最近の話題として人材不足がある。一時期高齢者のリストラが話題になったが、最近はその高齢者も引っ張りだこだ。他社から依頼されて人材を探してもなかなか見つからない。
また、人材不足の要因の一つとして、新入社員が30%前後恒常的に3年以内に退職していることが原因ともいわれている。新卒者がこの割合で退職しているのなら、中途入社は、と調べてみたら、新卒者の様なデータはなく、様々な数値が出てくる。しかし、近年中途入社の早期退職が増えている傾向だそうだ。
新卒者が30%前後の安定した数字ならば、30%多くとれば解決するが、中途入社の場合にはそのようなわけにはいかない事情がある。すると中途入社組をどのように定着させたらよいのか、という問題が重要となってくる。
当方も写真会社に中途入社し、転職直後バブルがはじけたために転職先の組織がリストラされ、その時に次の転職を考えた経験がある。またバブルがはじけても声をかけてくださった地方の会社が4社ほどあったので、家族に話せず大いに悩んだ。
今から思えば、なぜあの時転職していなかったのか不思議である。外部から引きがあり、内部では押しがあれば転職を考えてしまうのは当然だが、もし転職していたなら異なる人生になっていたのでは、と思いを巡らせたときに中途入社組の定着を高める秘策を思いついた。
中途入社組の定着率を悪くしている原因として、中途入社組に対する研修内容がある。そもそも中途入社組に対して写真会社のように研修を行っていない会社もある。当方は転職してびっくりしたのは、いきなり配属されセンター長付主任研究員として業務をしなければいけなかったことである。
午前中総務課長から簡単な説明があった程度でほかに何も指導は無く、午後配属先に出勤したら、いきなりセンター長のアメリカ出張の調整を命じられた。庶務の女性から見せられた帳簿ではセンターの予算は赤字状態で、とても退職前のセンター長の目的不明のアメリカ出張費100万円を捻出できるような余裕はなかった。しばらくして社長から全社員向けに経営危機というショッキングな講話がビデオで配信された。
センター長からはそれでもアメリカ出張の調整をするようにつつかれて、常識的には会社を辞めたくなるような状況だった。全社の研究予算を精査してもそのような予算をひねり出せる状況ではなかった。
センター長からはアメリカ出張の予算確保だけを仕事と思って推進するようにはっぱをかけられ3ケ月取り組んだ結果、写真会社の経営状態を学ぶことになった。
磁性体事業で年間数千億円の赤字を垂れ流していた。今から思えばこれが研修だったのだろう。ありがたいテーマをくださったセンター長はしばらくしてアメリカ出張をすることなく退職した。
センター長のアメリカ出張費についてはゴールを達成できなかったが、会社の事業構造を理解でき、既存事業に密着したテーマを企画し次々とゴールを実現している。残念なことにそれでも給与はそれほど上がらなかった。
頑張っても報われない社会、という東大の先生の話を書くつもりは無く、バブル崩壊後の失われた20年をこの写真会社で頑張って、変異原性のあった添加剤を使用しない接着技術や、金属酸化物透明導電体を用いた帯電防止技術、ライバル会社のコアシェルラテックスよりも機能の高い有機無機複合ラテックス技術、3元系ポリマーアロイ接着技術、高温アニール技術、インピーダンスによる新規帯電防止評価技術、薄膜の粘弾性評価技術、空隙受像層のインクジェット用紙、カオス混合技術、再生PET樹脂技術など当方がいなかったら生まれなかっただろう技術を写真会社で開発し、自己実現に努めた。
また、退職前の五年間に瞬間芸的に袋井にある写真会社の子会社で建設したカオス混合のプラントは、現在は神戸の事業所に移設されトラブルなく稼働しているという。昨年末はゴム会社で起業した高純度SiC半導体治工具事業が名古屋の会社へ移管された。こちらも有機無機複合材料を前駆体として用いた当方がいなければ生まれなかった事業であり、いまだ現役の事業として続いている。
その結果、セラミックスや金属から高分子技術まで、さらにはこれらの複合技術である有機無機複合材料の専門家として知られるようになり、現在は、混練技術に関するセミナー、帯電防止技術に関するセミナー、シリコーンポリマーに関するセミナー、高分子の難燃化に関するセミナー、技術開発手法に関するセミナー、フィルム成膜技術に関するセミナー、滑り性付与に関するセミナー、ブリードアウトに関するセミナーなどおよそ専門家の少ない領域のセミナーに講師として国内外で招聘される機会が多い。昨年は国内以外に2か国で講演を行っている。
頑張ったにも関わらず、その会社で評価されなくても、身に着けた知識や技術はさらに価値を生み出すことを知っていただきたい。コンサル業を始めてからも、PPS-炭素繊維複合材料の開発、およびその押出技術を可能とした新規添加剤の開発、CNTの水分散技術、皮革の難燃化技術等その他まだここで書くことができない成果を国内外で生み出している。
人材不足であっても知識不足ではないのが日本である。材料技術でお困りの会社は今すぐ弊社へご相談ください。人材不足を補うソリューションも提供させていただきます。困った時の神頼み、より頼りになる弊社を活用すれば何か技術が生まれます。また、カオス混合技術に関する問い合わせが増えております。
カテゴリー : 一般
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単一組成のフィルムのインピーダンスを計測している限りにおいては面白い計測ではない。しかし、表面処理されたフィルムや成膜に失敗したフィルムなどを計測すると途端に面白いデータが得られ始める。
主に低周波領域で周波数分散に異常が観察されるようになる。ここでは書きたくないような面白い現象も観測されるが、その中でパーコレーションとの関係を示すデータについて経験談を書く。
酸化第二スズゾル(以下スズゾル)をPETフィルムにバインダーとともに塗布すると、パーコレーション転移の閾値以上の添加量で帯電防止層ができる。
面白いのは、厚みが1μmもない帯電防止層の表面比抵抗が10の10乗から11乗程度の高抵抗であってもタバコの灰付着テストに合格する。このとき、スズゾルの体積分率とインピーダンスの変化の関係を整理すると面白い。ここであまり書きたくないが、すでに国際会議等で発表した内容もあるのでそれについて説明する。
インピーダンスの絶対値の周波数依存性データで低周波領域に異常分散が現れ、それがスズゾルの体積分率と相関する動きをするのだ。すなわち、インピーダンスの絶対値を用いるとパーコレーション転移の閾値を容易に検出できる。
カテゴリー : 連載 電気/電子材料 高分子
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4月12日に開かれた東京大学の入学式の祝辞が、話題を呼んでいる。【BuzzFeed Japan から】
「あなたたちはがんばれば報われると思ってここまで来たはずです。ですが、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と述べ、さらに
「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」と言い、社会に根付く構造的差別に目を向けるよう求めたという。
全文を読んでみて、どれだけの東大生に理解されたのだろうか、と疑問に思った。この話は東京医科大の不正入試を事例に話を展開されたのだが、男女の性差に限らず、構造的差別は社会に存在し、出世を目標にまじめに頑張ってもそれが報われるとは限らない社会ではある。
堺屋太一氏はその著書で指摘していたが、国家公務員は採用試験の成績で昇進や配属部署が決まるという。これは試験制度が公正に運用されたなら一見公正に見えるかもしれないが、その後の公務員人生に採用時の成績がついてまわる。
これをどうとらえるかが問題になるが、そもそも公務員は努力をしない人種だから、と社会に思われている原因として堺屋太一氏はこの採用時の試験の問題を取り上げていた。
堺屋太一氏は頑張る必要が無い、あるいは頑張っても報われない公務員の問題をのべていたが、頑張っても報われない社会だとしても働くときにはやはり頑張る必要がある。
ドラッカーは、働く意味を貢献と自己実現とのべていた。すなわち頑張っても報われるかどうかはわからないからそれを当てにせず働くので貢献という意味になる、と理解できると、ドラッカーの働く意味を理解できる。
それでは働くときに頑張る必要が無いかと言えば、自己実現のために頑張る必要があるし、なにはともあれ、活力ある社会とするために貢献であっても頑張りたいと思う。
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大学4年間は、オーディオルームのおかげで、オーディオ三昧の学生生活だった。
大学には真面目に通学していたので今でいう引きこもりではないが、大学とアルバイト以外は部屋に引きこもりの生活になった。
心配した友人がマージャンに誘ってくれてもやはり音楽を聴いている時間のほうが長かった。音楽を聴きながら本を読むのが至福の時間だった。
麻雀パイの音のほうが楽しいと言っていた友人もいたが、あれは騒音以外の何物でもない。
工務店の社長が気を利かせて設計してくれた部屋は簡易オーディオルームであったが、それでも十分すぎた。オーディオは機器よりも部屋の影響が大きいと思う。
当時アナログオーディオ機器は急激な進歩を遂げていた。ナカミチやアカイのカセットテープレコーダーはSONY製の38、2トラデッキ並みの音質に肉薄していた。
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高分子の誘電率測定のために、フィルムを計測できる電極が販売されている。ただしその価格は150万円である。
また、この電極を使用するときには、フィルムの厚さを正確に計測する必要がある。そこで電極にノギスを付けてこの問題を解決している。すなわち、この電極は単なる電極ではなく、ミクロン単位の厚み測定器ゆえに、立派な箱に入れられて販売されていた。
電気計測では電極の形状因子が測定値に影響を与えるため、このような仕組みになっているのだが、それにしても価格が高すぎる。
この電極を用いなくても誘電率測定は可能であるが、大量のサンプルを簡便に計測する場合には便利な電極である。ゆえに高い価格が維持されてきたのだろう。
写真会社でフィルムの帯電防止技術開発を始めたときに、この高価な電極を購入して帯電防止フィルムのインピーダンスについて研究した。
帯電防止評価にインピーダンスを導入したのは特許状況を調べた限りでは当方が世界で初めてであり、当方の特許出願から1年後にドイツの写真会社でもAPSフォーマット用に研究開発を始めている。
高価な電極を用いた計測では、既に発表されていた樹脂の誘電率と同じ値が得られた。さらに誘電率の周波数分散などもこの電極を用いると簡単にきれいなグラフが描かれた。さすが150万円の電極である。
ところで、当時、この電極と組み合わせて計測される各パラメーターの周波数分散まで簡単にグラフ化できるインピーダンスアナライザーは500万円近くしていた。固定周波数のインピーダンス測定装置は100万円台で売られていたから5倍の値段だ。
そこで、PCとのインターフェースが充実していた200万円程度のインピーダンス計測装置にPC9801をGPーIB経由でつなぎ、500万円のインピーダンスアナライザーと同等以上の計測ができるようにした。(当時のインターフェースはパラレル接続がシリアル接続よりも高速転送できたのでGP-IBを使っている。今なら高速USBで簡単に接続できる。また、インターフェース部分のプログラムもMS-DOS時代と異なり簡単である。MS-DOSで用意されていたN88BAISCでも慣れれば簡単であるが、速度の問題を抱えていた。どのような計測をすればよいのか試行錯誤で実験を進めている。その結果Cでプログラムする必要性も出てきてプログラミング部分で悪戦苦闘した思い出がある。その後写真学会国際会議で研究成果を発表しているが、これは福井大学客員教授時代の成果で試行錯誤部分は消えている。短い研究発表の裏には多くの経験知が隠されている場合があることを理解してほしい。ある先生が手ぶらで質問に来た人には知らないと答えておくのが良い、と言われたお気持ちをよく理解できる)
ゴム会社では迷わず500万円の装置を導入していただろうと思いながら、実験をやっていた。しかし、プログラムを自作した結果、プログラミングスキルはゴム会社時代よりも向上した。それだけではない。プログラムに計算式を組み込まなければいけないので交流回路についても学ぶ必要があり知識も増えた。
若い時の苦労は金で買ってでもせよ、と親によく言われたが、まことに至言である。研究環境は恵まれている方が良いが、資金的に恵まれていなくても研究しようとする意欲さえあれば道が開ける。
高純度SiCの研究をゴム会社で企画した時、研究費用0からのスタートだった。その2年後2憶4千万円の投資を受けたのだが半年でこのお金は消えた。
貯めていた研究アイデアに使われたのだが、ヤミ研時代の苦労が報われた。お金がないときにはアイデアの貯金に励むことが重要である。フィルムの帯電評価を進めていた時にゴム会社で周囲に否定された負の誘電率のアイデアを展開していた。
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「複数の盗作疑惑が持ち上がっている銭湯絵師見習いでモデルとしても活動する勝海麻衣さんについて、師匠である銭湯絵師の丸山清人氏が、師弟関係を解消したことを発表した。」(日刊スポーツ電子版より転載)
というニュースが報じられたので勝海氏について調べてみたら美人である。同じ日に、芸能ニュースの全く異なる話題で本田翼を例に美人は絶対的力、カワイイは正義などと報じていたニュースもあった。
美人だから盗作を許す、という気持ちは毛頭無いが、WEBでいろいろ書かれていたので勝海氏のこれまでの活動を調べてみた。すると、「美人だから許されてきた、あるいは美人だからここまで来れた」ことが明白なキャリアだった。
このような状態を放置しておいては、社会で真面目に努力している人の労働意欲は、ますます無くなる。東京オリンピックのデザインの盗作問題では、偉い人が出来レースの審査委員になって電通出身デザイナーを盛り立てるようなことをしていた。いずれも誠実真摯に努力すれば報われるという価値観を否定しているような出来事だ。
ただ、インターネットの発達で昔のように、このような法に触れてはいないが社会にとっては悪となるような人が甘い汁を吸いにくくなった時代になりつつあるように思われる。
勝海氏も情報の伝播スピードの遅かった昔だったらおそらく東京オリンピックまで持ちこたえて著名人の仲間入りをし、いつの間にか有識者として社会で活躍する人材になれただろう。
インターネットには勝海氏の正体を示す情報がこの1週間で大量に出始めた。もうこのようないかがわしいスターの育成方法をやめた方が良い。
情報化の時代では、知りたくないことまで耳や目に情報として飛び込んでくる。活力が乏しい人には健全な精神を維持するには難しい時代である。
しかし、世の中には儲からないようなお客に丁寧に対応し、失礼な態度をとられても意欲に燃えて仕事をしている老人がいることを知ってほしい。本物の美しさに出会った一瞬の喜びを長い人生経験から学んでいるから努力する意欲は衰えない。
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「米国の調査会社ギャラップによると、日本人で「仕事に主体的に取り組む人」は全体のわずか6%。世界139カ国中で132位で、仕事への熱意は世界最低レベルだ。やる気のない社員は71%にのぼり、周囲に不平不満をまき散らしている社員も23%いた。」
これは、AERAdot.からの転載であるが、日本人知識労働者の現状を表している。昨年は日本人の労働生産性の低さが話題になったが、その原因はこの記事に書かれているところにあるのかもしれない。
昨今の働き方改革も誤ったメッセージを知識労働者に送っているように思っていたが、この記事に書かれているような状態で働き方改革を進めたら日本はどうなるのか。
先週の朝ドラ「なつぞら」の中で、認めてもらおうと頑張るなつの姿に心を動かされた草刈正雄演じる泰樹は、「ちゃんと働けば必ずいつか報われる日が来る、報われなければ働き方が悪いか働かせる者が悪いんだ、そんなとこはとっとと逃げ出しゃいいんだ」と鼓舞し、
「だが一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きることだ、人は人を当てにする者を助けたりはせん、逆に自分の力を信じて働いていればきっと誰かが助けてくれるもんだ」と自然の厳しい戦いの中で得た人生の哲学をなつに語りかけている。
これは、おそらくドラマが社会に発したメッセージではなかろうか。今週はそのなつが、家出して行方不明になったところから始まったのだが、草刈正雄の演技が渋い。
当方はゴム会社で高純度SiC事業を立ち上げながら、FDを壊される被害にあい、立ち上げた事業のことを思い転職したが、同僚から見れば草刈正雄のセリフどおりとっとと逃げ出したようなものだ。
だからといって自分の立ち上げた新事業を見捨てたわけではない。写真会社に転職後もサポートしている。15年ほど前の単身赴任直後、ゴム会社時代に留学していた無機材質研究所の副所長から激励の手紙が届いた。
その内容は当方の高純度SiCに対する働きについて書かれていたが涙なしに読めない内容だった。誠実真摯に努力をしておればどこかで激励してくれるような人が必ず現れる。
だから、社会に貢献できるように、そして貢献できる力をつけるために働くのである。組織で報われなくても、誠実真摯に努力する姿は必ず誰か見ている。
努力した人がいつかその仕事で報われるような社会でなければ、健全な産業社会は維持されない。働き方改革が真に目指さなければいけないのは、そのような社会の創出である。
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「夫婦間のコミュニケーションのすれ違いを「脳の性差」で説明する『妻のトリセツ』(講談社+α新書)がベストセラーになっている。」(朝日新聞デジタル4月7日版)
すでに35万部売れたという。本の中身よりも、誰が読んでいるのか、そちらの方が気にかかる。当方は読みたいとは思わないが、書評がWEBにあったのでここで取り上げてみた。
書評には、科学的根拠のないことを取り上げて論じている、と切り捨てている。著者は人工知能の研究者で女性で,書評を書いているのは著名な脳科学者である。
まず、このような本は漫画のつもりで読めばよいような本だろう。読んでもドラッカーの著書と異なり、おそらく役に立たない。
役に立たないだけでなく、書評通りならば科学的に間違った知識を読者に伝えているような悪書なので読む時間の無駄である。書評を読み、そして朝こうして書きながら自分も無駄なことを書いている、と反省しなければいけないような本である。
ところで、数年前に自分のトリセツを歌った女性歌手がいたが、当方はこの手のトリセツは好まない。そもそも、昔から電化製品を買っても最初にトリセツなど読んだことが無いのだ。わからないところが出てきたときに調べるために必要な程度だ。
MZ-80Kを購入した時でもトリセツを読まずに、テープをセットし、いきなりBASICのプログラムを走らせている。マイコンのチップの取り扱いはさすがにトリセツ無しではその扱いが難しいが、パソコンという製品になった段階で、トリセツが不要になった。
さらに、トリセツを最初に読まなければならないような製品は買わない主義だ。ユーザーの立場ではトリセツを読まなくても簡単に使用できる製品が理想である。
ちなみに妻とは友人の結婚式の時に初めて会って、半年後に同じ披露宴会場で会いましょうと言って30年過ぎた。トリセツなど無くてもMZ-80Kのように暴走することもなく何とかうまくいっている。なんでもこれが理想である。
一つ後悔しているのは、結婚式は半年後ではなく一年後にした方が良かった、ということぐらいだ。冬に半年後と約束をしたために暑い結婚式となった。冬であったことを忘れるぐらい暖房の効いた友人の結婚式だった。
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土曜日に花見をしながら久々に花の写真を撮影したが、フィルム時代と異なる感覚を思い出した。フィルム時代に花の写真を撮る時には、ポジフィルムを用いたのだが、それこそ1ショット撮るのに時間をかけた。
しかしデジカメでは無造作に数枚露出を変えて撮影するスタイルになった。あらかじめ必要な複数の露出をセットしてシャッターを押せばよいだけなので、あっけない動作である。撮影した写真はすぐに確認できて、不要なショットをすぐに処分できる。
昨日は土曜日に撮影した写真を整理していたが、ペンタックスのカメラとニコンのそれでは高感度領域で撮影した時の画質が異なる。
ISO800以上で撮影された写真について花びらをつぶさに観察すると、ペンタックスK7では擬色の発生があるが、ニコンの最新のカメラZ6では、ISO3200あたりまで全くない。これにはびっくりした。
フィルムカメラでは画質はフィルムで決まったが、デジカメでは、カメラ本体の性能で画質が支配される。20年近くデジカメで撮影してきたが、この10年のデジカメの進化がここまで高感度に強くなったことにびっくりしている。
ニコンZ6では、ISO3200まで実用領域であり、ISO200と同じ感覚で使用できるのだ。ペンタックスのレンズをZ6に取り付けて撮影した写真を見て、また驚いた。フィルム時代に設計されたペンタックスのレンズでもニコンの最新レンズに負けていない解像感があるのだ。
さすがに収差によるパープルフリンジがたまに画像に現れるのは仕方がないのだが、同じ撮像素子でもレンズの違いで色載りが異なることにびっくりした。
ペンタックスのレンズによる桜の花は、ピンクの色がこってりとついているが、ニコンのレンズでは抜けが良いためあっさりにみえる。ニコンファンのためには、すっきりとした色合いと表現した方が良いのかもしれない。
ペンタックスファンには、野球でいうところの中日や広島ファンの様な所があるという記事を読んだことがある。このような写りの違いを見たときに、レンズがただ性能だけで語れない世界であることに気づかされる。
ペンタックスのレンズには面白いレンズが多く、さらにカメラ本体も含めお値打ち品が多い。ニコン製品のおよそ30%程度値引きしたような定価が付いている。実売価格はさらに安い。
天体観測では、分解能や解像感は重要かもしれないが、趣味で撮影を楽しんだりするときに、フィルム時代にはフィルムの違いを楽しんだように、レンズの写りの違いを楽しむのがデジカメ時代の写真撮影かもしれない。
ペンタックスからニコンに乗り換えようとしたが、土曜日の撮影で大きな悩みを抱え込むことになった。光学性能ではニコンと劣るようなところがあるのかもしれないけれど、ペンタックスのその写りには、言葉では表現できないような魅力がある。
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新築された南側二階の勉強部屋は、大学入学と同時にオーディオルームに変わった。
改築時に工務店社長が気を利かせてカーテンレールを二重構造にしてくれたので、防音用のカーテンを取り付けただけであるが、床が畳のためそれでも十分な吸音効果があった。
それ以来オーディオという底なし沼の趣味が化学実験という趣味に加わるのだが、資金源はアルバイトだった。
家庭教師のアルバイトを3件受け持てば当時大卒の初任給並みの10万円というお金が手に入った。学費は交通費も含めて年間10万円もあれば十分だったのではじめは潤沢な資金源だった。
しかし、部屋にふさわしい機器を導入しはじめたら、レコードが増えてゆき資金が不足してきたので、休日は井戸掘りのアルバイトを始めた。当時愛知県の輪中地帯では、水冷式エアコンが流行しており、井戸掘り要員が不足していた。
肉体を鍛えるために体育の授業では重量挙げやバーベル体操を選択した。この種目は教養部の授業の中でも人気が無く、その結果1時間半充実していたが、そのあとの授業が大変だった思い出がある。
ゴム会社に入って無茶な勤務形態で仕事をやっても体を壊さなかったのは、このころの習慣が役立ったのかもしれない。過重労働で問題になるのは、労働をしている本人が追い詰められていく点である。
気楽な毎日の中での過重労働を経験すると精神衛生を健全に維持できる労働に対する姿勢が身についてくる。授業中の居眠りが厳しく問題として問われた戦前ならば、学生時代の過重労働も大変だったかもしれないが。
それなりのオーディオルームができたために、学生生活がこの部屋を中心に展開している。周囲の学生から合コンやらダンスパーティーに誘われても音楽を聴いている時間を生み出すために断るしかなかった。アルバイトの時間以外は、現在と同様の音楽を聴きながら勉強する毎日だった。
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