ニコンミラーレスカメラZ6を購入し、久しぶりに写真を撮って遊んでいるが、このカメラ専用の35mmレンズの画像に感動している。
まだ傑作写真は一枚も取れていないが、とにかく被写体に寄れることとその結果得られるボケの美しさに感動している。
もちろんニコン伝統のヌケの良さはそのままであるが、ニコマート時代のカリカリ感はない。すなわち、ペンタックスの77mm同様にヌケとボケのバランスの取れた画像が容易に得られるのだ。しかもパープルフリンジなどでないだけでなく、広角なのに逆光耐性も高い。
ずぼらに撮影しても完璧な写真に感動して撮らなくてもよい被写体まで撮影して遊んでいるが、年を取って世間が美しく見えなくなった目にも美しい画像を見せてくれる。
不思議なことに、散らかった部屋もこのカメラで映すとアートになる。美しく見えるから掃除をやらないでいたら妻に叱られた。
カメラ本体のZ6は上位機種Z7とセンサーだけが異なるそうだが、やたら設定するところが多く、これも遊べる原因になっている。
いろいろ設定を変えて楽しんでいるが、シャッター音からこのカメラの設計に込めた技術者の思いも伝わり感動した。耳心地が良いのだ。
自動車でもエンジン音をデザインするのは高級車では当たり前になったが、カメラでもこのような配慮がされると写欲が満たされる。このカメラはフランジバックが短いのでペンタックスのレンズもつけることが可能だ。
ペンタックス77mmレンズとニコン85mmF1.4Dの比較では、やはり77mmレンズのボケとヌケのバランスが優れていた。但しモデルは掃除機である。
カテゴリー : 一般
pagetop
見積書には図面が付いており、間取りは当方が示した間取り通りの2世帯住宅だった。こちらの指示通りの間取りだったのですぐに契約したのだが、それが間違いだった。その見積書には、キッチンや風呂などの仕様が入っていなかった。
図面には、キッチンや風呂場が書いてあったが、その仕様は別の見積もりとなり、契約後細かく決めていったら、当初の見積もりの二倍になった。
しかし、一生に一回の買い物と思い現在に至る。ところが、建築直後に雨漏りがあったり、天井の補強板が忘れてあったり、とお粗末なことが続いた。
今年の1月末には二回目の壁の塗り替えが終わったが、あまりにもずさんな作業で1階の玄関の扉が汚れた。謝罪もなく、クレームとして言えば直してくれるだろうと思い、扉を修繕依頼したら5万円支払うことになった。
1月末に工事が完了しすべて検査し合格したと言われたが、外壁の3ケ所に大きなバリの様なものがひらひらとついていた。くい打ち不正をした会社であることを忘れていた。仕方がないので自分で処分したが、どう見ても2ケ所見苦しい。
工事終了後のお決まりのアンケートにクレームとして書いたら、担当者が来て後日修正します、といって帰ったが、その後なしの礫でもう5月である。
平成に工事が完了し時代が変わってもそのままである。平成の終わりには、駆け込み結婚などが話題になっていた。担当者の挨拶は何だったのだろう。
昔、親はどのようにして思い出に残るような快適な家を建ててくれた工務店を見つけてきたのだろう、とふと考えた。一流メーカーだから、と安心して契約したのだが、その後マンション建設のくい打ち不正を行い社会問題になるようないいかげんな企業だった。
社長が頭を下げているニュースが報じられたが、あれは不誠実な形だけの謝罪だったのだろう。その後も泣いている客はいる。当方だけでなく、昨年末高校の同級生で中部電力を退職した友人が、一流メーカーだと思って退職金で家を建てたが、寒い家だ、改築前の木造の方が良かった、とクラス会で文句を言っていた。
そこで当方は雨漏りより隙間風の方が一酸化炭素中毒にならなくてよいだろうと言ったら、暖房はすべて電化されていると怒っていた。
カテゴリー : 一般
pagetop
平成から令和に変わったのだが、昭和から平成に変わった時と大きな違いがあるのは、今回は祝賀ムード満杯である点だ。老人が所有する運転免許の返納が最近問題となる大きな事故が起きた。
免許を返上しても困らない環境に住んでいて、87歳になっても返上の決断ができず事故を起こしている。このような事件と今回とを同列に扱うのは失礼で問題かもしれないが、ある資格なり役割を返上するという決心のタイミングは難しい。
象徴天皇では、生前の行為である点が議論となった。しかし、今回のムードを考えると難しい問題はともかく、象徴天皇の姿勢としてその決断は正しかった、と言える。
そもそも象徴天皇という国家的役割を置いているのは日本だけであり、これを後世に受け継ぐのは、日本人であるアイデンティティの一つだろう。しかし受け継ぐにしても、その役割から出てくる仕事については、戦後いきなりできた役割ゆえに大変だ。
それを平成の時代にずっと考えてこられた、この姿勢そのものが、また象徴天皇としての重要な仕事の一つだと思う。時代によりその仕事の中身は変化してゆくだろうし、そもそもその仕事をどのように決めるのかもシステムが無いような役割である。
実は企業におけるマネージャーや経営者も目の前に前任者の残した山の様な仕事があるために、戦後決まった象徴天皇という役割と同じであることに気がついている人は少ない。
ドラッカーは、その役割や仕事について著書で述べているが抽象的である。ただ一つ具体的に言っているのが、その役割を担う人材について「誠実で真摯な人材」を選ぶことだ。
すなわち、国家なり組織なりでリーダーシップをとるべき人材は、「誠実で真摯な人材」でなければいけない。そのような人は仕事を遂行するときにその姿勢に誠実さが現れる。仕事が無くなれば役割を自ら返上できる、すなわち自らをリストラできる管理職こそ優秀なリーダーだ。
日本に災害などの不幸な出来事が皆無になれば、象徴天皇という役割は現在のままでは自然消滅する可能性がある。NHKの特番では、異なる視点でこの問題を扱っていたが。
カテゴリー : 一般
pagetop
住居はその人の生き方へ影響を与えるというのは学生時代の体験である。快適な住まい、といっても快適さは人により異なり、生き方も人により異なる。
工務店社長が気を利かせて設計してくれた勉強部屋は快適だった。その部屋のおかげでオーディオ三昧の生活になった。この場合、住環境が個人の趣味を変えたのだ。
その後、独身寮の生活を経験してつくづく住居の快適さが人により大きく異なることを知った。独身寮でも快適だ、といって長く独身寮にいた同期がいた。
確かに食堂に行けば気軽に食事ができて終日風呂に入れる独身寮の生活は、どこか安宿の温泉気分のような快適さがある。
だから、快適さという概念を家という商品に表現するのは、難しいだろう。しかし、家を新築しようとしたときに、住宅メーカーは口々に快適な家です、と言ってパンフレットや見積もりを持ってくる。
当方の考える快適さなど考えず、メーカーの考える快適さの押し売りに25年ほど前うんざりした。当方の希望の間取りを実現できて最も低価格な見積もりを持ってきたメーカーへ発注する決心をしたら、当時二世帯住宅で有名なトップメーカーを選んでいた。しかしこれが後悔の始まりだった。
カテゴリー : 一般
pagetop
プリウスを試乗した時の体験を書く。新車を購入するときには必ず試乗することにしている。大抵はどこのディーラーでも営業マンが助手席にすわり、お客に車を運転させてくれる。そのため、運転前に営業マンの懇切丁寧な説明を聞くことになる。
プリウスでは、モーターだけで走る場合もあるのでガソリンエンジン車からの乗り換えで違和感を感じるかもしれないが、との注意をうけるが、Dレンジに設定しているときにアクセルから足を離すと、車は慣性力で動いてゆく仕組みという十分な説明までされない。
燃費を稼ぐための仕組みとして、アクセルから足を離した時に減速されるBモードと減速されないDモードがある、という説明をもっと丁寧にすべきである。ところが説明では、坂道でブレーキを使うと焼け付くので、Bモードに設定してエネルギー回生による減速機構を使うように、とされる。
車は、燃費よりも安全が大切である。アクセルペダルから足を離したら、ペダルの機能ではなくても減速するのが安全な車、と思っている。プリウスを試乗してひやりとしたのは、40km程度で走行していてカーブを曲がろうとしたときだ。カーブに入る前にシフトダウンするのは習慣だが、プリウスでは、それができない。まずアクセルペダルから足を離したのだが、スピードが速くなったような感覚に襲われた。
おそらくこれはガソリンエンジン車に慣れていたので錯覚だろうと思う。思わずブレーキペダルを踏んだのだが、スピードが落ちてしまって情けないカーブの曲がり方になった(ここで踏み間違えれば暴走となる。)。
さらにこの時、FF車特有のアンダーステアを味わうことになる。カーブを曲がるまでの自分の動作をはっきりと覚えていないが、アクセルペダルから足を離した時すでにカーブに入っていたようにも思う。それゆえ強烈なアンダーステアを感じたのかもしれない。
当方はハンドル操作とブレーキペダルを間違えなかったので事故にならなかったが、もしあの時あせってペダルを踏み間違えていたならば確実に助手席の営業マンにけがをさせていただろう。へぼな曲がり方をして曲がった後にのろのろと走っていたら、営業マンに笑われた。ここは営業マンを守るために確実にブレーキを踏んだ老人に感謝してほしかった。
カテゴリー : 一般
pagetop
他のレバーとの組み合わせでアクセルペダルに減速機能の有無を選択するようなシステムは危険である。ハイブリッド車のBモードではアクセルペダルに加速と減速の機能をもたせただけでなく、この減速機能を他のレバーで選択するというシステムである。そして、アクセルペダルの横にこれと同様の動作を行うブレーキペダルを配置している。
自動車を運転している人は急ブレーキは危険と認識するので、自然に減速してから停止するという動作を行う。この時日産の電気自動車では、アクセルペダルから足を離すだけの動作である。トヨタのハイブリッド車のBモードでは、一度「アクセルペダルをゆるめ減速し」、止まるためにペダルをブレーキへ踏みかえるという手順になる。
ただしBモードは坂道で使うモードであり、一般路ではDモードを使え、と教えられる。そして、これはBモードと異なり「アクセルペダルを緩めるだけでは減速しない」ので、減速するためにブレーキペダルを踏む動作をとらなければいけない。
すなわち、止まるための操作が、BモードとDモードと異なる上に、車を最後に止める動作が、加速する動作と同じでペダルが異なるだけである。また、シフトレバーは常にホームポジションにあり、現在のモードがBかDかは、表示板を見なければならない、複雑なシステムである。
パニックになった時にこのようなシステムが安全かどうかは明快であり、ハイブリッド車の場合には、ペダルを踏み間違えたときにそれに気がつく仕組みが無いだけでなく、DモードではBモードと異なり減速しないので、アクセルから足を離しただけでは減速せず、そのまま大事故につながる設計となっている。
踏み間違いやモード設定は運転者の責任としておいてはいけない。信頼性工学の視点では、ヒューマンエラーが起きたときに大事故につながらないようにシステムを設計しなければいけない。車の「止まる」という機能は、燃費よりも重要な基本機能である。
当方の信頼性工学のセミナーではこのような技術が十分に継承されていない問題をも扱っている。自動車のアクセルとブレーキについて、車の3つの基本機能についての技術が正しく伝承されておれば、ハイブリッド車の様なブレーキシステムは生まれなかったはずだ。ハイブリッド車に試乗するたびにこの信頼性工学の話を営業マンにしてきたが、うるさいオヤジぐらいにしか思われていなかったのだろう。
当方は試乗するたびに営業マンへハイブリッド車の危険な設計思想について注意してきた。それは、Dモードでは、アクセルペダルから足を離しても減速しないが、Bモードではアクセルペダルから足を離すと回生ブレーキが働き減速する。
試乗したときにこのDモードでは減速しないという危険性に気がつかない人がそれを知らされずハイブリッド車を購入しているとしたら、これは大きな問題だ。飛行機がそうであるように、車もヒューマンエラーが起きたときに大事故につながらないような設計が常識とならなければいけない。その対応が遅れているならばその危険性を告知すべきである。これが池袋の事故はじめネットで有名な「プリウスロケット」で考えなければいけない問題だ。
ハイブリッド車は信頼性工学の視点で眺めたときに、ガソリンマニュアル車よりも危険な車だと思っている。また、ジュークのようにマニュアルモードを備えてエンジンブレーキをかけやすくしているオートマチック車よりも危険である。そして、エンジンブレーキを使わない運転をしているときのオートマチック車よりプリウスは少し危険だと思っている。
*車を購入するときに、昔は走る棺桶とならない視点で車を見ていたが、最近は走る凶器という視点で車をチェックしている。恐怖感について個人差があるために、現在のハイブリッド車の危険性をどのように伝えたらよいのか悩んできた。なんども繰り返しの話になっているが、「止まる」機能の重要性と、その研究が遅れていることを伝えたかった。このような話は、危険性の感度の低い人には屁理屈としか思われないかもしれない。
カテゴリー : 一般
pagetop
ハイブリッド車やガソリン車のオートマチック車にはペダルが二つしかついていない。しかも、その操作方法は同じである。いずれも機能を発揮させたいときには、踏み込むという同じ動作である。ゆえに、ペダルの選択を間違えた場合に暴走を引き起こす。
ブレーキの機能は、踏み込むことで車を「減速させて」、「止める」ことである。アクセルの機能は、踏み込むことで車の「スピードを上げる」ことだ。ここで昔からアクセルは、車を減速させる装置とみなされていない。あくまでも車のスピードを上げる装置である。
昔の教習所ではこの点を厳しく指導していた。減速はシフトダウンして行うことがお約束だった。教習所の第一段階のテストの一項目にシフトダウンして車を止めることができたかどうかというのがあった。
当方はクラッチを切ってブレーキだけで止まったために、教習所の第一段階の試験に落ち1回余分なお金を払うことになった。第一段階で落ちる人はいないといって笑われたので、この重要項目をいつまでも覚えており実践している。
だから、エネルギー回生システムを減速機(エンジンブレーキ)の代わりとして使おうと考案した時に、この車の減速という機能を設計者は信頼性工学の視点で検討しなければいけなかった。
ここで検討しておれば、ガソリン車のエンジンブレーキという減速機能がアクセルとブレーキの踏み間違いを防止していることに気がつく。
このエンジンブレーキは、クラッチを踏みシフトダウンさせてかけてゆく。ただアクセルを緩めるだけでエンジンブレーキがかかる、と思っている人は、たとえそれが正しくても昔ならば教習所の第一段階の検査試験で当方同様に落ちることになる。
おそらく教習員は、減速途中でエンストを起こす説明をするだろう。そして足をブレーキに乗せながらシフトダウンして減速しながら最後にブレーキを踏みこんで止める話をするかもしれない。
ここでペダルを踏み間違えていたり、アクセルに足を乗せていたりすると、空ぶかしをすることになる。すなわちマニュアル車は、その構造上ペダルの踏み間違いに対して空ぶかしという警告を出すようになっていた。
ところが最近の車は、燃費をよくするためにギア比が小さくなっており、高速で一定速度走行時のエンジン回転数は1500回転から1800回転であり、車の質量による慣性力のほうが大きくエンジンブレーキがかかりにくい。
エンジンブレーキを起動させてそれがかかった、とすぐに体感できるのは当方の場合2500回転以上の時であり、オートマチック車でもエンジンブレーキをかけるためには何とか工夫して「車のスピードを上げないように」エンジン回転数をここまで上げなければいけない。
安全のためには、これをブレーキではなく、マニュアル車以外ではオートマチックの機能を工夫して行うことになる。プレリュードでは、「D→スターマーク→L」とシフトダウンすればエンジンブレーキがかかり、減速する。ただし操作感はよかったが、CVCCエンジンはエンジンブレーキの利きが悪く怖かった。
だからプレリュードから乗り換える時は、セレナのマニュアル車をわざわざ買っている。その次は娘がそのデザインを気に入ったという理由でキューブを購入した。
しかしこの車では、標準でマニュアル車の設定が無くてオートマチック車しか選べなかったうえにシフトレバーがエンジンブレーキをかけにくい構造だった。すなわち、エンジンブレーキをかけるためには、ODボタンをはずし、その後シフトレバーを1にする操作をしなければならず、面倒だった。
さて、ハイブリッド車には、従来のようなエンジンブレーキが無い、といってもよい。その代わりにDモードとBモードというのがあり、Bモードを選ぶとアクセルを緩めたときにエネルギー回生システムが働きエンジンブレーキ「のように」減速することになる。
ところが、このBモードでは、アクセルペダルの機能について加速と減速の2種類持たせたような設計をしている。ここでハイブリッド車の設計者は、大きな間違いをしたことに気がついていない。
昔は、アクセルペダルは、車のスピードを上げるための機能に徹しており、減速と停止機能はブレーキペダルという明確な役割分担があった。
これに対しBモードの設定を考案したときに、アクセルペダルに加速と減速の二つの機能を持たせてる危険性を考えなかった。Bモードでは、あたかも減速機能と停止機能の二つのペダルができたかのように錯覚させる。(ブ(B)レーキモードと最初勘違いした。)
日産はこれに気がつき、安全のため、電気自動車のアクセルペダルに加速と減速以外に停止の機能までつけ加えて一つのペダルで加速から停止までできるようにした。これは、動力がガソリンエンジンだけでなくなる場合の、暴走を防ぐアクセルペダルの一つの回答である。
カテゴリー : 一般
pagetop
ハイブリッド車には、ペダルは二つしかついていない。ゆえに踏み間違いに気がつきすぐに修正できるはずだ、という意見があるが、FMEAを正しく行うとそこに落とし穴があることに気がつく。
ガソリンエンジンのオートマチック車も含めペダルが二つしかない車について、エンジンブレーキをかけて減速するという運転動作を考慮すると、「ペダルが二つであることが問題」、という結論をハイブリッド車のFMEA表では導き出される。
信頼性工学の中でFMEAはその取り扱いが難しい。すなわち、故障や事故のモードに気がつかなければ不完全なFMEA表しかできない。そもそもFMEAというものは、作成されたFMEA表を随時改定し完成形に近づける活動を含んでいる。すなわち、FMEA表を作ったらそれで終わりではないのだ。それを元に日々技術とFMEA表を改善する努力をしてゆかなければいけない。
ところで、ガソリンエンジンのオートマチック車の場合とハイブリッド車の場合とで異なる点は、ガソリンエンジン車で踏み間違えたときには、車のスピードが上がる直前にまずエンジン音が大きくなる、あるいはタコメーターが上がるなどの変化がおき、その一瞬の間違いに気がつく(ガソリンエンジン車のオートマチックの開発ではこのタイムラグをいかにして少なくするのかが課題だった)。
さらにエンジンブレーキをいつもかけてから停止する習慣ならば、シフトダウンの操作段階で軽くブレーキペダルに足を当てている。この時間違えてアクセルに軽く足を載せていたとしたら、エンジンの回転数が早く上がるので、すぐに間違いに気がつく。
しかし、ハイブリッド車に試乗してみると、ブレーキペダルを軽く踏んだ程度では減速が緩やかで、アクセルペダルから足を離しているかどうかわからない場合がある。これは、走行時のDレンジでは燃費をよくするために慣性力で走れるよう回生ブレーキが働かないためである(試乗した時にこの点に恐怖感を感じている)。
Bレンジで運転すると、アクセルペダルから足を離したかどうかがわかる程度の回生ブレーキがかかり、少しは踏み間違いにきずくシグナルが運転者に出されるが、Dレンジでは静かにスピードが上がる、という現象が起きなければ踏み間違いに気づけない。ここでスピードが少ししか上がらない場合の人間の感覚を考える。
少しでもスピードが上がって、そこで「踏み間違いに気がつく人」と、ハイブリッド車のDモードでは慣性力でスピードが落ちないためにそれに慣れていて少しのスピードアップはブレーキの踏みシロの問題、すなわち「少しのスピードアップではそれに気がつけない人」の二種類に分かれる。
実はハイブリッド車では音が静かなために少しのスピードアップでは気がつきにくい。さらに、静粛性以外にも新型プリウスはスピードアップしたときの恐怖感が少ない。このようなデザインであるため、よけいにスピードアップに気がつきにくい車といえる。
このときペダルの踏み間違いに気がついていない場合の人間の自然の動作として、さらに深く踏み込むことになる。それもブレーキだと思っているため力強く深く踏み込み、暴走につながる。
暴走になれば、もう止まらない。なぜなら運転者はびっくりしてパニックに陥るからだ。自分が踏み間違えているかどうかよりも車を止めようと思ってさらにペダルを踏みこむだろう。この状態に至れば、山本リンダではないが、「もう、どうにも止まらない」。
実は初めてプリウスに試乗したときに、減速から停止処理を行って恐怖感を感じ、営業マンにそのことを伝えたら、お客様の運転の仕方が間違っている、と馬鹿にされた。オートマチック車ではただブレーキを踏むだけでよいのだ、としたり顔で言われたのだ。
車はエンジンブレーキで減速し、ブレーキで止まるのが基本だと説明したら、それはマニュアル車の場合であり、オートマチック車では間違った運転方法とまで言われた。
ハイブリッド車以外でもペダルが二つの車があり、それでも踏み間違いが起きている。ただし、オートマチック車でもエンジンブレーキをかける習慣であれば、踏み間違いに気づくはずだから、その場合は教習所で教えられる基本を守っていない運転方法であり、運転者の過失だ。
しかし、ネットにはプリウスロケットという言葉が多数出ているように、プリウスでは極端な暴走状態に特徴があることを見過ごしてはいけない。
そこにはプリウス特有の問題があるとみて、より安全な車を作る使命が自動車会社にはある。リーフの1ペダルという提案が、なぜトヨタ自動車から出てこなかったのか不思議である。ペダルが一つならば踏み間違いは起きない(ご丁寧にリーフにはブレーキ専用のペダルまでついている)。なぜなら、ブレーキと加速では全く異なる動作に設定されているためだ。
カテゴリー : 一般
pagetop
有機合成化学は1970年代にコーリー博士の逆合成という概念が提案され、そのデザイン手法がコンピューターのアルゴリズムで取り扱われるようになった。さらに、有機金属化合物の合成研究が発展した20世紀に、その学問体系がほぼ整備された。
有機金属化合物では、低分子化合物だけでなく高分子化合物も開発された。例えばフェロセンポリマーという物質も合成されている。有機ケイ素高分子も多数開発され、東北大故矢島先生により有機ケイ素高分子からSiC繊維を製造する技術も1970年代に開発されている。
当方が発明したフェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドによる高純度SiC合成法は、この矢島先生のご研究から6年後に成功している。矢島先生のご研究はポリジメチルシランを炭素繊維と同様の方法で熱処理する製造法だが、当方の方法は前駆体であるポリマーアロイを製造するリアクティブブレンド技術にその特徴がある。
これは、科学的に考えていては開発できない方法で、頭がよければ誰でもできるわけではない技術開発手法で合成された前駆体だから科学者には少し難易度が高い。そもそも混合プロセス段階はフローリーハギンズ理論によりその現象が否定されるような前駆体である。科学と技術とはどこが異なるのか、という命題について知りたいなら、この前駆体の合成プロセスをよく考察していただければわかりやすいと思う。
論理のち密さが重要という理由で、科学は頭の良い人でなければそのブレークスルーが難しいが、技術は多少頭が悪くともその開発が可能だ。ちなみに人類による技術開発の活動は4000年以上昔から行われている。中国4000年の歴史が日本に影響を与えたが、それよりもはるか昔から技術開発は人類の日々の生活の営みとして行われてきた。
日々の営みを自然とうまく調和する努力のできる人類が技術を開発してきた。この意味では、頭の良し悪しよりも、性格の素直さが技術者には重要だと思っている。
技術開発の歴史を眺めたときに、現代の有機合成技術者を高度な研究者集団としてみなすのは、もはや時代遅れである。1980年代からすでに有機合成技術者は知識労働者の一人になっている。なぜなら21世紀にはいってから有機合成分野において新たな概念は生まれていない。無機高分子合成化学に至っては無機高分子研究会設立以降ノーベル賞級の新しい概念は生まれていない。
カテゴリー : 高分子
pagetop
池袋事故について事故原因の解明よりも、未だ逮捕されない運転者の問題に関する記事が多い。この事故の本当の問題は、「本当の事故原因は何か、そして再発をいかに防ぐか」という問題のはずである。恐らく警察は、運転ミス「か」(東スポではないが)、と発表しつつも、運転者の証言にも注目している可能性がある。
当方は年に2回ほど信頼性工学のセミナーを行っているが、せっかくセミナー内容について現実の問題を取り入れたり、問題解決法を取り入れたりと役立つように工夫しても参加者が少なく、困っている。
小生の信頼性工学については別の日にPRをしたいが、本日はハイブリッド車に試乗したときに、信頼性工学の観点から営業マンへ有益なアドバイスをしていてもいっこうに改善されないハイブリッド車のブレーキの問題について書く。
ハイブリッド車のブレーキの問題については電気自動車にも通じるが、これについては、日産自動車が1ペダル方式という一つの答えを提案している。あの技術はもっと注目されてもよく、新時代の自動車安全システムとして第二、第三の新しいブレーキシステムの提案があるべきだ。
この欄で展開する話は、一部特許ネタとして公開を躊躇していたが、トヨタがハイブリッド車の特許を公開するというので、当方の考え方も公開したい。
ハイブリッド車のブレーキ(正しい運転をしなかった場合の一般のオートマチック車でも該当する)が信頼性工学の視点でまずいのは、「ブレーキをかけようとして、ペダルを踏み間違えたときの対策が考えられていない」、というこの一点に尽きる。
難しく表現すると、「ヒューマンエラーが発生した時に、そのエラーが次のエラーを引き起こさないような対策が取られていない」、あるいは簡単に「バカ対策が取られていない」となる。バカと書いては事故を起こされた方には失礼だが、ポカ除け対策ともいう。
ブレーキを踏み間違えた運転者は、それに気がつくためには、まず、加速し始めた車の状態を「異常だ」と気がつく必要がある。そして、その異常に対する原因を考えたときに初めてアクセルを踏み間違えたことに気がつく。この段階で異常に気がつかなければ、アクセルをブレーキペダルと信じ、踏み続ける。
しかし、ここで異常の原因が運転者の動作にある、とすると、「ブレーキの踏み間違い」か、「ブレーキの踏みシロの少なさ」という二つの事象が出てくる。
前者であれば、ペダルの踏み間違いへと思いがいたるが、後者の場合には、先に指摘したようにブレーキを踏みこむことになり、結果としてアクセルを踏み込む動作となって、暴走することになる。実際にこれが原因で起きている事故は「プリウスの暴走」としてネットに多く公開されている。
「このような事故でプリウスの暴走が注目されるのは販売台数が多いから」、とよく解説されているが、当方はそれだけではない、と思っている。しかし、ここは当方しか気がついていないようだから書かないが、興味のある方は質問していただきたい。プリウスの運転システムにはこの欄で書いた以外にもまだ問題がある。
とりあえず、ブレーキシステムの問題に話を戻すが、信頼性工学の一つFTAとFMEAを正しく行っていれば、事象が二つになることに気がつくわけで、当方は営業マンにレクチャーを無料でしている。
しかし、感謝されるどころか、営業マンはそれを不満に感じているようだ。顔は笑顔だが、皆当方の話を否定して話題をそらす。おそらく車をけなされたと思って、カチンと来ているのだろう。
そして本質的な議論に発展しない。営業マンの仕事の一つにお客様の声を吸い上げ、それを商品のカイゼンにつなげるというのがあるが、トヨタの営業マンは皆プライドが高いのか、お客様の意見を否定してくる。
顔は笑顔で、言葉は優しくても、言ってる内容がお客様の意見を真正面から否定しているならば、お客様は不快になるだけだ。初めて乗った車はレビン、その次はセリカとトヨタを乗り継いできたが、このブレーキの問題を言い出してから、トヨタ車を購入していない。新車購入時には必ずトヨタのディーラーものぞくのだが大抵は気分を害して見積もりさえもらわないという状態が30年以上続いている。
カテゴリー : 一般
pagetop