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2019.08/20 高分子のプロセシング(36)

高分子のブレンドや添加剤について机上で検討するときに、SP値が使われることが多い。

SP値は、例えば高分子や添加剤に含まれる官能基の引力定数表の値を用いてSmallの方法やOCTAなどで計算もできる。

しかし、このような計算値ではなく、SP値が既知の溶媒を用いて、高分子なり添加剤をその溶媒に溶解して、その溶け具合から決定する方法が良い。

なぜなら、Smallの方法で得られたSP値の信頼度について、筆者の経験ではせいぜい60%程度だからである。

また、SP値が既知の溶媒を用いて評価する方法では、無機フィラーの表面についてもSP値という概念に展開可能である。

すなわち、混練では、高分子へ微粒子を分散する場合があり、その時に微粒子の表面と高分子の濡れで分散効率は変わる。これは混練機の性能よりも大きく影響する場合がある。

余談だが、混練のシミュレーターを使ってみて理解できたことだが、シミュレーターには配合成分の相互作用に関する情報を入力できないものもある。また入力できたとしても、不十分な情報しか入力できないソフトウェアーも存在する。

混練のシミュレーション結果ぐらい当てにならないものはない、というのがそれを使用した印象である。

さて、計算により求められたSP値の信頼度が低い理由として、低分子の溶解理論から高分子の相溶に至る理論の拡張に原因がある、と思っている。

カテゴリー : 高分子

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