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2018.01/20 想定外の出来事に遭遇したら

昨晩の報道ステーションで先日の大雪で立ち往生した電車事故の反省を報じていた。そこで司会者がゲストの羽生棋士に、相手が想定外の手を打ってきたらどうされますか、と質問した。

 

想定外の出来事に対する判断について名人なら良い答えをすると期待して質問したわけだ。

 

しかし、質問された名人は司会者の質問に「想定外の手が打たれたときには、自分が初めてその局面に遭遇したときにどうするかと考える」とまともに答えてしまったので、頓珍漢な会話になった。

 

司会者がどのような回答を期待したのか知らないが、羽生名人の回答は司会者の質問に対しては名答である。ただし、先日の大雪による電車事故のコメントとしては司会者にとって困る回答だったようだ。

 

さて、羽生名人の回答だが、想定外だから、そこまで打ってきた自分の手を考えて反省しているよりも、まったく初めてその局面に対面したと捉えたほうが良いアイデアが出る可能性が高い、と考えてのこと。

 

当方も技術開発において想定外の実験結果になったなら、実験手順の反省以外に初めてその結果が得られた場合にどのように現象を捉えるのか、そしてその現象をどうやって処理したら良いのか、と考えて対応してきた。

 

それまで積み上げてきた仮説や形式知にとらわれることなく、新しい現象が得られた、あるいは新発見をした、と現象を捉え、形式知のみならず経験知や暗黙知を総動員して考える対応をしてきた。

 

司会者は羽生名人の回答に右往左往していたが、彼は決して頓珍漢な回答をしたのではなく、自分の経験から正直に回答したのである。

 

一方、立ち往生したJRは、従来通りの考え方に則りすべて自分たちで何とかしようと誤った判断をした結果、先日の事故となったのである。もし初めての大雪として対応していたなら、最悪の事態を想定した対応をしていたに違いない。

 

もし、司会者が羽生名人の回答の真意を理解していたなら、このように応えれば昨日の質問シーンでは何とかなった様な気がする。

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