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2013.02/07 ボーイング787のバッテリー問題

昨日の朝刊にボーイング787のバッテリー問題について、詳細な写真が公開された。以前にも指摘しましたが、蓄電池は蓄電池本体とパワーマネジメントシステムから出来上がっている。今回蓄電池本体は日本製であるが、パワーマネジメントシステムはフランス製と言われています。なぜ重要なシステム部品が1社ではなく複数の会社に分けて発注されたのか不明ですが、飛行機用の部品と考えた時に問題のある部品調達の仕方です。

 

今回のパワーマネジメントシステムがどのような電気回路になっていたのか不明ですが、公開されている特許を見る限り、DCDCコンバーターが用いられているはずなので、蓄電池へ外部回路の影響が及ばないはずです。溶断したヒューズの写真もあり、外部回路とパワーマネジメントシステムの間に大容量の電流が流れています。写真から、パワーマネジメントが機能せず電池に大電流が流れたように見えます。

 

ここから先は推定になりますので詳細を知りたい方は問い合わせていただきたいのですが、パワーマネジメントシステムの回路が公開されなければ原因はわからないだろうと思います。おそらくボーイング社には回路図があるので、ヒューズが切れるような大電流が流れた原因の解明が進むと思います。

 

ボーイング787の問題は初期不良は発生して当然と考えられている情報が一部で流れ、社会不安にもなっています。また、蓄電池の問題については、意外な危険が潜んでいたことも明らかになりました。飛行機の設計というものが自動車や複写機などに近い感覚で設計されていた可能性すら疑われます。3.11の福島原発の事故で、原子力発電が通常の製品と異なり、実験段階に近い状態で商用運転されている実態にびっくりして2年たちますが、安全性に対するメーカーの良心が業界によりこれほど差があるのか、と驚いています。原子力発電機や飛行機よりも事務用複合プリンターの方が用いられ方を基準に評価すると安全側に設計されています。モノ創りと安全安心について全産業で一度見直す必要があるのかもしれません。

 

かつてメーカーで製品開発を担当した経験から、こうしたお粗末な事故が続きますと、業界ではシェアートップではありませんが、安全安心の商品を業界全体で送り出しているメーカーの誇りのようなものを退職しているにもかかわらず感じます。

 

 

カテゴリー : 電気/電子材料

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