本当は面白い話なのに笑えない話というシーンに何度も出会っている。例えば、無機材質研究所留学時に高純度SiCの合成実験を新品の電気炉を用いて行ったときの出来事は、人生最高の笑えない話である。
もっともこの話、第三者にとって笑えない話となるかどうか、というと「ウソだろ」という人もいれば、「わけわからん」という人まで様々だ。
しかし、実際に起きたオカルト的な出来事である。
昇進試験に落ちた、と人事部長から連絡が入り、無機材質研究所猪股先生のはからいで1週間だけ昇進試験に書いた新事業推進のエンジンとなる高純度SiCを合成するチャンスを頂いた。
この話は以前、詳しく書いているのでここでは簡単に、そのチャンスを生かした実験での出来事としておく。
1週間の実験という時間的制約があり電気炉を1回しか使えないので、そのたった1回の実験でよい結果を得られるようにお祈りをしていた。
すると、電気炉が突然暴走し、その後の偶然のアクションも加わり合成条件として最適な結果となり、1回の実験で最良の高純度SiCを合成できた。
その後、この時合成された粉体に対してゴム会社社長から2億4千万円の先行投資を受けたので、人生の大逆転劇となった本来は「笑える話」だ。
しかし、電気炉の前でお祈りして、その結果電気炉が暴走した、という現象は、無機材研の安全員会で、原因不明の出来事となり問題となった。
科学的な原因を解明するまで実験しなければならず「笑えない話」となった。
人生、誠実真摯に努力していると神様が報いてくれると亡父は口癖のように言っていたが、神様が報いてくれた出来事で結局再現できないことを示す実験結果をまとめ事態を収拾している。
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アルビントフラーの第三の波はあっというまに過去の著作となり、バブル崩壊から30年近くたった。そのような状況で5Gが注目を集めている。
この変化の時代に新材料の技術が求められており、来年にかけて招待講演を依頼されましたセミナーでその内容を公開してゆく。すでに取り組んでいるメーカーも注目していただきたい内容である。
各セミナーではテーマを明確に設定し解説するので、全部参加していただければ、今起きている材料技術のイノベーションを学べる。
まず、下記セミナーでは、情報通信の切り口で解説する。希望者は弊社へ問い合わせていただきたい。
開催日時:2019年11月27日(水)10:30~16:30
会 場:ちよだプラットフォームスクウェア ミーティングルーム B1F
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21 → 会場へのアクセス
受 講 料:45,000円 + 税 ※ 資料・昼食付
*弊社へ申し込まれますと割引価格になります。
カテゴリー : 一般 学会講習会情報 宣伝 電気/電子材料 高分子
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昔笑う犬とかいうお笑い番組があったが、笑わない男が流行語大賞にノミネートされたりして騒がれている。
笑わない男とは、ラグビー選手稲垣啓太氏だが、笑えないのかと思い、ネットで調べてみたら、思い切り笑っている笑顔が出てきた。
その他に何かのイベントで驚いている顔も出てきたりして表情豊かであり、笑わないのはセカンドキャリア目指し(?)努力中であることが分かった。
それにしても笑わない男としてプロである。そのキャラクターが崩れたシーンをTVで見かけることは無い。
かつて北海道へ出張した時に「居酒屋兆治」の撮影ロケ現場へ飛び込んだ失敗経験がある。リハーサル中なのか本番だったのか知らないが、交差点で青信号の点滅を見て走っている人と一緒に歩道を駆けだしていた。横断歩道へ飛び込もうとしたところで当方を制止した人物がいた。
にこやかに笑っているオヤジだった。最初状況が分からず、その人物が高倉健であることに気がつかなかった。思わず「あなた誰」と若気の至りで尋ねててしまった。
「うわさの健さん」と笑顔で応えられても分からなかった。役者のオーラなど出ていなくて、普通の薄汚い皮ジャンを着た「おっさん」だった。
交差点の反対側から赤信号なのにかけてきた人が、「君、申し訳ないけど撮影中なので」と言われて、その時に何かのロケと理解できた。
当方が撮影の邪魔をしたらしく、「申し訳ない」と謝りその現場を離れたが、その日の夜「居酒屋兆治」の撮影中だったことを知った。
また、「うわさの健さん」と笑顔で当方を制止した人物は故高倉健氏だった。汚い皮ジャンを着ていたこともあるが、全く気がつかなかったのは、居酒屋兆治になりきっていたのだろう。
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恐らく多くの会社でもこのような状況ではないか。世界が注目するほどの大成果でも出せば、そのような人材を悪く処遇すると会社としてみっともないので大切に扱うが、国内の受賞程度では社業にいくら貢献しても軽く扱われる。
また、ゴム会社では他人の仕事を妨害し、出世競争に邁進する輩もいた。高純度SiCの事業を住友金属工業とJVとして立ち上げた後、当方が転職した原因でもある。
それが日本のサラリーマン社会と言ってしまえばそれまでだが、成果を多少出しても出さなくてもサラリーマンの終わりは変わらないのである。
ちなみにゴム会社では、先日のノーベル賞よりも早くLi二次電池を商品化し、日本化学会化学技術賞を受賞しているが、その受賞者の一人は、受賞直後に事業をたたみ他社へ転職している。
インタカレーションに気がつくかどうかが分かれ道となり、負けが見えていても事業化し技術賞をとる鮮やかさは、ドラマを見ていたような展開だった。
組織に定年というものがある以上そのシステムをどのようにうまく機能させて年配技術者を定年まで満足に処遇するかは難しい問題ではあるが、テーマを強引に推進して技術賞をとる、といった会社の活用の仕方も問題である。
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デジタル化の流れの中でフィルム事業をやめる少し前の出来事だったが、ヘッドハンティングされて転職し、博士を一人育て社外から二つも受賞しているような成果を出せる組織を作ったのである。
また、事業に十分貢献した成果を出していたから、倉庫に使われていた部屋へ机を移された時には驚いた。人事は大学の研究室の先輩にあたる上司が決めたそうで油断していた当方が悪かったのかもしれない。
そこで自由に仕事を、と言われてもリストラの処遇をどのように理解し元気を出せばよいのかわかるはずもない。おそらく異動を指示しやすかったのだろうと思う。ゆえに、先輩の顔を立ててにこやかに異動した。
その後、カメラ会社との統合の話が出て、当方の部屋に足しげく訪ねてくるその会社の部長がいた。そして、役割を代わってくれ、と言った。喜んで代わる、と告げて豊川へ単身赴任する道を選択した。
ただし、役割を代わってほしいといったのには理由があった。歩留まりが10%も満たないベルトの押出成形を半年後には100%近くまで上げなければいけないテーマをかかえていたのだ。
写真会社の研究所の誰もが「あのテーマは終わっている」と言っていた。当方も終わっていると思ったが、このようなテーマを生き返らせてこそ最後の仕事として刺激的であり思い出に残るだろうと感じて引き受けた。
どのみち、サラリーマンとして終わっている処遇にあった。そして半年後、企画には無かったコンパウンド工場を立てて、一部の期待に反しテーマを成功させたのだが、役員から早期退職の提案と早期退職前に環境対応樹脂を開発してくれと頼まれた。成功しても失敗しても良いことが無い年齢だった。
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各企業により人事制度が異なるが、日本では、40歳前後までに中間管理職となり、その中から将来の経営陣が選ばれるシステムを採用している会社が多い。
ゴム会社では、早い人で37歳になると基幹職と呼ばれるようになり、40代で役員に抜擢される人もいた。ちなみに基幹職の定年は55歳であり、55歳を過ぎると一般職になる。また給与も下がる。
最近はフェロー制度とかできたそうだが、それでも55歳を過ぎると給与は下がる。写真会社では、60歳まで給与は下がらない(下がる場合もある)人が多いのでゴム会社は厳しいシステムと言える。
当方が勤務した写真会社にせよゴム会社にせよ年配技術者の処遇が上手なようには見えない。ゴム会社では、55歳で役職定年後配属された上司の人格により幸不幸が変わるようだ。
写真会社は、会社にぶら下がりながら65歳まで必死に生きてゆく状態となる。これが幸福かどうかはそれぞれの価値観によるが、65歳になれば退職しなければいけないので必死でそこで生きる価値があるのかどうか知らない。
当方は50歳を過ぎたときに当方が作り上げた組織を外され、部下の主幹研究員が後を継ぎ、当方はそれまで倉庫に使っていた部屋を割り当てられ、机を窓際に置かれて、明日からここで仕事をしてくださいとなった。
ぶら下がる、というよりも止まり木で休んでいてください、という温かい思いやりを感じても、これでは元気が出ない。
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織田信成氏が女性コーチを相手に訴訟を起こした。ニュースをいろいろと読んでみて30年前を思い出した。
立場や状況は全く異なるが、組織におけるそれぞれの役割の責任者の動きにおける問題は、似ているのではないかと感じた。
そのうえで、今のこの時期に訴訟を起こしたのは織田信成氏の役割や社会的位置づけから問題がある。
これは良い悪いの問題ではなく、なぜもう少し相手側コーチの立場、そして選手に与える影響、結果的に社会へ与える影響を考慮しなかったのか。
コーチは危険な練習をさせており、監督の立場として安全な練習をこころがけそれを注意したところものすごい形相で叱られたそうだから、問題はコーチにあるのだろう。
しかし、シーズン中の訴訟は配慮が足りない。さらに、彼にこのような行動を起こさせたスケート連盟や関大関係者の中のそれなりの立場の人が、何をやっているのかという疑問が出てくる。
おそらく、彼の狙いは、コーチだけでなく組織の抱える問題も含めて社会に訴えたかったのかもしれない。
当方の転職時には多くの方からアドバイスを頂き、転職を選びながらも訴訟までは起こしていない。モラルハラスメントの問題よりも大きな問題で十分訴訟を起こせる内容だが、事業の成功を祈りそれに影響を与えない道を選んでいる。
織田信成氏の気持ちは報道されている内容から理解できるが、彼のキャリアや社会が承認している彼のキャラクターを損なうのではないか、と心配している。
このような問題が起きたときに、組織あるいは関係者の中にどれだけ当事者を説得できるだけの誠実さや真摯さを持ち合わせた人材がいるかどうかが、おかしな訴訟が起きるかどうかを左右する。
ゴム会社には伝統的にそうした人材が一人や二人いるのが強みなのだろう。しかし、関大やスケート連盟にはいなかった可能性がある。
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17日21時から放送されたNHKスペシャルは面白かったが、ダビンチの扱いについて不満が残った。
彼は35歳から知の爆発があり、科学云々という説明があったが、彼の知は経験知であって、現代の科学の形式知とは程遠い。また、彼は技術者であり芸術家でもあった、という解説が欲しかった。
彼は科学者ではなかった。むしろ現代の技術者が模範とすべき大先輩だったと思っている。
科学者とは、という定義が問題になってくるが、古くはマッハ力学史でニュートンでさえも科学者ではなかったと説明されているし、理研で研究者として採用され、スタップ細胞の騒動を起こした研究者は未熟な科学者という評価がなされた。
科学者のイメージをこれらから想像すると、ダビンチは未熟以下の科学者となってしまう。むしろ優れた技術者であり芸術家だった、と当方が言いたいのはこのような理由からだ。
Nスぺを見ても科学と言う哲学がいつ成立したかについて捉え方が多種あるように思われるので、そこは言及しないが、それでもダビンチを科学者として扱うには無理がある。
むしろ彼が日々の営みの中で知的欲求あるいは創作欲を満足させるために数々の作品を生み出したと考えるのが自然であり、欲望の結果であると理解できれば凡人も勇気づけられる。
ダビンチの創作活動から天才と祭り上げるのではなく、溢れる欲求を満たすために絵を書き自然を観察し、現代から見ると科学の広い分野に精通していたと錯覚するような作品を創り出した、偉大なるもの好きである。
確かに時代背景を考慮すると、それらの作品のレベルは高く、当方もモナリザの微笑みのような作品を描けないので尊敬はしているが、だからといって凡人から程遠い人ではない。
現代人はダビンチの創作意欲とその欲望を爆発させた精神の自由な姿勢を見習うべきではないか。
放送では、ダビンチの思考をシステム思考としてもてはやしていたが、専門に囚われず自然界から自由に知を学び、それらを自分なりに体系化しようと作品を生み出していっただけである。
例えばモナリザを現代人が鑑賞してもそれなりの興奮が得られるのは、ダビンチのこの絵を描いた思いが伝わるからであり、その描き方は彼の知の特徴の表れである。
現代人も形式知に囚われず自由に発想し、知識欲を爆発させれば、皆ダビンチになれる。MDMAがいかなる生理活性を示すのかよく知らないが、おそらくダビンチにとってその活動はMDMAを服用していたような興奮状態だったのではないか。
自由な知的活動には、恐ろしいほどの興奮をもたらす瞬間がある(注)。ダビンチはそのような興奮を知っていたのではないか。
学校教育は本来そのような知的活動ができるよう科学教育を行っているのだが、形式知だけでは凡人にそのような興奮をもたらすことはできない。体験学習や自由な実習こそ大切である。
(注)子供を育ててみると、知の爆発の瞬間を見ることができる。「これなあに」という知の欲求を、成長につれ忘れてしまう。この知の爆発の思い出を思い出すことができれば、日本のGDPも上がるのではないか。あるいは初めて100点を取ったときの思い出でも良いかもしれない。新しい知を獲得したときの興奮、わくわく感を思い出すことが大切である。ダビンチはそれができたのであろう。モナリザの微笑みは彼があこがれていた女性をいつでも眺めていたいという欲求の成果だと捉えている。偉人を特別な人、自分とは程遠い人とするのは簡単である。しかし、偉人を俗人の一人としてとらえ、自分にもできそうな彼の良いところを真似ると偉人に少し近づくことができる。現代人には幸運なことに絵心が無くても性能の良いデジカメがある。ダビンチ以上にうまく自然を写し取ることは、誰でもできるようになった。
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短時間でコンパウンドが吐出される二軸混練機において、混合状態の不安定さが原因となる。この時、深刻な問題となりやすいのが、パーコレーション転移という現象である。
これは、高分子にカーボンの様な導電性微粒子を分散し半導体高分子材料を製造しようとしたときに必ず遭遇する現象であるが、導電性だけでなくフィラーによる弾性率の改良を行う時にもこの現象は発生している。
しかし、パーコレーション転移による弾性率変化は、導電率変化よりも小さいのであまり問題となっていない場合が多い。
パーコレーション理論とは、クラスターの数と性質を取り扱う、少し難解な形式知である。その理論的な扱い方には、クラスター生成を格子点のつながりとして扱うボンドパーコレーションと、格子で囲まれた領域の中心(立方体であれば、その中心を面心という)が形成するクラスターとして扱うサイトパーコレーションの二通りがあり、二次元から多次元まで拡張されてきた。
そして、無限につながったクラスターが生成しはじめるときのクラスターの割合をパーコレーション転移の閾値(Pc)と呼び、1950年代に数学者によりその値が議論されてきた。
ところが、モデルにより一定とはならないので数学者以外に閾値の理解は難しい。門外漢には、クラスター形成過程で、急激に何かが染み出したように系の性質が変化する現象として、この転移を理解できればよい。
そもそも、パーコレーション理論の名前は、コーヒーのパーコレータが由来であり、「ある閾値で物性が急変する現象」という概念こそが重要である。
パーコレーション転移は数学の世界ではかなり古くから知られていた理論であるが、その取扱いの難解さだけでなく概念の意味が材料技術者に理解されず、高分子材料に応用されたのは1990年前後からである。
昭和35年に開発された非晶質SnO2ゾル薄膜を用いた透明導電薄膜技術を温故知新により現代に蘇らせたフィルムの帯電防止技術では、薄膜のインピーダンス評価を行い、パーコレーション転移の閾値を見積もっている。
そして18vol%という低添加率でパーコレーション転移を生じさせる技術開発に成功した。この技術の考え方は、混練により、半導体コンパウンドを開発するときに参考になる。
現在パーコレーション転移シミュレーションプログラムを作りながら学ぶPython入門PRセミナーの受講者を募集中です。
PRセミナーについてはこちら【無料】
本セミナーについてはこちら【有料】
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痴漢の半数は、大卒で家庭を持った普通のサラリーマンだそうだ。そして、逮捕されて初めて悪いことに気がつくケースが多いとある記事に書かれていた。
そして、その記事には習慣による認知の歪を隠し持っていることが原因と解説してある。20年以上前にベストセラーになったコヴィー著「7つの習慣」を思い出した。
痴漢の記事を読み、コヴィーの著書を思い出していたのでは著者に悪いが、神を捨てた現代人は、まさに良い習慣を身に着けない限り幸せになれないのかもしれない。
亡父の受け売りで申し訳ないのだが、大谷派の信者だった亡父は無宗教の当方にまず本を読め、と読書を強制した。当方が無宗教で育つことができたのは亡母のおかげだが、亡父は無宗教である当方を心配してドラッカーはじめ多くの著書を当方に勧めてきた。
幸か不幸か、そのため読書は趣味ではなく習慣になった。これは今思い返しても亡父に感謝したい一番目の項目である。遺産もありがたかったが、事業のために全てなくなった。
しかし、どのような状況になっても読書の習慣は無くならないのだ。読書の習慣の良い点の一つとして、認知のゆがみを矯正する点だろう。もっともおかしな本を読んでいたなら逆に認知は歪むが。
愛読書は良書と悪書をふるい分けするフィルターとなりうる。すなわち愛読書がおかしく見えるような書籍を読むこともある。その時、改めて愛読書を読み返すと今読んだ書籍がおかしかったことに気がつく。
ゆえに、ある人物の人となりを知りたかったら本棚を見せてもらうとよい、と言われているが、これは自分の行動からも本当だと思う。
(注)宗教をもたないことで困るのは、危機が迫った時にすがるものが自分しかない点である。亡母は面白いことを言っていた。特定の宗教を信じると助けてくれる神は一つだが、信じていなければ無数の神が助けてくれると。空襲を経験して仏様を信じていてもどうにもならないことが分かったという。神に祈っている時間があったならとにかく子供の手を引いて逃げ出さなければいけない戦争を生き延びてみて、危機が迫ったらすぐに逃げろということが一番大切だと悟ったそうだ。戦争体験も昔いろんな人から聞いたが、神も仏も信じられなくなる体験は迫力があった。迫力ある話を聞いたにもかかわらず、高純度SiC合成実験を初めて実施したときには、電気炉の前で手を合わせながら必死で祈っていた。驚いたことに神様のいたずらかどうかわからないが電気炉が突然暴走し、SiC化のために最適な条件となる加熱パターンとなった。これは今でも不思議で謎が解けていない。最先端の科学研究が推進されていた無機材質研究所で起きた出来事である。無数の、八百万の神のおかげだろうと思っている。真摯に生きていると科学で説明のつかない現象に遭遇する。退職前のカオス混合装置の発明も、コンパウンドのサプライヤーが顧客に「素人は黙っとれ」と言わなければコンパウンド工場を建設する仕事の流れにはならず、技術は生まれなかった。予期せぬ仕事の流れで最初は戸惑ったが、とにかく成功させたい一心でカオス混合装置を開発している。プラントが出来上がり、最初にPPSと6ナイロンだけ流してみたら透明な樹脂が吐出された。プラント建設前に中途採用した部下は、予備実験も無くいきなりフローリー・ハギンズ理論で説明のできない現象が目の前で起きたために腰を抜かしたが、これも神様のいたずらかもしれない。
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