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2018.08/30 体操協会のパワハラがおかしな展開に

体操女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江(18)が29日、都内で会見を開き、世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)の代表候補を辞退し、今季は試合に出場しないことを明かした。

 

(中略)

 

宮川は21日、暴力行為で日本体操協会から無期限の登録抹消などの処分を受けた速見佑斗コーチへの見解について、代理人弁護士を通じて発表し、処分への疑義や、引き続き同コーチの指導を望む意向を示し、直筆の文書で「金メダルという目標は速見コーチとだからで、他のコーチとでは私の望むことではないし、意味がありません。パワハラされたと感じていません」などと記していた。

 

以上は、スポニチWEB版の記事からの抜粋である。

 

その後、下記記事が公開された。

 

体操女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江(18)が29日、宮川への暴力により速見佑斗コーチ(34)に日本協会が科した無期限登録抹消などの処分に疑義を示した問題で会見を開いた。冒頭のあいさつで、宮川は日本協会の幹部からパワハラを受けていたと主張した。

 

さらに

 

速見コーチが処分を受ける前の7月中旬、日本協会の塚原千恵子女子強化本部長、夫で日本協会副会長の塚原光男氏に呼び出され、「(速見コーチに)暴力の話が出ている。認めないと厳しい状況になる。あのコーチはダメ。だからあなたは伸びない。私なら速見コーチの100倍教えられる」などと言われたという。

 

詳細はスポニチWEB版をご一読願いたいが、少なくとも公開された記事から見えてくるのは、コーチによる有能な選手の奪い合いである。

 

建前はパワハラだが、報じられている事実はあまりにも醜い。コーチによる暴力が良くないことは当たり前だが、有能な選手を奪いあう構図は問題である。

 

誠実に選手のためや組織の反映のためを考えるならば、速見コーチの指導がトップの仕事であり、罰することではないはずだ。今回の流れを見ていると、速見コーチを追放することが先にあり、人材育成の視点が欠けているところが組織の問題として浮かび上がる。

 

まず、追放という処分の前に暴力を用いた指導を辞めるように体操協会は指導した、という報道が先に無ければいけないが、いきなり追放である。過去の暴力を引き合いに出して追放という処分に何か胡散臭さを感じていたところ今回の報道である。

 

今回の問題は、全員が丸く収まるような解決の仕方を目指すべきだ。それは妥協ではなく、選手の将来を大切にした円満解決である。速水コーチを元の地位に戻しても問題ないのではないか。大切なのは暴力追放であって、速水コーチ追放ではないはずだ。

 

もし、協会のメンツなどを気にして円満解決を図らないとしたならば、それはまさに協会そのものがおかしなことになっている証と思われる。

 

宮川選手は実績もあり、東京オリンピックにおいて活躍が期待される選手である。もし彼女がこのまま消えるようなことになったなら、それは体操協会の責任である。一人の選手の問題として甘く見ていると今後体操協会を揺るがすような大きな問題に発展する。組織の問題とは、そのような性質である。

 

 

 

 

 

カテゴリー : 一般

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