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2013.02/20 高分子材料の成形技術

高分子材料の最も多い用途は、賦形して用いる用途でしょう。おそらく薄膜も形状の一つとして考えますと7割以上は何らかの形状で用いられていると思います。残りはオイルなどの液体やコロイドとして用いる用途です。薄膜形成方法は多種多様ですが、円柱とかブロックとかバルク形状を形成する場合には金型を用います。この時、金型へ押し出す場合と金型から押し出す場合、またただ高分子材料だけを押し出す場合と空気などその他の物質と一緒に押し出す場合との4通りに分かれます。

 

技術書により表現は異なりますが、金型へ押し出すのか金型から押し出すのかの違いは重要です。ここで前者にはプレス加工やキャスト製法も含めて考えます。すなわち、製品として出来上がる時に金型の中で形ができるのか、金型から出て形ができるのかの違いは、技術上大きい。また難易度はケースにより異なるが、材料技術の視点で見ると後者が難しいと感じています。すなわち前者は金型表面で製品の外観が規制されますが、後者はいってこいの世界で金型から出た後のレオロジー挙動で外観が決まります。

 

前者も後者も金型技術のカテゴリーでとらえられ、材料の研究があまり進んでいません。むしろ現場のノウハウとして蓄積されているのではないでしょうか。外観の問題は薄膜をコーティングで形成するときにも問題になります。塗布液の調製が十分できていない場合に規則正しい波状の欠陥が出たり、はじきなどで目玉状の欠陥ができたりと悩まされます。塗布の場合は材料の工夫へすぐに視点がゆきますが、押出成形では金型技術として扱われる場合が多いようです。

 

確かに押出成型ではサイジングダイも含め金型の工夫で多くの問題を解決できますが、材料で対応しなければ改善できない技術が多いのも事実です。材料の原因を金型で対応しているケースを見ますと感動します。

 

ある問題が発生してその解決手段が何通りもある場合に何を選択するかは問題解決する人のスキルで決まるようですが、本来はコストやロバストの観点から決めてゆくべき問題でしょう。

カテゴリー : 高分子

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