活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2018.12/01 何となく科学

帰納法こそ科学の原点とか、科学は一種の思想であるとか、科学について諸説あるが、科学が論理学の誕生とともに成立したことや真理の追求が使命であることは共通した見解である。

 

誤解があるのは技術に対してであり、科学技術という呼び名がそもそも悪いような気がしている。科学が無くても技術の発展の歴史が存在しているからで、それゆえ科学は哲学という見方も出てくる。

 

それにかかわった日本のアカデミアのお粗末さが明らかになったSTAP細胞の騒動は一人の優秀な科学者が自殺した悲劇的な事件だった。そこに見え隠れしたのは科学を正しく理解していない多数の科学者の存在である。

 

未熟な科学者の引き起こした事件としてこの騒動をとらえる人もいるが、生化学の世界でSTAP細胞技術を開発しようとした無知な人を科学者として持ち上げた失敗が原因である。

 

この騒動は、第一線の科学者と呼ばれている人さえも科学やそれにかかわる倫理を正しく理解していない現実をさらけ出した。また、一流と言われている大学のいい加減さと無責任さを社会が知ることになった。

 

科学により加速された技術開発は20世紀に大きく進歩したが、そもそも科学とは何か、技術とは何かをそれに携わる人々が深く考えず現在に至っているように思う。

 

そのまま企業では研究部門の見直しやリストラがバブル崩壊後進められたが、果たして成果があがっているのだろうか。

 

1960年から1970年にかけての研究所ブームはその考え方が明確であり、アカデミアのような研究組織が各企業で作られた。大局的に見ればそれは一定の成果をあげバブル経済に貢献している。

 

ゴム会社では、日本を代表する合成ゴムメーカーを生み出す活動があり、その成功体験からLi二次電池や電気粘性流体、ファインセラミックスへの挑戦が行われ、高純度SiCの事業が30年経った今でも存続している(今年10月に㈱MARUWAへ譲渡された)。

 

今企業に必要なのは、やはり社会をイノベートできる技術開発を担当できる組織であるが、その組織構造は、研究所ブームの時のような科学を具現化したような組織ではなく、新しいコンセプトに基づく構造体ではないか。具体的には弊社へご相談ください。

カテゴリー : 一般

pagetop