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2025.11/10 MIは定着したか

MI(マテリアルズインフォマティクス)は、定着したか。日本で流行して10年、MIで新技術が生まれた、というPRは聞くが、ここだけの話も聞こえてくる。


タグチメソッドが日本に上陸してから35年になる。この手法は自動車業界はじめ技術で製品開発を行わねばならない分野で定着している。


新卒者向けのセミナーの依頼を受けたりするので定着していると思われる。弊社ではタグチメソッド解析用Pythonプログラムコードを吐き出すAI及びデータ管理プログラムを配布しており好評である。


しかし、MIについて相談を受けた経験が無い。弊社ではMIをDXの一つとして指導しており、タグチメソッドもMIの一種として指導している。


そもそもMIはデータオブジェクトを基に知を取り出す作業なのだ。データオブジェクトがどのようなものかMIを行わなくてもその姿を描く手法を指導している。これ以上弊社の指導内容を書かないが、高分子同友会の勉強会で一部その実績を公開している。

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2025.09/20 AIと材料技術者(3)

哲学書によれば、人間の知には、形式知と経験知、暗黙知があるという。科学の時代であれば、形式知は科学の成果からなる体系となる。経験知は、その知を明文化できるが、非科学の知である。暗黙知は明文化できない知である。すなわち、暗黙知以外の知識は、文字のような記号で表現できて可読性が生まれ、その共有、蓄積、管理ができるだけでなく、


表現された知識には特定のパターンが備わることになる。また、知識を活用して問題を解くために推論を行うが、そこには論理学から定まるルールが存在し、推論を展開する時には知識に依存する判断ルールを用いる。


ちなみに、コンピューターで知識を扱う時には、この知識表現、例えば知識のパターンと推論を展開する時に必要となる判断ルールをどのようにコンピュータへ実装するのかが課題となる。


人類は、産業革命以前より、その知を用いて科学が無くても時間はかかったが技術開発を進めることができた。産業革命が始まった直後、論理学が完成し科学が生まれている。


科学により形式知が大量に生み出され、それが継承され新たな形式知を生み出し、その活動を繰り返しながら産業革命は加速し、3度のAIブームが起きている。3度目の20年近く続くAIブームを産業革命の総仕上げと呼ぶのは至言である。

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2025.08/25 オブジェクト指向による配合設計(1)

昨日の続きである。PPSは脆い材料なので動的部品に使用するためには高靭性化を目指した配合設計をしなければいけない。一つの方法として6PAをブレンドする技術があった。


PPS/6PAは、χが正のポリマーブレンドなので海島構造となる。このポリマーブレンドコンパウンドにカーボンを分散させると高靭性で半導体の性質を有する材料になる。


これを押出成形すると、カラーレーザープリンターに用いられる中間転写ベルトを製造することができる。ここまでは誰でも考えが進むが、絶縁体高分子に導電性粒子を分散するとパーコレーション転移が生じる。


このパーコレーションという現象を正しく理解していないと問題が発生した時にそれを解決できない。6PAのアミド基にカーボン表面のカルボン酸を反応させて、とかその親和性を利用して、とか仮説設定して実験を行っても、発生するであろうばらつきの問題を解決できない。

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2025.07/06 7月5日の予言

気象庁が鹿児島県の十島村の悪石島で最大震度5強を観測した地震について会見を行い、そこで7月5日に大災難が起きるという予言について言及した。


これは2011年3月の東日本大震災を予言したというたつき諒氏の漫画『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社刊)の中で「2025年7月5日に日本とフィリピンの中間あたりの海底がボコンと破裂(噴火)」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せた」「その津波の高さは東日本大震災の3倍」という予言に対応したもの。


「まず、漫画の予言についてですけれども、現在の科学的知見では日時・場所・規模を特定した地震予知は困難です。ですから地震が偶然に発生したとしても科学的根拠があるものではない。」と回答している。


面白いのは、東大名誉教授が金曜日の夜に、今起きている地震について、よくわかりません、と記者会見で堂々と答えていることである。すなわち、地震予知は科学で問うてみても科学で答えを出すことができない問題、トランスサイエンスということである。


科学的根拠は無くても人は様々な方法で目の前の現象について答えを出すことができる。東大名誉教授も地震学者と協議した結論がよくわからない、となっているが、私見として噴火が起きるようなことを述べられている。


すなわち、根拠のない漫画に描かれた答えに近いことを述べておられた。当方は漫画の著者が根拠にした資料を知りたいと思う。もし、単なるヤマカンだったとしたら、過去にどのようなことを予言してきたのか知りたい。


話は変わるが、当方のゴム会社における人生は、今でいうところのパワハラやセクハラ、モラハラなどおよそハラスメントのデパートで過ごしてきたようなものだ。


しかし、そのハラスメントの機会が成長の糧になっていた。たとえば、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作を成功させたところ、褒められるかと思っていたら、始末書け、と一週間責められた(注)。


仕事もやらせてもらえなかったので、仕事と無関係のアメリカで生まれたばかりのオブジェクト指向の論文を読んで始末書を書いていた。まともに上司の話を受けていたら、精神が壊れそうだったからである。


この時、オブジェクト指向でホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画書を作成し、始末書に添付して、一週間が終わっている。訳の分からない始末書に対する小生のささやかな抵抗だった。


この企画が認められて、高純度SiCの基礎研究の代わりになった。この研究は入社後二つ目の実用化という成果となった。このあと発泡体軽量天井材もミサワフォームに採用された。


新入社員から4年間に3つの製品を出していたのに無機材研に留学中に昇進試験に落ちて(補)、その電話が所長室にかかり、1週間昇進試験に書いた内容について研究しなさいとなった。


昇進試験の問題は、あなたが推進したい新事業は何か、という問題で、当方は高分子前駆体を用いて高純度SiCを製造し、パワー半導体ウェハーなど半導体関連製品を製造する事業を解答としていた。


この解答は漫画の予言よりすごい。当時セラミックスフィーバーであったが、SiC半導体の研究論文が出たばかりであり、SiCの高純度化はレイリー法以外知られていなかった。そこで高純度化は重要テーマであり、それを昇進試験に事業シナリオとして書いたのだ。


これに試験官だった研究所の課長から0点がつけられたので、昇進試験に落ちたのだが、所長から頂いたチャンスをたった4日で実現している。そして、ゴム会社から2億4千万円の先行投資を頂き、その事業は30年近く続いて、現在はMARUWAという会社で事業が行われている。


始末書はこの後もありえない事件を引き起こした。会社のOA化を推進するために80万円のローンをさせられてMZ80Kとその周辺機器や専用OSを購入している。そして多変量解析のシステムが稼働する環境が完成した時に、電気粘性流体の耐久性問題の解決をしなくてはいけなくなった。


これ以上は書かないが、世の中人知の及ばない連鎖の中で翻弄されながら、生きているのだ。サラリーマンの最後は、早期退職を申し出たところ環境対応樹脂の開発を依頼されたので、2011年3月11日を最終出社日に決めて引き受けた。


自由にやって、成果発表もOKと至れり尽くせりだったので頑張って2種類のPETボトルリサイクル樹脂を開発し、最終出社日の最終講演の準備をしていたところ、グラッと来た。


(注)この始末書問題について、今でもその理由が分からないことを本欄で書いている。課長がプレゼンに失敗したので新入社員に始末書を書かせると答えた話が伝わってきた。

(補)翌年、同じ答案を出したところ満点だったそうである。企業の昇進試験とはこのようなものだから、昇進が遅れたからと言って悩むことは無い。むしろ上司を見返すくらいのエネルギーを持ってほしい。

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2025.05/05 開発へAIをどのように取り込むのか(1)

2006年からの第三次AIブームは、すでに社会実装が始まっているが、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、どこまで進むのか。あらゆる分野で変革が進む時代の技術者が生成系AIと対話しているだけでは、その変化に取り残される。AI及びその周辺のソフトウェアスキルまで実務に取り込み、DXの流れに適応する必要がある。


ところで、専門外には難解に見えるAIの技術であるが、基本となっているパラダイムは、知識をどのように表現して取り扱うのかという「知識表現」と、知識を利用するための「推論」から構成され、この大枠の中でAIは開発されている。


この大枠は、知識を活用する問題解決における方法論とほぼ同じなので、AI技術で使われているソフトウェアのパラダイムである「オブジェクト指向」を学べば、これまでの実務経験を土台にして少しの努力で、ソフトウェア技術における考え方をとりあえず習得できる。


過去二回のAIブームで話題となった「逆向きの推論」は、倒叙探偵小説のTV番組「刑事コロンボ」の大ヒットや大学受験参考書に登場するほど社会実装が進んだ。


しかし、オブジェクト指向という概念について、MacApple)やWindowsiPhoneなどのアイコンで馴染んでいながら、そのパラダイムまで理解できているだろうか。


ちなみに、この「オブジェクト指向」とは、オブジェクトの動作や振る舞いの詳細な部分を隠し、別のプログラムで利用する際にはメッセージを送るという概念化されたプログラミング技法で、プログラミングの効率を向上させる画期的手法として知られている。


例えば、開発競争が過熱している生成系AIは、オブジェクト指向のアプローチで開発されている。一つのオブジェクトには深層学習のアルゴリズムが採用されており、データ駆動で動作している。


この深層学習とは、データサイエンスで研究開発が進んだ機械学習の一手法であり、人間の脳の構造を模して作られたニューラルネットワークと同様の動作を行うアルゴリズムで実現されている。


このアルゴリズムは、プログラムの部品、すなわちオブジェクトとして無料公開されており、AIに限らず顔画像の判別や指紋の判別、音声識別などのパターン識別に広く導入されている。


また、データ駆動のソフトウェアとは、データを基に次のアクションを決めるという意思決定動作が特徴のプログラムである。

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2025.04/03 AIブームと不易流行(4)

このAIブームの成果と1946年にロシアで生まれたTRIZでは、知の活動である問題解決をコンピューターで行う。そして、これらは日本で1970年代に設立ブームのあった情報工学分野の技術、データサイエンスで扱われる。


ここで着目していただきたいのは、コンピューターを用いて問題解決を行うためには、何らかのアルゴリズムで作られたプログラム、ソフトウェアとデータが必要という制約である。


そして、その制約の中で、人間が問題解決を行う時の推論をどのようにアルゴリズムでコンピューターに実装するのかはAIを設計する時に問題となる。



例えば、TRIZであれば、モデル化された知識のデータベースを比較参照しながら問題解決を進める。モデル化された知識とは、知識のパターン表現であり、このパターンとの比較参照がTRIZにおける推論のアルゴリズムとなる。


また、モデル化ができるためには、形式知もしくは形式知に準ずる経験知に限られる。
1998年に開催されたTRIZ国際会議でUSITが発表されているが、どこか第二次AIブームのさなかに生まれたオブジェクト指向に似ているところが面白い。


問題分析でパターンを生成し、その後推論のプロセスとなっている。残念なのは、この手法で導き出される答えは、その仕組みから明らかなように「科学的に当たり前の答え」であり、科学教育を受けた人であれば、容易にかつ迅速にこの手法を用いなくても同じ答えを出すことができる。ゆえに、あまり注目されなくなったが、研究者は活動している。

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2025.03/17 二軸混練

樹脂のコンパウンディングには二軸混練機が主に使われる。ゆえに樹脂材料を扱っている技術者は、コンパウンドの性能と言えば二軸混練機でコンパウンディングされたペレットをイメージするようだ。


射出成形体に求められる性能が低い場合には、ペレットに対する性能のレベルは低く、問題は起きにくいが、射出成形体に難燃性や帯電防止、さらに半導体的性質を求められたりすると、ペレットに対する要求性能が高くなる。


しかし、コンパウンディングメーカーから提供されるペレットでは、なかなか成形体の性能を実現できないと感じている技術者は、一度ロール混練でコンパウンディングした樹脂で成形体を試作していただきたい。


もし、ロール混練して製造されたコンパウンドで成形体の性能を実現できたなら、コンパウンドメーカーにカオス混合をお願いしてみることをお勧めする。


20年近く前に、半導体無端ベルトの押出成形を担当したが、ペレットの性能が低く、押出成形における歩留まりが10%前後だった。そこでニーダーやロール混練して押出成形を行ったところいっきに100%まで歩留まりが上がった。


コンパウンドメーカーにカオス混合をお願いしたところ、素人は黙っとれ、と言われたので、自力でカオス混合プラントを建設し、ペレットの生産を行い、押出成形の歩留まりを100%に引き上げるコンパウンドの生産を開始している。


20年近く経ち、二軸混練機によるカオス混合も常識になってきたので、とにかくペレットの高性能化を希望される成形体メーカーはコンパウンダーにカオス混合を依頼すると良い。もし、素人は黙っとれ、というようなコンパウンダーが現れたなら弊社へご相談ください。

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2025.02/26 材料設計

材料には、金属やセラミックス、高分子があり、それぞれ材料設計された原料を用い、賦形して機能材料として活用されている。


この時、金属やセラミックスと高分子ではそれぞれの流儀で材料設計が行われている。高分子でも、ゴムと樹脂では少し考え方が異なるだけでなく、水性塗料のようなラテックス材料では設備も大きく異なる。


金属から高分子材料まで扱い、それぞれで成果を出した経験から、材料設計という観点で高分子材料の難易度は際立っている、と思っている。


日常ゴムや樹脂を扱っているとそのように感じないかもしれないが、結晶構造で機能性が支配されている金属やセラミックスでは、「設計」という言葉がうまくあてはまるが、高分子材料で設計を行ってみるとわかるが、少し神様にお願いをしたい気持ちになる。


材料設計しても設計通りの物性が発現するかどうか、少し神頼みのところが残る。それならばいっそのこと運を天に任せてデータ駆動によりPETの新ポリマーアロイを15年ほど前に開発し実用化しているが、3か月ほどで予期せぬ高性能のポリマーアロイができたのでびっくりしている。


当時開発した部品を窓辺に置き、紫外線による劣化を観察しているが、なかなか劣化しない。5種類ほどの廃材を20%ほどPETにカオス混合で混ぜただけである。老化防止剤などコストアップになるので添加していないが、窓辺の暴露試験に耐えている。不思議だ。

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2024.09/28 分散技術の重要性

材料開発において分散技術は重要であるにもかかわらず、意外と杜撰に扱われている。何でもかき混ぜれば均一に分散すると勘違いしている人が多い。


例えば、水と油を分散すればすぐに気づくと思うが、分散後放置すると分離する。この分離速度は水と油の親和性だけでなく比重差も影響する。


ドレッシングで分離している商品を日常扱っていても分散技術の重要性に気がつかないのは、みかけ簡単な技術だからである。例えば攪拌ができればよいのである。水と油であれば振とうができればよい。


しかし、成形体物性を分散技術で制御するとなると簡単な技術ではできない。詳細は述べないが、セラミックスであればボールミル分散やタンブラー、V型撹拌機で乾式で行うのか湿式で行うかにより、得られる成形体物性のばらつきが大きく変わる。

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2024.09/12 分別が難しい混合物をどうするか

昨日T2Tが検討されている話を書いたが、食品トレイでなくても他の樹脂のリサイクルでも問題となるのが、分別が難しい樹脂の混合物の扱いである。


サーマルリサイクルというアイデアもあるが二酸化炭素の問題があり、2022年4月に施行された法律では、Renewableが推奨されている。


分別が難しい混合物をそのまま混練して樹脂として扱う方法もあるが、高分子をご存知の方であれば、このような方法では力学物性を期待できない樹脂となる。


但し、これは通常の二軸混練機を使用した場合である。カオス混合を行うと、力学物性が改善されることは10年以上前に確認している。


すなわちどのような樹脂の混合物でも二軸混練機によるコンパウンドよりもカオス混合によるコンパウンドの方が物性が向上していた。ただし、それでもバージン材よりは悪い。


実は、このような混合物についてバージン材よりも良い樹脂を製造する方法がある。詳細は問い合わせていただきたいが、少し弊社と共同で実験を行う必要がある。理由はご契約後説明する。

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