活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2017.11/30 不祥事の正しい問題

日馬富士が引退を表明した。事件から1ケ月程度すぎてからであり、これだけ決断まで時間がかかる点でも横綱の資質が欠如している。白鵬にいたっては今場所負けても駄々をこねたり、日馬富士の暴力現場にいてもそれを止めもしないで喜んで見ていたような屑の横綱である。このような横綱を許している相撲協会が、そもそも問題であるが、本日の問題は相撲関係ではない。

 

材料メーカーの不祥事について、材料メーカーの思い上がりとか、日本のモノ造りの危機とかいろいろ書かれているが、いい加減なコンパウンドの工程管理をして、材料起因の問題が発生しても部品メーカーの責任にしてしまう猛者もいる。

 

コンパウンドをどう分析しても材料がおかしいが、現代の科学ではそれをボス割れの原因と完璧にむすびつけることができない以上、材料メーカーは正しい、と開き直られたら、誠実真摯な部品あるいは製品メーカーの材料担当者は対処のしようが無い。

 

悪貨が良貨を駆逐するのが人の世だ、といっていた人もいたが、そんな目に遭った部品あるいは製品メーカーの材料担当の立場からは、材料メーカーのデータの改竄など親切なサービス行為に見えてくる。

 

品質データにかかわらず、会社内のデータを勝手に改竄するのは悪い、というのは当たり前である。FDを3枚も意図的に同僚から壊された当方の経験からすれば、子供でも分かる善悪の問題よりもそのような問題を引き起こした本当の問題こそ重要と感じている。

 

今回の不祥事では、いずれも品質管理データの改竄が問題になりながらも部品メーカーあるいは製品メーカーなど末端の製品品質では問題が起きていない。言い方を変えれば、「改竄しても市場で問題のおきない項目を品質管理していた」ことになる。製品品質に影響の無い項目について、余分な品質管理をしていた問題こそモノ造りの現場では真の問題として考えなければいけない。

 

実は、科学的に解明できていない品質項目に関してこのようなことが起こりやすい。一方材料では、工程が十分な管理状態にあれば、材料の原料管理を厳密に行えるという前提で、完成品の材料の品質管理を行わなくても良い、という経験則がある。ただし、この経験則は材料屋ならば暗黙知としても自信がありながら、かならず突っ込みがでてくるので公に言うのをはばかる経験知である。

 

この経験知に関して真剣に取り組まなければいけない時代である。

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー : 一般

pagetop