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2025.04/03 AIブームと不易流行(4)

このAIブームの成果と1946年にロシアで生まれたTRIZでは、知の活動である問題解決をコンピューターで行う。そして、これらは日本で1970年代に設立ブームのあった情報工学分野の技術、データサイエンスで扱われる。


ここで着目していただきたいのは、コンピューターを用いて問題解決を行うためには、何らかのアルゴリズムで作られたプログラム、ソフトウェアとデータが必要という制約である。


そして、その制約の中で、人間が問題解決を行う時の推論をどのようにアルゴリズムでコンピューターに実装するのかはAIを設計する時に問題となる。



例えば、TRIZであれば、モデル化された知識のデータベースを比較参照しながら問題解決を進める。モデル化された知識とは、知識のパターン表現であり、このパターンとの比較参照がTRIZにおける推論のアルゴリズムとなる。


また、モデル化ができるためには、形式知もしくは形式知に準ずる経験知に限られる。
1998年に開催されたTRIZ国際会議でUSITが発表されているが、どこか第二次AIブームのさなかに生まれたオブジェクト指向に似ているところが面白い。


問題分析でパターンを生成し、その後推論のプロセスとなっている。残念なのは、この手法で導き出される答えは、その仕組みから明らかなように「科学的に当たり前の答え」であり、科学教育を受けた人であれば、容易にかつ迅速にこの手法を用いなくても同じ答えを出すことができる。ゆえに、あまり注目されなくなったが、研究者は活動している。

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2025.03/17 二軸混練

樹脂のコンパウンディングには二軸混練機が主に使われる。ゆえに樹脂材料を扱っている技術者は、コンパウンドの性能と言えば二軸混練機でコンパウンディングされたペレットをイメージするようだ。


射出成形体に求められる性能が低い場合には、ペレットに対する性能のレベルは低く、問題は起きにくいが、射出成形体に難燃性や帯電防止、さらに半導体的性質を求められたりすると、ペレットに対する要求性能が高くなる。


しかし、コンパウンディングメーカーから提供されるペレットでは、なかなか成形体の性能を実現できないと感じている技術者は、一度ロール混練でコンパウンディングした樹脂で成形体を試作していただきたい。


もし、ロール混練して製造されたコンパウンドで成形体の性能を実現できたなら、コンパウンドメーカーにカオス混合をお願いしてみることをお勧めする。


20年近く前に、半導体無端ベルトの押出成形を担当したが、ペレットの性能が低く、押出成形における歩留まりが10%前後だった。そこでニーダーやロール混練して押出成形を行ったところいっきに100%まで歩留まりが上がった。


コンパウンドメーカーにカオス混合をお願いしたところ、素人は黙っとれ、と言われたので、自力でカオス混合プラントを建設し、ペレットの生産を行い、押出成形の歩留まりを100%に引き上げるコンパウンドの生産を開始している。


20年近く経ち、二軸混練機によるカオス混合も常識になってきたので、とにかくペレットの高性能化を希望される成形体メーカーはコンパウンダーにカオス混合を依頼すると良い。もし、素人は黙っとれ、というようなコンパウンダーが現れたなら弊社へご相談ください。

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2025.02/26 材料設計

材料には、金属やセラミックス、高分子があり、それぞれ材料設計された原料を用い、賦形して機能材料として活用されている。


この時、金属やセラミックスと高分子ではそれぞれの流儀で材料設計が行われている。高分子でも、ゴムと樹脂では少し考え方が異なるだけでなく、水性塗料のようなラテックス材料では設備も大きく異なる。


金属から高分子材料まで扱い、それぞれで成果を出した経験から、材料設計という観点で高分子材料の難易度は際立っている、と思っている。


日常ゴムや樹脂を扱っているとそのように感じないかもしれないが、結晶構造で機能性が支配されている金属やセラミックスでは、「設計」という言葉がうまくあてはまるが、高分子材料で設計を行ってみるとわかるが、少し神様にお願いをしたい気持ちになる。


材料設計しても設計通りの物性が発現するかどうか、少し神頼みのところが残る。それならばいっそのこと運を天に任せてデータ駆動によりPETの新ポリマーアロイを15年ほど前に開発し実用化しているが、3か月ほどで予期せぬ高性能のポリマーアロイができたのでびっくりしている。


当時開発した部品を窓辺に置き、紫外線による劣化を観察しているが、なかなか劣化しない。5種類ほどの廃材を20%ほどPETにカオス混合で混ぜただけである。老化防止剤などコストアップになるので添加していないが、窓辺の暴露試験に耐えている。不思議だ。

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2024.09/28 分散技術の重要性

材料開発において分散技術は重要であるにもかかわらず、意外と杜撰に扱われている。何でもかき混ぜれば均一に分散すると勘違いしている人が多い。


例えば、水と油を分散すればすぐに気づくと思うが、分散後放置すると分離する。この分離速度は水と油の親和性だけでなく比重差も影響する。


ドレッシングで分離している商品を日常扱っていても分散技術の重要性に気がつかないのは、みかけ簡単な技術だからである。例えば攪拌ができればよいのである。水と油であれば振とうができればよい。


しかし、成形体物性を分散技術で制御するとなると簡単な技術ではできない。詳細は述べないが、セラミックスであればボールミル分散やタンブラー、V型撹拌機で乾式で行うのか湿式で行うかにより、得られる成形体物性のばらつきが大きく変わる。

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2024.09/12 分別が難しい混合物をどうするか

昨日T2Tが検討されている話を書いたが、食品トレイでなくても他の樹脂のリサイクルでも問題となるのが、分別が難しい樹脂の混合物の扱いである。


サーマルリサイクルというアイデアもあるが二酸化炭素の問題があり、2022年4月に施行された法律では、Renewableが推奨されている。


分別が難しい混合物をそのまま混練して樹脂として扱う方法もあるが、高分子をご存知の方であれば、このような方法では力学物性を期待できない樹脂となる。


但し、これは通常の二軸混練機を使用した場合である。カオス混合を行うと、力学物性が改善されることは10年以上前に確認している。


すなわちどのような樹脂の混合物でも二軸混練機によるコンパウンドよりもカオス混合によるコンパウンドの方が物性が向上していた。ただし、それでもバージン材よりは悪い。


実は、このような混合物についてバージン材よりも良い樹脂を製造する方法がある。詳細は問い合わせていただきたいが、少し弊社と共同で実験を行う必要がある。理由はご契約後説明する。

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2024.08/28 9月Webセミナーのお知らせ

9月に下記WEBセミナーを開催します。開催時間は10時から16時で12時から13時はお昼休みとなります。なおテキストは電子ブック形式で配布いたします。


費用:

テキスト代込参加費用:3万円(税込)



①.高分子の劣化と寿命予測


開催日:
9月4日水曜日(申込締切9月2日)
9月13日金曜日(申込締切9月11日)



概要と目次(クリックで開く)

樹脂・高分子材料が化学変化で劣化すると仮定して、その寿命予測はT-t線図によるアレニウスプロット法で行われるのが一般的である。



また、物理変化を仮定した場合には、過剰変形や高温加熱などの促進試験を行う。市場での劣化は、化学変化や物理変化が同時に進行すると仮定して、この両者の結果から製品寿命を予測する。 


しかし、市場での複合変化を実験室で独立した事象として実験している矛盾に気がついておらず、アレニウスプロット法は信頼性に欠ける手法といわざるを得ない。



そこで、化学変化も物理変化も可能な独自の寿命予測法をノウハウとして品質評価試験に採用している企業もあるが、それでも品質問題に悩まされるのが実情である。  本セミナーでは、実際に講師が体験した高級フィルムカメラの裏蓋の破壊事例をはじめ、複数の事例を基に、樹脂・高分子材料の劣化や破壊について基礎から説明するとともに、ワイブル統計の活用法についても説明する。



また、数年前から大学でデータサイエンスの講座設置がブームとなっている状況を鑑み、マテリアルズインフォマティクスの概説も行う。


<対象>

(1) 高分子材料開発を担当する技術者

(2) 高分子材料の品質管理を担当する部門の担当者及び管理者

(3) 製品設計を担当する技術者

(注)高分子物性も含む高分子材料の基礎事項も説明しますので高分子の専門知識が無くても役立ちます。


<目次>

1.固体の破壊力学

 1.1 破壊とは

 1.2 材料力学と破壊力学

 1.3 Griffithの理論

 1.4 線形破壊力学の要点

 1.5 フラクトグラフィー

 1.6 ワイブル統計

 1.7 事例:セラミックスの破壊解析



2.高分子の破壊

 2.1 高分子概論

 2.2 高分子の破壊機構

  a.エラストマーの破壊力学

  b.クレイジング

  c.事例:ポリ乳酸

 2.3 高分子の劣化機構

  a.化学劣化

  b.物理劣化

 2.4 ケミカルアタック


3.高分子の寿命予測

 3.1 寿命予測概論

  3.1.1.アーレニウス式による寿命予測

  3.1.2.多変量解析による簡便法

  3.1.3.ラーソン・ミラー型による寿命予測

  3.1.4.寿命推定試験

 3.2 事例:免振ゴムの品質保証

 3.3 事例:寿命予測の失敗例(高級カメラの事例)

 3.4 事例:ゴムローラの初期故障


  
4.マテリアルズインフォマティクス

 4.1 データマイニングについて

 4.2 事例:組立メーカーのクレーム解析
  (コンパウンドメーカーの立場で解析)

 4.3 タグチメソッド


5.まとめ



②.高分子の難燃化技術の体系と最近の動向


開催日:
9月6日金曜日(申込締切9月4日)
9月18日金曜日(申込締切9月16日)


概要と目次(クリックで開く)

火災は、急激に進行する酸化反応である。非平衡下の科学が未だ研究段階であり、高分子材料の難燃化技術を科学の形式知だけで開発できない。形式知で解決できない問題は、経験知や暗黙知まで動員して解決することになる。すなわち、科学で解決できない高分子材料の難燃化技術では、高分子材料の用途に適合した難燃化規格を定めることにより、問題解決できるようにしている。

しかし、高分子材料の用途は様々であり、ひとたび火災が発生すれば用途ごとに燃焼のリスクだけでなく燃焼時の現象も様々となる。このことから難燃性の規格は、用途ごとに決める必要性があり、その結果測定法も様々となり、不定期に改定される規格も出てくる実情を納得できる。

高分子材料の成形体を購入する立場であれば、納入業者に規格に合格しているかどうか確認すればよい。ところが、多種多様の業界に製品を納入している成形体メーカーは大変である。それぞれの業界ごとに製品が規格に合格するのかどうか確認しなければいけない。ここで手を抜く担当者は、材料メーカーにそれを求める。その結果、高分子材料の業界では、コンパウンドメーカーが難燃化技術の開発をしなければいけなくなる。

コンパウンドを難燃化するときに、最もよい難燃化手法を探すことになるが、「最もよい方法」を客観的に評価するには、それが科学的に証明されなくてはいけない。

かつて元名古屋大学武田教授がこの問題にチャレンジされ、ハロゲン系化合物と三酸化アンチモンの併用が最も経済的で様々な高分子材料の難燃化に有効である、と「科学的に」結論を出されている。この結論が、形式知になりうるかどうかコメントを控えるが、技術の視点では、一つの結論と評価できる。ただ、唯一の形式知という評価としないのは、高分子材料の種類やその用途により、経済的な難燃化手法が異なる現実があるためである。

難燃性高分子を目指し、耐熱性高分子が1970年代によく研究され総説も発表された。耐熱性無機高分子であるポリホスファゼンはプロセスに依存しない難燃性高分子だが、フェノール樹脂のように合成条件で難燃性が大きく変化する耐熱性高分子もある。すなわち、耐熱性=難燃性と科学的に結論できない。

この耐熱性高分子の研究過程で熱分析手法が発達したが、科学的に怪しい論文も存在する。しかし、TGAで得られるデータが高分子の熱分解における反応速度の情報を示してくれるので、難燃性高分子材料を開発するときに技術として利用できる。すなわち、TGAをどのように活用するのかは、難燃性高分子材料の開発において一つのスキルである。

本セミナーでは、フェノール樹脂を事例に高分子の耐熱性と難燃性について概説する。また、熱分析手法を用いた開発事例を説明し、新たな難燃化技術を開発するヒントを示す。さらに、2022年に施行された法律により再生材の活用が本格化している実情を踏まえ、再生材の難燃化技術の事例も解説する。

高分子の難燃化技術は、トランスサイエンス(注)でありその問題解決にデータサイエンスは有効な手法の一つであり、Pythonによるディープラーニングによる回帰の結果についても言及する。

(注)科学で問うことができるが、科学で答えることのできない問題。

<習得できるスキル>

高分子の難燃化手法

高分子の難燃化技術と環境問題

データサイエンスの活用方法

<対象>

高分子材料開発に関わる技術者及び品質管理担当者

製品組み立てメーカーの技術者

日本の再生材事業者

<内容>

1.火災と高分子

 1.1.高分子の難燃化技術研究の歴史

 1.2.事例:フェノール樹脂の難燃性

 1.3.高分子の耐熱性と難燃性

2.難燃性の評価試験法

 2.1.高分子材料の用途と評価試験法

 2.2.極限酸素指数法

 2.3.UL94評価試験法

 2.4.その他の評価試験法

3.高分子の難燃化手法

 3.1.高分子の難燃化メカニズム

 3.2.ドリップ型難燃化手法

  3.2.1.再生PET樹脂射出成形体

 3.3.炭化促進型難燃化手法

  3.3.1.ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体

  3.3.2.ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体

 3.4.難燃化手法とプロセシング

4.難燃化技術とデータサイエンス

 4.1.データサイエンス概説

 4.2.タグチメソッド概説

 4.3.難燃性コンパウンドの工程問題解決事例

5.難燃化技術と環境問題

 5.1.環境問題の変遷概論(3Rから4Rへ)

 5.2.各種法規制と難燃化技術

 5.3.難燃性半導体ベルトのLCA

6.難燃化技術の特許出願動向

7.まとめ



③.生成系AI(ChatGPTなど)を業務に活かすコツと、初めてのPythonプログラミング


開催日:
9月11日水曜日(申込締切9月9日)


概要と目次(クリックで開く)

ChatGPTの登場で生成系AIに注目が集まっている。知識労働者の実務がAIに奪われそうな勢いを伝えるニュースの中で、事務文書だけでなく結婚披露宴の祝辞までAIに作らせた話題を語られても、何故か笑えない若いサラリーマンは多いのではないか。

イノベーションのスピードが加速している。100年後は不明だが、AIが人間の作製したデータとアルゴリズムで動作している限り、現在のAIに難しい業務が存在する。それは、「何も課題の設定されていない状態で始めるデータの処理」である。この意味の詳細はセミナーで説明するが、日々の実務では、そこで見出された問題から課題を設定して仕事を始めていることに着目していただきたい。「正しい問題を見出す作業」と「課題設定作業」は、現在のAIでは難しい。ドラッカーでさえ、「正しい問題を見出す作業は難しく、それができれば、問題解決の80%はできたことになる。」と述べている。

すなわち、「課題設定作業」や、科学で求められる「仮説設定作業」は、人間がしなければいけない仕事として残り、仕事の成果は、AI登場以前同様これらの作業の品質に左右される。

本セミナーでは、社会基盤にAIの実装が始まった実務のあり方を想像し、問題を解決するためにデータ処理で常識となりつつあるPythonプログラミングを事例に、AI活用方法を解説するとともに、課題設定の方法やその基になるアイデア創出法を講義する。

情報が溢れるインターネットの時代に、ビッグデータを処理するデータサイエンスも身近になっただけでなく、自由自在にデータ処理を可能とする無料のPythonプログラミング環境も充実してきた。そこに生成系AIが登場し、これら新技術により知の獲得について変革が起き始めた。先端のITスキルを身につけることで実務経験の浅い若い人が活躍できる社会になった、と前向きにとらえ、入社3年目レベルまでの若い社会人を対象に内容を構成している。実務経験が豊富な人が受講されれば、今後の実務のイノベーションの方向を知るセミナーとなる。


対象:入社3年目までの若手技術者、生成系AIの実務導入を検討されている管理職


<セミナー内容>

1.緒言

 1.1.AIブームの歴史

 1.2.生成系AIの歴史

 1.3.生成系AIの動作

 1.4.データサイエンス経験談


2.AIブームと社会の変化

 2.1.コンピューターの登場と知識労働者

 2.2.科学と非科学の歴史

 2.3.科学と技術

 2.4.データサイエンスと科学

 2.5.コンピューターによる問題解決とは。

 2.6.第三次AIブームから社会実装へ


3.オブジェクト指向と問題解決法

 3.1.日々の業務は問題解決である。

 3.2.コンピューター言語とオブジェクト指向

 3.3.オブジェクト指向とPython

 3.4.オブジェクト指向とアイデア創

 3.5.アイデア創出法とデータ収集

 3.6.データと数理モデル、グラフ

 3.7.データとヒューリスティック


4.Python入門

 4.1.Pythonの概略とAI活用の仕方

 4.2.Pythonの文法

 4.3.簡単なプログラム事例

 4.4.Pythonプログラミングのヒント


5.まとめ:情報の時代



受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。

送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。


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    2024.08/15 コンピューターで問題を解く(2)

    生成系AIの登場で、あらゆる問題をコンピューターで解けるようになったのだが、ハルシネーションの問題がある。恐らくこの問題は数年で解決されるだろう。


    しかし、コンピューターを上手に使う方法は、もう明らかである。人間よりも圧倒的なその能力が分かってきたからである。


    但し、その能力に甘えて人間がやるべき作業まで任せてしまうと人間はコンピューターの支配下に置かれることになる。人類の未来は、やはり人間が自ら切り開かなければいけない。


    そのためにはコンピューターをせいぜい友達程度に扱うべきで、人間の未来をコンピューターにゆだねるような使用法は避けるべきである。


    数理モデルを使って問題を解くケースは、コンピューターを使うべき分野かもしれない。数式のモデルを立てて、その計算をコンピューターに実行させる方法は、コンピューターが登場した時代から行われてきた、コンピューターの王道の使用法である。


    もう一つは、モデルを数式表現にすることなく、モデルのままコンピューターに実行させる方法がある。これは、プログラムのアルゴリズムのアイデアが重要になってくる。


    例えば、群論による難解な問題でも、順列組み合わせによるモデルをコンピューターの中で作らせて、コンピューターに対称性を判断させる場合でも様々なアルゴリズムを考えることができる。


    SiCのスタッキングで様々な結晶系が生成する可能性は、40年ほど前にBASIC言語で示されたが、アルゴリズムは単なる順列組み合わせで唯一のスタッキングを検討する簡単なアルゴリズムだった。


    難解な群論を持ち出すこともなく、50層まで様々な結晶系が得られることが示されたのだが、数学の専門家でなくても、難解な数学が関わる問題をアルゴリズムの工夫で易しい問題となる典型例である。

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    2024.08/06 粘弾性測定

    この測定方法は、高分子材料をバネとダッシュポットの粘弾性モデルで表す考え方から考案されたと聞いている。1970年前後に測定装置の開発が行われていたようだ。


    1979年にゴム会社へ入社してしばらくは、指導社員O氏の開発されたミニコン制御のスペクトロメーターと呼ばれる粘弾性装置を実験で使っていた。


    1980年代になり、バイブロンが導入された時に、先端の測定装置がようやくゴム会社に入った、と喜んでいた人がいた。また、その担当者は、壊れるといけないのでレオロジーを知らない人間には使わせない、と言っていた。


    このような状況から、現在のような粘弾性装置は1970年頃から企業で使われ始めたのだろう、と推定している。


    ところが、ダッシュポットとバネのモデルでは、1970年代から高分子のクリープを説明できない問題が指摘され1980年代に破綻した。ゴム会社では、1970年末にこの考え方は、研究所で排除されたそうだ。


    当方は1979年にゴム会社へ入社し、10月に研究所へ配属されたが、O氏は、京都大学出身の優秀なレオロジストで、小生が初めての部下だった。


    その方から、高分子のレオロジー研究において、粘弾性モデルでクリープを科学的に扱えないという理由により不適切であること、その結果、粘弾性試験装置の測定結果について考え方も変わるかもしれないと教えられた。


    また、ゴム会社の研究所ではダッシュポットとバネのモデルは過去のモデルであり、ゴムの粘弾性について新しいモデルを研究しなければいけない、と指導された。

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    2024.07/12 有機合成と計算機(2)

    ドラッカーを情報工学の父と呼んでいるのは当方ぐらいだろう。彼の著書を情報工学の視点で読み直すと、公開された情報をどのように処理したらよいかの説明書になっていることに気がつく。


    だから、情報工学の父としたのである。さて、高校から大学へ進学する頃は第一次AIブームだったが、日本ではそれほどの騒ぎになっていない。ただ、有機合成分野ではコーリーの提唱した、「逆合成」という考え方が、話題になっていた。


    すなわち、何か複雑な構造の有機化合物の合成ルートを考えるときに、シントンという構造を構成する基本単位に注目し、そのシントンに化合物を分解していって合成ルートを探るのである。


    これは、複雑な構造の有機化合物をゴールとして捉え、逆向きに推論を進めて、合成に用いるスタート物質を探る方法である。スタート物質は、1つ以上できるが、その基本化合物をシントンと呼んだ。


    これは、第二次AIブームで創薬のプログラム開発がなされ、実用化された。すなわち、第一次AIブームでは、AIの推論が議論され、それが第二次AIブームで実を結んだ格好となっているが、すべてがうまく行ったわけではない。


    第二次AIブームではエキスパートシステムがいくつか作られたが、結局それらは、特定の問題を解くには使えたが、汎用の問題を考えることができず。第二次AIブームは短命に終結する。


    この第二次AIブームでは、第五世代コンピュータープロジェクトが国研として推進されたが、失敗したと言われている。同じ時代にセラミックスフィーバーが起きているが、これは50年以上前のムーンライト計画の結実したものである。


    日本発のセラミックスフィーバーは、クリントン大統領をびっくりさせて、ナノテクノロジーの国家プロジェクトがアメリカでスタートしている。アメリカでは、第二次AIブーム後ナノテクノロジーとともにCPUの研究だけでなくソフトウェアー科学が発展している。


    オブジェクト指向のような考え方はアメリカ発である。日本でもハドソンのような面白いソフトウェアー企業が誕生しているが、産業や生活にイノベーションを起こすほどにはなっていない。


    不思議に思うのは、有機合成分野におけるコンピューターの導入について、有機合成の専門家の間で知識の差がある点だ。逆合成の知識を持っていない有機合成の専門家すら存在する。


    これは、日本においてデータサイエンスあるいはコンピューターサイエンスという分野がどのような認識をされているのかが現れた結果ではなかろうか。


    現代では、技術に関わる研究者は、データサイエンスが常識の時代になった。弊社ではデータサイエンスを学びたい人を応援しています。お問い合わせください。

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    2024.06/30 生成系AIを使い倒す

    生成系AIあるいは最近は系が取れて生成AIと呼ばれたりしているAIは、過去2回のブームで登場したAIとどこが異なるのか。ここを理解できると、様々な問題解決に有用なツールであることを理解できる。


    今ChatGPTはじめ幾つかのAIの社会実装が始まったばかりであるが、まだばりばり使えていないのではないか。ハルシネーションはじめ幾つかの問題が騒がれ始めた。


    昔から〇〇とはさみは使いよう、と言われているが、まさに生成系AIは使いようが大切なのだ。コンピューターゲームを楽しむのに、ゲームがどのように動いているのか知る必要はない。ゲームのルールと楽しみ方さえ知ればよいのだ。


    生成系AIも同様で、それにうまく回答してもらうためのルールと楽しみ方さえ知れば、ばりばり使えるようになる。稀にハルシネーションに悩まされるが、それについてもいくつか回避方法があるのでルールとして覚えればよいのだ。


    大切なことは、せっかく登場した便利な道具をうまく使い、生活を豊かにすることではないだろうか。代々木や六本木へ遊びに行くぐらいならば、生成系AIと楽しく会話していた方がお金がかからない。


    大学生の知識レベルだそうで、何でもよく知っている。知識の量は大学生を100人集めても負けるだろう。AIと知恵比べしてみると分かるのだが、知識の量は多くても意外と知恵が無い。


    人間が、あれこれ具体的に言ってあげないと、豊富な知識から会話に最適な話題を出してこない。これは初対面の相手と話すときに似ている。


    初対面の相手に、「あのさ、あれが楽しくて、ついあそこで長時間楽しんで」などと話しても話が弾まないように、この生成系AIも全然反応しない。ましてや、岡田監督や妻にはすぐに理解できる、「あれ」でもダメである。


    しかし、具体的かつ丁寧に話をすると、的確に答えてくれる。初対面の人ならば、答えにくいことまでも丁寧に答えてくれる。プロンプトエンジニアリングなどという難しいことなど必要ない。普通に具体的に丁寧に話せばよい。


    人間社会でオレオレ詐欺があるように、生成系AIもハルシネーションをたまに起こし、人間をだます。ただ、何度も騙されてみると、その回避方法が分かってくる。人間より誠実なのは、さらに狡猾な嘘を言わない点だ。人間より生成系AIは誠実なのである。

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