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2015.08/28 日本企業の目指すべき技術

20世紀末に急速な科学の進歩があり、それにより技術も急速に進歩した。また、アナログからデジタルへのイノベーションは、技術のパラダイムを大きく変えた。特に複雑なエレクトロニクス機器があたかもレゴのような組立技術で作られるようになった。そして半導体チップはどんどん集積化と小型化がすすめられ、さらに標準化により、汎用化も進んだ。
 
このような汎用化の進んだ技術をただ組み合わせただけの製品を日本で企画開発していたのでは、仮に特許を取得できたとしても、高々20年の独占しかできない。実際に基本特許の切れた液晶パネルと回路を組み合わせただけの液晶TVのシェアーを日本は大きく落としている。
 
ドラッカーは、企業の30年説をその著書の中で述べており、30年経過したら改めて事業の再定義が必要だと言っている。事業の再定義が必要と言っても資源の無い日本では、何かモノ造りをしない限り、その成長は無いので技術が必要な事業は日本に必ず残る。
 
とにかく時代は変わっても、新しいモノを作っていかななければ生きてゆけないのが日本ならば、モノづくりに必要な技術のパラダイムを見直さなければいけない。
 
高度経済成長では、科学立国日本が声高に言われ、科学技術の追求こそ日本の生き残りが約束される、とまで言い切った方がおられるが、科学のような形式知は情報化時代の現代において、やがて汎用化するのである。
 
一方技術を人類の歴史の中でとらえてみると、形式知に支配されたのは、高々300年程度であり、昔は実践知と暗黙知の伝承で技術開発が進められてきた。また日本のモノ造りの実際を眺めてみても、今でも強い企業というのは、参入障壁の高い市場で事業を行っている企業で、その参入障壁には実践知と暗黙知の光が投影されている。
 
科学にもとづく形式知は重要である。しかし、実践知や暗黙知も同様に重要であるにもかかわらず、形式知が重視されてきたのが20世紀の日本の技術開発である。実践知や暗黙知にもう少し目を向けてもよいのではないか。新しい時代の研究開発方法について弊社にご相談ください。
   

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