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2019.06/14 学位は不要か?

たまたま検索した結果にゴム会社の後輩の記事が引っ掛かった。某大学の講義録で、学生との質疑応答まで載っていた。その中の学生の質問に、企業へ就職するために学位が必要か、と言うのがあり、後輩は給与面から始まり丁寧に答えていた。

 

ただその回答は、読みようによっては、後輩の会社では学位は評価されない、と言うように読みとれる間違った内容になっていたので補足する。

 

まず、ゴム会社では学位は評価されており、当方も上長から勧められて学位を取得している。ただ、ゴム会社では肩書と実力が一致していない場合には実力に応じた処遇になる。

 

すなわち、学位があるから給与がもらえるのではなく、実力があるから給与が上がるのである。当方は以前ここに書いたが、昇進試験に高純度SiCの事業シナリオを書き、一度目は問題と回答が一致していたのに落ちたが、二度目は問題と回答が異なっていたのに100点だった。そして、給与は一年の遅れを取り戻すに余るほど上がっている。

 

すでに高純度SiCの研究棟が立てられて研究開発がスタートしていたからだ。粋なはからいをする会社で、学位取得者が入社するときにその学位が事業に役立つならば給与は増える当たり前の会社だった。ゆえに上司は当方に学位取得を勧めてくれたのだ。

 

ただ、学位がその人の仕事に生かされていないならば給与は増えない。すなわち学位とその人の仕事の成果が不一致ならば給与は学位の無い人と同じたいへん公平な評価なのだ。

 

これは例えば文学博士の学位を持って技術開発を行っていたら、文学博士分の給与を会社が支払ってくれるかどうか、と説明をすれば分かりやすいと思う。ゴム会社はそのあたりは極めて明快な会社で、学位を業務に生かし成果を出せば高い評価をしてくれる会社である。

 

当方はゴム会社ぐらい成果主義の徹底した会社は無いと思っている。ゆえに学位が業務に生かされればタイトル分の評価ももらえる。繰り返すが、だから上司は当方に学位取得を勧めてくれたのだ。

会社に貢献し、その貢献した内容で学位を取るように勧めてくれる会社は素晴らしい会社である。この経験を写真会社で実行し一名工学博士を育てることができた。ゴム会社の文化を写真会社に持ち込んだのだ。

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2019.06/13 AIの普及で考えなければいけないこと(1)

AIの普及に負の効果があることを以前指摘している。その前にAIの普及で形式知に対する人類の負担が軽減されるようになる点を説明したい。

 

そのような説明は不要だと言われそうなので、形式知はAIの最も得意とする分野であること、そしてAIは科学の思考法で動作しているという特徴があることだけに留める。

 

AIのこのような特徴のため、企業が科学の形式知を備えたAIを導入したならば、研究開発では大幅な効率アップとなる。

 

社会的にはアカデミアの大リストラが必要になり、これはAI普及の負の側面である。おそらく今活動している科学者の半分以上は不要になる可能性がある。

 

一方そのような大リストラは社会の負債になるから、アカデミアで働く科学者の意識改革がその前に行われて、それに従う科学者と反対する科学者がふるいにかけられるだろう。

 

一昔前ならばこのようなときに同情する人が社会にいたが、これはAI対人間の戦いであり、同情する人はでてこないかもしれない。アカデミアには厳しい時代になる。

 

しかし、今アカデミアはある活動を行うことでAIの時代に生き残ることが可能となる。それは弊社に相談していただきたいが有料である。

 

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2019.06/12 なぜ栗山監督はチャレンジするのか

本日広島戦で日本ハム吉田輝星投手が一軍デビューする。その采配にチーム内から疑問の声が上がっているという。

 

原因は、二軍での成績がパッとしなかったことと、今回の一軍昇格のテストに相当する二軍戦で6点も献上していたからだ。

 

しかし、栗山監督はチームの雰囲気を変えるために彼の一軍登板を決めた。これは、リーダーとして大変リスクのある選択である。

 

かつて同じ選択をして大失敗をしていても、同じ選択をする栗山監督に当方は「リーダーがんばれ」とエールを送りたい。

 

当方はゴム会社で高純度SiCの事業化シーズを生み出し、社長から研究棟の建設と2憶4千万円の先行投資を受けた経験がある。

 

そしてその期待に応え、住友金属工業(株)小嶋氏と出会い、高純度SiC半導体治工具のJVを立ち上げ、無事高純度SiCの半導体用治工具という分野へ進出することができた。

 

それまでは、ずっと特別扱いであった。しかし、その後業務をたった一人で担当しているにもかかわらず電気粘性流体のテーマも担当することになった。

 

そして、電気粘性流体の増粘問題のたった一晩で解決(特開平03-124794、特開平03-157498)や、電気粘性効果を示す粉体設計に関する重要技術(これは少し時間がかかったが特開平04-227796、特開平04-227996、特開平227997など)傾斜機能粉体や、微粒子分散粒子、コンデンサー分散粒子という実用性のある粉体開発を成功させている。

 

それだけでなく、その後Li二次電池難燃剤につながるホスファゼン難燃油の発明(特開平04-198189、特開平04-198190)まで成功させた。

 

その後この業務を担当したことで発生した事件で写真会社へ転職したが、かつて栗山監督が特別扱いをした斎藤投手は今でも日ハムで頑張っている。

 

この同じ経験をした「ハンカチ王子」は、「どの世界でも特別扱いはある。監督やコーチはしっかり立場や気持ちを理解しているはず。雑音など気にせず、チームの雰囲気を変えるスイッチとなれ」と激励していた。

 

斎藤投手の特別扱いは、今でも続くが、これは大切なことである。本部長が交代した結果、いきなり他の担当者と同じく会社の事業テーマを担当させられて大変苦労した(新しい本部長が力を入れた電気粘性流体の事業はその後消えているが高純度SiCの事業は30年続き昨年末名古屋の企業に事業譲渡された)。

 

それも高純度SiCの事業化テーマを一人で抱えながらである。2年間成果を出すために常識では考えられない仕事量を一人でこなさなければいけなかった。それも残業代0である。これは特別扱いというよりもいじめである。しかし頑張って言われた目標をすべて達成している。

 

例えば、最初に配合剤の入っていない耐久性のあるゴムを開発せよ、と命じられた時に、問題は、そこにあるのではなく電気粘性流体の設計が悪い、と回答したら、すぐに増粘問題を解決できる代案を持ってこい、と言われた。そこで一晩で増粘問題を解決しなければいけなくなった。

 

そのような状態で業務妨害を受けたのである。電気粘性流体の増粘問題を界面活性剤で解決できない(実際には上述したように一晩で解決できた)、と一年もかけて結論を出したチームの雰囲気を変えるだけでなく会社の癌となる悪人をあぶりだしたようなものだった。

 

もし本日の吉田投手の当番が良かったら栗山監督の株は上がるだろう。今年はハンカチ王子も少し調子が良い。開幕同様一軍に上がる日も遠くないと思う。

 

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2019.06/11 AIの普及で仕事はどうなるか

「AIの普及で無くなる仕事」というのが以前話題になっていた。30年以上前には、パソコンの普及で無くなる仕事が話題になっていたが。

 

 

まず、パソコンの普及で無くなる仕事が話題になっていた時に、独身男性が増える問題を指摘していた人がいた。

 

 

すなわち、パソコンが普及すると事務職の女性や実験補助の女性が不要になるので研究職の職場に女性がいなくなり、独身男性が増えるという予測である。

 

 

これは傾向としてパソコンの普及と無関係に増えているので、当たっていたと言い難い。しかし、当時感心したのは真顔で男性ばかりの職場の恐怖を語っていた人だ。

 

 

しかし時代は変わり、男女雇用機会均等法で、その心配は無くなった。今AIの普及で無くなる仕事を考えるよりも大切なことは、AIの普及による仕事への影響だろう。

 

 

パソコンによる事務の合理化の影響で真剣に独身男性の増加を心配したように、無くなると言われている今の仕事も含め、AIの普及による影響を真剣に心配しなくてはいけない。

 

 

直接利用したりその恩恵を受けたりする効果よりも、負の影響である。AIは確実にビジネスの現場に導入される。

 

 

それをどう扱うかはともかく負の影響を見つけ出し、AIを活用して良い効果をだせるような仕事のやり方を考えておかなければならない。

 

 

AIをどのように活用するのかはもう皆が考えているが、AI普及による負の側面をAIで解決しようとはまだ誰も考えていないような気がしている。

 

 

 

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2019.06/10 「いだてん」のつまらなさ

昨日のNHK「いだてん」では、人見絹代が登場したり、日本女子体育大学大創設者が紹介されたり、と日本女子スポーツの発展史を紹介した物語である。

 

ところがそれをありきたりのドタバタ劇でまとめたような回であった。ハードル競技で本当に女子の肌の露出が大きな社会問題になっていたのか調べてみたが、インターネットで調べた限りドラマのような事件になっていない。

 

ゆえにドラマはフィクションなのだろうが、それならばそれで、日本女子体育大学なり人見絹代なりの物語を膨らませたほうが視聴者にはわかりやすく、またドラマとしての筋がとおったのではないか。

 

昨日は竹早女学校の封鎖事件で来週に続くとなったが、これがなぜここまでにならなければならないのかぴんと来ない。

 

視聴率の低迷が指摘され、関係者が物語を面白くしようと努力されているのはよくわかる。しかしそれがドタバタ喜劇とオリンピックに情熱を傾けた人たちの物語を足して2で割ろうとしているのが見えすぎである。

 

そして、その計算結果を間違えている。ありきたりのオチに工夫のない小噺の連続でつまらないのだ。たしかに東京オリンピック小噺という副題がついているが、年末までこの小噺をとても聞く気になれない。

恐らく視聴率は今後も落ち続け、5%以下になるのではないか。これだけの豪華キャストと東京オリンピック控えての番組でそこまで下落したらそれはそれで話題になると思われる。皆でこの番組を見ないように運動しても面白いかも。

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2019.06/09 企業で悪人が生まれるとき

企業活動において明らかなコンプライアンス違反ならば悪人と言われても仕方がないが、一生懸命仕事をしていても悪人になってしまう危険性があるのが企業と言う組織で活動するときの難しさである。

 

ゴム会社の新入社員時代に当方は悪人となったため始末書を書き、会社にお許しいただきフロッピー事件が起きるまで12年勤務した。

 

始末書を書くことになったのは、市販されていない難燃剤を用いて実験を進め、工場試作まで成功させたからである。

 

軟質ポリウレタン発泡体の新しい難燃化技術の企画を入社10ケ月目に命じられたので、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの企画をすぐに提出した。

 

当時ホスファゼンは先端材料でどこもまだ事業化していない材料と言うことで課長も新規性十分な企画であると絶賛され、いつできる、となった。

 

ホスファゼンを自分で合成することになるので、そのために1ケ月かかり2ケ月ごろには実験室レベルの発泡体ができている、と回答している。もちろんこれは新入社員ゆえの元気な回答である。

 

話半分に聞かれると思いきやすぐに実験をやれ、と命じられ、少し遅れたが4カ月過ぎたところで工場試作をしてみようということになった。そして工場試作をしたら大成功で、そのときは周囲から大絶賛で褒められた。

 

しかし、課長がそれを役員報告したところから運命が変わり、当方が始末書を書くことになった。

 

このあたりは以前にもこの欄でどのような始末書を書いたのか述べているので割愛するが、会社のために一生懸命サービス残業までやって、成果を出して知らず知らずのうちに悪人になったのである。

 

企業と言う組織の中ではこのようなこともありうるのである。それでもその組織で働きたいと思うならば我慢というよりも前向きで状況を捉え、働くことである。

 

しかし、どう考えても後ろ向きにしかなれないならば、新しい組織をさがすより仕方がないのが今の社会システムである。

 

始末書まで書いて会社に残ろうとしたのは、新入社員の2年間は失敗をしても良いから思い切り仕事をやるようにと、石橋幹一郎氏が新入社員に向けて言われ、そのようにしたら本来ないはずの責任を認めてくれて始末書まで書かせてくれた、と解釈し納得している。楽しい思い出である。ちなみに、その時の始末書には、悔しかったので夢に見た燃焼時にガラスを生成して難燃化する技術の企画を書いており、これは半年後実用化された。

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2019.06/08 高分子のプロセシング技術

材料のプロセシング技術に関する形式知の部分は、化学工学に属するが、1980年前後までそれは未完成であると授業で聴いた。それから40年ほど経過しているが、この分野の形式知は今でも未完成と言わざるを得ない。

 

例えば、混練プロセスについて未だにコンピューターによるシミュレーションもままならない。これは、高分子のプロセシング技術が形式知よりも経験知の占める割合がかなり大きいからである。

 

高分子材料も無機材料も加工されて製品になるまで、その物性にプロセシングの履歴が残ると言われている。とりわけ、高分子材料は物性のプロセス依存性が無機材料よりも大きい。

 

そのため同一ロットで合成された高分子を用いて同一処方の配合で混練を行い、射出成形を行っても、二軸混練機や射出成型機が異なると、成形体の物性が異なったりする。

 

セラミックスでも同様の現象は見られるが、同一合成ロットの樹脂を用いて2台のまったく同一仕様で製造された二軸混練機を用いて、それぞれから得られた2種類のペレットのレオロジー特性が異なる、というような現象はセラミックス材料の開発で経験していない。

 

高分子材料のプロセシングでは、このような形式知で説明のできない現象が時折起きる。

 

こうした経験から、高分子のプロセシング技術は無機材料のそれよりも難しいと思っている。混練プロセスに至っては、技術者それぞれの経験知が異なるゆえに議論さえできない時もある。

 

例えば、タイヤ開発に携わったゴム技術者とPETの成膜技術に携わった樹脂技術者とでは、混練についてほとんど議論がかみ合わないかもしれない。

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2019.06/07 カネカ「育休問題」

詳細な経緯を知らないが、カネカから育休問題に関するコメントが昨日公開されていた。

そのコメントを読むと大筋の経緯が見えてくるのだが、育休を終えて会社に出てきたら転勤になった人がおり、それについて不満をSNSに書いたことが発端らしい。

長いサラリーマン経験を踏まえてアドバイスをするならば、会社の人事異動等に異を唱えるぐらいならさっさと会社を辞めたほうがよい、ということだ。

今回の育休の人は結局辞めたようだが、それならそれで問題解決のはずで、もし何か問題があるとするならば、育休の件と結びつけないことだ。

まず自分の責任でやめたことを明確にすることである。すると不満にはならないはずで、前向きのコメントに必ずなる。

一方、もしその会社に勤めたいのなら、いつでも誠実に前向きに努めるべきで、理不尽な人事でも前向きに受け入れて一生懸命自己実現を図るべきだ。

そしてその組織にいるのが嫌ならば、さっさと円満退社する。小生は昔、3枚もFDを壊され、その事件に対して会社の対応に不満があったので、せっかく死の谷を6年歩いて立ち上げた事業でも他の人に成果を渡して会社を辞めている。

セラミックスの専門家として自己実現に努め学位までとったが、それは転職先の仕事には活かせず、あらためて高分子について勉強しなおすことになった。

写真会社はゴム会社とまったく異なる風土で、これもまた不満が無いわけではなかったが、一応55歳の早期退職制度が使える年齢まで勤めようとした。

ありがたいことに、退職前にもう半年仕事をやってほしい、と言われ仕方がないので退職日を一年延ばして2011年3月11日に設定して退職している。

結局その日は会社に帰宅難民として泊まることになり、やることがないからいろいろ考えた。目の前にはその日の退職祝賀パーティーでどなたかかわいい女性からもらえるはずだった大きな花束が置かれていた。

不満があったとしても、自分がその組織にいたいと思うならば、不満を解消できるように一生懸命働くことが一番である。それが嫌ならば会社をやめる、これが一番精神衛生上健康的である。

カネカは1社員のために丁寧な声明を出しており、人を大切にしている会社に見える。本当かどうか知らないが(説)、それを信じて働かない限り、良い仕事などできない。働くのは給与のためだけではないのだ。

社会に良い人と悪い人がいるように、会社も一つの社会であり大なり小なり悪い人が必ずいるのだ。その影響が不満の原因であり、組織とこの悪人とは無関係である。悪人には因果応報でかならず天罰が下る。

小生はせっかくの退職記念パーティーと3時からの最終講演が地震でつぶれた。なぜこのような天罰を受けねばならないのか真摯に考えた。

まったく仕事を行わず会社に来て本だけ読んでいる社員に対してガミガミと怒っていた過去がある。今から思えばモーレツなパワハラである。しかし周囲もその人に怒りたかったようなので、また本人も働かないことで叱られていることを納得していたのでパワハラとはならなかった。

ある日その方は自分が働かないのはあなたのせいじゃない、過去の処遇に対する不満だからほっといてほしい、と言われ、当方が叱ることもなくなったが、本来は、人事に相談するのではなく、当方がその方の心の闇について真摯に向き合うべきだったろう(注)。

管理職としてそれができなかったのだから、気がつかなかったが悪人の一人かもしれない。しかし、それ以外は誠実真摯に親身に部下と対応してきたつもりである。

誠実真摯に努力しておれば、かならず感動するようなことが起きる。最後の仕事は自分が評価されるような仕事ではなかったが、一応やり遂げ退職している。

その後社長賞をその仕事が取り、元部下がその時の記念品を10本も段ボール箱で送ってきてくれたのには感動した。サラリーマン人生とはこうした感動の積み重ねでありたい。

(注)人事に異動を申請していた怠惰な社員が異動になるのではなく、当方が窓際に異動になった。恐らくパワハラが問題になるのを会社は恐れたのかもしれない。しかし、不思議なことにこの怠惰な人は当方のことを人事に悪く報告していなかったそうである。この怠惰な人との交流は不思議な体験であり、未だにどう対応すべきだったのか悩むことがある。管理者としての立場と個人の思いの乖離は悩ましい問題である。ただ、窓際となり会社を辞めるのかどうするか悩み、豊川への単身赴任を選んだ。その結果カオス混合と言う大発明が生まれている。これはゴム会社で事業化した高純度SiCと同じくらいの成果である。本日セミナーで混練におけるイノベーションとしてこの技術について説明する。

(説)会社と言う組織は人類が自ら社会的動物と自覚して考え出した組織で、今の自由主義経済の国では、会社と言う組織は、国家の仕組みおよび社会の仕組みの中でうまく調和するように運営されている。だから会社ぐるみの不正に対して厳しい罰が与えられたり、社会から組織そのものが排除されたりする。今コンプライアンスを重視した経営を行うのは当たり前のことである。この組織の中で皆働いているのだが、そこで一つの社会ができたときにある一定量の悪人が生まれてしまうのは自然のことで、不満はおもにその悪人が活動するために生まれる。企業の中には警察は存在しないので悪人は国家の法律に反しない限り罰せられることはない。このような悪人の存在を認めたうえで、どこまで我慢してその組織で働くのか、と考えるのか、悪人を吹っ飛ばすぐらいの成果を出そうと頑張るのかは考え方ひとつである。忘れてはいけないのは誠実真摯に努力しているつもりでも組織にとって気がついたら悪人になってた、ということも起こりうるのである。ドラッカーを読むと彼の企業感は今でも先進的な考え方であることがわかる。誠実真摯に努力して働くことが重要である。企業という組織を正しく理解しよう。学校教育でも本当は現代の企業と言うものについて教えるべきだろう。

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2019.06/06 明日混練の講演会が開催されます

6月7日に都内で混練の講演会を予定しています。ゴムタイムズ社の企画ですが、弊社で割引のお申し込みを受け付けています。

 

ところで、この講演会では、特許が公開されたばかりのPH01についても使いこなしを解説します。従来の添加剤と異なる点が見つかっており、従来の混練の概念では性能を引きだせません。

 

樹脂の混練技術は、二軸混練機の開発の歴史のように思います。1980年以降二軸混練機の性能は著しく向上しました。ローターの発明が一役買っているのですが、ニーディングディスクでは実現できない混練が可能になりました。

 

しかし、問題はトルクが高くなるため非力なモーターでは、ローターを使えないケースもありました。中国ローカル企業を指導していた時にこの問題に遭遇しました。

 

カオス混合技術は一つの解であり、非力なモーターの二軸混練機にも取り付けることが可能です。しかしそれは内部構造が設計されていることが必要で、うまく設計されない場合には十分な効果が出ません。

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2019.06/05 写真とレンズ

長年写真をペンタックスカメラで撮ってきて、20年ほど前ニコンF100を購入して以来、ニコンとペンタックスの両方を使用するようになった。そして今回ニコンのミラーレス一眼Z6を購入し気がついたことがある。

 

ポートレートを撮影するときには、ペンタックスレンズのほうが自分の好みの絵柄が得られるということだ。

 

どこが異なるのか過去の写真を比較してみると、ペンタックスで撮影した写真の方が立体的であり、全体が柔らかいのだ。これはニコンZ6にペンタックスレンズを取り付けて撮影しても同じ傾向だった。

 

ニコンのレンズ85mmF1.4DをZ6に取り付けて人物を撮影すると、極めてクリアーに映る。ペンタックスリミテッドレンズ77mmを同様にZ6へ取り付けて撮影すると少しヌケが悪い。しかし、立体感はこちらのレンズが優れている。

 

写真は3次元の世界を二次元に展開して絵を描く技術だが、この観点ではペンタクスレンズの方が優れていることになる。

 

おそらくこれはレンズの諸収差をどのようにバランスさせるのか、という問題だと思われるが、ペンタックスリミテッドレンズは31mmも含め似たような絵作りになっている。

 

恐らく光学的評価を行ったら、クリアでヌケの良いニコンレンズの方が優れた数値になるのかもしれないが、得られる写真の比較では、ペンタックスレンズに分があるように思われる。

 

車のCMに、いつかはクラウンに、と言うのがあった。写真の世界でも20年以上前はいつかはニコンに、といわれていた。これはニコンカメラやレンズが他社に比較して高価だったことと、プロ写真家がニコンカメラを使う人が多かったからである。

 

しかし、今はキャノンがトップであり、ミラーレスに限ればニコンは3位でソニーがトップである。ソニーはカールツアイスレンズを使うことができて、こちらの描写はペンタックス同様に立体感が優れている。

 

最新レンズは解像感の高さが前面に出てきてそれが描写力のように言われているが、写真は3次元を二次元に展開する手段であり、ペンタックスやカールツアイスのレンズ設計思想が注目されてもいい。

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