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2012.09/23 ガラスを生成して樹脂を難燃化(3)

1980年前後は、高分子に関する新しい分析機器が登場した時代です。熱分析関係はすでに一般化し、使いやすいように利便性の改良が始まっていました。また、マススペクトルでも高分子の測定ができるようになっていました。GPCという高分子の分子量分布を測定する装置も新しいカラムが登場し、分析できる高分子の種類が増えると同時に精度が向上している時代でした。

 

すなわち、従来は高度な専門技術がなければ、高分子の解析ができなかったのですが、最先端の分析装置をそろえ、手順通りに設定し、サンプルを打ち込めば自動で高分子の分析結果が出る時代になりつつありました。あたかも電子レンジを扱うぐらいの手軽さで高分子の分析ができる時代の幕開けです。

 

Z80や8080などの8ビットマイコンの登場が機器分析の自動化を促したのです。OA機器としてコンピューターが普及する前に、高価な分析機器に8ビットマイコンが組み込まれ、分析技術の自動化が進みました。樹脂補強ゴムの測定で使用していた粘弾性装置スペクトロメーターは、8畳の部屋を専有するほどの大きさでしたが、モーターの小型化、ミニコン部分のマイコン化で、4.5畳ほどのスペースに収まる同様の機能を持った装置も登場しました。また価格も2500万円前後と特注品であるスペクトロメーターの1/2ほどの価格まで下がりました。毎年新機種が登場する時代でした。

 

プラスチック製の分子モデルの実験で導いた、硼酸とジエタノールアミンのエステルの合成は、簡単でした。この2種の化合物を混合し、100℃で反応させるだけでした。興味深かったのは、通常エステル化反応は脱水をしないと進行しないのですが、このエステル化反応は、脱水をしなくとも簡単に進行しました。会社には先端の分析機器が揃っていましたので、分子モデルどおりの化合物が生成していることを容易に確認できました。

 

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カテゴリー : 高分子

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