活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2023.08/12 スクリプト言語Python

9月にサービスセミナーを予定しているが、Pythonを御存じない方のために重回帰分析により、回帰式を求めるプログラムを下記に示す。


import pandas as pd
import numpy as np
from sklearn import linear_model

input_df = pd.read_excel('input.xlsx',header=0)
X = input_df[['P','C1','B']]
y = input_df['L.O.I.']

reg = linear_model.LinearRegression()
reg.fit(X,y)

print('偏回帰係数:',reg.coef_)
print('切片:',reg.intercept_)


たったこれだけである。


これは、当方の50年近く前に高分子学会「崩壊と安定化研究会」で講演した燃焼時にガラスを生成してポリウレタンを難燃化するシステムの解析を行うためのプログラムである。


50個近くのエクセルに書かれたLOIデータを読み込み、難燃性因子PとCl、Bを説明変数とする重回帰式をこのプログラムは吐き出してくれる。


弊社のサイトに書かれている重回帰分析のプログラムコードよりも圧倒的に少ない。それは重回帰式を求めるPythonのライブラリーが無料提供されているからで、

reg = linear_model.LinearRegression()
reg.fit(X,y)

この2行で重回帰式の計算を行っている。


PythonがC#その他の言語よりもブームとなっているのは、ライブラリー類がすべて無償提供されているからである。ゆえに既製品のライブラリーでできることなら、この例のようにただ、ライブラリーからメソッドを切り貼りするだけである。


セミナーではこのプログラムにいろいろとおまけをつけて、プログラムを動かせば重回帰分析ででき、一通りの解析結果をグラフ化して示すところまで分かり易く解説するので、機械学習の入門セミナーとして最適である。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.08/11 9月度休日セミナー募集

9月30日(時間:10:00-16:00、12:00-12:50昼休み)に参加費1万円で多変量解析のセミナーを予定しています。お盆休み重回帰分析セミナーにご参加いただいた方は、5000円とします。


プログラムも午前中は重回帰分析、午後を主成分分析の解説にします。Pythonの使用を前提にして、参加者には重回帰分析と主成分分析のサンプルプログラム(Pythonで記述)を事前に配布します。


この事前配布したプログラムと機能アップ、使い方を中心としたセミナーであり、無料開放されているPython入門セミナーとは大きく内容と密度が異なります。


ただしPythonを必要としない方でも弊社のサイトのプログラムを活用して解析できます。なお、セミナーでは、Python初心者あるいは、これからPythonのプログラミングを始めたい方にも参考となるような進行を考えています(注)。


すなわち多変量解析の解説とともにPythonプログラミングのツボを解説いたします。本セミナーでは、多変量解析を足掛かりにし、マテリアルズインフォマティクスはじめデータサイエンスを業務に取り込み、個人のパフォーマンスを上げることを目指しリスキリングを可能にします。


ゆえにセミナー料金もサービス価格としており、さらに詳細な解説付きプログラムを無料で配布するという出血サービスです。


(注)Pythonの環境構築ができていない方には、その方法のマニュアルを受講テキストに添付しますので事前に環境構築し、配布されたプログラムを試すことができます。


お申込みはこちら

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.07/24 カメラ

ペンタックスがフィルムカメラを開発しているという。昨年末よりユーザーとの共創プロジェクトが動いている。今時フィルムカメラにどれだけのニーズがあるのかわからないが、面白い試みである。


携帯のカメラ機能が進化したので、コンパクトデジタルカメラの市場が一気に無くなった。デジタルカメラは著しく高画質の方向へ開発が進められ、ニコンZ7で撮影した写真は、すでに銀塩フィルムの映像をはるかに超えた美しい絵を出力してくれる。


A3まで引き延ばしてもその美しさは変わらず、思わずため息が出たのだが、最近写真撮影するときに使うカメラは、ペンタックスK3である。


結局10年前に購入したカメラに戻ってしまった。ニコンZ7は防湿庫に眠っているのだが、ペンタックスカメラには不思議な魅力がある。


10年以上前にペンタックスで撮影した写真で国際ボディペイント写真コンテストで優勝した。ミラーレスブームとなりペンタックスからニコンカメラに変えたのだが、きれいな写真が失敗無く撮れるにもかかわらず、今一つ不満だった。


そしていつのまにか、ペンタックスK3に戻っていた。写真の魅力が高解像度できれいに撮れてそれでおしまいではないことに気がついたからである。


そもそもカメラで写真撮影をするときにイメージしている画像は、ただのきれいな映像ではない。レンズを通して見える世界からの創像である。少なくとも当方が写真撮影する目的は、自分でイメージした絵を得たいからである。


もしかしたらペンタックスの技術陣も同じことを考えたのかもしれない。最近モノクロ専用デジカメを新製品として出してきた。サンプル写真を見ると、単にカラー画像をモノクロに変換しても得られないであろう絵である。ペンタックスカメラは感性領域で新製品開発を進めているのか?


各社がミラーレスに移行したのにペンタックスは従来のTTLミラー方式である。ミラーレスとの違いは、オブジェクトからの光を直接自分の眼で感じているかどうかである。


ミラーレスを使ってみるとこの差異を強く感じる。確かにミラーレスでは仕上がりを確認できた画像を失敗無く撮れる便利さがある。しかし、出来上がった写真を見たときに失敗の無い味気無さが残る。一眼レフカメラに戻った原因は、恐らく失敗するかもしれないという快感を味わいたいのかもしれない。


ペンタックスとニコンのカメラでは、得られた写真に明らかな違いを銀塩写真のころから感じていた。ニコンカメラでは失敗なくきれいな写真が撮れる。それが分かっていても一発勝負の写真コンテストでは、いつもペンタックスを使ってきた。


ニコンカメラではきれいな写真が撮れるが、ペンタックスでは歩留まりが悪くても自分の思い描いた写真を撮れるからだが、この違いがどこから来るのかよくわからない。


ニコンカメラに搭載された技術はペンタックスカメラよりもスペック上は高い。しかしペンタックスカメラにはスペックに現れない魅力がある。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.07/20 高分子と火災と評価技術(7)

LOIについて規格に準拠した方法でうまく測定できない場合に自分で工夫して条件を決めて測定するとよい。但し、求められたLOIについて規格外の方法で測定したことを記録しておくことが大切である。


燃焼試験では常に規格の扱いをどのように行ったのか記録しておかなければ、後日他の人がデータを見たときに悩むことになる。規格通りの測定においても燃焼挙動に変化が見られたらそれも記録しておくと経験知として利用できる。


また、各燃焼試験間で普遍的な相関を見出せないことはよく知られているが、LOIが21以上の性能にならないと合格しない規格として、UL94-V0試験がある。


ゆえにUL94-V0試験に合格しているならLOIは21以上という推定は正しいが、LOIが21以上ならばUL94-V0に合格する、という逆の命題は真ではない。ゆえにLOIとUL94-V0とは相関が無い。


このように各燃焼試験規格の間に相関が無い場合が多いが、これを知っておかないととんでもない技術を開発することになる。


例えば昔難燃二級という建築規格の燃焼試験があった。これは暗黙の合意として空気中で自己消火性を示す材料が求められた。すなわち、台所用天井材の規格とした場合に着火しても火が消えてくれる性能が求められた。


台所用の材料なのでLOIは21以上欲しい。しかし、燃焼試験中に試料が大変形し試験用の火源から離れた場合についてこの規格では判定方法が決まっていなかった。すなわちそのような場合に合格するかどうかは、燃焼試験後のサンプルの状態を目視観察する決まりになっていた。


この決まりでは、変形しても穴が貫通していなければ合格という判定が可能だった。ゆえに加熱されると餅のように膨らむ変形では、膨張してはじけなければ合格となった。


その結果、LOIが18-19程度の材料の天井材でも合格となる場合があって、そのような天井材が市場に出回り、火災が頻発する事態になった事件が1980年代初めに起きている。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.07/12 高分子と火災と評価技術(2)

火災は高分子にとって急激に進行する酸化反応だ。非平衡反応の科学の形式知について完成していないので、一般の火災をモデル化して実験室で科学的に研究を進め、科学的に満足できる解答を出すことができない。


また、多くの火災は出火原因を特定することも経験知に頼っており、現象をモデル化することすら難しい。それで建築研究所は時々実際に家一軒丸ごと燃やしてデータを取得し、それを基に研究を進めている。


大変お金のかかる研究だが、出火して燃え広がるまで消火もせずに黙々とビデオカメラに収めることなど一般の火災でできないからだ。半世紀前に比較すると火災に関する建築規格も大きく改訂されている。


それでもまだ見直しが続けられているのは、火災が無くならないからだ。すなわち火災に関する建築基準について完成することはないのではないかと思っている。


火災に関する研究が進んだので、最近建てられている家は震災があっても燃えにくくなっている。ヘーベルハウスのように30年以上前から独自基準で燃えにくい家を目指している企業もあるが、少しでも他社より燃えにくいことを示すことがセールスポイントになるからである。


科学的には燃えにくい序列を表現しにくいが、建築基準があるのでそれ以上の燃えにくさを実現していることをアピールしやすい。建築途中を見ていたが、台所周りの火災に対する配慮には感心した。


かつて台所用天井材の開発を行った経験があるが、某ハウスメーカーの意向によりコストダウンを優先し、当方のアイデアが却下された経験がある。火災の危険性を考慮したならばコストよりも火災対策の優位性をPRした方がハウスメーカーにとってメリットがあるように思い提案したのだが残念である。


その時代の規格が、科学的に普遍なレベルであれば、このハウスメーカーの考え方でも許されるかもしれないが、火災に関する規格は厳しくなることはあっても見直しで緩くなることはない。少しでも燃えにくい家を目指すことはハウスメーカーの良心である。ヘーベルハウスは少し高価だが。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.07/06 高分子の耐久性

ゴムや樹脂の耐久性について、誤った認識や研究は多い。例えば高分子の稀薄溶液中で酸化速度を調べた研究結果をもとに高分子の酸化速度は早いので、屋外暴露試験による物性劣化は酸化劣化のためである、と考察してしまうケースだ。


樹脂の屋外暴露試験を行ったときに樹脂には酸化劣化以外に結晶性樹脂では球晶の成長が起きたり、ボイドの成長が起きたりしている。そしていずれもが強度を劣化させる原因となる。


また、屋外暴露試験後の樹脂の赤外吸収スペクトルを調べても溶液中の酸化試験データから期待されるほどの酸化による赤外吸収ピークが観察されないことに驚いたりする。


バルクの樹脂ではてんぷら油の自動酸化のような現象が起きているはずだが、それが表面だけだったりして疑問点がいろいろと出てくる。実は、ゴムや樹脂の耐久劣化問題は未だにトランスサイエンスと捉えた方が良い。


高分子単体でこのような状態なので、FRPになってくるとさらに複雑であることを容易に想像できるのだが、タイタン号のような事故が起きている。


FRP製のタイタン号で初めて深海に潜る行為を冒険と呼ぶことができても、繰り返し使用したタイタン号で潜る行為は冒険というよりも無謀である。繰り返し使用した場合の劣化がどの程度なのか不明だからである。


オール金属製ならば、劣化程度の評価が可能だが、FRPの劣化評価技術は科学的な検証ができていない。すなわち非破壊検査ができない材料なのでリスクの予想が不可能なのだ。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.06/12 高分子材料とデータサイエンス

高分子材料の物性は金属材料やセラミックスよりもばらつきが大きい。セラミックスの力学物性は高分子材料と同じ程度にばらつくこともあるが、電気電子物性についてセラミックスは極めて安定している。


有機ELが実用化されたが、無機材料のLEDに比較してその寿命は短い。しかし、電流駆動という特徴と生産性の高さから有機ELがディスプレー材料として選ばれている。


高分子材料を機能性材料として実用化する時にはその1次構造を設計する必要がある。しかし、成形されたときに非晶質相が多く、その構造の特性ばらつきが機能性に少なからず影響を与える。


高分子の非晶質構造に存在する自由体積あるいは部分自由体積と呼ばれる構造を製造プロセスで制御することが難しい。


あるポリオレフィン樹脂をバンバリータイプの小型混練機でいろいろと条件を変えて混練し、その量のばらつき変化を調べたことがあるが3倍近くばらついたのでびっくりした。


自由体積の量が変化すれば、密度が大きく影響を受け変化する。密度の影響を受ける機能性は、その結果大きくばらつくことになる。


ゆえに高分子材料の物性についてインターネットから収集されたデータで物性予測を行おうとする時に問題となるのは、プロセス情報の公開が少ない点である。


良く知られているように、高分子材料の物性は成形体が製造されたプロセスに大きく依存する。金属やセラミックスも同様であるが、高分子材料の場合にコンパウンディングの履歴も引きずるので大変である。マテリアルズインフォマティクスを行う時にこの点に注意する必要がある。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.05/24 データサイエンスを学ぼう

2017年頃におきたデータサイエンスの講座設置ブームにはびっくりした。社会人になった時の情報工学科設立ブームの再来かと勘違いした。


データサイエンスは当方の学生時代からコンピュータ科学とよばれていた。また、数理モデルで現象をとらえる方法は戦前から学問としてあった。当方は戦後生まれだがパーコレーションの数理モデルは1950年頃から研究が始まっている。


コロナ禍で8割おじさんが有名になったが、クラスター理論の数理モデルは古くからある研究成果だ。大学ではこのようなことを専門として学ぶ機会は無かったが、アカデミアよりもアカデミックな研究所へ配属されて3か月の集中講義をマンツーマンで受講している。


指導社員が数理モデルの研究者だったのでそのような幸運に恵まれたのだが、データサイエンスを身に着けると技術開発は加速度的に早くなる体験をしている。


例えば、1年間の計画で防振ゴム用樹脂補強ゴムの開発を行うのが新入社員のテーマだったが、3か月間のデータサイエンスの講義のおかげでたった3か月で研究が完成した。


その後担当した、原料がまだ市販されていなかったホスファゼン変性ポリウレタンフォームの開発は工場試作まで6カ月間で実現している。ホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームは、6カ月で技術移管だった。


半導体用高純度SiCの事業化では、研究開始から5日間で2億4千万円の先行投資を導き出すまでの成果を出している。いずれも20代の元気の良いころの武勇伝だ。


50を過ぎてからは、PPS半導体無端ベルト用のコンパウンド工場を半年後に稼働させ、一流コンパウンドメーカーが5年以上かけても実現できなかった高性能のカオス混合コンパウンドを半年で実用化した。


このようにデータサイエンスを自由自在に使えると開発業務はスピードアップする。これは数年前から流行が始まったモデルベース開発でも言われていることだ。ご興味のあるかたは40年の開発経験がある弊社へご相談ください。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.05/17 パーコレーション

パーコレーションの数理モデルについては、1950年代から数学者たちに議論されてきた。すなわちこの分野のクラスター理論は60年以上の歴史がある。


コロナウィルスの感染シミュレーションもこの分野の成果であるが、おおもとはカリフォルニアで発生した森林火災の問題と言われている。


パーコレーションの閾値についてはn次元まで求められており、数理モデルとしては研究しつくされた感が強い。40年ほど前に出版されたスタウファーの教科書には、歴史も含め詳しい解説がまとめられている。


しかし、材料屋がこの教科書を読むと現象を具体的に把握しにくい。グラフで示されているので現象の振る舞いを納得はできるのだが、もう少し直感的なモデルは無いのか40年ほど前に教科書を読みながら考えた。


10x10x10のブロックを絶縁体高分子とみなし、この一部を導電性のブロックで置き換えてゆくモデルを考案し、プログラミングして動かしてみたところ、パーコレーションの振る舞いを再現できた。


非科学的なモデルではあるが、このモデルの考察で幾つか技術開発成果を出している。それをセミナーで公開しているので、一度このホームページのセミナー欄を見ていただきたい。


大型コンピューターの時代には、コンピューターを湯水のように使うことができなかったが、今はコンピューターを用いるコストがほとんどかからなくなった。


ゆえに、難しい方程式を解くことが要求される問題でも、コンピューターで直感的なモデルのプログラムを動作させて解くことができるようになった。これもDX進展の恩恵だろう。

カテゴリー : 未分類

pagetop

2023.05/04 問題解決法

20世紀には、ロジカルシンキングやTRIZなどが流行ったが、TRIZやUSITは今や忘れられようとしている。理由は簡単で、科学の思考法をオブジェクト指向に似せた手順で示しただけの、当たり前の答えを導く方法だからである。


トランスサイエンス時代の問題解決法では、非科学的方法でアイデアを導くことが可能な問題解決法が求められている。弊社ではそのニーズに応えるために問題解決法のセミナーを提供している。


その中の一つにデータサイエンスによる問題解決法がある。タグチメソッド(TM)もデータサイエンスの1手法であるが、そのほかに多変量解析や機械学習の手法などがある。


多数存在するデータサイエンスの手法について、問題解決を目的に使用する時のコツを伝授するだけでなく、データサイエンスで実務の問題を解くときの注意点を経験知として提供している。

カテゴリー : 未分類

pagetop