でそれが始まったが、生産ラインあるいは実験など会社に行かなければ仕事ができない人は困っているかもしれない。
しかしせっかくの機会だから2週間ほど仕事を放りだすのも悪くない。今ならコロナのせいにして堂々と仕事を辞めることができる。
実は、このような発想は不謹慎でもなんでもなく、コロナが収まっても時々実行すると、日々の仕事のやり方を変えることができる。
当方は30数年間研究開発業務を担当したが、時々仕事を放りだしたくなる処遇にあい、好まなくても仕事のやり方を変えてきた。
その結果、どのような環境でも材料に関して発明ができるようになった。実験が必要になったら100円ショップへ行き、適当な材料を揃えて実験を行っている。
この習慣が役立ったのは、ある皮革メーカーから皮革の難燃化技術開発を頼まれた時。この時、その工場へ行き驚いた。電子機器は電子天秤だけで、あとは木製の機械が動いているような現場だった。そこで皮革の難燃化技術開発をやってほしい、と言われたのだ。
仕方が無いので100円ショップへ出かけ、材料を揃えて目標を達成したが、高純度SiCの前駆体ポリマーの開発では、ポリエチレンカップと撹拌機だけで開発したことを思い出した。
30年も続いたその事業は、フェノール樹脂天井材開発が終了し、原材料の廃棄処理を担当して技術開発を行っている。すなわち、技術の種を生み出した費用は人件費1日分である。しかし、この1日分の人件費で廃棄物処理も行っているので実質0円で高純度SiCの技術の種が生まれた。
カテゴリー : 一般 高分子
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コロナ禍で経済活動に急ブレーキがかかったが、日本では完全に止めることなく、大手はどんどんテレワークを導入しているという。
昨年は働き方改革がキーワードで「チコちゃんに叱られる」という番組の中でも盛んに使われてきた。これが、コロナ禍で一気に進んだ。
働き方改革を進めてきた担当者は拍手喝采ではないだろうか。働き方改革が進んだそのあとに待ち受けるのはリストラである。おそらく20世紀型のようなリストラは問題になるので一工夫したリストラが待ち受けている。
テレワークになって大きく変わるのは、「ちょっと手伝って」という若い人の作業効率をむしばんでいた中高年の甘えが無くなることである。当方が若手の時には、上司の車の代行運転手まで業務中にさせられた。
さすがにこれは他部署の課長が注意をしてくれたようで、代行運転手をやったある日の1週間後2000円前後のクッキーをお礼だと言って誰もいない実験室に上司がもってきた。代行運転で自宅まで送った後は、バスで帰れと命じバス代120円を部下に払わせるようなケチだったのに不思議である。
とりあえず頂いたが、当然疑問がわくので、庶務の女性におやつとして皆に配って、とお願いしたら、その前に座っておられた方から、それは内緒で寮に持ち帰れ、と命じられた。入社間もない時だったので忖度どころかこのような問題を深く考える知恵も無かった。
ただ、代行運転の翌日友人たちと飲みに行ったときに代行運転でバス代を部下に支払わせるケチな上司を酒の肴にしたことを思い出し、深く反省した。反省はしたが、部下を業務と無関係に運転手代わりに使う公私混同が許されるのか、というもやもやは残った。
40年近く前にはこんな不条理な上司もいたが、40年経っても大なり小なりこのような管理職はいるだろうから働き方改革が必要になる。ところが働き方改革ではこのような説明はされていないはずだ。
コロナ禍でテレワークが進むと、まずダメ管理職は仕事がやりにくくなる。テレワークでは「ちょっとこれ手伝って」と頼みにくい。また、口封じのお礼もできなくなる。
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コロナウィルスの問題で世界中の人類が精神衛生の悪化に襲われている、とのニュースがあった。当方はセミナーが皆閉講となって収入が吹っ飛び青ざめていたが、友人からのくだらない話というメールにテキトーなことを書いて気を紛らわせている。
3人の高校時代のクラスメートからのメールだが、気分転換には程よい刺激である。プラモデルの話あり、音楽の話あり、と子供の頃を思い出すには手ごろな話題ばかりで、昔ならば縁側でジジイがお茶をすすりながらの会話となるのだろうが、今はキーボードをたたいての会話である。
人間年をとり、成長したといっても本質的に変わらない部分はあり、そこを理解しているかもしれない人物あるいは共通の体験をしている人物との交流は気楽である。また、利害関係もなく距離感の間合いに気を遣う必要が無い。
一人は現役の外科医でコロナの話題が時折出てくる。一人は製薬会社で、他の一人は通信業界でそれぞれ活躍し役員まで務めた人物で、くだらない話でもまれに難しい話が出てくるが、スルーをすればよいのも気楽である。
世の中複雑になって、というのは高度経済成長の頃から言われているが、複雑な状態を無視できる空間を持ち、そこで息抜きをすることは精神衛生のために必要である。
そのような空間は、夢想空間も含め多数あるが、効果的なのは、人との交流の空間が孤独も解消されて精神的に良いと思う。
「私」一人だけの空間は、3密が叫ばれている今心がけねばならないが、精神衛生面では濃密接触(注)できる空間が好ましいように思う。
デジタルの発達で、精神だけ接触できる手段が多くなったメリットを生かし、精神衛生の悪化を防がなくてはいけない。
ぶつぶつ、うだうだと無責任なことを他人に語ってみるだけでも気がまぎれるが、それが赤の他人では語った後に救急車を呼ばれかねない。だから、お金を出して銀座赤坂六本木、あるいは栄今池錦三丁目(昔は広小路)へ出かけるのかもしれないけれど、今は厳禁である。
(注)テレワークになり、配偶者と濃密接触できる時間が増えたとたんにDVの問題がNHKあさイチで報じられた。家族との時間が長くなる良い機会だから配偶者と一度冷静に老後の生活を語り合うとよい。定年退職後は嫌でも毎日一緒にいることになる。
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先週からPCR検査を増やせコールが盛んになり、今週にはノーベル賞学者からもPCR検査を徹底して行えとのメッセージが出された。
以前この欄では、PCR検査の信頼性などの問題から重症患者を見つけ出すために対象を絞っているのではないかと書いた。昨日感染症に関する二つの学会からPCR検査について次のような見解が出された。
「検査対象を改めて「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」と規定。同時に「軽症患者」に対しては、現状の帰国者・接触者相談センターを介した検査体制の中では「基本的にPCR検査を推奨しない」と明記した。」
以上は昨日の時事通信社の記事をコピペしたものだが、感染症の専門家はやはり今でもPCR検査をやたら行うことに反対のようである。
理由は、重症患者を救いコロナウィルスによる死亡者を少なくすることが重要なゴールであり、そのために軽症の感染者まで入院させていては医療崩壊の危険があることを危惧している。
一方PCR検査を増やすことを主張している人の言い分は、感染者を早く見つけて隔離することに着眼している。すなわち解こうとしている問題が異なるために異なる答えが得られている状態だ。
今回のコロナ問題で最も重要なのは、やはり感染症学会が解こうとしている問題「いかにして医療崩壊を防ぎ、重篤な患者を早期に見つけて治療し、死亡者を減らしたらよいか。」だろう。
一方、「感染拡大を防ぎ、早期に感染者のピークを終わらせるには」という問題の解答は、「PCR検査数を増やして感染者を早期に見つける」ことも正しいのかもしれないが、もう一つ「行動変容」という解答があることを忘れてはいけない。
また、軽症の感染者の中にはそのまま完治して陰性になる感染者もいることを忘れてはいけない。コロナ感染の騒動では、正しい問題を考える、とはどのようなことかを学ぶチャンスである。
ドラッカーは、名言「正しくない問題の正しい答えとはいかなるものか」とか、「頭のいい人ほど成果を出せない。それは、すぐに問題を解き始め、正しい問題を探そうとしないからだ。」と、正しい問題を探すことの重要性を指摘している。
その時に二律背反となる問題が二つある場合には、科学的に解くことができなくなる。その時には人間の自然な営みの中で最良の選択をして正解を求めることになる。必ずしも論理ではないのだ。倫理も考えなければいけない。
すなわち、死亡者を少しでも少なくする、という解答を正しくないと否定する人はいないと思う。
(注)企業の開発を担当している人の中には、担当していない人たちがそれぞれの立場で、意見を述べられることに辟易されている人が多いのではないか。姑、小姑のから騒ぎ、と表現される方もおられる。その時一度立ち止まり、自分が解こうとしている問題と、周囲の人たちのアドバイスが出てくる背景となっている問題を考えてみるとよい。もし、これが一致していたなら、次に自分の考えが正しいかどうか謙虚に考え直す作業が必要である。大抵は、自分が解こうとしている問題と周囲が考えている問題が一致していない場合が多い。なぜこのような場合が多くなるのかというと、開発対象を見る視点が違うからである。ドラッカーは、「異なる見解は、異なる問題から生まれている」と表現している。ゆえに姑や小姑がうるさいようであれば、自分が考えている問題について、彼らに丁寧に説明する作業が必要になる。
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コロナ対策は、都市封鎖など経済にダメージを与えるような手段を取らないように試行錯誤しながら進めている、とNHKの特番で語られていたが、20世紀には科学こそ命のような狂信的な科学者ばかりでこのような言葉を科学者から聞いたことが無かった。
21世紀になり、科学が成熟し、ようやく科学の方法に対する見直しを行うような動きが出てきた。マテリアルインフォマティクスもそのようなムーブメントの一つだ。
ところで、高純度SiCの前駆体を合成するときに、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドを行う。
このリアクティブブレンドで問題となるのが、非相溶系を均一にどのように混合するのか、という点である。
有機高分子と無機高分子のブレンドであり、フローリー・ハギンズ理論のχは、反応の温度領域で1以上になる。フェノール樹脂の最大耐熱温度450℃までポリエチルシリケートが安定と仮定しOCTAでΧの温度依存性シミュレーションを行っても1より下がらない。
実際に液状のフェノール樹脂とポリエチルシリケートとをスタティックミキサーでブレンドしても組成比がばらついた不均一な液状物が出てくるだけだ。
剪断力によるブレンドでは粘度比が1を越えるとキャピラリー数が増大化し、微細で均一なブレンドが困難なことが知られている。
混練に関する教科書にはこのグラフが載っている有名な形式知であるが、2000年に推進されたNEDO高分子精密制御プロジェクトの成果によると、1000回転以上の高速剪断攪拌を行うとナノオーダーまで微細化されるという結果が示された。
生産用の二軸混練機ではこのような高速剪断攪拌が不可能なので、混練の教科書を書き直す必要はなさそうだが、科学の形式知とはこのような側面があることを学ぶ必要がある。
すなわち、従来の科学の形式知は、「できた」事実によりひっくり返るリスクが存在し、否定証明だけが唯一の完璧な科学の結論を導き出す方法だというイムレラカトシュの言葉を思い出すとよい。完璧な否定証明による科学の結論でも「できた」事実には否定されるのだ。
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新型コロナウィルスの問題が解決するためには、ワクチンが完成するか、あるいは70%の人類が感染して集団免疫を獲得するか、という二通りしかないと科学的にわかっているらしい。
もしワクチンが今あるならば、感染していない人にワクチンを接種すればよい。ところが開発中なので、年寄りはひたすら感染しないように努力しなければいけないけれど、あの「不倫は文化だ」と言った石田氏が感染したとのニュースが流れた。
少なくとも重症化して死亡する人を最小限とする行動が求められているにも関わらず、沖縄へ行ったそうだ。奥さんは若くても石田氏は老人だ。彼については仕事をキャンセルするのが正しい判断である。
当方は本日から出張業務を5月10日まで受け付けないことにした。長い休暇となるが、メールだけは対応している。また、活動報告も休日ではあるがこれまで通り書き続ける。
当方は石田氏と同年代であり、コロナに感染した時に死亡リスクが高い。ゆえに5月10日まで出張業務をすべて停止、事実上休暇とした。正解かどうかは知らないが、正しい判断と思っている。
行動変容によるウィルス対策が日本で取られているのだが、これがいつまで続くのかは、ワクチンができるまで、あるいは集団免疫を獲得するまでとなる。
しかし、人類の経済活動を考えたときに、この解答だけでは不十分である。人間の命がまず大切、というのは誰でもわかっているが、経済活動を壊さないようにしてウィルスに立ち向かう方法と問題解決までの期間が明確になってとりあえずの正解となる。
働き方改革が数年前から叫ばれているが、今回の騒動で一気に進むかもしれない。すなわち生産活動も含めた経済活動を1年間止めることは考えられないからだ。
ただし、少しでも経済活動を進めようとするならば、感染しない働き方を工夫しなければいけないので、働き方の工夫も考えなければいけない。
ああだ、こうだと考えていると、なかなか正解が見えてこない。これが今の正直な気持ちではないだろうか。
このような問題では、それぞれのケースについて正しい問題をまず設定しなければ、正解など見つからない。
換言すれば、それぞれの事業なり仕事について短期と長期に分けて考えて問題設定し、答えをそれぞれが出してゆかない限り、問題解決できない。
ワイドショーでは政府の問題を取り上げているが、政府の対策が実効化されるのは、これまでの経験から早くても3ケ月後である。
政府の対策に頼る前に、まず自分たちで対策しなければいけない問題を設定し解決するのが、今求められている。
二番目は政府の対策に頼れる場合がくるかもしれないが、少なくとも6月まで行動変容し事業継続できるように対策することはそれぞれの責任であるのが日本の現状だ。マスクさえ、まだ届いていない。
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京都産業大学の女子学生が、新型コロナウィルの猛威著しいヨーロッパへ旅行し、ウィルスに感染して帰国した。そして彼女たちの故郷にそれをまき散らしたことがネットで2週間以上話題になっている。
卒業式を中止するような事態になっているのにヨーロッパ旅行に行った女子大生の感覚あるいは価値観にはびっくりするが、ニュースによれば発熱しても3密パーティーに参加していたというから、少し異常にも思われる。
さらに彼女たちの一人は、卒業後教員になるらしいが、このような先生に指導される生徒たちのことを思うと十分に今回のことを彼女たちが反省していることを期待したい。
ところが、入院先の病院からは彼女たちの素行の悪さがネットに漏れており、それに尾ひれがつけられて拡散されている。
積極的にリスクを選択しウィルスに感染しただけでなく、感染しているかもしれないことが分かっていても3密に飛び込んでゆく感覚や価値観に驚いている人が多いのでこのような拡散が続いているのだろう。
一方で京大や慶応大の研修医が打ち上げパーティーを行い、慶応大学医学部では18人の感染を公表し、京大では自宅謹慎が命じられた。
慶応大医学部研修医に関しては、パーティーにおける破廉恥な写真まで週刊誌に公開された。
ところが意外にもこちらの異常さはネットであまり話題になっていない。
京都産業大女子大生については、彼女たちがまき散らしたウィルスに感染した人で死者が出たためと思われるが、週刊誌の報道を見る限り、社会への影響度は京大や慶応大の研修医の事件の方が大きいように思う。
新型コロナウィルスの世界的流行で、世界中で起きている異常な行動がネットで多数報じられている。
それらと比較すると女子大生や研修医の行動が些細なことに見えてくる。歴史に残るであろう今回のウィルスの猛威で、どこまで冷静にかつ賢明に行動できるかは、人類の進化を知る一つのバロメーターだろう。
ところで、明日から5月6日まで弊社は原則お休みとさせていただきます。但し、この活動報告は、社長が引退するまで毎日書き続けます。
弊社のお休み中はメールの問い合わせには応じていますが、出張は致しませんのでご了承ください。5月7日以降につきましては、本日との比較で決めさせていただきますが、出張は10日以降とさせていただきます。
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新型コロナウィルスの猛威が世界中でおさまらない。中国ではすでに収束化し、武漢の都市封鎖が解除されたというが、現地も含め信じている人が少ない。
さて、ウィルスに対して科学的な対応は、人類がそのウィルスに対して免疫を獲得することだと言われている。
さらに、全員が獲得する必要が無く、免疫者の無限クラスターができる約7割の人類が獲得すればよいことが研究により示されている。
またこの研究については、他のウィルスで実証されており、真理として定着しているという。
この科学の真理に従えば、皆が感染するような行動が求められるが、ウィルスに感染すると一定数の割合で死者が出たり、重篤な肺炎を引き起こすということで、感染しないほうが良い。
免疫を獲得するためには、ウィルスに感染する必要があるが、ウィルスに感染すると病気になったり死んだりする可能性があるので、感染しないほうが良い、このような矛盾した事象の対立を二律背反と言う。
人類は、これまで科学の真理と二律背反となる事象に対して、技術を開発して対応してきた。ただし、科学で解明されていない問題でも、技術が生まれている事実に気がつく必要がある。
例えば、ウィルスの流行に対する二律背反を解決するためにワクチンを開発しているが、これは唯一の方法ではない。
ワクチンを科学の成果と思われている人がいるかもしれないが、これは二律背反を解決するための一つの技術成果である。技術成果だから、本当に効果があるかどうか慎重に科学的審判を下せるように実験を行う必要がある。
科学の成果は、ワクチンにより免疫が獲得されるメカニズムを明らかにしたことである。
ゆえに、ワクチンが効果的と分かっても、科学の真理を導き出すようにすぐに開発できず、時間がかかる。
ウィルスの代わりに、流行しているウィルスに対応可能な免疫を獲得できるようなワクチンを開発するにはどうしても試行錯誤的になるのだ。
すなわち、新型コロナウィルスに対抗できるワクチンを作るためにある期間の技術開発が必要になる。
ところで、ウィルスに人類が対抗する方法はワクチンしかないように思われているが、今回の新型コロナウィルスでは不思議なことに、感染しても重症化しない人が一定数、しかも7割以上いることが分かってきた。
やや荒っぽい方法になるが、この機能に着目すると、感染して重症化する人を選別して隔離し治療を行うが、感染して重症化しない人を放置して無限クラスターを形成する対策がある。
これをうまく行うには、感染している人を見つけようと積極的に感染しているかどうかの検査をしないで、発熱して重症化しそうな人だけを探し出して検査すればよいのだ。
ところが一定数の重症化する人が集中的に現れると医療崩壊を起こすので、満遍なく救済するにはどうしたら良いのか。
これはドッジボールと同じで、可能な限り人類がウィルスから逃げ回ればよい。うまく逃げ回る方法の一つが、今回の場合は壇蜜ならぬ3密なのだろう。
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退職前中間転写ベルトと呼ばれる複写機用機能部品の生産技術を担当した。製品化まであと半年という状況で歩留まりがとんでもなく低い状態だった。
コンパウンドは外部の一流メーカーから購入しているのであとは押出成形技術の完成だけ、というのが前任者から当初説明されていた内容だった。
(簡単な仕事であれば前任者は最後まで担当していただろう。頭のいい前任者は失敗が見えてきたので窓際にいた当方に依頼してきたことは十分にわかっていた。しかし、どのような優秀な技術者でも成功するには時間が少なく、成功できるとしたら写真会社には当方しかいないことを前任者は知っていた。)。
しかし、PPS/6ナイロン/カーボンという配合において6ナイロンをPPSに相溶させて単相としなければ解決できない問題、と現場を観察していて気がついた。
これは直感ではなく、日本化学工業協会から技術特別賞を頂いたパーコレーションのシミュレーションの経験知のおかげである。
しかし、PPSと6ナイロンを相溶させる、という現象はフローリー・ハギンズ理論から否定される。すなわち科学で否定される現象を技術で成功させない限り、事業の成功はない状況と理解した。
ただし、科学で否定されるので、国内一流メーカーの技術者からは馬鹿にされて当方のコンパウンド改良提案など却下されただけでなく、部下の課長からも事務所で仕事をしていてください、と優しく言われる始末だった。
すぐに上司のセンター長にこのままでは必ず開発に失敗します、と申し出た。すると、センター長は失敗しないためにはどうすればよい、と聞かれたので、コンパウンドを当方が作る以外にない、と応えている。
横で聞いていた、気楽な前任者は、生産まじかなのでQMS上それはできないよ、と余計なことを言ってきたので、それでは子会社でラインを立ち上げ、外部からコンパウンドを購入するシナリオで開発しましょう,と提案している。
センター長はすぐに、いくら必要か、と聞かれたので2億円の見積書を出したら、8000万円でできないか、と言われた。
できる見通しは立っていなかったが、すぐに中古機を集めればできると思います、と応えて、その日に行動をはじめ、3か月後、センター長から決済がおりるや否や1か月後には子会社の敷地の隅にラインが出来あがっていた。
その混練ラインから、PPSと6ナイロンが相溶したコンパウンドが生産されたのだが、この成功までに周囲の誰も業務の実態を知らなかった。また当方も進捗の詳細よりも社内のQMSに反しないように根回しを行っていた。
科学で説明できない現象の仕事であり、その進め方も試行錯誤となり到底周囲から賛同される内容ではなかった。
ただ、部下の課長が、外部から供給されるコンパウンドとして、一流メーカーのコンパウンドと同等に厳しい評価をしてくれたおかげで、歩留まり100%の技術が出来上がった。
科学で説明できない内容について周囲に理解を求めるのは極めて難しい。しかし、ラインが立ち上がれば皆信じてくれるのである。この技術の成功要因は、当方が走り始めたときに周囲から批判がでなかったことである。
高純度SiCの事業開発で経験(注)しているが、このような場合にとかく周囲は小姑の如くどうでもよいことまで上げ足とりをするような発言をするものである。それが分かっていたので、ラインが立ち上がるまで黙々と仕事を3か月行った。
ところが、この仕事では、量産まじかで基盤技術も何もない新技術を導入するという禁じ手を使っていた。これは承知のことであったが、そうしなければ成功しなかった仕事である。
ゆえにQMS上問題が起きないように外部からコンパウンドを購入するという開発シナリオに沿って子会社でラインを立ち上げている。
(注)半導体治工具のJV(ゴム会社と住友金属工業との契約による事業)を立ち上げるまでの5年間研究所内では批判の声が多かった。JV立ち上げ後は静かになったと思ったら信じられない事件が起き、そして当方は転職している。企業内で新しいことをする、という時にはいつでも「覚悟」が必要であり、その覚悟に対して組織はどこまで共感してくれるのか、が重要である(当方はJVを開発スタート時のシナリオ通りに別会社として起業する予定でいた。)。
カオス混合ラインの立ち上げでは、半信半疑の部下の課長も含め、豊川にいるメンバー皆の成功を祈っている気持ちが業務中に伝わってきた。ゆえに業務に集中でき短期間で成功させることができた。アイデアとか仕事のスキルは個人に依存するが、事業の成否は組織のパワーなり風土なりがどのようなものであるかが影響する。これを理解していない経営者なり管理者は弊社にご相談ください。また、財務省の問題では自殺者が出たり、過去にも組織風土の問題で自殺が後を絶たないが、死ぬ勇気があるならば、転職すべきである。これは、問題から逃げるのではなく、問題解決のためである。自殺による解決はさらに別の問題を引き起こす。また、生きておればおもしろい光景を見ることができる。ゴム会社から写真会社へ転職した時には送別会の雰囲気など無かったが、数日後某カントリークラブで1泊2日のゴルフ送別会が開かれ記念品としてゴルフバックを頂いた。これは意外だった。写真会社の退職送別会は2011年3月11日だったので吹き飛んだが、退職後元の職場のメンバーによる焼き肉屋パーティーが開かれている。組織で働く、とは、そこに人の交流があり、人間らしい無形の財産が必ず蓄積される。死んでしまったら永遠に無形のまま(遺族が裁判で有形にするという方法もあるが、これは不幸の連鎖である)だが、生きておれば何らかの形でその財産を見ることができる。
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