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2014.08/08 技術者の企画提案力(12)

企画に盛り込む技術要素については、事業により、あるいは経営者により考え方が異なると思う。自前技術を重視する会社と企業買収を得意とする会社で考え方も異なると思う。ここでは一般的な話を説明したい。

 

技術要素として知財の問題は重要である。それで特許に関する考察は、最初にやるべきというのが当方の考え方である。基本特許を取れる可能性があれば大変強力な企画になる。高純度SiCの合成法は基本特許であり、その公開前にゴム会社で周辺技術について抑えることができた。その結果、お客を持っていた他社からJVの声をかけてもらえた。特許に関する考察がまとめられておれば、企画に盛り込まれる予定の技術について独創性の判断ができる。

 

また、独創性のみならず、他社から技術導入が必要かどうかとか、企画に盛り込む予定の技術について実現可能性やさらには企画の可能性までまとめることができる。さらに特許出願件数のトレンドから先行性や、技術の応用発展性まで考察可能である。先行性については、企業別に整理された特許のトレンドデータが重要で、競合他社についてどれだけ時間的技術的に先行できるかがわかる。

 

このように特許調査から企画のネタを拾い上げることができるが、これだけでは企画として不十分である。通常の企画の指南書には市場情報あるいはユーザー情報として書かれているユーザーサイドの話をまとめなければいけない。立案中の企画を実現したときに、性能やコスト、品質面で大きな効果や他社に格差をつけることができるかどうかまとめる。

 

そして最後に量産技術や設備、周辺技術や商品化に必要な会社のリソースについて考察する。商品化に進んだときに過去のリソースをそのまま使用できるかどうかについて一番最初に技術面から考察を加えることは大切である。どれだけ会社に適合した企画であるのか(適社度)レーダーチャートでまとめてもよい。

 

カテゴリー : 一般

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