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2013.12/09 豚ダンゴと混練(1)

鍋がおいしい季節になった。おからと豚肉で作る豚ダンゴの鍋はいかが。ホクホクして柔らかく、老人食として最適のように思う。特に歯が悪くなり肉を食べられなくなったお年寄りには好まれると思う。また、おからには豆腐の栄養素がそのまま入っている滋養豊富な食材で、さらに繊維も含まれるのでこの食材で繊維不足を解消できる。

 

鍋の食材は、豚ダンゴ以外は自由である。また水炊き状態から鍋を始め、ポン酢で具を食するスタイルでも良いし、鍋に赤だしをいれて味噌仕立ての鍋にしても良い。どのようにしてもこの豚ダンゴにはよく合うし、良いダシが出る。鍋のレシピは自由だが、豚ダンゴについては、老人用に適した配合を公開する。鍋に入れて崩れにくく、ツクネのような硬さではなく、ホクホクして柔らかい老人でも食べられるダンゴの作り方である。

 

この豚ダンゴは、1年かけて開発したおから食品シリーズの一つである。そこそこおいしいレベルの以下の配合を最近開発できた。おから250g、卵2個、豚のミンチ300g、豚の背脂30g(ミンチ加工)、小麦粉10-20g、塩小さじ1杯、ニンニク少々(チューブ入り5cm程度)、コショー適量、粗挽きコショー適量、味の素適量である。この配合で6人分前後の豚ダンゴができる。

 

まず、卵2個をボールに入れ、黄身と白身が均一になるように良く撹拌する。均一になったら、卵を激しく撹拌しながら小麦粉を10g以上30g未満(20g前後が好ましい)少しずつ加える。この時、卵を撹拌しないで小麦粉を20g前後ボールに入れて撹拌するといった料理番組でやっているような方法でしてはいけない。

 

その方法でも小麦粉を均一に分散できたように見えるが、その様にして小麦粉を添加した場合に注意深く観察すると小さなダマダマ(凝集体)が残っている。小麦粉を如何に均一に卵に分散できるかがまず大切なノウハウになる。小さな凝集体は豚ダンゴの強度を低下させ、鍋に入れたときに豚ダンゴが崩れる原因になる。

 

ここでも高分子の混練技術の重要性を垣間見ることができる。すなわち高次構造に硬い大きな構造が残っていると高分子の靱性を低下させる、という線形破壊力学の教科書に書かれている現象である。崩れにくく、ホクホクして柔らかいダンゴに仕上げるにはこの段階が重要になる。

 

小麦粉を均一に分散した卵にニンニクを少々添加して激しく撹拌し、ニンニクを均一に分散する。そこへおから250gを入れ、ニンニクと小麦粉を均一に分散した卵と混ぜるのだが、ここで昨日まで書いた混練技術の知識が要求される。カオス混合の考え方を導入して混ぜるのである。料理用のへらが便利だが、オタマでも何とか使える。(明日へ続く)

 

 

カテゴリー : 一般 連載

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