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2018.01/26 ドラッカーの遺言(7)

ドラッカーは大学へ進学する前に就職している。対談集でその時の様子を述べているが、それは仕事を楽しむ一つのコツかもしれない。ドラッカーの対談だから軽薄な表現は使われていないが、貢献を説明しながらドラッカー少年の仕事を楽しんでいる様子が伝わってくる。

 

残念ながら雑誌に掲載されたこの対談集が手元にないので記憶をたどりながらの話になり、少し正確さを欠くかもしれないが、ざっとは次のようであった。

 

ドラッカー少年は編集者の秘書として雇われた。高卒だったので編集者のスケジュール管理程度の簡単な仕事が彼の役割だった。勤務して間の無いある日、経理部から編集者が領収書を提出していないので探して持ってきてほしい、という電話がかかってきた。探して持ってきてほしい、という言葉がひっかかり経理担当者に確認したら、彼のボスは領収書を紛失する常習者だった。さっそくドラッカー少年はボスの行動を観察したところ、毎朝出勤後ボスはポケットの中のゴミを捨てるのが習慣であることに気がついた。さっそくゴミ箱を探索したらごみと一緒に捨てられた領収書が一枚出てきた。彼は、毎朝ボスが出勤後ゴミ箱の中を確認する仕事を自分の仕事にした。毎朝の仕事にしたのは、昼近くに掃除婦が、ゴミ箱のゴミをすべて捨ててしまうからだった。彼は編集者の秘書を1年ほどでやめて大学へ進学したのだが、この時の仕事で組織に一番貢献したのはこのゴミ箱捜査だったという。そして知識労働者は常に貢献を軸にして身の回りの仕事を探す努力をしなければいけない、と述べていた。

 

おそらくボスが捨てたゴミの中には前日夜の飲み屋でもらった名刺やその他プライベートの生活がわかるゴミがあったかもしれない。彼は楽しみながら仕事をしていたに違いない。対談集にはニヤニヤ笑いながらとは書いてなかったが。

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