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2023.12/31 ブギウギ

NHK朝ドラ「ブギウギ」は、音楽の力をうまく描いている。このブギウギだが、WIKIPEDIAには1950年代のロックンロールというような解説(注)がなされている。


しかし、ラングストーン・ヒューストーン著「ジャズの本」によれば、ピアノで演奏されるラグタイムの一種で、それに力強い低音がリズムを刻む音楽として解説されている。


さらに、1930年頃タップダンスの踊り手パイン・トップ・スミスにより有名になった、とダンスとの関係についても書かれている。すなわち、ブギウギとはブルースのピアノ版ラグタイムに属する音楽であり、ロックンロールというよりもジャズとして誕生した音楽である。


なぜこのようなことを取り上げたのか。科学の世界でも歴史が曖昧な事象に関して誤解が定説となる場合があるからである。例えば科学という言葉そのものも科学を述べる人により、意味の曖昧さが含まれてくる。


当方が科学を述べる場合には、論理学の誕生とともに成立したとするマッハの説をよりどころにしている。そのマッハによれば、高校で学習するニュートン力学は非科学的学問、だそうだ。


このマッハの考え方は、彼の著「マッハ力学史」に展開されているのだが、科学と非科学については、厳密に意識すべきトランスサイエンスの時代になったので、彼の見解は重要である。


要するに、にわか科学評論家による科学と非科学が混同して語られる科学論をまともに信じていると、トランスサイエンスなど意識せず、何でも科学で解決できてしまうと誤解する。


トランスサイエンスという言葉でもすでに誤解が生まれているが、これは1980年代に雑誌「サイエンス」に登場し生まれた言葉である。ただし、これが日本に伝わってきたときにセラミックスフィーバーが吹き荒れ、セレンディピティーのみ単独の言葉として日本で流行している。


すなわち、トランスサイエンスをセレンディピティーで何とか乗り越えようという意味で使われていたところ、セレンディピティーだけ日本に伝わり、トランスサイエンスが置き忘れられた。


黒人のブルースからジャズとロックが生まれているのだが、ブギウギは最初にジャズの世界で演奏されていることは、朝ドラでも作曲家羽鳥氏がセリフの中に取り入れている。科学とは何か、正しくその成り立ちから理解したい。


(注)「ブギウギは、スウィングの一種で、ピアノブルースを演奏する際の一形態でもある。」とWIKIPEDIAの最初にはあるが、「ジャズの本」に従えば、「一形態でもある。」ではなく「一形態である。」とすべきである。

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2023.12/22 ダイハツの不正問題

ダイハツの不正問題について、奥平社長は「現時点で事故や問題が発生したという情報はない。自分としては、今まで通り安心して乗っていただければ」と答えているそうだ。


これは様々な視点から問題を含んだ発言だが、おそらく、合格可能性が100%でありノルマとなっている試験を行わず手抜きをしただけ、という誤った”自負がある”のだろう。


ニュースには、OEMの開発負荷が大きかった、すなわち短納期で開発しなければいけなかったことが原因で、不正は長期にわたることが報じられている。


こうした不正が日常的に行われていたダイハツは、ある意味従業員にとっては楽しい会社だったのかもしれない。高純度SiCの開発や中間転写ベルトの開発経験から、そのような会社の風土を想像できる。


そして奥平社長まで「手抜きせず試験を行っていても合格したはずの車だから安心してください」というとんでもない発言をしているのだ。もし、当方が奥平社長の立場だったなら、あのような発言はできない。


さて、20年近く前の話となるが、中間転写ベルトの開発では、半年後に製品を出さなければいけない状況でコンパウンド工場の立ち上げを提案し成功させている。


コンパウンド工場の立ち上げメンバーは、計画外の業務だったので新たに外部から1名中途採用で技術者を調達し、当方含め3名で行っている。当方も実務作業をしなければいけなかったので、部下の課長にすべて権限を委譲しての業務である。


ヒト、モノ、カネは短期間で目途が立ったが、QMSのルールが難問として残った。すなわち、STAGE-GATE法に近い運営だったので、企画提案から所定のステップを踏み、製品化の承認を役員会で得なければいけないのだ。


しかし、舅小姑の溢れた風土であり、手抜きをできる環境ではなかった。幸い品質管理部門も含め関係部署の協力が得られたが、それでも3か月で工場を立ち上げなければいけない。すなわち半年後と言っても遅くとも2か月前には工場が稼働していなければいけないのだ。


ここは、弊社の研究開発必勝法を使い、1か月で立ち上げられる目途が立っている。予定では4か月で生産に入る計画だったが、デザインレビューで2回ほど審議やり直しとなり、ぎりぎり製品化に間に合わせている。


審議などやり直しても新たなデータを出せるわけでもないのに、書類の完璧さを求めて容赦なしである。結局予備実験データも含めすべての実験データを出し尽くしてデザインレビューを乗り切っている。


ただし捏造ではない。おそらくダイハツの場合には試験すら行っていなかったのだろう。当方は雑ではあったが、すべて社内の認証で必要とされる実験データは手を抜かず集めている。


最も時間のかかる社外の認証試験には、中古混練機の設置が終わるや否や試作されたコンパウンドで製品を組み立て依頼している。工場の壁はじめ休憩室など完成していない段階である。ラインの稼働を最優先にしたのだ。


サラリーマンとして評価もされなければ自ら担当者となって推進しなければいけないバカな提案(注)をしたことで、皆の注目を集めたプロジェクトだった。さらに見える化運動の真っ最中だったので、身内は大変厳しかった。


特に権限を委譲した課長の一人が、当方を部下のように扱ったので悲しかった。しかし、関係部署の部長は皆優しかったので、これが救いだった。


(注)今だから明かせるが、最大の功労者は暗黙知の段階だったカオス混合プラントに対して承認してくださったEセンター長かもしれない。工場建設とアイデアの具体化作業がコンカレントに進められた。これは外部からコンパウンドを購入していたので可能となった仕事である。某大手コンパウンドメーカーが当方のアイデアを受け入れず、勝手に工場でも建てて生産してもよいと言ってくれたのだ。不可能だと思われての発言だが、当方の研究開発必勝法をご存知なかった。その結果このコンパウンドメーカーは顧客を失うことになった。ゴム会社の新入社員の時から考え続けたカオス混合機の実用化チャンスが退職前にできたのは技術者として幸運なことだった。それでは、最初の提案企画書をどのように作成したのか。それはここでは明かせないが、捏造ではない。ダイハツとは異なり、企画書に掲載したデータは、シミュレーションデータからその検証データまですべて不眠不休の実験を行い出した実データである。ただし、演繹的に構築された企画書である。難解な企画書に押印されたセンター長に感謝している。

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2023.12/17 20日混練セミナーでもとりあげます–

ホンダ自動車のリコール問題において、高分子材料のプロセシングと物性との関係が重要であるが、このような問題は成形プロセスと製品との関係で論じられるケースが多い。


しかし、高分子材料はプロセスの履歴を少なからず引きずり、原料のプロセシングが成形体物性に大きく影響することがある。セラミックスでも高分子材料でも原料のプロセシングが必ず成形体にも影響しているのだが、それが隠れているだけである。


当方がこれまで行っている各種混練のセミナーでは、書籍のまとまりの関係から小生の著書にも含めていないリアクティブブレンドについて説明し混練というプロセシングを浮き彫りにする。


今回起きた燃料ポンプのインペラがフェノール樹脂製かPPS製か知らないが、原料のプロセシングがどのような影響を与えるのか、退職直後E社の協力を得て採取したデータを基に説明する。


また、これから作成する資料をテキストにも入れる予定(注)でいるが、今回の燃料ポンプに関連した特許の話題を刺身のつま程度に取り入れて、成形体密度がどのように耐久性に影響するのかも説明する。


20日のWEBセミナーを申し込まれる方は、テキスト代10000円をお振込みの上、お申し込みください。テキストが不要であれば無料です。


(注)テキストは電子ブック形式で提供しますので、改訂版を容易に提供できます。来年他社のセミナーで追加した資料も今後テキストに反映してゆきます。

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2023.12/10 データの解析力(4)

ゴムケースに封入した電気粘性流体の耐久促進試験では、1日でゴムからのブリード物により電気粘性流体が増粘し、ヘドロ状となり機能しなくなった。


この問題を解決するためには、界面活性剤を電気粘性流体に添加しミセルを形成して、ブリードアウト物質をそのミセルに閉じ込める以外に方法はない。


材料技術に詳しい人ならば、ヒューリスティックにこのような解を導けるはずだ。ところがこの問題を構造既知のあらゆるHLB値の界面活性剤を用いて検討し答えを出そうとしたところ、すべてのHLB値の界面活性剤を検討しても問題解決できなかったという。


この解法における大きな問題点は、仮説として「構造既知のすべてのHLB値の領域に存在する界面活性剤」としているところである。界面活性剤の中には、構造不詳の怪しい界面活性剤も存在する。


それらの候補を省き「科学的に研究を進める」視点だけで邁進した研究者達は誰も気がつかなかった。また、アドバイスをしても非科学的な候補の検討は時間の無駄として却下された。


電気粘性流体に用いるカーボン粉体については構造不詳のカーボン(注)を用いていたにもかかわらず、研究に用いた界面活性剤についてだけ、わざわざ自分たちで分析データも揃えていた。


そして、「構造既知のすべてのHLB値の領域からサンプリングされた界面活性剤について検討し、問題解決できない」という証明を1年かけて、さらにゼータ電位はじめ当時の先端分析機器を駆使して否定証明を展開した。


繰り返すが、界面活性剤の中には構造不詳の界面活性剤というものが存在するのだ。しかし、それらは、「科学的視点」というフィルターにより排除された。


(注)カーボンについてもあらゆる分析をしていたようだが、共同研究先から提供されるカーボンについて球晶ができていることぐらいしか分からなかったという。この点についても後日「科学と非科学」と題して科学の研究における問題点を述べる。現代が科学の時代であることを当方は否定しているのではない。科学の時代を当然として、だから研究とか実験をどのように進めるべきかを述べている。科学の時代だから科学的に考える、というのは当然であるが、それでは形式知で明らかな当たり前の答えしか出ない。

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2023.12/01 混練無料WEBセミナー目次

1.高分子のツボ

(1)高分子とは
(2)高分子材料の評価技術
(3)高分子材料の設計手法


2.材料設計とプロセシング概論
(1)ゴムの配合設計とプロセス(樹脂補強ゴムを事例に)
(2)リアクティブブレンド(難燃性ポリウレタンを事例に)
(3)強相関ソフトマテリアルの手法(機能性樹脂の配合設計とプロセス)
(4)プロセシングも含めた材料設計技術について(まとめ)


3.素材から部材のパラダイムシフトと材料設計技術の変化


4.高分子材料の混練プロセス
(1)分配混合と分散混合
(2)剪断流動と伸長流動
(3)高分子材料の混練装置
(4)二軸混練機を用いた混練プロセス
(5)カオス混合装置


5.マテリアルズインフォマティクス
  混練技術が成形体物性に及ぼす影響やデータサイエンスで問題解決した事例を解説予定。廃材利用におけるコンパウンドメーカーと組み立てメーカーのすり合わせにおけるトラブルなども事例に。

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2023.11/29 PETポリマーアロイ

PETのポリマーアロイであるPC/PETは、30年以上前に開発された技術でフィルムだけでなく射出成形体としても活用されてきた。それゆえPETも射出成形可能と誤解されている人がいる。


しかし、PC/ABSでは任意の比率で製造されたポリマーアロイが活用されているのに対し、PC/PETでは、PETが30wt%未満となる配合組成のポリマーアロイだけが射出成形用樹脂として使用されてきた。


これは、PETの比率が高くなり樹脂のマトリックスとして機能した時に射出成形性が悪化するためである。それでは、PETが60wt%以上の樹脂で射出成形を可能とするコンパウンドを設計してみようと実験を行ったところ、結構難しかった。


PETにSP値を考慮した樹脂を選んでみたり、コンパチビライザーを添加してみたりしても簡単に強度の高い樹脂を設計できなかった。


そこで、直交表を用いたデータ駆動の実験を行ったところ、PETを80wt%含むコンパウンドでも良好な射出成形体が得られる配合を見出すことができた。


この時用いた手法について混練のセミナーで公開しております。来月の無料セミナーでは、この樹脂についてこの10年の間に研究した面白いデータを初公開したいと思っています。

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2023.11/01 樹脂の粘弾性と掃除

樹脂の粘弾性測定を行い、温度分散のグラフを書くと、TgとTmの間に変曲点が観察される。面白いのはこの変曲点で金属に対する接着力がほとんど無くなる現象である。


この現象を知っていると、混練機の掃除が楽になる。混練実験終了後混練機のスクリューとシリンダーを清掃するためにクリーニング樹脂を流すことがお決まりであるが。


たいていは、混練した樹脂よりも低融点の専用の樹脂を使用するのだが、PPSコンパウンドの開発を行っていた時に、このクリーニング樹脂を使用せず、混練実験直後250℃前後の温度領域で清掃をしてみた。


驚くほどきれいに掃除ができたので、担当者にノウハウを指導したところ、最初は不思議そうな顔をして説明を聞いてくれた。不思議そうな顔が怪しい話を聞いている顔に変化したので、いくつか配合の異なるPPSコンパウンドのレオロジー特性を測るように命じた。


頭のいい担当者だったので、すぐに変曲点の存在に気づき、面白いコンパウンド評価法を開発してくれた。詳細をここに書けないが、この変曲点がコンパウンドの品質とも関わっていることを発見して、品質特性の評価法を作ってくれた。


この評価法は、タグチメソッドの基本機能としても使える方法に思われたので、新しく設計したPPSコンパウンドの最適化に使ってみたところ、びっくりする実験結果が得られた。


タグチメソッドではロバストを高めた条件から調整因子を用いて感度をあげる二段階手法となるのだが、ロバストと感度が相関し高くなる、という幸運な実験結果が得られている。一般に感度が高くなるとロバストは下がる傾向の実験結果となる。


18年前の実験結果であり、もう公開しても問題ないと思っているが、ここに詳細を書くにはあと2年待ちたい。これまで、だれか学会で発表するかもしれない、と期待していたが、現場で発見された現象であり、アカデミアでは気がつかない現象かもしれない。

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2023.10/23 相容化剤

ゴムでも樹脂でも二種類以上の高分子を均一に混ぜたいときにコンパチビライザー(相容化剤)を検討する。高分子が相溶する組み合わせの場合には必要ないが、多くの組み合わせではこの添加が必要となる。


添加をしなくても混練機を使えば混ざったように見えるが、電子顕微鏡で見ると少ない方の樹脂なりゴムが島状に分散している様子を観察することができる。電子顕微鏡でなくても光学顕微鏡でも観察可能だ。この島のサイズが大きな時には肉眼でもあるいは手触り感でも確認できる。


ゴム会社に入社し、研究所へ配属された時の初めてのテーマが樹脂補強ゴムだった。1年間のテーマを3か月でやり遂げ、褒められるのかと思ったら職場異動となり、高分子の難燃化技術で新しいテーマ企画をすることになった。


難燃化技術で世界初の技術を企画せよ、と指示を受けたので、難燃剤を添加しなくても高い難燃化効果の得られるホスファゼン変性ポリウレタン発泡体を企画している。


もっともこの発泡体はホスファゼンで変性されているので、難燃剤で変性した発泡体とみることができるが、当方の頭に浮かんだのは嵩高い基で変性された時のポリウレタンの物性変化である。


また、ホスファゼンはポリエーテルに相溶しないので、コンパチビライザーを用いずにうまく分散する技術の可能性を検討したかった。技術開発において世界初の要素が多い技術はその数だけ難易度が高くなる。


樹脂補強ゴムは、指導社員の助けもあり、3か月で製品の配合までまとめ上げたが、ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体は、工場試作を成功させるまで半年かかった。それでも早い方だったらしく、上司から褒めていただいたが、それは一瞬だった。一か月後には当方が始末書を書かされている。


工場のラインを使っても、コンパチビライザーを用いず分子レベルでホスファゼンをポリウレタンに分散させることができたので当方は満足だった。


1970年代にフローリーハギンズ理論が活発に研究され始め、1980年代には、コンパチビライザーの新製品がいくつか開発された。しかし、コンパチビライザーを用いなくても均一に分散できる技術は未だにその手段は少ない。

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2023.09/26 データサイエンスのスキル(4)

2010年から始まった第3次AIブームでマテリアルズインフォマティクスが定着したが、1990年から日本で普及が始まったタグチメソッドや、それより前から存在した統計手法との関係について誤解されているか、あるいは理解できていない技術者は多い。


ゴム会社の研究所の技術者のように科学こそ研究開発の唯一の方法と信じている化石のような技術者にとって、これはどうでもよいことかもしれない。


第3の波が始まった50年近く前の冗談のような信じられない実話を書くと、ゴム会社では新入社員に統計手法のスキルを身に着けさせようと力を入れていたが、それでも研究所の技術者の中には、「人事部に従って真面目に統計を学ぶア〇」と言っていた人が多かった。


当方は、品質管理に重要な統計手法としてだけでなく、問題解決法として公開されていた新QC7つ道具の有効性に気づき、愛用していた。ゆえに研究所では大いに馬鹿にされて、実験計画法で求めた最適条件が外れたときには、周囲から大声でからかわれた。


研究所はこのような調子だったが、タイヤ開発部門は人事部方針に従い、すべての技術者が真面目に統計手法の活用に取り組んでいた。ゆえに設計段階から高品質のタイヤを創り出し世界一になれたのだと思う。


しかし、研究所では当方が転職した頃でも科学の方法こそ唯一の技術開発方法とされ、タイヤ開発部門はKKD開発部隊と軽蔑していた。


さらに、電気粘性流体の耐久性問題は界面活性剤で解決できない、という結論を導いた報告書が素晴らしい報告書とされたように、否定証明が最高の科学という本部長が誕生している。


電気粘性流体の耐久性問題については、それを解決できる結論を非科学的と排除しようとしたので、すぐにデータサイエンスで見出された界面活性剤を用いて、科学の方法の問題を示したのである。


I本部長ご指導の元、東大から阪大まで、博士2名を含めた優秀な6人のスタッフによる否定証明は1年かかかっているが、データサイエンスによる肯定的な結論は、MZ80Kにより一晩で出され、その実証に3日とかからなかった。なぜなら、当時の電気粘性流体をゴムケースに入れて耐久促進試験を行うと半日で失活していたからである。

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2023.09/09 高分子の難燃化技術セミナー

下記内容で、今月22日に技術情報協会主催で高分子の難燃化技術セミナーが開催されます。弊社にお問いあわせ頂くか、直接技術情報協会へお申し込みください。


火災は,急激に進行する酸化反応である。非平衡下の科学が未だ研究段階であり,高分子材料の難燃化技術を科学の形式知だけでは開発できない。形式知で解決できない問題は,経験知や暗黙知まで動員して解決することになる。


すなわち,科学で解決できない高分子材料の難燃化技術では,高分子材料の用途に適合した難燃化規格を定めることにより,問題解決できるようにしている。


しかし,高分子材料の用途は様々であり,ひとたび火災が発生すれば用途ごとに燃焼のリスクだけでなく燃焼時の現象も様々となる。このことから難燃性の規格は,用途ごとに決める必要性があり,その結果測定法も様々となり,不定期に改定される規格も出てくる実情を納得できる。

高分子材料の成形体を購入する立場であれば,納入業者に規格に合格しているかどうか確認すればよい。ところが,多種多様の業界に製品を納入している成形体メーカーは大変である。それぞれの業界ごとに製品が規格に合格するのかどうか確認しなければいけない。


ここで手を抜く担当者は,材料メーカーにそれを求める。その結果,高分子材料の業界では,コンパウンドメーカーが難燃化技術の開発をしなければいけなくなる。 コンパウンドを難燃化するときに,最もよい難燃化手法を探すことになるが,「最もよい方法」を客観的に評価するには,それが科学的に証明されなくてはいけない。

本セミナーでは,高分子の耐熱性と難燃性について概説する。また,熱分析手法を用いた開発事例を説明し,新たな難燃化技術を開発するヒントを示す。さらに,2022 年に施行された法律により再生材の活用が本格化している実情を踏まえ,再生材の難燃化技術の事例も解説する。

高分子の難燃化技術は,トランスサイエンス(注)でありその問題解決にデータサイエンスは有効な手法の一つであり,Python によるディープラーニングによる回帰の結果についても言及する。


(注)科学で問うことができるが,科学で答えることのできない問題。

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