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2015.12/03 管理職の仕事(1)

管理職の業務は業界によって異なるが、メーカーの管理職は、担当者よりも自由な時間は多い。各種書類作成に時間を忙殺されている管理職もいるかもしれないが、もし担当者よりも忙しい、と本音で感じている管理職がいるならば、仕事のやり方が悪い、と反省して欲しい。
 
何年か前にこっそりとその仕事を観察した管理職も忙しそうにしていたが、時々机の上を眺めてみると、どうでも良い仕事を転がしていた。写真会社に転職したときに、センター長付管理職という職分だったが、転職1年目という条件もあり暇だったので、自ら志願して担当者の仕事を手伝った。初めての体験であったが、写真感材の一連の開発業務を学ぶことができた。
 
研究開発管理部門の管理職としての業務は日々存在したが、転職したばかりだったので手続き業務などは知っている人に相談に行くと、事務担当の女性を紹介してくださり、彼女たちが皆親切に片付けてくださった。部門との調整業務にしても、新人と言うことで難解な交渉ごとにはならず、想定していた落としどころにうまく落ち着いてくれた(注1)。当方の積極的な性格も幸いしたのかもしれない。
 
OA化がかなり進んだので、少なくとも70年代の中間管理職よりも今の管理職の業務はかなり合理化されたはずである。OA化が進み始めた80年代でも、実験室で油を売っている上司の暇な姿を見てきたし、転職前の数年は、高純度SiCのマーケティングとセラミックス研究テーマ企画、他部門のお手伝いと超多忙な上司不在状態だった期間があり、その時には、研究管理部門の管理職の業務とは?という疑問を持ちながら死の谷を歩いていた。
 
この時は、予算管理も含めすべて自分で業務として行わなければならなかったので、すなわち管理職と担当者を兼ねていたようなものだったから忙しかった。転職することになる1年前に研究部門へ転籍してきた仮の上司にお世話になったが、予算業務が無くなった代わりに報告業務が増え、上司不在の時よりもますます多忙になった。
 
ただ、この上司がいてくださったおかげで、無事転職することができた。住友金属工業とジョイントベンチャーとしてスタートした高純度SiCの業務はこの上司が小生に代わり推進することになった(注2)。
 
サラリーマンとして変則的な扱いの担当者期間のおかげで、組織における中間管理職の問題を冷静に考えることができた。最近は、組織を簡素化する会社も増加し、ラインからはずれたマネージャーも多くなった。研究開発部門におけるラインからはずれたマネージャーは、組織への貢献を考える良い機会であり、いろいろと学ぶための時間もある。
 
(注1)転職した部署は、写真感材用の高分子材料技術開発を担当していた開発センターで、65歳のセンター長が運営していた40人程度の職場だった。そのセンター長付主任研究員という肩書を拝命したが、驚いたのは経理上赤字の職場で、転職して2ケ月ほどで予算業務に苦しむことになる。しかし、ゴム会社で高純度SiC開発を推進してきた経験から予算調整のツボを心得ていたので調整作業を難なくこなすことができた。
(注2)何かと親切な上司で仕事はやりやすかったが、転職のきっかけとなる出来事で相談したところ、当方の思惑とは異なる方向へ処理が進められた。当時の状況として誠実で真摯な処理ではない、ということで上司と衝突した。すでにJVの社長承認が下りた後だったので、業務がつぶれることは無いと判断し、泣く泣く転職を決意した。
 

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