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2014.04/03 研究ノート

STAP細胞の騒動について理研の調査報告では、小保方さん一人の論文捏造という結論になっていた。理研が示した2点の写真の扱いは、捏造と言われても仕方がないというよりも訓練された研究者の作業内容という観点では捏造そのものである。生データを大きく変貌させて加工する作業の意味が捏造だからだ。

 

博士の学位を持ちプロジェクトのリーダーの立場ではその責任を問われて当たり前の事件だった。当方はこの理研の発表よりも新聞などで報じられていた研究ノートの管理のずさんさにあきれている。およそ一人前の研究者として恥ずかしい状況である。

 

企業でも研究開発部隊では記録としての研究ノートの書き方を指導する。当方は研究ノートのみならず週報や月報も所定の形式を配布し、その形式にデータや報告内容をまとめるように指導してきた。

 

進捗管理の目的が半分あったのだが、当方の用意した形式でまとめれば、技術開発における日々の重要ポイントを担当者が意識することができるようになり、報告書の形式により日常の作業を通じ技術開発の方法を学ぶことができるからだ。

 

研究開発を担当している人たちは大卒以上の学歴を有する人が多いが、その様な人たちでも科学的訓練は受けているが、技術開発の訓練を受けていないため業務の進め方は下手である。また、まるでだめな人もいる。野放しにすると業務に関係ない研究をする人までいる。

 

かつて「石部謙吉」という名前を親から何度も聞かされた。自分の意見に固執して他人の意見を聞こうとしない石頭の人のことだが、かつて部下にその様な人がいた。何度言っても自説を曲げず、仕方が無いから半年自由にさせて当方で開発をその人の業務まで進めたところ、開発が終了したときに「あなたの出された方針以外で絶対にできないのか確認していた。確かにそうであった。」と報告してきた。

 

さすがに呆れたが、週報月報も当方の形式で書き、研究ノートも几帳面につけていた。週報会では、毎回それでは失敗する、と指導しても、「失敗するというデータが無い以上データを揃えるべきだ。」と、頑固として自分の意見を通していた。彼の研究ノートは否定証明の論理できれいにまとめ上げられており、そのノートから科学教育の弊害を学んだ。

 

研究ノートとは単なるメモと異なり、研究をどのように進めたのか、あるいはどのような考え方で実行していたのかを後から反省するために重要な記録である。弊社の提供する研究開発必勝法ではK0チャートとK1チャートでそれらを明確に表現する。

カテゴリー : 一般

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