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2016.06/18 科学の方法(5)

技術が科学を追い越したときに困るのは、周囲へ技術を説明する方法である。できあがった技術があるならば、まだ易しいが、これから科学では否定される技術を開発します、と言ったなら誰も相手にしない。
 
ゴム会社で提案した高純度SiCの技術(日本化学会技術賞受賞)もそうだったが、左遷され単身赴任した時に担当した中間転写ベルトの仕事は、科学の方法では失敗することが予見できた技術である。当時所属していたテクノロジーセンターでは一部の技術を担当していたが、誰も成功すると思っていなかった。それでもそれを担当してこい、と単身赴任することになったのである。
 
退職を間近に控えたサラリーマンとしてこれほど悲しい役割は無い、と思ったが、写真会社の14年間に酸化スズゾルの帯電防止層の開発(日本化学工業協会技術特別賞受賞)や変異原性のある材料を排除した接着技術、ゾルをミセルに用いたラテックス合成技術(写真学会ゼラチン賞受賞)、インピーダンスを用いた帯電評価技術、PENの巻き癖解消技術、色ずれしないプルーフの重要な技術(商品開発担当者が印刷学会賞を受賞)など数々の成果を出した意地があった。
 
悲しい役割と捉えるのではなく、転職者として多くの成果を出した当方ならばできるだろうと期待されての仕事として、前向きに捉え仕事に臨んだ。また、その時世の中には左遷という人事は無い、と言う人もいた。しかし給与が下がれば左遷だろうとその人に質問したら、今は皆給与が下がっている、という回答。前向きに仕事を捉えつつも、サラリーマンとしてこのような無駄な議論も当時している。
 
ただ、無駄な議論のおかげで腹が据わり、早期退職を決意して少し博打をする気持ちも生まれた。当方が日頃考えてきた方法を100%そのプロセスで使い、マネジメントしてみようと考えた。しかし、この企みは、新しく部下となったまじめなマネージャーにより一瞬につぶされた。仕方が無いので、それまでやってきたように科学の方法を表面にだし、当方一人で技術の方法による開発を進めることにした。
 
そのため、中間転写ベルトの製品搭載決定まで半年という短期間で効率的に行うために、弊社の販売している研究開発必勝法を用いた。この研究開発必勝法の基本的考え方について、未来技術研究所(http://miragiken.com)活動報告「科学と技術」に紹介している。
 
 

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