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2013.07/06 科学と技術(静電気2)

フィルムが帯電した後、帯電電荷はどのようになるのか。帯電したフィルムの電荷が減少する様子は、電荷減衰を評価すればおおよそ理解できる。この電荷減衰の測定法では、単位電荷をフィルムの表面に与え、それが減少してゆく様子を電位の変化でモニターする。この評価法もその回路からわかるように直流的な評価法である。

 

約20年前帯電防止技術に用いられている評価法を調べてみると、実技評価以外は直流法と分類できる評価法だけだった。帯電現象の可視化技術の評価結果をみると電荷は振動しながら減少している。この結果を見るとフィルムの抵抗を交流で計測したくなる。既製品としてフィルムの誘電率を計測するための電極があったので、周波数を掃引しながらインピーダンスを計ってみた。驚くべき事に、フィルムの帯電防止処理方法により、低周波数領域で大きな変化が現れたのだ。

 

電気の専門家に相談したところ、その変化と測定法の問題とどちらが大きいのか、と言われた。すなわち100Hz以下の領域には測定ノイズが乗りやすいのだそうだ。その専門家に検出器のシールドの方法の指南をうけ、出前に使う“おかもち”のような金属箱を作った。厳密な測定環境を整え低周波数領域のデータを収集したところ、直流法の評価技術では見えなかったところが見えてきた。

 

しかし、見えてきた、といっても心眼で見えただけで科学的な説明ができる状態では無い。見えてきた方向でデータを整理してみると、これまでの評価法のどれよりも実技データとの相関が高いのだ。特にJIS法にもある「タバコの灰付着テスト」では、静電気で灰が付着し始める距離とインピーダンスの絶対値とが相関係数1で極めて高い相関を示したのだ。

 

それまでの直流を用いた評価技術では、実技テストと相関しない場合があったので、必ず何か一つ実技テストを開発初期段階でも行っていた。タバコの灰付着テストは、すいたてのタバコの灰が必要なので、嫌煙ムードの広がる中、実験をやりにくい状況になっていた。会社の消耗品費でタバコを買って実験を行っていたのだが、この実験をたった一人の愛煙家が喜んでいる状況だった。フィルム会社の実験なので大量のタバコの灰が必要だった。

<明日へ続く>

 

*インピーダンスを用いた帯電防止評価技術についてご興味がございましたら、弊社へお問い合わせください。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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