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2018.06/06 知識(3)

知識の整理は大切である。特に科学者は、何が形式知で何が経験知なのか正しく整理できていなければ、業務遂行が難しい。

 

5月30日に行われた伸長流動のセミナーで千葉大名誉教授大坪先生は、そこのところをきちっと説明されていたので、当方の知識の整理に大変役立った。

 

ところが学者の中にはこれがきちっとできていない先生もおられるから大変だ。昔非晶質酸化スズゾルのご相談を某先生にしたところ、とんでもない話が飛び出した。

 

およそ形式知から外れた話で、おそらく勘違いしておられたのだろうが、このような先生から指導を受けている学生を一瞬心配した。具体的に書くと某先生の権威にも関わるのでここでは公開しない。

 

実は技術者も形式知と経験知を整理しておくことは大切で、それらが整理できていると暗黙知なるものを自己の中に具体化でき、新たな経験知を獲得した時に二倍にも三倍にもそれを増やすことが可能となる。

 

俗に一を聞いて十を知るとはこのことではないかとも思っているが、当方は転職し専門外だった高分子を生業とするようになってから、サラリーマン人生をあきらめ、このあたりをごみ拾いをするように丁寧に経験知を拾い上げ整理するようになった。

 

そこでタイミングよく宇宙人のような人に会って、暗黙知なるものを活かす術を得た。知識とは単なる情報とは異なり、必ず人間と結びついている。

 

情報が、情報として独立し、それを得た人により異なる知識が生まれるのは、まさに知識が人に結びついていることを示している。

 

「ボーと生きてんじゃない」とはNHK番組の五歳の女の子の決め台詞だが、同一情報に接触してアウトプットを出す人と出さない人がいるのは、ボーっと生きているのではなく、知識がある人とない人の差である。

 

知識は努めてそれを求め整理してゆかないと身につかないものである。情報を単に記憶し雑学博士となっても技術開発ができない理由はこれで、形式知をただひたすら求める学者も技術開発が不得意になる。

 

技術開発にはどうしても豊富な経験知と暗黙知が要求される。形式知は本を見れば書いてあるが、経験知や暗黙知は自ら技術開発を行わなければ身につかない。老体に鞭打ち、今年からまた中国で実験を始めた。

カテゴリー : 一般

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