かつて、東京モーターショーは、世界の5大モーターショーの一つともいわれ、外車展示は目玉だった。ゆえに車好きは、有料でもその展示を見に行った。
今年は、外車の展示はメルセデスとルノー、その他である。それなのに金曜日のプレビュー入場券が3800円で、当日入場券は前売りが1800円、当日が2000円であるが—-。
これだけの入場料を支払ってまで行く必要があるのかというと、プレス発表を見た限り、カーマニア以外も楽しめるので家族で見学する価値がある、と思っている。
また会場はモーターショー以外に楽しめるイベントも用意されており、朝から1日ディズニーランドへ行くぐらいなら、モーターショーで遊んでくるという家族の楽しみ方もある。
ミッキーマウスはいないが、探せばシンデレラはいるので車に興味が無いお父さんでも楽しめる。また、自動車産業を体験できる企画も用意されており、小中学生には参考になる。ちなみに高校生以下は入場料無料である。
すなわち、前回までのモーターショーと異なり、家族で楽しめるイベントショーに衣替えした初めてのショーである。自動車文化はおそらくまだ1世紀は続くだろうが、国内の自動車会社が今のまま残ることはないのだろう。
国内をあきらめたようなプレゼンテーションをした日産自動車の展示を見ているとそのように感じる。おそらく日産の経営幹部や中間管理職は今世界で起きている自動車業界の大きなうねりに気がついていないのかもしれない。
写真フィルム会社が、世界4社の寡占状態から、一気に1社だけになったような変化が自動車業界に来るのかもしれないのだ。そのとき移動手段の機械を製造している会社はどのように呼ばれているのだろう。
写真フィルムは無くなったが、写真の文化はインスタグラムの普及により世界中に拡散した。トヨタ社長が言うように人中心の社会においてインスタグラムに相当するようなシステムを考えてゆくと次世代の新事業が見えてくるのかもしれない。
日本車は世界で3割近くのシェアーを誇っている日本の基幹産業である。自動車の競争の軸が、コネクテッド(C)と自動運転(A)、シェアリング(S)、電動化(E)に移った、と言われて10年近く経った。
競争の軸が変われば新しい産業が生まれGDPに貢献するはずであるが、今日本で起きているのは、中小企業の倒産の嵐である。自動車業界以外の産業の方も今年は東京モーターショーに出かけられてはいかがか?事業のヒントが見つかるかもしれない。
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東京モーターショーの話題は、これまで未来技術研究所(http://www.miragiken.com)に掲載してきたが、今年は例年のモーターショーと少し異なっていたのでこの欄で書いている。
東京モーターショーのその年のテーマ展示は、自動車関連企業にとって勉強できる場所でもあったが、今年は家族で技術を楽しめる様な内容になっていた。これは、会場に行って確認して欲しい。お化け屋敷ではないが、自動車業界以外の業界も参加し、そこそこ楽しめる。
当方が若ければ、迷わずここでデートをするだろう、そんな展示である。未来の車社会を話題にしており、屋台もあるので2時間ほど楽しめる。
ところで恒例の自動車メーカー社長のプレゼンテーションは、豊田社長のプレゼンがダントツだった。また、そこで未来の車社会を考えるヒントを提示していた。もっとも豊田社長は未来の車社会という表現をせず、車ではなく人が中心と表現していたが。
また、おなじみトヨタのカイゼンだけでなく、豊田創業者の発明である「自働化(自動化ではない)」と「ジャストインタイム」が人を中心とした生産方式であるとPRしていた。
昔の乗り物であった馬が、今では競争馬しか残っていないように、自動車はスポーツカーしか残らない、と説明し、未来のスポーツカーのコンセプトモデルを提示していた。
すなわち、未来の車社会ではカーシェアリングが進み、単なる移動手段になってゆく。人が所有するのはスポーツカーだけだ、と言うのである。
このような大胆な発想でトヨタを経営されているならトヨタから面白い車が出てきそうである。そしておそらく自動車エンジンは将来も残ってゆくに違いない、と感じた。
ハイブリッド車はガラバゴス化して日本国内だけで生き続けるのかもしれない。その時、ハイブリッド車には、日産が提示したエンジンで発電する方式も残っているかもしれない。ただし、そのエンジンはレシプロではなく、マツダが展示していた小型のロータリーエンジンである。
当方は、競馬の馬に相当するのは、車そのものではなく、ガソリンで動いているエンジンのような気がしている。すなわち、スポーツカーだけでなく趣味性の強い車が所有される車として残るのではないか、と考えている。
スバルからは往年の名機の水平対向エンジンのファイナルエディションが限定発売されるという。スバルのこのような限定発売の車は、毎度すぐに予約で売り切れる。
2020にモデルチェンジされるレボーグの新車発表は、このファイナルエンジンの引き立て役のようなイメージに見えた。かねての噂通り2000ccは無くなり、1800ccターボに代わる。デザインは、少し塊感が増したが現行車種と酷似している。もちろんアイサイトは進化し、自動運転可能となる。
ダイハツからは1000ccターボ(100馬力)のSUVが新発売になる。コペンも楽しい車だったがこのSUVも日産が新車として発売してもいいような車に仕上がっていた。ちなみに車の重量は1t未満であり、スポーツカー並みの走りを期待できる。
日産ブースでは、このクラスに相当するジュークの後継車種の発表が無かった。また、社長のプレゼンも無く役員による技術の日産と自動運転だけの乏しい内容で、デザイナーの役員が5分間の研究所を管掌する役員のプレゼンの後、日産デザインについて語っていたが、国内2位から3位に後退後4位に落ちそうな内容だった。
日産は三菱自動車とルノーと一緒に有明サイトで展示していたが、三菱自動車がマツダと見間違えるように目立っていた。日産社長が自動運転を持ち出してもスバルのアイサイトが連想されるようなビデオだった。
やっちゃえ日産ではなく「このまま、どうするの日産」というのが今年のモーターショーの見どころかもしれない。おそらくこれでは日産の国内販売の迷走は続くだろう。株主は注意したほうが良い。
マツダは、これまでのマツダデザインの流れとは異なるEV車を展示していた。観音開きのしゃれたデザインで、RX-8を彷彿とさせる。
スズキは、面白い車を出しており手堅い展示内容で4輪で生き残りをかける気概が見えていた。カワサキはとんでもない馬力の二輪車を展示しており、最後の花火のように見えてしまうのは不思議である。
ヤマハのスクーター展示は、カワサキとは対照的。数少ない外車のメルセデスは、外車として目立っていた。フォルクスワーゲンやBMWまで出展していなかったのにはびっくりした。
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10月24日から11月4日まで、東京ビッグサイトで東京モーターショーが開催される。昨日はプレスデイで招待されたので朝から見学してきたが、一日歩いて疲れた。
東京モーターショーはこれまで有明エリアだけで展示されていたが、今年は有明エリアと青海エリアの二か所に分かれて開催されている。
そしてその2か所はOPEN ROADと呼ばれる道路で結ばれており、これがシンボルプロムナード形式になっており、屋台が多数並んでいる。
すなわち、家族連れで東京モーターショーに来て、一日楽しめる趣向である。しかし、年寄りには、この二つの会場をつなぐ距離はきつい。中央線豊田駅とコニカミノルタ八王子事業場くらい離れている。
年寄のために無料シャトルバスが走っており、当方はこれを利用したのだが、それでも会場全体は恒例のモーターショーに比較し広いために疲れてしまった。
今年はポルシェはじめ海外の自動車メーカーの出展が無い(主な海外ブランドはルノーとメルセデスくらい)ので、企画者はこのような工夫をしたのだろうが、これが吉となるか?
ご存知のように21世紀に入り、東京モーターショーは、年々見学者が減り続け、海外メーカーの出展まで少なくなるような事態になっている。
要するに北京や上海モーターショーが世界から注目されているためだが残念である。そこで今年のような家族で楽しめる企画になったのかもしれない。高校生以下は無料である。
屋台もいろいろ出展されており、確かに車に興味が無くても十分に楽しめる会場の作りになっている。車好きには関係ないかもしれないが、若者がディズニーランドでデートするくらいなら、東京モーターショーで一日遊んだほうが、安価に楽しめるかもしれない。
モーターショー名物のコンパニオンも最近はバブル期のような派手さも無く、一般の商業展示会並なので、自然と車に視線がゆく。車よりもコンパニオンが話題になっていたバブル期のモーターショー(200万人集客したという)がおかしかったのかもしれない。とにかく家族で楽しめる東京モーターショーというのが当方の今年の印象である(昨年70万人規模から100万人規模回復をめざしているらしい)。
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タイヤと言う商品は、単純なゴムの塊ではない。例えば乗用車用タイヤであれば40部材前後の組み合わせで製造される製品で、その製造技術に高度な材料知識とノウハウが要求される。
日本におけるアジアンタイヤのブームに少し警鐘を鳴らしたい。40年前タイヤの品質には、まだ明確な差があり、それがシェアに現れていた。
当時のトップはグッドイヤーで、1970年代にはブリヂストンにまだグッドイヤー駐在員の特別室があった。
当時のタイヤ世界ランキングは、1位がグッドイヤー、2位はミシュラン、3位はファイヤーストーンでブリヂストンは6位だった。
ミシュランはラジアルタイヤを発明したベンチャー企業でバイアスタイヤは、ほとんどラジアルタイヤとなった。ブリヂストンンで製造されているタイヤは航空機用もラジアルタイヤである。
航空機用ラジアルタイヤの製造技術は難易度が高く、いまでも一部バイアスタイヤが使われていると聞くが、それを最初に製品化したミシュランの技術は40年前世界最高と言ってよい。
しかし、乗用車用タイヤに限れば今ではどこでもラジアルタイヤを作れるようになったようだ。40年間に技術の普及が進んだ。今や世界に40社以上タイヤメーカが存在する。
それではタイヤが汎用商品と呼べるほど世界に技術が普及したのかというと、そうではなさそうな現象が起きている。昨年から今年にかけて中国の6社のタイヤメーカーが倒産したという。すなわち、今淘汰が始まりかけたのだ。
このような場合にユーザーは注意しなければいけない。低品質で安価なタイヤが市場にあふれ出すからだ。黒くて丸ければ皆同じとならないのがタイヤという商品である。
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あるところから表題の執筆依頼を受けてまとめてみたが、驚いたのは、2000年から日本のGDPは停滞しているにも関わらず、台湾のそれは1.8倍に成長しているのだ。
その成長要因は、おそらく世界の工場として中国が注目されても、日本のように多くの企業が中国進出をせずに自国に留まっていたことにあると思われる。
バブル崩壊後、日本ではグローバル化の波に乗り遅れないようにこぞって企業は海外、主に中国へ進出した。
コニカミノルタのように複写機の製造部門をすべて中国へ移した企業も存在する。製造部門が中国へ移転した結果、日本の製造業のサプライチェーンは大きく棄損し、空洞化が進んだ。
その影響は今でも残っており、空前の中小企業の倒産と廃業時代となっている。企業の「おくりびとコンサルタント」も登場したという。GDPが今後も上向かない可能性がある。
台湾ではこのようなことが無く、国内製造業のサプライチェーンは今でも発展している。石油コンビナートも1960年に国策として企業を育てた効果が現れ、とりわけゴム産業への労働者人口移動が起きている。
日本ではローテクとされるゴム産業で「何故?」と疑問がわき、インターネットを調べたら、アジアンタイヤブームである。
ブリヂストンは、東京工場を閉鎖し、小平市にある事業所を研究開発の拠点としたが、日本には、台湾や中国、シンガポール、インドネシアからたくさんのタイヤが流れ込んできている。
慌てて近くのタイヤショップを見に行ったら、ヨコハマタイヤの一部は台湾メーカーナンカンのOEMである。
まさかと思って愛車のタイヤをみたら、そのOEM製品だった。3年前新車に乗り換えるときにブリヂストンに指定するのを忘れていたらヨコハマタイヤがついてきた。
冬用はブリヂストンを購入したが、夏用のヨコハマタイヤの品質は悪くない。乗り心地に問題が無いだけでなく、ロードノイズも小さい。またグリップ力もエコタイヤに関わらず良い。その品質の高さに驚いた。
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新入社員で一年も満たない時に工場試作を成功させても始末書を書かせたり、役員から商品開発が方針として出されているのにアカデミア並みの基礎研究を指示したり、上司に恵まれなかったおかげで、管理者の立場で転職した写真会社では多数の成果をあげることができた。
成果の一部をこの欄で紹介してきたが、組織社会では担当者がいくら頑張っても直属上司がダメならば成果とならない。
フェノール樹脂天井材の開発では、川下部門の言いなりになって出来上がったばかりの研究用発泡機を川下部門に移管し成果を出した事例もあったが、この事例では、そもそもの企画をした担当者は評価されず昇進試験に落ちている。
会社組織において管理職の役割と方針を実行するために上司としての姿勢は重要である。担当者の仕事ぶりは鏡に映し出された上司の姿のようなものだと言われて仕事をやっても報われなければどうなるか。
マネジメントとは人を成して成果をあげることだとドラッカーは定義づけているが、ラグビー日本チームのあるコーチは、ゲームをするのは自分たちではなく選手なので選手がその場で的確な判断をしている結果、勝ち続けている、と今の日本チームの強さを説明していた。
一方、TVでは、控室でジェイミー・ジョセフヘッドコーチが思いを詩に託して読み上げている風景を映していた。上司の姿勢をどのように担当者に伝えるのか、それにはまず上司は誠実で真摯な姿勢を示さなければいけない。
残念ながら昨日は南アフリカの圧倒的なパワーに負けてしまったが、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはじめ選手たちが、負けてもお互いを称えあっていた姿が印象的だった。試合前、全員がリーダーだと言っていたコーチの姿勢が思い出される光景だった。
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千曲川の堤防が決壊し、その結果車両基地に止めてあった新幹線が水没し、300億円の被害が出たという。
災害から日が経ち、状況が明らかになるにつれて、未曽有の災害という一言でかたずけられない問題が見えてきた。
一両でも被害にあわないようにしようという努力が全然なされていなかったのだ。また、それは規則上不可能だったという。
千曲川の新幹線水没以外にもっとおかしなことが多摩川の氾濫で起きている。避難してきたホームレスが避難所で住所が無いという理由で追い返されたのだ。
この時追い返されたホームレスかどうか不明だが、多摩川の今回の氾濫でホームレスが1名亡くなっている。
新幹線の水没やホームレスの避難問題が示すのは、緊急事態に硬直して機能しなくなる今の組織社会である。緊急時に火中の栗を拾おうとする人物が一人もいない社会である。
退職してからある企業で当方の成功体験を話したら、そこまでしてテーマを成功させる必要はない、と言い切った管理職の方がおられた。
お客様になるかもしれないので議論を控えたが、できる可能性があってもリスクを冒すぐらいならば、やらない方が良い、というご説明であった。
当方が伝えたかったのは、リスクを組織として責任を負い、テーマを成功に導くことの重要性だった。
この管理職のご意見は、そもそもリスクがあるようなテーマは適社度が低いのでだめな仕事だ、としたり顔でいう。
しかし、そのような視点は30年も事業が継続していた理由や現在もPPS製中間転写ベルトが生産されている状況を説明できない。また、今時リスクのないイノベーションなど存在しない。
空前のラグビーブームである。ラグビーが面白いのはルールが単純であるだけでなく、チーム一丸となって個人の犠牲を顧みず、トライするために今なすべきことを一人一人が判断し行動している姿がゲームから見えてくるからである。
ゆえに、素晴らしい自己犠牲のプレーが出ると感動する。トライしていなくても震えるほどの感動をこのようなプレーごとに体験することができる。これは、他のスポーツでは味わえない体験である。
ラグビーの対極にあると思われる野球で面白いのは、珍プレーが見られることだ、と言っていた人がいるが、これは野球と言うスポーツをうまく言い表している。集団競技でありながら個人技が重視されているスポーツだからだ。
野球だけでなく集団スポーツのいくつかでは、チームプレーよりも個人技が優れているチームが、すなわちスター選手の有無がチーム全体の力量を決める。
しかし、ラグビーは個人技も大切だがそれ以上にチームプレーにおける自己犠牲とそれを活かそうとするチームプレーが重視されるスポーツだ。
さらに、ラグビーの良いところはその自己犠牲のプレーをメンバーがほめたたえているシーンを見ることができる点である。
ラグビーのような組織社会を作るにはどうしたら良いか。20年以上GDPが停滞している日本を変革するために必要である。
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NHK大河ドラマ「いだてん」の視聴率が悪い、との評判である。この番組は最初から見ているが、確かに面白い番組ではない。
ただ日曜の習慣で見ているのだが、裏番組が面白い時には2画面にしてみるようにしている。
つまらない番組なのに、どうして2画面にしてまでも見ているのかと言うと、時折古い時代のフィルムが挿入されるからだ。
ところでこの番組のつまらなさはどこにあるのかと言うと、「難しい」の一言である。時々話の展開に頭がついていかない。
主役が二人いるのも話を分かりにくくしている。それなのに、話の展開で、主役が三人以上増えたりする。
また、時代が現代と錯綜したり、時代考証が間違っていたりする。これがさらに頭を混乱させる。すなわち、演出と時代考証がいい加減なのだ。
この番組の時代については、よくわかっている視聴者もいるはずで、当方も東京オリンピックの時代については今でも鮮明な記憶がある。
その記憶をぶち壊すようなドラマでは面白くないのは当たり前だ。面白くないけれど、ただ昔から大河ドラマを見続けてきた、という習慣で眺めている。
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昨日音工房Z主催のスピーカー試聴会に出かけた。驚いたのは参加者が70前後の老人ばかりだったことである。
もっとも平日の15時ということで、この時間帯で暇な人という説明がつくが、若い人にオーディオと言う趣味が死語となり、オーディオ専業メーカーの倒産や統合が続いている時代である。パイオニアもオンキョーも今年外資になった。
耳の悪くなった老人ばかりでスピーカーの試聴会だから、「視聴会」と書いたほうが良いかもしれない。
1台100万円を超えるJBLのスピーカーと音工房Z開発の新作1セット数万円のスピーカーとの比較と言う大胆な企画である。
昨日は、6000円程度の雑誌の付録スピーカーとの比較もできたので面白かったが、スピーカーと言うデバイスは箱の設計で大きく性能が変わることを十分に理解できた。
40年近く前にオーディオ評論家という職業が成立していた。今残っている定期刊行のオーディオ雑誌はSTEREOのみで、もうオーディオ評論家は食べてゆけないだろう。
音工房Zは弊社が事業をスタートしたころに誕生した会社だが、木工技術に着目し事業を展開しているところが面白い。デジタル技術がいくら進歩しても、音の出口はアナログから進歩しない珍しい技術分野である。
音の出る原理やそれを電気的に実現する方法が分かっても科学ではこれ以上進歩させることができないのかもしれない。
BOSE社は音場再生を科学で解明し、オーディオ分野に進出したブランドで我が家のメインスピーカーは、天井からぶら下がっているBOSEだった。しかし、昨年組み立てた雑誌の付録に音工房Zのキットを組み合わせたスピーカーの方が良い音がする。スピーカーは、もはや価格や科学ではどうにもできないのだろう。
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微粒子(無機フィラーや有機フィラー)とともに高分子を混練した時の分散・分配モデルは、よく整列した白黒の球の配列で示される。
ところが、二軸混練機で混練後のコンパウンドを押し出すと、混練後であってもマトリックスが緩和するまで分散状態は変化する。
例えば、無機微粒子を分散したコンパウンドを押出後、混練機の中で均一に分散していても、押し出したフィルムの冷却速度を変えると分散状態が変化することがある。
この現象は、混練後に組成物が平衡状態になっていないことを意味している。例えば、組成物の自由エネルギー変化を混練時間変化のイメージとして頭に描いてほしい。
あるレンズ用ポリオレフィン樹脂をバッチ式のニーダーで混練した実験では、ポリオレフィン樹脂だけを混練し、一定時間ごとに取り出して、直後に液体窒素で冷却し、冷却後の試料についてTgのエンタルピー変化(ΔH)を測定している。
この実験結果では30分以上混練をしないと、これが一定値にならないという実験データが得られた。すなわち、試料投入後4-5分で吐出される二軸混練機では、1PASSで平衡状態まで混練することができないことを示している。
その結果として、コンパウンドのペレット一粒一粒で分散状態が変化している。極端な場合には、電子顕微鏡でその様子を観察することが可能だが、成形体物性がばらつくことからもおおよそ想像がつく。
中間転写ベルトでは、周方向の抵抗ばらつきが一定でないだけでなく、時々刻々と周期的な変化をすることもあった。単純な押出成形のばらつきでは説明できない現象をコンパウンダーに説明しても分散分配理論で固まった頭では理解できない。
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