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2015.02/11 イノベーション(2)

新入社員に対する講和は、わかりやすく心に響く内容であると忘れない。半年間の研修で多くの講師の方がイノベーションあるいは技術革新というキーワードを講和の中で述べられていた。

 

CIが導入されたときにも技術革新の方向として電池、メカトロニクス、ファインセラミックスの3つのベクトルが示された。有機高分子と無機高分子のハイブリッド前駆体を用いた高純度SiCの技術は、ゴム会社だけでなくセラミックス分野のイノベーションとも呼べる技術と思っている。

 

しかし、32年の技術開発経験から、このような技術革新の方法以外にイノベーションを効率よく引き起こす方法があると思うようになった。また、写真会社に転職してからは、意識的に高純度SiCのような技術革新を避け、新たなイノベーションの方法を模索した。

 

高純度SiCのようなイノベーションは破壊的な威力があり、革新という言葉にあっているが、6年間という長期間事業化で苦しんだだけでなく個人として失うものもあった。あまりにも効率が悪いだけでなく、企業で一人の従業員に期待するには残酷でもある。

 

高純度SiCの開発を行ってゴム会社から報われたのは学位だけであるが、学位も転職時のごたごたで、某大学の先生から寄付金を要求される事態になり、一度はあきらめかけた。つくづく一担当者がイノベーションを引き起こす難しさを痛感している。

 

企業でイノベーションを常に起こせる環境を作り出すには経営の努力が重要で、高純度SiCの開発では、かろうじてそれがあったので細々と続けることができたが、事業が立ち上がるまで、中間管理職のマネジメントが弱かった。ある騒動が起きてはじめて中間管理職も含め真剣に取り組んでもらえるような状況だったので、経営陣の理解があると言っても組織としてテーマが運営されていたわけではなく個人への負担が大きかった。

カテゴリー : 一般

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