活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2015.03/13 イノベーション(32)ドラッカーの場合

実はマネベーション8つの戦略は、ドラッカーのイノベーション論を参考に考え出したものだ。彼は、イノベーションのはじめの一歩は、「すでに起こった未来を予期する」ことである、と述べている。これは彼の著作によく出てくる言葉だ。彼の遺作では、これが「誰も見たことのない未来が始まる」という言葉になっていた。

 

ドラッカーの遺作は、過去の著作を読んだ経験から10年後以降の予言と思っている。この遺作の表現をどのように解釈するかは、後日述べるが、少なくとも現在と数年後程度までのイノベーションの方法については、「すでに起こった未来を予期する」ことが重要である。

 

これは、どのような短い期間の流行でも、その発生から社会に流行するまでに一定の期間があるので、この一定の期間の間に機会を活用すると、変化の先頭に立つことができることを意味している。このときの機会の活用にマネベーション8つの戦略は有効である。

 

1980年代に起きたセラミックスフィーバーは、材料技術にイノベーションをもたらし、今ハイブリッド車に活用されているSiC半導体を実用化に導いた。このイノベーションで小生は、6年間死の谷を歩くような苦労をしたが、その苦労の経験からマネベーション8つの戦略を思いついた。

 

ドラッカーもその著作の中でイノベーションを成功させるためには、小規模に始めなければならない、とか、イノベーションは簡単なものにしなければいけない、と述べている(「イノベーションと企業家精神」)。

 

すなわち、イノベーションを引き起こすのに限られた天才しかできない全くの新規創造物である必要はなく、今目の前に変化の兆しとして見つけた製品のマネでかまわないのである。これは自分の経験から思いを込めて力説したい。すなわち、イノベーションは機会さえあれば、その機会をとらえるスキルとイノベーションを起こそうとする意志があればだれでもできることだ。

 

カテゴリー : 一般

pagetop