PC/ABSやPC/PET,PC/PS系のポリマーアロイ成型体で発生する品質問題に、表面の薄皮がはげるような割れ方をする現象がある。抜き取り検査で成型体表面にセロテープを貼り付け、それを剥離し、この現象が起きないかチェックすることができる。
現場ではテープ剥離と呼ばれていた品質問題であるが、これはコンパウンド起因の問題であるにもかかわらず、射出成形条件でも改善する場合があるので、射出成形条件の問題と誤解している人がいる。
そして、射出成形条件を見直し生産を再開して、再発すると、また、射出成形条件を見直す、という方法で対策をとっているケースが存在した。
そこで、コンパウンドメーカーにお願いし、現場で指導し、改善できた経験がある。カオス混合を行えば簡単だが、二軸混練機の混練条件を見直すだけでも対策が可能だ。
対策が完了すると、曲げ強度あるいは引張強度が1割ほど上昇することがある。そのような場合では、改善前の強度試験片を見ると、このテープ剥離の原因をうかがわせる兆候を観察することができる。
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軟質ポリウレタン発泡体には、エーテル結合鎖のソフトセグメントのポリエーテル系とそれがエステル結合鎖のポリエステル系とがある。ポリエーテル系の原料が安いので、通常座布団や椅子のクッション材にはポリエーテル系が用いられている。
高分子発泡体では、材料に関わらず当てはまるのが、セルを均一に製造した方が、諸物性が良い方向になる傾向がある。逆にセルが不均一であると引張強度が悪くなるだけでなく、クッション性も悪い。
早い話が、不均一な材料というものは諸物性が悪くなる、という経験則と同じである。しかし、このセルを均一に制御する技術は難しい。これも均一な材料を製造することが難しいのと同様である。
ゆえに軟質ポリウレタン発泡体が他の材料と比較して特殊な材料という感覚は無かった。しかし、これが災いして、軟質ポリウレタン発泡体の開発を担当した2年間いろいろといじめられた。
このような思い出は忘れないものであり、軟質ポリウレタン発泡体についてよい思い出は無い。とにかく、この材料を世界初の技術で難燃化せよ、とミッションが出され短期間に工場試作を成功させて始末書を書かされた。
それも始末書ができるまでの一週間仕事をすべて止められたのだ。出来上がった始末書は、世界初の技術からアイデアを得た燃焼時の熱でガラスを生成する難燃化技術で、このようなコンセプトも世界初だった。
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コンセプトは概念とか訳されたりするが、正しく説明できる一言あるいは熟語に相当する日本語は無い。なぜなら日本民族はわびやさびに代表されるような、概念の中で生きてきた民族だからである。
わびやさびでは、明確なゴールは要求されない。ふわっとしたムードのようなもので十分だからである。しかし、1980年代から研究開発企画でもコンセプトの重要性が叫ばれるようになった。
科学の時代に難しい注文である。なぜなら形式知であればその体系を構築するのがゴールであり、わざわざコンセプトを設定しなくても、あるいは考えなくても、わびやさびのノリで企画でき、それで運営が許されてきた。
数億円単位の国研でさえそのような運営がなされてきて、NEDOは1990年代にはいるとテーマ設定の方法の見直しから始めている。また小泉政権となって省庁の整理もあり、国研でもコンセプトを打ち出すようになってきた。
コンセプトをあえて日本語で説明すれば「全体を貫く中心の考え」となるが、イデオロギーめいてきてこの説明でも正しくないのである。コンセプトという言葉を正しく理解するためには、オブジェクト指向を理解できなくてはいけない。
さて、立憲民主党と公明党が合体して中道が生まれているが、この誕生の背景に、今回の衆院選において立憲民主党がボロ負けする、という世論調査が影響していたという。
そこで戦略として公明党の小選挙区における数万票の票を期待し、中道が結成されたそうだ。目論見通りであれば、立憲民主党の議員は、小選挙区で勝てたはずだが、今回投票率があがり、数万票の浮動票が大都市の各選挙区に生まれたという。
選挙評論をするつもりはないのでこれ以上最近報じられている議論はさけるが、中道のコンセプトがよくわからない問題は、国民よりも党員にとって問題である。
また、コンセプトが不明確のまま簡単に中道へ合流した立憲民主党の党員の思考力は国民からみれば不安である。野田代表をA級戦犯と呼ぶタイトルのニュースがあったが、その代表を選んでいるのは立憲民主党員であることを忘れてはいけない。
野田代表はリーダーなのでその責任はあるが、簡単に中道に合流したメンバーの責任も大きい。原口氏のように合流しない選択が多数出ておれば、国民の中道に対する目も変わったかもしれない。
政治の世界にもチーム未来のようなテクノポピュリズムの萌芽がみられる変化の時代である。昭和の香りのまま、マンネリ化した「非核三原則」というフレーズを繰り返しても若者は振り返らない。
ましてや、選挙対策として生まれた中道にそのまま合流した国会議員など誰も信用しない。ならば、中道を立憲民主党に戻したら国民の支持が得られるかと言えば、立憲民主党の支持者は少なくなったのである。
時代の流れに合わせ、政治家も勉強して変化しなければいけない。政治家にとってイデオロギーなり理念、信念は重要である。しかし、国民はそれにより幸福になる姿を提示されなければ、それを共有できないのである。
すなわち、国民にとって分かり易いコンセプトの形で提示して初めて支持が得られるのだ。そのためにはコンセプトを考えるために日々勉強しなければいけない。
コンセプトは一朝一夕にできるものではない、ということが理解できている人が少ない。アイデアのひらめきのように、突然の思い付きコンセプトがまぐれ当たりするような場合もあるので誤解されているが、コンセプトを生み出すためにはオブジェクト指向による深い考察が重要になってくる。
はからずも今回国民は立憲民主党員の多くが節操もなく中道に流れ込んで行く姿を見てしまった。無意味な意地などはらず、玉木氏に頭を下げておれば、当選できたかもしれない多くの議員がいる。
立憲から他党へ異動し生き延びている人を見習っていただきたい。また、東京都知事はかつて政界渡り鳥と呼ばれていた。政治屋も実は必要なのである。
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専門外の人ならば、ひとくくりに材料ととらえ、その違いを考えようとしないかもしれない。また、有機材料には、低分子材料と高分子材料とがあり、両者は有機材料と無機材料の差異ぐらいの違いがある。
抽象的な説明では仕方が無いので、具体的にターゲットを決めて議論をしたならば、両者の違いが機能発現の機構の違いにあることが浮かび上がる。
ところで市場で求められる機能を材料で実現したいならば、材料の種類だけでなく、成形プロセスの制約を考えなければいけない。すなわち、生産性を左右し、それがコストに効くからである。
成形プロセスまで含めて考察を進めると、両者の特徴から生まれる制約で発展してきたそれぞれ固有のプロセスと、両者の共通した特徴を活用したプロセスが存在することに気がつく。
有機無機複合材料がブームになった1980年代に、セラミックスフィーバーが起き、やがてアメリカ発のナノテクブームの一大潮流ができた。そのとき、材料研究で生じるこのような垣根は、あまり強く意識され無くなった。
だから年配の材料技術者は、有機材料だの無機材料だの分けて考える人は少ない。しかし、最近若い人から有機無機複合材料について基礎的な質問を受け、びっくりした。技術の伝承がうまくいっていないのだろう。
日本セラミックス協会は、昔窯業協会と呼ばれていた。当時と今の研究内容を見ていただくと、有機材料と無機材料の学際研究が生まれていることに気がつく。
新しい学問領域が生まれることも良いが、それにより過去に研究対象となっていた現象が、形式知の完成をまたず、あたかも形式知のごとく誤解するのは研究者として問題である。若い研究者の問題はそれを指導する年寄りの問題でもある。
具体的に「喝!」と言いたいが、言いにくい内容である。言いにくい内容であるが、ディープスマーツの伝承の問題としていても仕方が無いので歯切れの悪い内容であるが書いてみた。
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11日に行われた全国女子駅伝で信じられないハプニングがあったそうだ。その謝罪が昨日ハプニングを起こした選手と大会関係者とで行われた。
まず、ハプニングの内容だが、4区と5区のたすきリレーで、5区の選手が準備をしていなかったので、4区の選手が中継点で26秒間選手を探したという。
謝罪会見で違和感を覚えたのは大会関係者まで一緒に謝罪していたことだ。駅伝のルール上5区の選手一人の責任である。
ところが、この5区の選手は、番号が呼ばれなかった、とか通路が狭くてよく見えなかった、とか言い訳を述べ、大会関係者は、審判の読み上げた番号を聞き逃したかもしれないので、とか選手をかばっていた。
とりあえず選手は謝罪をしているが、大会の審判を疑っており、責任感が無いことは明白である。また、大会関係者は、はっきりと選手の責任を述べ、再発防止のための対策をいうべきだった。
このように書くと厳しいと思われるかもしれないが、1000人以上も走っていないのである。中継点に来る選手一人一人を100人まで数えることは難しいわけではない。
もし、10人も数えることに集中できない能力の欠陥があると思っていたなら、それなりの対策をとり選手は大会に臨むべきだった。
2005年に3カ月でコンパウンド工場を建てた話を今書いているが、3カ月でカオス混合のコンパウンド工場が建つことを疑っている人がいるかもしれない。
正直に申せば5カ月である。8月にコンパウンドメーカーから自分でラインを作って生産しろ、と言われた時に、実は頭の中が真っ白になっている。
すなわち、2006年4月からの量産は歩留まり10%未満を覚悟しなければいけなかったからである。そこで、根津にある混練設備を扱っている会社の社長に相談した。
その社長の御厚意で、埼玉県のある企業の倉庫を借りて、コンパウンド工場建設予定地の枠を床に描き、ライン建設をスタートしている。
子会社の敷地にラインを納入できる環境が整うまでにそこで中古機と一部新品の設備を組み合わせてラインを立ち上げて実験を行っている。
当方は、土日そこへ私費で通い、進捗管理や実験を行いながら、コンパウンド工場を少なくとも量産開始2か月前までには立ち上げられるよう全力で頑張ったのである。
サラリーマンとして異常な仕事のやり方ではあったが、責任感から2010年に早期退職する決意でこの仕事を行っている。言い訳は考えなかった。何か問題があれば責任をとって退職することまで考えていた。
2010年になり早期退職しようとしたら、2011年の新製品に安価な環境対応樹脂が必要とある役員から頼まれ、2011年3月11日を退職日に指定して仕事を引き受けているが、この仕事はアイデアとして実行したかったデータ駆動の実験を実施できたので楽しかった。
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年末謝恩セールとしまして、2時間5000円でWEB技術相談会を企画しました。ご希望あるいはお問い合わせを12月7日まで受け付けております。WEB会議システムは弊社がご用意しますが、ご希望があれば相談者の会議システムでも対応可能です。
12月7日まで申し込まれたから申し込み順で日程調整を行い、実施いたします。お申し込みの際に、御希望の時間および8日以降の日程をご指定の上お申し込みください。第二希望、第三希望まで書いて頂けるとありがたいです。
相談内容は、高分子からセラミックスまで材料に関することならなんでも構いません。あるいはデータ解析やプログラミングに関するご相談でも結構です。なお秘密保持契約をご希望の方はお申し出ください。
消費税を含めると5400円の水より高いですが、含めなければ水より安い5000円の技術相談会です。是非ご活用ください。
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葬儀を行わないで火葬のみを行う葬儀の形態を直葬というのだそうだ。ある僧侶の嘆きが記事になっていた。たしかに直葬が一般的になったら、僧侶の仕事の大半が無くなる。
父親の葬儀の時、警察関係者と親戚だけでご近所は一人だけだった。近所付き合いが20年無かったのと父親の年代の生存者が誰もいなくなったことが原因で簡素な葬式となった。
しかし、通夜からフル装備の葬式を行って満足している。おそらく葬式は遺されたものの満足感で決まるのだろう。死んでしまってから、誰が葬儀に来たのかなどということは考えることができないし、生きているときに想像も難しい。
仮に派手な葬式を遺言として残しても、誰も参列しなければ、恥をかくような想像をできる。コロナ禍3年目あたりから葬儀の連絡が入るようになり、参列するようにしているが、当方の知人が誰もいない葬儀や、閑古鳥が鳴いているような葬儀が多くなった。
コロナ禍が世の中の慣習まで影響を与えた、と思っていたら、わざわざ直葬を事業としている会社も現れたという。高くても数十万円しかかからず、ビジネスとして伸びているという。
ただ、不思議に思うのは、直葬の場合に遺された人たちの気持ちの整理をどのようにするのだろうか、という問題である。「偲ぶ会」というものを葬儀の後いつのころからか、行われるようになった。
若い時に葬儀にも出て、偲ぶ会にも出て学んだのは、故人との関係が薄い時には葬儀が便利であるということだ。偲ぶ会で笑いながら酒を飲んでいる風景を見るのは、どこか心の整理ができない時もある。
また、年末に喪中の連絡を受けたときに葬儀の連絡が無かったことに複雑な気持ちになったりする。特にお世話になった方の喪中のはがきにはいつまでも尾を引くケースがある。
直葬に対する僧侶の嘆きは経済的な香りがするが、直葬が一般化すると困る人も出てくるかもしれない。しかし、僧侶の嘆きの記事にはそのあたりが書かれていないので、これも時代の流れなのだろう。
僧侶は葬儀の形式を心配するのではなく、生きている人の精神状態あるいは心の在り方を考えるのが本来の仕事なのではないか。それが、葬儀のような式にだけ目を向けているので世の中の流れにおいてかれるのだ。
ハラスメントやワークライフバランスへの疑問が出て来た今、僧侶の仕事は多くなっているはずである。これが理解できない僧侶は僧侶としての資格が無いのではないか。
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MI(マテリアルズインフォマティクス)は、定着したか。日本で流行して10年、MIで新技術が生まれた、というPRは聞くが、ここだけの話も聞こえてくる。
タグチメソッドが日本に上陸してから35年になる。この手法は自動車業界はじめ技術で製品開発を行わねばならない分野で定着している。
新卒者向けのセミナーの依頼を受けたりするので定着していると思われる。弊社ではタグチメソッド解析用Pythonプログラムコードを吐き出すAI及びデータ管理プログラムを配布しており好評である。
しかし、MIについて相談を受けた経験が無い。弊社ではMIをDXの一つとして指導しており、タグチメソッドもMIの一種として指導している。
そもそもMIはデータオブジェクトを基に知を取り出す作業なのだ。データオブジェクトがどのようなものかMIを行わなくてもその姿を描く手法を指導している。これ以上弊社の指導内容を書かないが、高分子同友会の勉強会で一部その実績を公開している。
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哲学書によれば、人間の知には、形式知と経験知、暗黙知があるという。科学の時代であれば、形式知は科学の成果からなる体系となる。経験知は、その知を明文化できるが、非科学の知である。暗黙知は明文化できない知である。すなわち、暗黙知以外の知識は、文字のような記号で表現できて可読性が生まれ、その共有、蓄積、管理ができるだけでなく、
表現された知識には特定のパターンが備わることになる。また、知識を活用して問題を解くために推論を行うが、そこには論理学から定まるルールが存在し、推論を展開する時には知識に依存する判断ルールを用いる。
ちなみに、コンピューターで知識を扱う時には、この知識表現、例えば知識のパターンと推論を展開する時に必要となる判断ルールをどのようにコンピュータへ実装するのかが課題となる。
人類は、産業革命以前より、その知を用いて科学が無くても時間はかかったが技術開発を進めることができた。産業革命が始まった直後、論理学が完成し科学が生まれている。
科学により形式知が大量に生み出され、それが継承され新たな形式知を生み出し、その活動を繰り返しながら産業革命は加速し、3度のAIブームが起きている。3度目の20年近く続くAIブームを産業革命の総仕上げと呼ぶのは至言である。
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昨日の続きである。PPSは脆い材料なので動的部品に使用するためには高靭性化を目指した配合設計をしなければいけない。一つの方法として6PAをブレンドする技術があった。
PPS/6PAは、χが正のポリマーブレンドなので海島構造となる。このポリマーブレンドコンパウンドにカーボンを分散させると高靭性で半導体の性質を有する材料になる。
これを押出成形すると、カラーレーザープリンターに用いられる中間転写ベルトを製造することができる。ここまでは誰でも考えが進むが、絶縁体高分子に導電性粒子を分散するとパーコレーション転移が生じる。
このパーコレーションという現象を正しく理解していないと問題が発生した時にそれを解決できない。6PAのアミド基にカーボン表面のカルボン酸を反応させて、とかその親和性を利用して、とか仮説設定して実験を行っても、発生するであろうばらつきの問題を解決できない。
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