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2019.11/22 年配技術者の処遇(2)

デジタル化の流れの中でフィルム事業をやめる少し前の出来事だったが、ヘッドハンティングされて転職し、博士を一人育て社外から二つも受賞しているような成果を出せる組織を作ったのである。

 

また、事業に十分貢献した成果を出していたから、倉庫に使われていた部屋へ机を移された時には驚いた。人事は大学の研究室の先輩にあたる上司が決めたそうで油断していた当方が悪かったのかもしれない。

 

そこで自由に仕事を、と言われてもリストラの処遇をどのように理解し元気を出せばよいのかわかるはずもない。おそらく異動を指示しやすかったのだろうと思う。ゆえに、先輩の顔を立ててにこやかに異動した。

 

その後、カメラ会社との統合の話が出て、当方の部屋に足しげく訪ねてくるその会社の部長がいた。そして、役割を代わってくれ、と言った。喜んで代わる、と告げて豊川へ単身赴任する道を選択した。

 

ただし、役割を代わってほしいといったのには理由があった。歩留まりが10%も満たないベルトの押出成形を半年後には100%近くまで上げなければいけないテーマをかかえていたのだ。

 

写真会社の研究所の誰もが「あのテーマは終わっている」と言っていた。当方も終わっていると思ったが、このようなテーマを生き返らせてこそ最後の仕事として刺激的であり思い出に残るだろうと感じて引き受けた。

 

どのみち、サラリーマンとして終わっている処遇にあった。そして半年後、企画には無かったコンパウンド工場を立てて、一部の期待に反しテーマを成功させたのだが、役員から早期退職の提案と早期退職前に環境対応樹脂を開発してくれと頼まれた。成功しても失敗しても良いことが無い年齢だった。

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2019.11/21 年配技術者の扱い(1)

各企業により人事制度が異なるが、日本では、40歳前後までに中間管理職となり、その中から将来の経営陣が選ばれるシステムを採用している会社が多い。

 

ゴム会社では、早い人で37歳になると基幹職と呼ばれるようになり、40代で役員に抜擢される人もいた。ちなみに基幹職の定年は55歳であり、55歳を過ぎると一般職になる。また給与も下がる。

 

最近はフェロー制度とかできたそうだが、それでも55歳を過ぎると給与は下がる。写真会社では、60歳まで給与は下がらない(下がる場合もある)人が多いのでゴム会社は厳しいシステムと言える。

 

当方が勤務した写真会社にせよゴム会社にせよ年配技術者の処遇が上手なようには見えない。ゴム会社では、55歳で役職定年後配属された上司の人格により幸不幸が変わるようだ。

 

写真会社は、会社にぶら下がりながら65歳まで必死に生きてゆく状態となる。これが幸福かどうかはそれぞれの価値観によるが、65歳になれば退職しなければいけないので必死でそこで生きる価値があるのかどうか知らない。

 

当方は50歳を過ぎたときに当方が作り上げた組織を外され、部下の主幹研究員が後を継ぎ、当方はそれまで倉庫に使っていた部屋を割り当てられ、机を窓際に置かれて、明日からここで仕事をしてくださいとなった。

 

ぶら下がる、というよりも止まり木で休んでいてください、という温かい思いやりを感じても、これでは元気が出ない。

 

カテゴリー : 一般

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2019.11/20 組織の問題解決

織田信成氏が女性コーチを相手に訴訟を起こした。ニュースをいろいろと読んでみて30年前を思い出した。

 

立場や状況は全く異なるが、組織におけるそれぞれの役割の責任者の動きにおける問題は、似ているのではないかと感じた。

 

そのうえで、今のこの時期に訴訟を起こしたのは織田信成氏の役割や社会的位置づけから問題がある。

 

これは良い悪いの問題ではなく、なぜもう少し相手側コーチの立場、そして選手に与える影響、結果的に社会へ与える影響を考慮しなかったのか。

 

コーチは危険な練習をさせており、監督の立場として安全な練習をこころがけそれを注意したところものすごい形相で叱られたそうだから、問題はコーチにあるのだろう。

 

しかし、シーズン中の訴訟は配慮が足りない。さらに、彼にこのような行動を起こさせたスケート連盟や関大関係者の中のそれなりの立場の人が、何をやっているのかという疑問が出てくる。

 

おそらく、彼の狙いは、コーチだけでなく組織の抱える問題も含めて社会に訴えたかったのかもしれない。

 

当方の転職時には多くの方からアドバイスを頂き、転職を選びながらも訴訟までは起こしていない。モラルハラスメントの問題よりも大きな問題で十分訴訟を起こせる内容だが、事業の成功を祈りそれに影響を与えない道を選んでいる。

 

織田信成氏の気持ちは報道されている内容から理解できるが、彼のキャリアや社会が承認している彼のキャラクターを損なうのではないか、と心配している。

 

このような問題が起きたときに、組織あるいは関係者の中にどれだけ当事者を説得できるだけの誠実さや真摯さを持ち合わせた人材がいるかどうかが、おかしな訴訟が起きるかどうかを左右する。

 

ゴム会社には伝統的にそうした人材が一人や二人いるのが強みなのだろう。しかし、関大やスケート連盟にはいなかった可能性がある。

カテゴリー : 一般

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2019.11/19 日曜日のNスぺ

17日21時から放送されたNHKスペシャルは面白かったが、ダビンチの扱いについて不満が残った。

 

彼は35歳から知の爆発があり、科学云々という説明があったが、彼の知は経験知であって、現代の科学の形式知とは程遠い。また、彼は技術者であり芸術家でもあった、という解説が欲しかった。

 

彼は科学者ではなかった。むしろ現代の技術者が模範とすべき大先輩だったと思っている。

 

科学者とは、という定義が問題になってくるが、古くはマッハ力学史でニュートンでさえも科学者ではなかったと説明されているし、理研で研究者として採用され、スタップ細胞の騒動を起こした研究者は未熟な科学者という評価がなされた。

 

科学者のイメージをこれらから想像すると、ダビンチは未熟以下の科学者となってしまう。むしろ優れた技術者であり芸術家だった、と当方が言いたいのはこのような理由からだ。

 

Nスぺを見ても科学と言う哲学がいつ成立したかについて捉え方が多種あるように思われるので、そこは言及しないが、それでもダビンチを科学者として扱うには無理がある。

 

むしろ彼が日々の営みの中で知的欲求あるいは創作欲を満足させるために数々の作品を生み出したと考えるのが自然であり、欲望の結果であると理解できれば凡人も勇気づけられる。

 

ダビンチの創作活動から天才と祭り上げるのではなく、溢れる欲求を満たすために絵を書き自然を観察し、現代から見ると科学の広い分野に精通していたと錯覚するような作品を創り出した、偉大なるもの好きである。

 

確かに時代背景を考慮すると、それらの作品のレベルは高く、当方もモナリザの微笑みのような作品を描けないので尊敬はしているが、だからといって凡人から程遠い人ではない。

 

現代人はダビンチの創作意欲とその欲望を爆発させた精神の自由な姿勢を見習うべきではないか。

 

放送では、ダビンチの思考をシステム思考としてもてはやしていたが、専門に囚われず自然界から自由に知を学び、それらを自分なりに体系化しようと作品を生み出していっただけである。

 

例えばモナリザを現代人が鑑賞してもそれなりの興奮が得られるのは、ダビンチのこの絵を描いた思いが伝わるからであり、その描き方は彼の知の特徴の表れである。

 

現代人も形式知に囚われず自由に発想し、知識欲を爆発させれば、皆ダビンチになれる。MDMAがいかなる生理活性を示すのかよく知らないが、おそらくダビンチにとってその活動はMDMAを服用していたような興奮状態だったのではないか。

 

自由な知的活動には、恐ろしいほどの興奮をもたらす瞬間がある(注)。ダビンチはそのような興奮を知っていたのではないか。

 

学校教育は本来そのような知的活動ができるよう科学教育を行っているのだが、形式知だけでは凡人にそのような興奮をもたらすことはできない。体験学習や自由な実習こそ大切である。

 

(注)子供を育ててみると、知の爆発の瞬間を見ることができる。「これなあに」という知の欲求を、成長につれ忘れてしまう。この知の爆発の思い出を思い出すことができれば、日本のGDPも上がるのではないか。あるいは初めて100点を取ったときの思い出でも良いかもしれない。新しい知を獲得したときの興奮、わくわく感を思い出すことが大切である。ダビンチはそれができたのであろう。モナリザの微笑みは彼があこがれていた女性をいつでも眺めていたいという欲求の成果だと捉えている。偉人を特別な人、自分とは程遠い人とするのは簡単である。しかし、偉人を俗人の一人としてとらえ、自分にもできそうな彼の良いところを真似ると偉人に少し近づくことができる。現代人には幸運なことに絵心が無くても性能の良いデジカメがある。ダビンチ以上にうまく自然を写し取ることは、誰でもできるようになった。

 

カテゴリー : 未分類

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2019.11/18 パーコレーション転移

短時間でコンパウンドが吐出される二軸混練機において、混合状態の不安定さが原因となる。この時、深刻な問題となりやすいのが、パーコレーション転移という現象である。


これは、高分子にカーボンの様な導電性微粒子を分散し半導体高分子材料を製造しようとしたときに必ず遭遇する現象であるが、導電性だけでなくフィラーによる弾性率の改良を行う時にもこの現象は発生している。


しかし、パーコレーション転移による弾性率変化は、導電率変化よりも小さいのであまり問題となっていない場合が多い。


パーコレーション理論とは、クラスターの数と性質を取り扱う、少し難解な形式知である。その理論的な扱い方には、クラスター生成を格子点のつながりとして扱うボンドパーコレーションと、格子で囲まれた領域の中心(立方体であれば、その中心を面心という)が形成するクラスターとして扱うサイトパーコレーションの二通りがあり、二次元から多次元まで拡張されてきた。


そして、無限につながったクラスターが生成しはじめるときのクラスターの割合をパーコレーション転移の閾値(Pc)と呼び、1950年代に数学者によりその値が議論されてきた。


ところが、モデルにより一定とはならないので数学者以外に閾値の理解は難しい。門外漢には、クラスター形成過程で、急激に何かが染み出したように系の性質が変化する現象として、この転移を理解できればよい。


そもそも、パーコレーション理論の名前は、コーヒーのパーコレータが由来であり、「ある閾値で物性が急変する現象」という概念こそが重要である。


パーコレーション転移は数学の世界ではかなり古くから知られていた理論であるが、その取扱いの難解さだけでなく概念の意味が材料技術者に理解されず、高分子材料に応用されたのは1990年前後からである。


昭和35年に開発された非晶質SnO2ゾル薄膜を用いた透明導電薄膜技術を温故知新により現代に蘇らせたフィルムの帯電防止技術では、薄膜のインピーダンス評価を行い、パーコレーション転移の閾値を見積もっている。


そして18vol%という低添加率でパーコレーション転移を生じさせる技術開発に成功した。この技術の考え方は、混練により、半導体コンパウンドを開発するときに参考になる。


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カテゴリー : 高分子

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2019.11/17 習慣の重要性

痴漢の半数は、大卒で家庭を持った普通のサラリーマンだそうだ。そして、逮捕されて初めて悪いことに気がつくケースが多いとある記事に書かれていた。

 

そして、その記事には習慣による認知の歪を隠し持っていることが原因と解説してある。20年以上前にベストセラーになったコヴィー著「7つの習慣」を思い出した。

 

痴漢の記事を読み、コヴィーの著書を思い出していたのでは著者に悪いが、神を捨てた現代人は、まさに良い習慣を身に着けない限り幸せになれないのかもしれない。

 

亡父の受け売りで申し訳ないのだが、大谷派の信者だった亡父は無宗教の当方にまず本を読め、と読書を強制した。当方が無宗教で育つことができたのは亡母のおかげだが、亡父は無宗教である当方を心配してドラッカーはじめ多くの著書を当方に勧めてきた。

 

幸か不幸か、そのため読書は趣味ではなく習慣になった。これは今思い返しても亡父に感謝したい一番目の項目である。遺産もありがたかったが、事業のために全てなくなった。

 

しかし、どのような状況になっても読書の習慣は無くならないのだ。読書の習慣の良い点の一つとして、認知のゆがみを矯正する点だろう。もっともおかしな本を読んでいたなら逆に認知は歪むが。

 

愛読書は良書と悪書をふるい分けするフィルターとなりうる。すなわち愛読書がおかしく見えるような書籍を読むこともある。その時、改めて愛読書を読み返すと今読んだ書籍がおかしかったことに気がつく。

 

ゆえに、ある人物の人となりを知りたかったら本棚を見せてもらうとよい、と言われているが、これは自分の行動からも本当だと思う。

 

(注)宗教をもたないことで困るのは、危機が迫った時にすがるものが自分しかない点である。亡母は面白いことを言っていた。特定の宗教を信じると助けてくれる神は一つだが、信じていなければ無数の神が助けてくれると。空襲を経験して仏様を信じていてもどうにもならないことが分かったという。神に祈っている時間があったならとにかく子供の手を引いて逃げ出さなければいけない戦争を生き延びてみて、危機が迫ったらすぐに逃げろということが一番大切だと悟ったそうだ。戦争体験も昔いろんな人から聞いたが、神も仏も信じられなくなる体験は迫力があった。迫力ある話を聞いたにもかかわらず、高純度SiC合成実験を初めて実施したときには、電気炉の前で手を合わせながら必死で祈っていた。驚いたことに神様のいたずらかどうかわからないが電気炉が突然暴走し、SiC化のために最適な条件となる加熱パターンとなった。これは今でも不思議で謎が解けていない。最先端の科学研究が推進されていた無機材質研究所で起きた出来事である。無数の、八百万の神のおかげだろうと思っている。真摯に生きていると科学で説明のつかない現象に遭遇する。退職前のカオス混合装置の発明も、コンパウンドのサプライヤーが顧客に「素人は黙っとれ」と言わなければコンパウンド工場を建設する仕事の流れにはならず、技術は生まれなかった。予期せぬ仕事の流れで最初は戸惑ったが、とにかく成功させたい一心でカオス混合装置を開発している。プラントが出来上がり、最初にPPSと6ナイロンだけ流してみたら透明な樹脂が吐出された。プラント建設前に中途採用した部下は、予備実験も無くいきなりフローリー・ハギンズ理論で説明のできない現象が目の前で起きたために腰を抜かしたが、これも神様のいたずらかもしれない。

カテゴリー : 一般

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2019.11/16 ニューオータニ5000円パーティー

昨晩安倍総理は異例の記者会見を行ったという。その後蓮舫議員が、ホテルニューオータニで5000円でパーティーができるのでしょうか、と発言する顔がアップで映し出された。

 

蓮舫議員は、ホテルでパーティーを開催したことが無いのだろうか。庶民の知恵を御存じない。

 

850人のパーティーならば、一人5000円でも425万円集まるので、立食パーティーならば十分に開催可能である。

 

ちなみに、うまくやれば条件付きで3500円から座席のあるパーティーが可能である。なにもインチキをやらなくても、850人の立食パーティーならば、理論上1000円でも可能かもしれない。

 

さすがに、1000円は経験ないが、3500円の座席パーティーなら経験している。政治パーティーではない。ニューオータニでパーティーを行う場合に、一人11000円かかる、とモザイクが入った映像が流れたりしているが、このモザイク入りの映像こそ怪しい。

 

ニューオータニで***円の立食パーティーを開催した経験があるのでその手法をここでこっそりお話しするが、価格は今問題となっている価格よりもすごいので、ニューオータニに忖度して伏せる。しかも参加者で宿泊客は0であるのでホテル側にも迷惑をかけた。

 

トリックは料理と酒を参加者の人数分ではなく、参加費に応じて減らせばよいだけである。例えば850人集まるパーティーで400人分の酒と料理を出すことにすれば一人5000円でもホテル側は赤字にならない。

 

すなわち、多人数の集まる立食パーティーでは、料理が必ずしも人数分出ているとは限らないのだ。このようなことは庶民の立食パーティーでは常識である。

 

学会の懇親会では、時間に遅れて参加すると料理が無かったりした経験がある。ひどい時にはアルコールが泡のみの場合もあった。

 

これは参加人数よりも料理を少なくしているだけでなく、食べ盛りの学生が多く出席していたりすると起きる。蓮舫議員はこのような庶民の立食パーティーに参加したご経験が無いのかもしれない。

 

ちなみに、ニューオータニ程の高級ホテルになると安価な費用でパーティーできますと従業員はブランドを守るために言いにくいはずである。

 

しかし、ニューオータニは日本を代表するホテルなので、ここで安価なパーティーを企画すると集客力は抜群である。また、一人分の会費が安いからといってニューオータニぐらいになると手抜きはしないのでうまい料理を食べられる。

 

このようなパーティー、本当はホテル側は迷惑かもしれないが、部屋代と料理代を回収できるならば、交渉次第でサービスしてくれる。野党議員は庶民の知恵を勉強すべきだろう。

 

弊社は、科学と技術以外に生活の知恵を絞りだすことも惜しまない、サービス満点のコンサル業務を行っています。これまでの実績でも100円ショップで購入した機器だけでクライアントの要求を満たす技術を開発している。これはニューオータニ5000円パーティーよりもすごいと思っている。

 

カテゴリー : 一般

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2019.11/15 MFRはばらつく

 MFRとはMelt Flow Rateの略であり、高分子の流動性の指標として使われ、大きいほど流動性が良いとされている。

 

 コンパウンドのスペックにも使われたりするが、ばらつきが大きい指標である。同じロットのサンプルでも2-3割程度ばらついている。

 

 興味深いのはバッチ式混練機で条件を大きく変えてもこの程度のばらつきの時と2倍以上のばらつきを示すケースがあることだ。

 

 例えば、混練時間を横軸にとり、MFRのばらつきデータをあるポリオレフィン樹脂について混練したところ、5分間の混練では2倍以上のばらつきを示したが、30分混練したところ2-3割のばらつきに落ち着いた。

 

 この結果は、次のようなことを示唆している。すなわち、一般に使用されている二軸混練機では、乾式混合された原料が投入されてから4-5分でコンパウンドが吐出されるので、コンパウンドが十分安定化しないで吐出されているのではないか。

 

 参考までにこの実験で得られたポリオレフィン樹脂のについてデータをまとめると、200℃で混練した場合にMFRが1.4付近で安定化するまでには30分ほど混練が必要である。

 

 しかし、融点以下に温度設定して混練を行う剪断混練では、MFRは10分ほどの混練で1.4を越えばらつきも減少する。

 

混練温度を高分子の融点以下に設定する剪断混練は、加硫ゴムの混練条件として一般に採用されているが、熱可塑性樹脂の混練では、あまり使われていない。しかし、コンパウンドの流動性を向上できる長所があるので検討するとよい。

カテゴリー : 一般 高分子

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2019.11/14 オブジェクト指向の時代

今スマホでもパソコンでもオブジェクト指向のパラダイムで動いている。それは使う立場では、わかりやすいからであるが、教える立場では、オブジェクト指向は難しいはずだ。

 

よくわかっている人でも、わけのわからない教え方になる。市販されているC++やC#の教則本が分かりにくいのはそのためだ。

 

手続き型言語は、教える側はわかりやすい。しかし、MS-DOSが使いにくかったように、手続き型のパラダイムはオブジェクト指向のパラダイムより使うときに面倒だったり、分かりにくかったりする。

 

この点について情報工学の専門家は何も感じていないらしい。もし感じていたなら、ソフトウェアー教育に関する文部省の指導要領はもう少しまともなものになっていただろう。

 

情報工学の専門家もよくわかっていない状態でありながら小学校からプログラミングを教えようなどと言うから現場が混乱するのだ。日本の情報工学が裸の王様状態であることを誰かが指摘すべきである。

 

ソフトウェアー分野において日本のアカデミアは、世界水準に追いついていないと感じている。

 

先日も書いたが、現状では文部省の指導要領に従わなくてはいけないので、ずばりBASICを指導すればよろしい、と提案しておく。もっと具体的に言えば、スキルを身に着けさせることに徹すればよい。

 

ソフトウェアー工学をよくわかっていない現場の教師が教えるのだから、教材の言語についてわかりやすさを追求しても意味が無いのだ。概念が大切だと言ってもそれを理解していない先生が大半だろう。このパラドックスに早く気がつくことだ。

 

VisualBASICならば1ケ月程度で簡単なプログラムを作れるようになる。しかもオブジェクト指向付きである。実用性の無いプログラミング技術を学ぶ小学生が気の毒である。本当は、その時間を算数にあてたほうが将来のためだ。

 

カテゴリー : 一般

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2019.11/13 プログラミング教育の難しさ

小学生に情報工学として何を教えたらよいのか。文部省の指導要領によれば、科学的に教えよ、とあるから、この指導要領に従えば、手続き型言語を一つ小学校4年生までに使えるようになることを目指せばよいと思う。

 

小学生におもねり簡単にした言語でなくても、BASICで十分だと思っている。BASICが難しいと思っているのは大人だけであり、きちんと教えると1年生でも足し算の結果を画面表示させるプログラム程度を1ケ月でマスターする。

 

但し、これは指導要領に従った当方の意見だが、指導要領に従わなければ、パラダイムなる概念を小学校3年生までにしっかりと教える。すなわち、問題を考えるときに科学的方法と科学によらない方法があることをしっかりと教える。

 

そして、数学の問題を解くときに、科学的に解く方法が答えでは大切だが、その答えを得るのに非科学的方法が有効であることを教えたい。

 

こうすることにより科学という哲学の限界とその役割が明確になると思うのだ。これはプログラミングスキルに限らず日々の問題解決に重要なことだ。

 

例えばオブジェクト指向のプログラミングを行う場合に、科学の立場ではオブジェクトの中身がすべてわかっている必要があるが、非科学の立場では、オブジェクトの概略の振る舞いさえ決まっておればよい。

 

ひどい時には、中身のないオブジェクトを仮に作っておくセンスもオブジェクト指向では要求される。これは難しいようだが、すでに誰もがその恩恵と被害を受けている。

 

プログラミングでアジャイル開発ができるのはこの非科学のパラダイムのおかげであり、初めて販売されたソフトウェアーが何度もバージンアップし安定化したり機能が増えてゆくのはこのパラダイムでソフトが作られているからだ。

 

しかし、情報工学の専門家はこのような説明をしないから、文部省の前時代的な指導要領となった。指導要領が現実を無視しているので現場が混乱していると思っている。

カテゴリー : 一般

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