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2013.02/12 弊社の問題解決法について<26>

知識ベースで作成した前節の系統図を見ると、左端に問題が書かれ、右端にはいくつもの課題が並んだ構造になっています。その中に、「あるべき姿」を暗示させる課題があるでしょうか。例えば、右端のある課題が解決されたときに、あるべき姿が実現されるような系統図ができていれば良いわけですが、右端にある課題と「あるべき姿」に論理の隔たりが残っている場合があります。あるいは、幾つかの課題を組み合わせると、「あるべき姿」を実現できる場合もあるかもしれません。

 

いずれにせよ、系統図で問題の構造が明確になり問題解決の糸口が見えればよいですが、見えないときには「あるべき姿」から逆向きの推論を行い、不足している情報を探し出し追加すべき課題を考えます。すなわち、系統図で示された最も右端の課題に向けて、「あるべき姿」から逆向きの推論を行い、隠れている課題を探索するのです。具体的には、次のような質問をすればよいのです。

 

a.「あるべき姿」が達成されるためには、課題Xは、どのようになればよいのか。

b.「あるべき姿」が達成されるためには、課題Xに、どのような条件が揃えばよいのか。

c.「あるべき姿」が達成されるためには、課題Xの解決策として、何が考えられるのか。

 

これらの質問により、隠れていた課題が見えてきます。このような質問をしなくとも、単に末端の課題と「あるべき姿」との間の不足する情報を調べたり、「あるべき姿」の前段階の状態を考えるだけでも出てくる場合があります。この作業も慣れますと「あるべき姿」を達成するアクションを直接考えて課題として捉えることができるようになります。

 

しかし、どうしても「あるべき姿」に直接つながる課題が見つからなければ、専門家に相談してください。そして「あるべき姿」に直接つながる課題を必ず一つ見つけてください。この段階で見出された課題の一部、あるいは系統図に書かれた全ての課題を用いて、「問題」から「あるべき姿」までつながる問題解決の道筋のストーリーができたならば完成です。

 

ここまでの説明では、問題から前向きの推論を展開し系統図を書き上げる方法を説明しましたが、慣れましたら「あるべき姿」から逆向きの推論を展開して系統図を作るようにしてください。おそらく慣れますと逆向きの推論で系統図を作成するほうが簡単に思えるはずです。

 

一部だけ逆向きの推論を用い、系統図の大半を前向きの推論で作成する方法を最初に示しましたのは、これまでの指導経験で「あるべき姿」から逆向きの推論を行い、系統図を作ることに違和感を持たれる方が多かったためです。おそらく日常の技術開発で前向きの推論に慣れ親しんできたためだと思います。しかし、ここで作成する系統図を最初から逆向きの推論を展開して作成できるようになりますと不思議なことに開発現場でアイデアが出やすくなります。目の前の現象からすぐに逆向きの推論を展開できるようになるためと思っています。

<明日へ続く>

カテゴリー : 連載

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