「俺も菅(義偉元首相)も長くなかった。石破も(首相在任は)長くないだろう。勉強はしなくていいから仲間を作れ。勉強をしたければ英会話でもやっていろ」と、自民党の最高顧問が語ったそうである。
漫画を読んでろ、と言わず、英会話だったところは救いだが、国会議員も勉強しないで仲間づくりをすることが仕事のようだ。
10月8日配信された産経新聞電子版の記事だが、日本社会は仲間づくりが大切な社会であり、主流派の仲間から外れると、何もできなくなる組織が多い。
その結果、企業でも硬直化した派閥争いで運営が進んでいるようにも見える。バブル崩壊後の日本で新しい芽がなかなか育たず、失われた10年が20年となり現在に至る。
当方がゴム会社を転職した時も同様であり、FDを壊されたり、とんでもない事件が起きていても隠蔽化され、結局3人が転職するような事態になった。
本部長が交代して、主流派が変わったとたんに起きた事件である。組織の中でこのような消耗戦をやっていては、独創の技術を育てるどころか、新しい芽迄もつぶれてしまう。
新内閣が発足して間もないが、閣僚の写真もどこか締まりがない。石破首相は昔からのままで仕方がないのだが、今回この方が選ばれた可能性に国民は賭けてみるべきではないか。少し頼りない内閣であるが、これまでと異なる雰囲気は感じられる。
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一方最近やたらと田中真紀子さんがマスコミに登場する。そして正論をハラスメント気味に発言し、それが受けている。政治の世界が少し変わり始めたのだろうか。政権交代が良いのか、一度石破氏を信じてみるのが良いか、今月末の投票は迷う。
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秋元康氏が17人で構成された新しいガールズグループをデビューさせるという。そしてそのグループをサポート育成するスタッフにAKBなどのガールズグループを成功させたスタッフが参加するという。
AKB48は有名になるのに3年ほどかかっている。秋葉原ではその活動が知られていても全国区で有名になるのに3年である。その間に、あきらめたスポンサーの話題がニュースになっていた。
デビューから3年間の売れない間にスポンサーとして支えてきたが、スポンサーを外れたとたんに売れ出して損をした、というのである。アイドルの世界とはそういうものだが、AKB48は成功するだろうと予想していた。
秋葉原の風土がAKB48を育てたのだろう。秋葉原には全国からオタクが集まっていた。さて、今回の新しいグループはヒットするのか。おそらくマスコミの取り上げ方はAKB48の時と異なるので、最初の立ち上がりは良いかもしれない。
しかし、AKB48などがそうであったように、寿命は短いのかもしれない。当方はこのようなガールズグループを見ると昔から高分子に見えてくるので困った。
すなわち、多成分系であり、個々の力量は多分散系、それでいてどの顔も覚えられず皆一緒に見えたりする。これが一人一人異なって見えて推し活を行える若い人は凄いと思う。
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高分子材料の劣化は、紫外線や酸素による低分子量化である、と科学的に説明されたりする。また、今でも時々あるのだが、高分子の酸化分解速度を調べた研究報告である。
この研究報告の大義として、高分子の劣化耐久に関する研究、と謳っている場合がある。30年以上前ならばそれも許されるが、今となっては大義とならない。
屋外暴露など耐久劣化試験を行ったサンプルのGPCを測定してみても懸念していたほど低分子量化していない。
また、今再生樹脂のブームとなっているが、再生樹脂100%のコンパウンドで成形体を作成しても、バージン材と遜色のない強度が出たりする。
ただし、このような実験結果を出すには、カオス混合が必須となるが、それでも5年以上市場に放置されていた樹脂が、混練だけで力学物性が回復するのは驚きのことである。
先月末、中国で開催された再生材に関する国際会議に招待講演者として呼ばれて講演を行ってきたのだが、再生材の品質問題についての考え方が日本よりも進んでいたのでびっくりした。
当方の発明したカオス混合は、日本ではあまり知られていないが、中国では高い評価がなされていた。日本では、当方の装置を真似たダイを二軸混練機に着けて研究発表しているアカデミアの研究者が有名であるが、中国では創始者を評価してくれたのである。
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ゴム会社に入社し、研究所へ配属されて初めての指導社員は大変優秀なレオロジストでした。その方から材料設計の基本を学んだのだが、その後、研究所のメンバーの手法を見ていると、設計ではなく研究をしている人が大半だった。
おおよその目標を立ててるのだが、とりあえず配合研究を行い、研究データを見ながら目標スペックを作成している人もいた。ところが目標スペックを作成している人は良い方で、何も目標を立てずかき混ぜているだけの人もいた。
電気粘性流体の耐久性問題を担当していた人は、どのような実験を行っていたかは知らないが、あとで報告書を見せていただいた時に、およそ材料設計ではなく、分析を行っていたことを知り、愕然とした。
界面活性剤を用いて耐久性問題を解決しようとしていたらしいが、界面活性剤を細かく分析し、単一成分で構造の明確な界面活性剤を選び出し、それで実験を行い、問題解決できる界面活性剤は存在しない、という結論を出している。
この手順のどこがいけないのかというと、界面活性剤を用いた材料設計を行いたいならば、まずそのシステムを組み立ててみて、システムの機能の不具合を実験で確認する作業が最初に行われるべきであるが、それがなされていないのだ。
材料設計の場合、いわゆるアジャイル開発を行い、概略システムを組み立てることが最初のステップとなる。この最初のステップをどう行うのかも問題であるが。
指導社員は、それゆえ何らかのシミュレーションが必要になる、と言っていた。そして、シミュレーションは数理モデルだけではないことも教えてくださった。詳細はお問い合わせください。
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グラスファイバーや炭素繊維を樹脂に混ぜて成形すると、樹脂単体よりも弾性率が向上する。これは、金属やセラミックスでも同様であるが、セラミックスでは靭性が向上する程度で、弾性率の改善まで観察されないことがある。
いずれもトラブルなく成形体が製造された時の物性であるが、このような繊維補強材料は成形が難しい。なぜなら、いずれの場合も流動性が悪いためである。
セラミックスではあまり繊維補強のニーズはないが、研究は20世紀の時によく行われた。樹脂や金属では今でも研究が行われ、弾性率向上が必要なときの材料改質手法として使われる。
樹脂の繊維補強では、繊維と樹脂の界面における濡れ性が分散性と力学物性に影響を与える。これは金属でも同様であるが、金属の場合に製造条件で改善することができる場合もあるが、樹脂では金属と同じ方法を使えない。
すなわち、繊維表面の濡れ性改善かカップリング材の添加が必要になる。これが樹脂の繊維補強の設計を難しくする。大抵は繊維表面が改質されたものが市販されており、さらに連続長繊維となっていてフィードしやすいような製品形態も存在する。
ゆえに、今では繊維補強樹脂は繊維メーカーに相談するとそれなりの繊維補強樹脂を誰でも製造できる時代になった。ナノファイバーの使いこなしノウハウも知られるようになったのだが、リサイクルするときに問題となる。
すなわち、繊維補強樹脂は靭性が高くなっているので細かく粉砕しにくいのだ。繊維補強樹脂のリサイクルは、ケミカルリサイクルが望ましいのだが、粉砕の段階で粉塵問題もあり、技術的な障壁が大きい。
繊維補強以外に、超微粒子で補強する方法も存在する。意外と知られていないのだが、繊維補強と超微粒子補強と比較すると靭性の改善効果は超微粒子補強の方が高い。
また、繊維補強樹脂のようにリサイクルするたびに繊維が短くなり、補強効果が低くなる問題を避けることができる。しかし、繊維補強に比較し研究例が少ないので技術開発が必要になる。
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樹脂の混練には、大抵二軸混練機が使われる。そして混練機から出てきた樹脂を冷却し、細かく裁断してペレットとする。
このペレット一粒一粒のばらつきを調べたところ、あまりにも大きなばらつきがあり、びっくりした。おそらくこのようなことを当業者は知っているのでわざわざ調べないのであろうが、一度データを取っておくことをお勧めする。
ペレット一粒一粒にばらつきがあるので、ペレットを一度タンブラーかV型混合機に集め、十分に混ぜ合わせた状態で袋詰めする。そして、この混合プロセスの規模を1ロットとしている場合が多い。
このようなペレットを射出成形しているのだ。成形ばらつきがあっても当然のこととと考えないのだろうか。ポリマーアロイでテープ剥離のようなトラブルが起きるのは、ペレット一粒が大きく組成変動しているときである。
このようなペレット一粒一粒のばらつきを小さくしたいならば、当方の発明によるカオス混合機を用いると良い。劇的にばらつきが小さくなる。
このあたりにつきましては、問い合わせていただきたい。ノウハウに関わる話なので、公開できない部分がある。また、特許は生きておりますので注意していただきたい。
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加硫ゴムの一般的混練プロセスは、バッチ式である。タイヤの部材では、バンバリーとロール混練により、コンパウンドを仕上げ、加硫プロセスで成形と加硫を行う。
樹脂のコンパウンドは、二軸混練機を用いて連続的に行われる。ゆえに、加硫ゴムのコンパウンドに比較すると、ばらつき因子が増えるだけでなくばらつきそのものも大きくなる。
両者の原材料において、高分子成分そのものもばらつく。よく知られているように、高分子は多成分系であり、多分散系と言われている。すなわち、合成高分子は、分子量分布を持っている。
分子量が異なれば、本来は異なる成分となる。また、その分子量分布も単純なものから複雑なものまで、合成条件により様々なので、多分散系となる。
さらに、ポリマーアロイでは、混合した成分数に応じてばらつき因子は増加する。すなわち、コンパウンドのばらつき因子とその偏差は、高分子ゆえの複雑さとコンパウンディングプロセスの履歴の影響を受け、様々に変化する。
このことを正しく理解している技術者は少ない。なぜなら、このような複雑系の研究開発を行うためにはタグチメソッドをはじめとする、複雑系を扱う手法で研究を進めなければいけないが、研究開発の現場でタグチメソッドの普及率は未だに低い。
50年近く前から、このような分野における研究開発手法について研究と実践を行ってきたので、ご興味のあるかたは、お問い合わせください。一部は学会発表など行っています。
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射出成形では、事前に成形条件を検討しても、量産時にトラブルが発生する。トラブルの原因はいろいろあるが、混練のばらつきによる場合が多いことを知らない人がいる。
射出成形について研究していたある学者に、射出成形という学問の目標は何か、と伺ったら、どのようなコンパウンドでも射出成型できる技術を創り出すことだ、とすごい答えをしてくださった。
この答えのどこがすごいのかというと、明らかに不可能な目標だからである。また、企業の射出成形担当の職人に聞いても同様の回答をされたので、それは間違っている、と正している。
コンパウンド起因でトラブルが起きているのに、時間をかけて射出成形条件を量産段階で検討されたのでは、費用の無駄使いである。
金型温度のばらつきやシリンダー温度のばらつき、湿度のばらつきでも射出成形のトラブルは発生する。それで射出成形プロセスでは、温度や湿度を管理している。
それらの管理を充分行っても、射出成型プロセスではエラーが発生する場合がある。それはコンパウンドが大きくばらついているからである。
コンパウンドのばらつきは、コンパウンドの組成に依存する。例えばPC/ABSのような複雑なポリマーアロイでは、ばらつきやすく、射出成形でエラーを発生しやすい。
射出成形条件を検討しても絶対に解消できないエラーにフィルミングあるいはテープ剥離と呼ばれているトラブルがある。これは、成形体に粘着テープを貼り付けると、一部が薄膜としてはがれるエラーである。
ひどい時には、金型を汚染し、毎回金型の洗浄を行わなければいけない状態になる。これは、混練が不十分なために組成が不均一になっていて発生している。詳細は弊社に問い合わせていただきたい。
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今日、ユークリッド幾何学は義務教育のカリキュラムから外されている。しかし、当方の頃までは、義務教育課程で教えられていたし、高校でも半年間それを幾何学の授業として学習している。
ユークリッド幾何学が教えられなくなった背景に、直感に頼らなくてはいけない点であることを数学の教師から聞いたが、ヒューリスティックな能力を養う教材として適している。
すなわち、最初に補助線をどこに引くかにより解答が見えてくるユークリッド幾何学の方法は、全体と部分をスムーズに考察する能力を鍛えていると思う。
ユークリッド幾何学でなくても、解析幾何学でもいきなり数式で解いてゆくのではなく、全体の見通しを見て座標の置き方を考えるように指導された。
また、受験用参考書「チャート式数学」には、「結論よりお迎え」というチャートがあり、図形の問題も、証明における結論を見出すことにより、解が見えてくると教えている。
数学に限らず、この「結論よりお迎え」は重要で、第一次AIブームにおいて有機合成経路を考える手法として、逆合成という考え方がコーリーより提案されている。
第二次AIブームではエキスパートシステムしかできないことがわかり、新たな技術革新が重要ということで、トランスフォーマーを用いた生成系AIが登場する。
しかし、ChatGPTを用いても、「結論よりお迎え」は有効で、AIへの質問の仕方のノウハウとして活用でき、ハルシネーションを抑制できたりする。
ユークリッド幾何学における補助線も直感で考えてばかりいてはだめで、図形のどこを等しいと置くと証明を実現できるのか、と眺めれば、自然と補助線が見えてくる。但しこれには訓練が必要だ。
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2022年に新法が施行され、リサイクル材の研究開発が活発になっている。市販されている再生材のカタログを見ると、再生材の含有率が記載されているが、100%リサイクル材のコンパウンドを見かけない。
PETボトルのボトルtoボトルのリサイクルが日本で始まったが、中国では10年以上前から行われていた。当時、日本で回収されたPETボトルの大切な用途だった。日本からkg単価40円以下で販売されていた。
さて、リサイクル材100%のコンパウンドが何故販売されていないのか。これは、リサイクル材の力学物性が劣るためであるが、それは混練プロセスに二軸混練機を使用しているからである。
二軸混練機に当方の発明したカオス混合機を取り付けると再生材100%でも、そこそこの力学物性のコンパウンドを製造することが可能だ。
数年前の日本の学者の論文も公開されているので、ぜひ問い合わせていただきたい。但し、その学者の論文には当方の発明品とは書かれていない。
また、この論文には、カオス混合機を取り付けたときの強度改善機構を図で説明しているが、学者にしては、いい加減な図である。今回中国で行われた再生材の国際会議では、小生の考察をご披露しているが、多くの人に納得していただいた。
原因は二軸混練機の本質的な構造にあるのだが、これについてゴムタイムズ社から上梓された当方の著書に説明しているのでご一読願いたい。
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