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2012.11/08 ロール練パルプ樹脂複合材料

環境樹脂を目標に20年ほど前にポリエチレンとパルプの複合材料を混練して開発した。ポリエチレンはフィルム容器の樹脂缶が写真現像所から大量に回収されているのでそれを使用しました。パルプは古紙を使用しました。リサイクル材で環境樹脂を開発しようと企画しました。

 

一番問題になりましたのは臭気。パルプが混練時に熱分解しアルデヒド類が遊離し、これが臭気に微量に含まれるため、コンパウンドだけでなく射出成型体でも臭う。当初剪断力が必要と思いバンバリーだけで練っていたのですが、最初からオープンロールで練り上げたところ臭気の無い樹脂を開発することに成功しました。射出成型しましても臭気は無かったのでバンバリー混練時に熱分解していることが明らかになった。

 

バンバリーで混練した時に加温せず室温で混練しても臭気がしたことから、混練時に250℃以上に到達している部分があると思われる。面白いのはオープンロールで100℃以上250℃未満の温度で混練しても臭気が出なかったことである。オープンロールでも剪断流動が発生しているわけですが、バンバリーよりも穏やかなのだろうと思いました。

 

パルプを50%以上含むポリエチレンとの複合材料の物性は、混練プロセスで大きく変わる。オープンロールで混練した場合には臭気が無いだけでなく、物性も良好でポリスチレンと同等以上の樹脂になります。複合材料なので、靱性はポリスチレンよりも高く実用化を狙ったのですが、写真フィルムに対してカブリが発生することがわかり断念した。写真フィルムはわずかなアルデヒド類の存在でカブリを発生するので臭気はなくてもわずかにアルデヒド類が遊離していると推定しました。

 

開発当時はバブル崩壊直後であり、環境関連の各種法律が立法化され始めても環境ブームまでには至らなかった。時代の先取りとしてリサイクル材料を原料に用いたパルプ樹脂複合材料を企画したのだが、半導体用高純度SiCの体験から無理をせず商品化提案を断念した。

 

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カテゴリー : 高分子

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