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2019.02/17 カメラの品質

ペンタックスの一眼レフを20歳の時購入して以来、45年間ペンタックスを使い続けてきた。しかし、デジタル化の流れの中で、安くなったニコンF100を購入し使い始めた。

 

ペンタックスと異なるシャッターを切った時の重厚感は、さすがはニコンF5弟と感じさせる感触である。

 

ある日ニコンD2Hが半額で投げ売りされていたのをみつけ衝動買いし、しばらくこのニコンカメラを使っていた。ペンタックスのデジカメも他社と遜色のない性能になってきたのでK20Dからペンタックスのデジイチを使い始めた。

 

その後投げ売りされていたペンタックスK7を購入した。このころのデジカメ新製品ラッシュと値崩れは、お客としてはうれしいが、メーカーの立場に立つと背筋が凍るようなところがある。

 

安売りにつられてカメラが増えた結果、運動不足の時にはニコンD3、遠出するときにはペンタックスK20DとK7の二台持ちと、状況に合わせて使うようになっていた。

 

八景島でボディーペイント世界大会が開催されたとき、その写真の部で一位を仕留めたのは、K20Dにリミテッド77mmレンズの組み合わせである。キャノンが協賛した某住宅メーカーのモデル撮影会では、あえてフィルムカメラF100に85mmf1.4レンズを組み合わせて参戦した。

 

このコンテストでは2位となり、キャノンの双眼鏡を頂いている。キャノンのデジタルカメラだったなら1位だった可能性はある、と言ってくださった人もおられたが、二位となった原因はフィルム選びの失敗にある、と当方は反省している。

(ちなみにその時の1位は、会場でPRしていたキャノンのデジカメ新製品「キス」で撮影された写真だった。)

 

この時のF100で用いたフィルムは「ママ撮って」という肌色が美しく映るコニカフィルムだった。ただその時のモデルは厚化粧であり、肌の表面に塗布された無機フィラーの影響がでたためと思われ、せっかくのこのフィルムの良さが生きていない写りになったのが残念。

 

「ママ撮って」で赤ちゃんを写すと本当にかわいく肌が健康的に写る。しかし、このフィルムで厚化粧の女性を写すと化粧品の影響と思われる色合いになってしまう。これは、美しい人は美しく、それなりの人はそれなりに写るフィルムとの品質の違いかフィルムの設計思想の違いかどうか分からないが、当時カラーフィルムを使用していてびっくりした現象だ。

 

ところで、写真フィルムの品質の違い以上にカメラの細かい部分の品質はメーカー間の違いが大きい。ペンタックスとニコンの両者を使ってきて思うのは、ペンタックスのカメラが価格のわりに高品質、と感じている。

 

なんといっても45年間ペンタックスを使ってきてクレーム0、撮影された作品がコンテストで高い評価を頂いた実績はプラスの印象になる。

 

しかし、ニコンのカメラについては、防湿庫に3年静置していたF100の裏蓋フックが触っていなくても自然と壊れたり、ブリードアウトでカメラがべたべたしてきたり、さらには6年前購入したストロボ用のほとんど使用していないコードが、ボロボロになって内部の線がでてきたり、と材料系のトラブルに悩まされ続けた。これでは、高価なニコンカメラの品質に対する印象が悪くなる。

 

いずれも品質期間を過ぎてからのトラブルなので、これらの困った問題でクレームをつけていないが、1ケ月ほど前にニコンZ6を購入したらD3で使用できていたストロボコマンダーがうまくストロボシューに入らないトラブルが発生し慌てた。

 

繰り返し脱着をおこなったらシューについていたスプリングが飛び出して壊れた。高い買い物なのに1ケ月で壊れたので冷や汗をかきながらサービスセンターに相談に行ったら、なんと品質保証期間を過ぎたコマンダーのシューの修理が必要という。

 

なんやかやと窓口で材料屋から見たときに明らかに材料の設計ミスと感じられる壊れたフックやボロボロ崩れるコードなど泣けてくる悲惨な話をしんみりとしたら、ようやくZ6のシューの部分を無償で検査修理するということになった。

 

このような体験から、ニコンのカメラは確かにペンタックスよりも優れた性能の部分があるが、使い勝手や値段を考慮したときの品質はペンタックスのほうが優れているような印象を偏見かもしれないが持っている。

 

また、ペンタックスカメラでニコンカメラより優れた写真が撮れたりする。すなわち安いから品質が悪いわけではない。安くても高品質という印象のペンタックスカメラが、なぜか世の中のシェアーと無関係に我が家では輝いている。

 

もし機会があればニコンの技術者に、高分子材料技術についてご指導させていただきたい。ニコンのくっきりとした男気のある写りは他社では味わえないので、ニコンカメラの弱点と当方が思っている材料関係の品質向上のために貢献をしたいと思っている。

 

今のままの品質ではソニーに抜かれるかもしれない。最近パナソニックもフルサイズミラーレスを販売したので、ツアイスだけでなくライカとも戦わなければいけなくなった。高分子材料技術が引き金となり、一気にシェアーを落とす可能性がある。

 

クリープ破壊で壊れたフックやゴムの配合設計に失敗したコードの被覆について、ちょうどよい事例としてセミナーでその問題をとりあげさせていただいた。また、デジカメの購入について相談を受けると迷わずペンタックスを勧めている。

 

ちなみに、今デジカメの御三家は、キャノンとニコン、ソニーでペンタックスのシェアは風前の灯状態である。しかしペンタックスは決して御三家に劣るような悪い製品ではなく、使いやすくて高品質である。おまけに低価格だ。

 

レンズやアクセサリーを廉価販売の店でそろえるとニコンの定価の半額程度で揃えられる。安いカメラであってもコンテストで優勝できるような写真が撮れるのでコストパフォーマンスは高いといえる。

 

高分子材料技術の観点で劣っていると感じたニコンカメラの話を書いて、キャノンやソニーについて欠点を書かないのは不公平と思われるので少しその体験を書く。

 

キャノンのデジカメをカメラ店で触っていたら、ファインダーカバーのゴム部分に亀裂を見つけた。ニコンD2Hが投げ売りされていた時である。亀裂が無ければキャノンのデジカメを買おうと思っていたのだが、ほんの一瞬問題を見つけたばかりに消費者の心理は変化した。

 

店頭品なのでお客の扱いが十分影響しているが、これ以外にもいくつか店頭品のカメラが破損しているのを見つけたので、キャノン製は壊れやすい、という誤った印象を持ってしまった。

 

壊れるぐらい多くの人が触り人気がある、と解釈もできるが、壊れている部分がもしかしたら設計起因ではないかと疑い始めるともう駄目である。

 

ソニー製品について同様のトラウマがある。初めて購入したペンタックスMEの買い替えを検討していたときに、木陰でモデルが水着を着替えるCMの影響もあり、思わずミノルタカメラを手に取っていた。しかし、プラスチックを多用したデザインが手にしっくりとこない。ふと見たら底部に傷が入っていた。

 

この時購買意欲が一気に沈み、その時安く売られていたペンタックスMEスーパーを購入し10年使い続けた。

 

キャノンやニコン、ソニーのデジタル一眼レフは、今や世界市場において寡占状態の商品である。一方で昔国民に愛されたペンタックスというブランドはどんどんシェアーを落としている。しかし、商品の品質について細かいところを見ると、必ずしもペンタックスの品質がこれほどシェアーを落とすほど悪いわけではない。

 

判官びいきではないが、キャノンやニコン、ソニーの商品には、ペンタックスに負けている一部の品質が改善されないまま現在の状態にあるように見えてくる。それが高分子材料技術の問題ならば、トップスリーのメーカーは弊社に相談された方が良い。

 

 

 

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