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2014.05/18 オカラ餃子

オカラを工業材料として使用するには、3種類以上含まれる多糖類や多量の水分が問題となったため、食料品としての応用を考えだしてから3年になる。トリダンゴやハンバーグの処方はほぼ完成した。餃子についてはそこそこのものができていたのでそのままにしていたが、もう少し味を改良するために検討を始めた。

 

オカラハンバーグは、オカラを炒めることにより食感の改善ができた。オカラ餃子ではオカラをそのまま使用するだけでなく、水分の追加が必要となる。オカラのトリダンゴではオカラをそのまま使用して水分を追加しなくてもホクホク感が出てくるが、餃子の場合オカラが持っている水分だけではややパサパサした餃子になる。

 

そのままでもフー○○餃子の出来損ないと思えばおいしく食べられる。餃子の王○の味を目指しつつ改良を始めたが、ニラを多めに使用すると独特の味の餃子になり、結構これが家族に評判良く、餃子の王○の味を目標とするのではなくオリジナル餃子を目指して改良を始めた。

 

オカラ餃子ではキャベツの代わりにオカラを用いる。その他の具材は一般の餃子の具材で構わない。シソの大葉を入れると風味が増しおいしくなる。これはフー○○餃子も品揃えをしている。オカラとニンニク、タマネギ、豚肉の挽肉、豚の背脂、ニラ少々で味の素を大量に使用するとフー○○餃子に近い味になることは開発の初期段階に確認した。

 

しかしパサパサ感が残りそれがせっかくの味を落としているように感じた。オカラには多量の水分が含まれているのにこのパサパサ感になる原因がよく分からなかった。しかし開発を進めた結果混練手順に原因を見つけた。すなわち具材を一度にカオス混合するとパサパサ感のオカラとなるが、オカラとブタの背脂を予めカオス混合し十分に背脂とオカラをなじませてから挽肉以外の具材を混ぜ合わせ最後に挽肉を加えてカオス混合するとパサパサ感が解消される。

 

これは面白い発見である。高分子の混練でも同様の現象は存在し、混練手順を変えるとポリマーブレンドの高次構造が変化する場合がある。例えば二種類の高分子をバインダーに用いてカーボンを分散する場合に、ノンプロ練りとプロ練りの2段階で混練すると高次構造が一段階の場合と変わる。さらにノンプロ練りとプロ練りの配合を変えても高次構造が変化する。

 

料理も奥が深い。「美味しんぼ」もこの料理の奥の深さをテーマにしていた時が面白かった。いまだに連載が続いていたとは知らなかったが、話題が料理ではなくなっていた。わざわざ休載宣言しなくとも自然消滅するマンガと思われる。

 

 

カテゴリー : 一般

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