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2018.01/13 ドラッカーの遺言(6)

池坊氏が「たいへん傷ついている」と意味不明の声明を出している。今回の日馬富士問題について出した評議委員会の結論に対し、嫌がらせメールなどが届いているそうだ。その影響で携帯電話の番号まで変更した、とニュースは報じている。

 

ネットの反応のみならず、街の声でも多くの人が今回の日馬富士問題に対する日本相撲協会の対応をおかしい、と訴えている。当たり前である。被害者の責任者が加害者の責任者よりも重い処罰を受けているのだ。

 

今回の問題は喧嘩両成敗として処理すべき問題ではない。さらには、コミュニケーションに問題があったとしても、それが今回の本質となる問題ではない。

 

横綱が無抵抗の力士を道具で殴り、流血するほどの、さらには何針も縫うほどのけがを負わせ、その後、日本相撲協会の幹部はその事実を知りながら、犯人の横綱とその暴力を許していた横綱まで平然と本場所に登場させていた事実がある。

 

それだけではない。その加害者を預かる親方が事件の隠蔽をしている姿が堂々とTVで報じられていた。TVで報じられていたのだから隠蔽ではないと主張するかもしれないが、隠蔽できないようにしたのは貴乃花親方の毅然とした行動である。

 

ゆえに加害者の親方の行動が極めて不誠実な行為としてTVに映し出された。一般の人よりも大きな図体で、コソコソと隠蔽工作を行おうと動き回ったら目立つのである。大きな図体の人は悪いことをやってはいけない。堂々とした正しい行動が似合っている。

 

こうした一連のTVに映し出された光景に潜む問題に対する答えが、今回の評議員の発表なので、日本国民の多くが不満を持つのは当然である。そのような状況で、池坊氏は、改めて正しい答えを出したと主張しているのは、ある意味滑稽である。

 

ドラッカーが指摘しているが、「正しくない問題の正しい答え」に、はたして意味があるのか?池坊氏は今回起きた正しい問題とは何かをよく考えたのだろうか、と国民は怒っているのである。

 

ドラッカーは、こんな指摘もしている。「頭の良い人ほど、しばしば成果を出せない。それは正しい答えを出すことができても、誤った問題を解いていることに気がつかないからだ。」

 

(注)今回は、組織が隠蔽で解決しようとしているのに、幹部が反旗を翻した。その結果、悪事を隠蔽できなかったので、その幹部を組織の掟破りとして追放し問題解決した、というメッセージを池坊氏は発したのである。

 

カテゴリー : 一般

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