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2014.08/06 生きる

昨日まで1週間中国に出張していた。空港で同伴していた中国人から理研副センター長の自殺のニュースを聞いた。中国でも朝からそのニュースを報じていたようだ。

 

STAP細胞の騒動では最も辛い立場と同情していたが、辛くても耐えて欲しかった。3年半前に亡くなった父は、とにかく生きることの重要性と生きることは辛いのが当たり前と言うのが口癖だった。辛いからほんのささやかな楽しいことが幸福につながると言っていた。

 

父が亡くなる3ヶ月ほど前に、写真会社を早期退職して会社を始めることを伝えた。何故65歳まで勤務しないのだ、と問われたが、単身赴任を終了し閑職にあることと、会社経営をしてみたかった夢を話した。父親に夢の話をするのは40年ぶりだった。

 

ゴム会社を転職するときと異なり、ただ静かに納得し激励してくれた。そして自然とゴム会社転職の時の話になり、ゴム会社に残っていたら高純度SiCの事業が別会社として運営され、リスクを犯さなくても社長になっていたのではないか、といわれた。

 

20年以上前の話を覚えていてくれたのだ。数え年100歳でもぼけていなかった。FDを壊されたりその他の状況で転職が辛い中での選択だった話をしたが、その辛さを我慢し留まるべきだったのではないか、と問われた。だから、今回新会社立上げという辛い道を選択した、と答えたら、そうか、という言葉以外何も言わなかった。

 

亡父は大変な読書家だった。亡くなったときに一番苦労したのが古書の処分だった。亡父の愛読書として残すのかどうか悩んだが自宅には保管する場所が無い。結局大半を廃棄することになった。本を整理していて亡くなる前の10年間仏教の本ばかり読んでいたことに気がついた。生前仏教関係の本をよく買っていたが、10年間は、全てが仏教関係だった。

 

読書が楽しみの一つ、というのが亡父の言葉だったが、生き続けることを努力しながら仏教関係の本を読んでいた姿を想像し親不孝だった自分の生き方を反省した。

カテゴリー : 一般

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