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2019.01/11 研究開発部門の企画(6)

写真会社を退職前に担当した、PPS・6ナイロン系材料を用いた中間転写ベルトの開発では、中途採用1名と退職前の技能職1名で、本来の企画には予定されていなかったコンパウンド工場建設を問題解決型企画として立案し推進している。

 

これでも過重労働が発生している。当方は豊川へ単身赴任中、土日のほとんどを東京へ戻り、根津の会社の協力を得ながら、カオス混合技術開発に費やしている。ちなみに当方は名古屋に実家があり両親からは、名古屋に戻ったほうが安い、と嫌味を言われるような親不孝をしたことが後悔として残っている。

 

しかし、科学に反する技術の開発であり、成功を確信していたのは当方と8000万円の投資を約束してくれたセンター長だけだった。単身赴任したばかりの当方を信じていただけたことと根津の中小企業の社長の心意気が無茶な仕事のエネルギーとなっていた。

 

そして、世の中には存在しなかったカオス混合技術と、さらにフローリー・ハギンズ理論すなわち科学では否定されるポリマーの組み合わせの相溶系材料の創出を過去の経験知と成功体験を頼りにして開発を進めた。おそらく実務における人との交流で得られる喜びと言う対価を東大本田教授には理解できないだろう。

 

部下の課長は、中間転写ベルトプロジェクトは従来方針で進めますから安心して頑張ってください、と当方の行動を黙認してくれた。やさしく訳も分からず応援してくれる人たちがいるだけでも幸せ(?)だが、小説でもないのに社外からも助っ人が得られる状況で失敗するわけにはいかない。自然とモラールは上がるが仕事の対価としての個人の金銭面は交通費も含め赤字となり、実質賃金は目減りする一方だった。

 

新規コンパウンド開発とコンパウンド工場立ち上げには、少なくとも6人工数で1年必要なところ3人で半年間という短時間企画なので異常なパワーを発揮しなければならないのは当然である。

 

この時の企画は、働き方改革が叫ばれている今ならばありえない仕事の進め方だった。しかし、健康には気をつけた。常に健康第一で過重労働を行っている。休むときには二人のメンバーとともに大いに休み、仕事の遅れはリーダーである当方がすべて請け負っている。

 

 

カテゴリー : 一般

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