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2015.05/25 アイデア出しのコツ

30数年サラリーマン技術者として活動してきた。周囲からアイデアマンと言われたが、それなりの努力とコツを活用した結果で、天性の素質に頼ったわけではない。コーチングで部下にアイデアを出させたりした経験から考察すると、アイデアの出ない人には一つの共通した特徴がある。

 

それは努力をしていないか、無駄な努力をしている人である。ある日、君は努力不足だ、とはっきり部下に言ったら、毎日努力している、と真剣に食い下がってきた。見所があると思われたので、あるコツを授けたら、その日から彼はアイデアマンになった。

 

この体験から、凡才がアイデアを出すには、絶対に努力とコツが必要だと思っている。今は某大手の副社長をしている友人が、高校生の時に「知恵のあるやつは知恵を出し、知恵の無いやつは汗を出せ」と書かれたZ会の添削答案を持ってきて、「皆で汗をかこう」と言っていた。

 

一緒に仲良く一年目は大学を失敗したが、3月に行われる入塾テストの成績順にクラスと席が決まる予備校で、「なぜ君が前の方に座っているのか」、と質問してきた。「君以上に汗をかいた」と答えたら、「俺はもう少し汗をかく必要があった」と笑っていた。

 

天性の才能のある人は才能に頼れば良いが、凡才は努力しなければ知識労働者として成果を出せない。ただ努力にもコツは必要で、そのコツのいくつかを弊社は提供している。凡才でありながらそれなりの実績を出してきたので、そのときのコツは誰でも活用できると思っている。

 

例えば温故知新は、最初に説明するコツで誰でも必ず新しいアイデアが出せるようになる。これは写真会社へ転職したときに、専門外の業務でありながら日本化学工業協会技術特別賞(注)を頂けるほどの成果を出せた、基礎知識が無くてもできる有効な方法である。

 

(注)昭和35年に公開された特許を実用化した仕事である。パーコレーションを真剣に勉強するきっかけになった。バブルがはじける直前の転職した時代は、スタウファーの浸透理論など科学の成果がまとまりつつある頃で、学会に必ず年に1回は参加する習慣の努力が結びついた。独自に開発したシミュレーションソフトを論文発表しようとしたそのときに炭素学会から同様のコンセプトのプログラムが公開された。その5年後には、高分子学会で導電性高分子のパーコレーション転移を論じた発表が出てきた頃である。パーコレーションそのものは数学者によりもっと古くから議論されていたテーマで、学問の普及の仕方を学ぶ機会でもあった。

カテゴリー : 一般

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