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2015.11/17 タグチメソッド

故田口玄一先生に3年近く直接タグチメソッドのご指導をしていただいた。写真会社がタグチメソッドの導入を日本では早い時期に始めたから大変良いチャンスに恵まれたと思っている。ちょうど転職した翌年に先生のご講演を拝聴し、その年に全社でタグチメソッドを行うということで推進委員に選ばれた。
 
ゴム会社では日本科学技術連盟(日科技連)が推進するQC手法が標準だったので、研究開発では積極的に実験計画法を使っていた。先生の著書「実験計画法」も愛読書として座右にあった。ただ、実験計画法で実験を行ったときに必ずしも最適条件が選ばれない、という問題によく直面した。
 
そこで実験計画法の改良を行い、物性値ではなく、相関係数を配置して実験計画法を行うと最適条件をうまく見つけられることを発見した。以来ゴム会社で実験計画法を行うときには、いつも相関係数を割り付けていた。
 
驚いたのは、我流で行っていたこの方法がタグチメソッドによく似ていたことだ。すなわち相関係数の割り付けは、信号因子を外側に割り付けしていることであり、相関係数はタグチメソッドの感度に相当する。我流の方法は感度最大の条件を見出す手法だったのだ。
 
ただ、田口先生は、感度の最大を求めるのは正しくなく、あくまでもSN比が最大の条件を選ぶように指導をされていた。これをロバスト設計と呼ぶが、それでは感度最大の条件を選ぶのは間違っていたのかというと、田口先生は状況によって、ロバストを犠牲にして感度を優先することはある。しかし、それは品質工学の考え方としてよくない方法だ、と否定はされなかった。
 
今コンサルティング業務は中国の会社が中心で、毎月1週間ほど上海に出かけるが、開発の指導はすべてタグチメソッドで行っている。日本で中国のモノマネ技術が問題にされたりするが、当方はコンサル条件に独自技術の開発、すなわち特許出願できる技術開発を心がけているので、当方のクライアントに関してはモノマネ技術とは無縁である。
 
 
  

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