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2014.11/16 理研のSTAP細胞騒動

理化学研究所は14日、STAP細胞の論文不正問題の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(神戸市)を21日付で「多細胞システム形成研究セン ター」に再編し、筆頭著者の小保方晴子・研究ユニットリーダーを理研本部のSTAP細胞検証実験チームの研究員とすると発表した。

 

この発表から想像するとおそらくSTAP細胞の再現実験の進捗は芳しくないのだろう。WEBにはSTAP細胞騒動について様々な情報が流れており、中にはその分野の専門家でなければ入手できない情報を易しく解説している記事もある。凄い時代だ。

 

それらの記事を総合して判断すると、小保方氏のSTAP細胞の実験結果そのものがとんでもない勘違いだった可能性がある。すなわち細胞の初期化が不完全で死滅しそうな細胞をSTAP細胞と取り違えた、というのだ。

 

バカンティー教授についても、細胞の初期化の分野においてその力量に疑問を投げかける記事があった。ネイチャーなどの科学論文では何度も投稿し失敗したが、それを笹井さんが共著者として加わり投稿に成功する。そしてSTAP細胞の騒動が始まっている。

 

笹井さんに近い方の発言として、小保方氏の論文は火星人の論文だった、とネイチャー投稿前の笹井さんが語っていた、という衝撃記事もあった。某週刊紙に書かれた疑惑の関係の記事は大間違いで、笹井さんが惚れたのはSTAP細胞だった。また笹井さんの当時の研究所運営ビジョンを伺わせる記事もあった。

 

週刊紙の記事内容は恐らくとんでもない筋違いの記事だろうが、一部のWEBの記事は十分に信用に耐えうる内容である。すなわちSTAP細胞の騒動は力量の極めて低い偽博士(博士論文はW大学で再審査となったので現段階では博士ではない)が一発を狙って引き起こした事件で、科学的真理ではなく研究者の情熱に一流の研究者が騙されたために騒動が大きくなった事件として一般に報じられている。

 

当方は半導体用高純度SiCの開発でその技術と心中するぐらいの勢いで事業化を行っていたので彼女の気持ちはよく分かる。ただ当方はいつでも自分の情熱に巻き込まれた方々を気遣っていた。そしてその努力が自分の責任である、と事業化を推進しながら思っていた。

 

しかし、FDを同僚研究者にいたずらされ、自分の努力について大いに悩んだ。そして被害者ではあったが、ドラッカーの誠実と真摯という言葉を尊重し研究開発人生そのものをリセットする道を選択した。

 

事業は住友金属工業(当時)とのJVとして立ち上がり始めたときであった。学位は国立T大でまとめ上げ、取得間近であった。獲得したセラミックスの知識もすてて、写真会社へ転職して人生は大きく変わったが、ゴム会社で当方の情熱で始まったSiCの事業は現在まで30年近く続いており、当方は写真会社を定年退職しセラミックスから高分子まで、さらに技術から芸術まで幅広くコンサルティング活動を行っている。改めてドラッカーの誠実と真摯という言葉をSTAP騒動で思い出した。情熱を傾けて一つの仕事に打ち込むのは美しいが、その美しさで周囲を惹きつけたときの行動で、誠実と真摯さの有無が分かれる。

カテゴリー : 一般

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