例えば、福島原発では、「10m以上の津波がくる確率は極めて低いので、防波堤の高さは、これでよし」と、防波堤の高さを津波の発生確率で決めてしまったために、津波対策は置き去りにされました。そして今回の津波の被害は、想定外という言葉で表現されていますが、そもそも事故発生0%が要求される原発に対して、想定外という言葉が一般に受け入れられるでしょうか。
新聞などの情報によりますと、原発の防災に関する設計基準はすべて発生確率を基にして決められている、とのことですが、どんなに確率が低くともその事象が発生した場合に致命的な問題が生じるならば、課題としてあげて対策をうつ必要があります。もし、確率の低い大津波がきた時の問題まで考え対策をうっていたならば、今回のような大惨事にならなかったと思います。
経済的理由から防波堤の高さを制限するならば、確率の低い大津波に襲われた時の対策を完璧に行うべきです。今回の事故では、大切な電源がすべて流された時に備え、周辺地域から電源車を短時間で確保できる体制を備えていたならば電源の回復を迅速にできたと思います。
しかし、電源車が1時間以上遅れて到着したけれど電源のコネクター形状が合わないために使用できなかった、という信じられない報告がされています。仮に津波の大きさが想定外だった、という言い訳が許されたとしても、電源車のコネクター形状の不一致については、許されない問題です。電源のコネクターというものは規格品であり、外部電源を原発へ取り入れるために全てをそろえていても経済的に大きな負荷がかかるわけではありません。福島原発を建設する時に、周辺住民への配慮をどこまで真剣に行っていたかという問題になります。
すなわち、津波の発生確率に関わらず、瞬時に原発へ電気を供給できる体制は、それが非科学的な対応という評価がなされたとしても、周辺住民に対する安全の担保としてしなければいけないことです。原発建設の前であれば、電源の事象はあるべき姿に入れてもよいですが、すでに稼働している原発の外部電源コネクターについては、対策が十分取られていることは当たり前です。
現実を確率で把握し、確率の低い事象を現実から切り捨てますと、問題に反映されなくなります。原発の運転に電源は欠かせませんので、どんなことがあっても電源を確保できる体制を作り上げることは技術者の良心というもので、これは非科学的側面です。ゆえに今回の福島原発の問題は、非科学的側面を切り捨てる従来の問題解決法のパラダイムで技術を構築したために発生した、と言えそうです。現実を確率や期待値を用いて把握することは、絶対に行ってはいけません。現実の把握は、ありのままを把握することこそ大切です。
<明日へ続く>
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「あるべき姿」に比較して、「現実」の具体化は難しくありません。見える化が浸透している組織では、現実について見える化掲示板に貼り出されているはずです。現実が具体的に整理されていなくても、「あるべき姿」と「現実」との乖離が「問題」なので、あるべき姿とおぼろげながら見えている問題とから、あるべき姿を具体化した時に現実が見えてきたりします。あるいは、現実は目の前の事象ですから、具体化作業は見えている事実を箇条書きにするだけで完了する場合もあるかもしれません。
もし現実が複雑であるべき姿と同じくらい難しいと感じても、現実について整理するコツは、すでに具体化されたあるべき姿を参考にして現状の情報調査を行い具体的な事実としてまとめるだけです。現実の把握方法として現実の分析や解析を実施しなければならない、としている問題解決法もありますが、現実の具体化には、あくまでも正確な事実を集めることこそ重要で分析や解析は必要ではありません。集められた情報について誤った分析や解析を行った場合には、現実の認識は誤ったものになり、それを利用して導かれた問題も誤った問題になってしまいます。現実は、正確に事実を把握し具体化することこそ重要です。
ところで現実の把握プロセスにおける禁止事項は、確率や期待値で現象を見ようとする考え方です。現実の分析や解析を推奨している問題解決法では、発生頻度の低いものを除外したりします。しかし、発生頻度が低くとも現実に起こりうるものであれば、事実として具体的な整理が必要であり、確率は参考数値として扱うべきです。確率や期待値の低い事象を除外しますと、その事象について考える機会がなくなります。
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Liイオン二次電池の電解質には有機溶剤が使用されています。電解質をポリマーにした電池も存在しますが、その場合でもイオン伝導率を上げるために可塑剤として有機溶剤を使用します。すなわち電解質として水ではなく、有機溶剤を使用している電池は非水系電池と呼ばれています。
ゆえに電解質を燃えにくくするための工夫が必要になります。イオン性液体を使用するのも一つの手段です。あるいは難燃剤を添加する方法もあります。しかし、忘れてはいけないのは、エネルギーを貯めるデバイスというのは爆発の危険性があるということです。電解質が水になっても同様で、アルカリ電池でもショートさせますとポンと音をだして壊れます。
ボーイング787の事故で電池は無様な姿になっていました。ただ難燃対策は効果があったようで、安全に壊れたようです。あの壊れ方は、それなりの技術が生かされていた、とみるべきで、電池も含め蓄電システムに異常があった時のY社の回避技術は高い、と思いました。電池に回避技術が搭載されていなかったならば、怪我人が出ていた可能性もあります。最近公開された写真を見る限り、壊れ方は安全方向に設計されていたように思いました。
電池は化学反応で電気を起しています。放電は反応速度が関係しますので、加速要因が入れば、必ず発熱します。これを制御するのが、パソコンや充電器にも使用されているパワーマネジメントシステムです。今回の事故ではY社は電池だけ納入していました。電池の故障解析には時間がかかりますので、事故原因の解明は難しくなることが予想されます。化学屋の視点からは、電池が壊れるようなマネジメントシステムが悪いような気がしますが、原因を早く知りたいと思っています。
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解く力を磨くために問題設定のコツをもう少し考えてみます。
問題は、あるべき姿と現実との乖離で生じますが、「何が問題か」を考えるためには、あるべき姿と現実に関する具体的に整理された知識や情報が必要です。もし、これらの知識や情報が、問題を考えようとしている時に手元に無いならば、それが一番の問題となります。さらに問題の答であり問題解決のゴールに相当するあるべき姿については、数値化できるぐらい具体的に整理されていることが好ましい状態です。あるべき姿が抽象的であると、問題は抽象化され問題認識の違いを生み出すだけでなく、あるべき姿があっても問題解決できない場合も出てきます。
情報技術の進歩や遠藤功氏の「見える化」ブームで現実の整理は、日常業務として行われるようになりましたが、社是やビジョンなどの抽象的なあるべき姿を担当している職務に合わせて細部まで具体化しているケースは少ないようです。もしあるべき姿の情報整理と十分な具体化ができていないと思われるならば、最初にできる限り具体的な表現であるべき姿を作成してください。
ところで、あるべき姿を求める方法として、現状を分析し問題点を見つけ出し云々、あるいは問題を分析し云々などと説明している問題解決法もありますが、あるべき姿とは、問題から導き出すものではなく、問題解決をしようとする当事者が、何が問題かを見出すために具体化するものです。
例えば、事業における「あるべき姿」であれば、会社の事業と顧客の関係から決めることができます。個人の問題であれば、個人の人生観や価値観などから「あるべき姿」を決められます。その他国の問題であれ、地域の問題であれ、大切なことは、その問題が解決されたときに効果や影響力が及ぶ社会の「あるべき姿」について、問題解決しようとする人が具体的に整理し明確に決めることが大切です。
「あるべき姿」の情報整理と具体化には、日科技連の新QC七つ道具を使うことができます。親和図法や連関図法、系統図法で情報を整理するとわかりやすくなります。マトリックス図法も有効かもしれません。
製品開発の現場で発生する技術的問題では、製品の仕様書が「あるべき姿」の代用になります。製品を組み立てる各部品について、担当部署へ製品仕様書を提示し、各部品の「あるべき姿」をそれぞれ確認する作業が必要かもしれません。また、初めてのプロジェクトであり諸々の環境が整っていない時などは、ドラッカーの指摘を参考にして、各人の認識が同じと思われる「われわれの事業は何か」あるいは「われわれの事業は何になるか」、「われわれの事業は何であるべきか」などを改めて問いなおすところから始める必要があるかもしれません。
「あるべき姿」と「現実」の乖離が「問題」になりますが、「あるべき姿」が具体化されますと「現実」が整理されていなくてもこれまでの経験から問題が具体的に見えてきます。問題解決の必要があるときには、「あるべき姿」と「現実」の乖離が大きい時ですから、「現実」の整理が必要無いと感じるくらいに、「問題」が具体化されます。しかしそのような時でも「現実」の具体化と整理は必要です。
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先日の新聞記事に、ミドリムシからプラスチックスを作る話が掲載されていました。ミドリムシの作り出す糖を利用するのだそうです。現在の石油リファイナリーからバイオリファイナリーの流れの中で普通の記事として思っていましたが、アイデアがわきました。
単なる思いつきのアイデアで申し訳ないですが、ミドリムシ以外のプランクトンでも同じことができるのではないか、あるいはプランクトンをスプレードライで乾燥させて、その後脱色洗浄したらそのまま樹脂として使用できないか、と考えました。少なくとも樹脂の増量剤あるいは可塑剤程度に使用できるのではないか、と思っています。
さらに運が良ければ、難燃剤としての機能を有するプランクトンもいるのではないかという予想です。プランクトンの中にはミネラルを豊富に含むものも存在し、さらにそのミネラルは生物由来ですから、原子レベルで分散している、と期待できます。30年以上前に難燃剤が活発に研究されていたころ、元素別の難燃効果という論文を読んだことがありますが、金属酸化物には粒径が小さくなると難燃効果が出てくるものがある、と結論されていました。当時ナノオーダーの粒子技術が存在しなかったので論文には期待のあるような書き方がされた、と話半分のつもりで頭の隅に記憶として残しておきました。
昔の記憶がどの程度のものか確認するために、数年前酸化スズゾルの難燃効果を調べましたところ10部程度の添加でLOIを1程度上げる効果がありました。また、燃焼面にはチャー生成量の増加していることも目視で確認できました。1ミクロン程度の酸化スズには効果は無かったので、明らかに金属酸化物の粒径の効果です。ミネラルの多いプランクトンを難燃剤として活用できる可能性が出てきました。
プランクトンを材料として実用化しようとする時に問題となるのはコストです。おそらく広大なプールが必要になりますので過疎地で作物の作れない土地で培養する事業になるのではないでしょうか。もしスプレードライして得られた乾燥物が50円前後であれば、樹脂の増量剤として活用でき、難燃効果があるのであれば100円前後までコストの上限は広がります。簡単な還元漂白程度の加工でプランクトンを利用可能であれば面白い素材です。
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ところで、ドラッカーは、著書「マネジメント」の中で「まちがった問題に対する正しい答えほど、実りがないだけでなく害を与えるものはない」と述べ、問題を正しく把握することの重要性を指摘しております。
先ほどの「山田さんが犬に咬まれた」というような簡単な例でも、情報を受け取った後のアクションを間違えないためには、問題を正確にとらえる必要があります。もし間違った問題を設定したときには、間違ったアクションをすることになり、ドラッカーが指摘する害を生みだしたりします。
例えば、面識のない山田さんが犬にかまれたのに、親友の山田さんが犬にかまれた問題としてとらえ、慌てて親友の山田さんの奥様に電話をするというアクションをとったとします。親友の山田さんの奥様が、たまたま電話に出られない状況であれば、この電話は迷惑電話となります。問題を正しく把握することは問題解決で一番重要なことです。
問題を正しく把握できるように、問題とはどういうものか定義します。問題とは、感覚的な意味では困った状態や好ましくない状態という意味です。しかし、先ほど答に相当する「あるべき姿」と問題の関係を見てきましたので、「あるべき姿」と「現実」との乖離として「問題」を定義しても納得していただけると思います。この定義は20年ほど前からよく聞くようになりましたが、わかりやすい定義です。
この定義を用いれば、何が問題かを明確にするためには、現実とあるべき姿を明確にすればよいことが分かります。そしてこの問題の答とは、あるべき姿であり、問題を解くあるいは問題を解決するとは、あるべき姿を実現するアクションの筋道を求め、強い意志の力で行動を起こしあるべき姿を実現することになります。また、第一章で述べましたが、あるべき姿が無い問題は、解けない問題になります。しかし、本書で扱う問題は、必ずあるべき姿がありますので解ける問題になります。
問題の定義から、「解く力」には「あるべき姿」を明確に決める力が必要です。これは、意志の力です。さらに未来の夢を描くことができる感性や責任感が加われば具体的なあるべき姿を創り上げることができます。そして行動を起こし「あるべき姿」を実現すれば問題を解決できます。意思決定し行動を起こし「あるべき姿」を実現することが問題解決であり、それを可能にする力が解く力です。
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高分子の難燃化技術について、この30年間の進歩は様々な樹脂の難燃剤が開発されそれぞれの樹脂について最適化が行われてきたのが成果だと思います。1980年頃に高分子の難燃化手法に関し、その方向が決まり、様々な縮合リン酸エステルが開発されました。その後登場したのが臭素系難燃剤で1990年代に一気に普及しましたが、環境問題の影響で、一部の臭素系難燃剤が、縮合リン酸エステル系に置き換える検討が進みました。
1970年代の難燃化技術の進歩に比較しますと、基礎科学としてはほとんど進歩していない領域と言ってもよいかもしれません。難燃化技術の1970年前後の進歩には著しいものがあり、1980年代の方向性を決めることのできる成果が基礎科学として出ております。
これは、高分子の熱分解や耐熱性高分子の研究が1970年代に盛んに行われ、それと並行して難燃化技術研究が行われた影響が大きいと思います。欧米の動向も同様であり、1970年代の成果を踏まえ、ULなどの規格が1980年代にほぼ決まりました。日本の建築基準の大幅な見直しも1980年初めに行われております。
高分子の難燃化技術はもう開発の必要のない分野のように見えますが、世間で発生している品質問題を見ますと、これまでの研究開発と異なるコンセプトでテーマ設定を行う必要を感じています。何かご質問がございましたらお気軽にご相談ください。
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例えば、山田さんが親しい友人である、と仮に決めますと、友人の無事を祈るのは自然な心の動きですので、あるべき姿は「無事である」となります。仮に決めた関係と、答のあるべき姿を加えると、曖昧であった情報は「親しい友人の山田さんが犬に咬まれた。しかし、無事である。」、と具体的になりますが、これはすべて仮に決めていますから真実かどうか不明です。この真実かどうか不明であることが、この場合の問題となります。
知人に山田姓が一人もいない場合には、この情報の曖昧さは親しい友人の場合よりも少なくなります。すなわち山田さんが一般化され、「人が犬に咬まれた」という情報になります。この場合の仮の答、あるべき姿は、平凡な答として「その犬の飼い主のモラル」と決められます。すると、「人が犬に咬まれた。その犬の飼い主のモラルは?」という飼い主のモラルを問う問題になります。
このほかにも問題は設定できる答の数だけ作ることができますが、問題の中には真か偽かを問う問題と、答=あるべき姿の実現を問う問題があることに気がつきます。ところが後者は、あるべき姿を実現できる、という仮の答を設定し、真偽を問う問題に変えることができます。前者は逆に、「無事である」と決めずに、「無事かどうかを明確にする方法」を問う問題に変えることもできます。
すなわち、問題というものは、情報に情報との関係で決めることができる答を付け加えて作りだすことができます。そしてその答となる「あるべき姿」の表現形式を工夫することにより、すべてあるべき姿を実現する問題形式に表現できます。このあるべき姿を使い問題を表現できることが問題の定義につながります。
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二次電池の市場で現在成長しているのは自動車用途である。ハイブリッド車の普及がそれを牽引しています。ホンダは主にLiイオン二次電池を使用していますが、トヨタはニッケル水素二次電池を使用しています。トヨタは公知のようにコスト重視で車を設計します。スペース効率を求められる場合には、リチウム二次電池を使用していますので、そのあたりの設計思想が垣間見えます。
6年前の情報(L.T.Lam,R.Louey,J.Power Sources,158(2006)1140-1148)で恐縮ですが、鉛蓄電池を基にハイブリッド用に開発されたウルトラバッテリーについて。このバッテリーのどこがウルトラかと言いますと、価格の安さとLiイオン電池並みに1kWhの出力ができるという点です。それでいて、500Wh12Vバッテリーと組み合わせても価格が220US$です。ただし重量は55kg。これに対して1kWhLiイオン二次電池は、500Wh12Vバッテリーと組み合わせて価格は1020US$で重量は34kg。およそ20kg軽くなります。
ニッケル水素二次電池でこれらと同様の性能を達成しようとすると500WhSLIバッテリーと12Vスターターバッテリーを組み合わせる必要があり、重量はウルトラバッテリーと同様の55kgで価格は660US$となるそうです。ただしこの比較は、アイドリングストップ程度のハイブリッド機構における比較で、トヨタやホンダのフルハイブリッド機構で必要となる二次電池の容量レベルの比較ではありません。
しかしこの比較から現在のLiイオン二次電池の価格イメージを把握することができます。すなわちモバイル用途よりも安価になっている、ということです。ニッケル水素二次電池との価格差がモバイル用途では2倍以上(エネルギー密度を考慮すると4倍以上)ありますが、自動車用途ではおよそ1.6倍程度です。また、鉛蓄電池は、ニッケル水素二次電池の1/3程度というイメージになります。驚くのは鉛蓄電池の安さで、これは電解質が水であることが寄与している、と思っています。
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「山田さんが、犬に咬まれた。」という情報では、曖昧さがあるために様々な問題の可能性と、その問題解決のためのアクションを書き出すことができます。無意識でこのような曖昧な情報のまま曖昧な問題設定をして問題解決をしている場合があります。すなわち、問題を曖昧にとらえ、課題なのか問題なのかわからない状態でアクションを決めてゆく、そんな光景を見たことがあります。しかしこのような問題解決では、正しい問題を解くことも正しい答を得ることもできません。
うまく問題設定できない時に、探偵ホームズはベーカー街へ戻り、再度問題を考えています。情報を集めてから分析を行いターゲットとの関係を推理する探偵ホームズの問題解決法よりも刑事コロンボのターゲットを常に情報の中に置き問題設定し、ターゲットから逆向きに推論を進めるスタイルのほうが難事件を解決できる、と第一章で考察しました。探偵ホームズも刑事コロンボも問題設定する時には、犯人(答)を情報の中に置きます。情報を分析してから犯人を推定するのが探偵ホームズの方法で、刑事コロンボは、犯人(答)をそのままの情報の中へあてはめて問題設定しています。まず刑事コロンボのスタイルで問題設定します。
刑事コロンボのスタイルでは情報の分析を探偵ホームズのようにしません。情報と犯人との関係を考えています。そこで「山田さんが、犬に咬まれた。」という情報では、問題を解決しようとする人と情報との関係、すなわち山田さんとの関係をまず明確にしなければなりません。この関係が決まっていない段階では、答を決めることができませんので問題設定もできません。もし情報が少なくて関係が決められないならば、仮の関係を決めることになります。仮の関係は、この情報の重要度と緊急度から決めればよいと思います。
知人に山田さんがいたとした場合に、親しい知人であれば親友として決め、親しくない知人であれば他人の関係としても差し支えないと思います。山田さんとの関係が決まりますと、答を決めることができます。この時の答とは、この情報について本来の「あるべき姿」ということです。

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