2018.03/03 流出NEMとハッカー
流出した仮想通過NEMについて、ハッカーの戦いが繰り広げられている。正義の成果を出しているハッカーをホワイトハッカーと呼ぶらしい。
その昔、白忍者と黒忍者が戦う漫画を読んだが、その漫画では、正義の味方であるはずの白忍者の衣装が次第に汚れて黒くなっていった。子供向けの漫画ではあったが、正義がやがて悪に変化する夢の無いストーリーだった。ホワイトハッカーという呼び名がよいかどうか、NEMが無事に本来の所有者に戻るかどうか興味深い。
コンピューターとそのネット網で機能するサイバー空間は科学の力で生み出された論理空間である。ゆえに100%科学で構築された世界でそこで発生する問題は論理で解決できるように思われる。さらに、そこには自然現象など存在しないと思われるが、そこで展開されているハッカーの戦いは、試行錯誤の戦いの様相である。
ニュースで報じられたこの手順を詳しくみてみると解析と試行錯誤の組み合わせで成り立っていることに気がつく。このNEMの問題は、解析結果から論理的に犯人を割り出してゆくか、あるいは論理的にNEMを犯人から取り返し持ち主に戻す手順を見出せばよいのだが、どのように解析するのかはハッカーの思いつきに頼っている。すなわち、科学で出来上がった空間の問題を、論理的に解決できない、という現象が起きているようだ。
だからNEMが今どのような状態になっているのか、犯人はどのようなルートを通っているのか、など結果の解析情報は紹介されているが、それでどのように解決されるのかという肝心な情報は全く見えてこない。おそらくNEMの持ち主は遊んでいないで早くNEMを戻して欲しい、という気持ちではないか。
科学の象徴のようなサイバー空間でありながら、そこで起きた問題を論理的に解いて結論である犯人逮捕ができないのだ。あるいは解決のための論理の道筋が見えてこないのだ。
この状況は、科学により生み出されたサイバー空間に、あたかも人間の欲望という自然が入り込んだかのようだ。ハッカーの戦いから科学の特徴とその限界を見ることができる。
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